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平成28年度第2回 長崎原爆遺跡調査検討委員会

更新日:2022年4月19日 ページID:038505

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 被爆継承課

会議名

平成28年度第2回 長崎原爆遺跡調査検討委員会

日時

平成28年12月19日(月曜日) 10時00分~

場所

長崎市平和会館2階平和交流スペース及び山王神社

議題

・前回会議での意見・指摘等への対応について
・山王神社確認調査について

審議結果

事務局

〔前回会議での意見・指摘等への対応について説明〕

〔山王神社確認調査の概要の説明〕

山王神社二の鳥居は長崎原爆遺跡の一つとして史跡に指定されたが、境内地については調査が十分ではなく歴史的価値を明らかにすることができていない。二の鳥居が属する山王神社の遺跡としての範囲、内容を確認するために調査を実施するもの。

写真や神社関係者への聞取り調査をもとに、被爆当時の遺構の位置を推定し、境内地の中に調査区を4か所設定している。石畳の北側の西から東へ1区・2区・3区、石畳の南側を4区と呼んでいる。

調査の目標は、1、四の鳥居の基礎遺構の検出、2、被爆時点で参道石畳の北側に存在していた土塀遺構の検出である。

〔各区の調査結果の報告〕

1区では、地表面から約7cmの深さで黒色土層を検出した。この面で平面図の作成を行ったのち、下層を確認した。土壌の自然科学分析を行う予定。

2区では、四の鳥居の現在地表に露出している基礎から石畳を隔てた場所に調査区を設定し、基礎位置より下層まで掘削したものの、基礎の発見には至らなかった。

3区では、第2面から漆喰や天川と見られるものを検出した。これらは土塀の基礎や土壁に塗ったものの可能性があると考えている。

4区では、神社周辺の工事の際に出た大量のガラが埋められており、これを取り除いた。今後さらに掘り下げ、鳥居の基礎の構造と周辺土層の記録をとる予定。

委員

瓦が出土しているが、焼成温度と熱線による温度には差があると思う。熱線のほうが強ければ製作時の温度による影響は消える。熱残留磁気測定や示差熱分析などの方法で被熱の測定が可能かどうか検討してほしい。

会長

類似の遺跡がないため慎重に調査手法を検討することが重要だが、層位が見つかりにくいことと、その後70年しか時間が経過していないため、時間的スケールが狭いので非常に難しい。

また、この調査において一番重要なのは、原爆遺跡に対して、原爆被爆の前の状態、被爆時の被害、現在どうなっているかという一連の歴史的経過を包括的に記録化することだと考える。そういう意味で地層の記録は丹念に行うべき。

今後、長崎市内のどこかで原爆の痕跡があるようなところを調査する際の指針になるような調査を実施したい。

〔山王神社確認調査を行っている現地へ移動〕

〔1区にて〕

受託業者

〔土層の説明〕

上から1層目はバラスを敷くための層で、2層目は茶色の土に砕石が入っており、同じ高さに黄色い土がある。ここを2a、2bとしている。その下層に黒色の炭化物を含む層があり、灰色の土層が間に入っている。これを3a、3b、3cとしている。4層では瓦や遺物が含まれている。5層は暗めの土色で若干遺物がある。6層目を地山と認識している。

普通の生活で3層目ほどの炭化層ができるのは不自然であるため、瓦礫の後始末をしたと考えている。

会長

調査をある程度詳細に実施するのはよいが、視点がミクロに寄りすぎると解釈がかえって困難になる。ある程度大きなラインで地層を整理するほうがよい。

どの面が原爆に被爆した際の地表面であるかを明らかにする必要がある。

委員

普通のオープンサイトではなかなか出てこない遺構である。通常は表土層があって生活層があって基盤という三つくらいしか分からない。

科学分析の結果次第だが、遺跡にものを言わせることができる可能性がある。

〔4区にて〕

受託業者

〔土層の説明〕

1層目は硬く黄色い土で、昭和50年代に下水道工事をした際に地表面の高さを調整するために持ち込まれたもの。この層を掘り下げたところ、コンクリート片があったことから、石畳とこの場所の間には段差があったと見られる。鳥居の基礎の周りには少量の栗石が見られる。

委員

四の鳥居の礎石は全く動いていないのか。

受託業者

動いていない。証言でも裏付けられている。

〔2区にて〕

受託業者

この場所は恐らく側溝を入れる際に撹乱されている。出土遺物や、四の鳥居の基礎が想定される場所は側溝の下になることから四の鳥居の基礎石は撤去された可能性が高いと考えている。

会長

4区で露出している基礎と同様に、下に敷石を置き、その上に礎石を据えていると想定すると、敷石が残っている可能性もある。

委員

時と場合によっては、遺構のあり方を想定して掘ることも必要。

〔3区にて〕

受託業者

この調査区では土塀の痕跡を追うことが調査の主目的と聞いている。表土を除去したのち、掘削したところ、漆喰や天川状のものが出土した。神社関係者によると土塀は崩れたのちしばらく残っていたとのことである。

会長

被爆当時、出土している瓦が築地の上にあれば、被爆しているはず。分析を通して、解明できるかどうか検討してほしい。

委員

瓦の温度の分析は実施すべき。

会長

ある程度大きな自然石や瓦も取り上げること。取り上げる際には平面図で記録をすること。そして、分析できるか検討する。

この遺跡は、70年たって、町並みがこれだけ発展しているにもかかわらず、残存状況がよい。

委員

神社の境内であり、聖域だったことが関係しているのでは。

会長

鳥居の扁額や構築材が境内地に分布している。今回の調査で期間が間に合わないとしても、図化及び推定復元を視野に入れて調査してほしい。

委員

天川については長崎市内で使用されている箇所が複数箇所あるが、体系的な整理がなされていない。端島でも着手されているようだが、こことの対応を見ることも重要。

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電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

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