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令和2年度第2回 長崎市平和宣言文起草委員会

更新日:2021年6月3日 ページID:036834

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 平和推進課

会議名

令和2年度第2回 長崎市平和宣言文起草委員会

日時

令和2年7月4日(土曜日) 10時30分~

場所

長崎原爆資料館地下1階 平和学習室

議題

令和2年長崎平和宣言について

審議結果

【委員長】

おはようございます。今日は2回目の平和宣言文起草委員会ということになります。例年とは違って、今日が一応最後の起草委員会ということになります。

今日はもともと10時からの予定でしたけれども、新型コロナウイルス感染陽性の方が1名確認されたということで、急遽記者発表の予定が入りまして、少し時間が遅れてしまったことをまず皆さんにお詫び申し上げたいと思います。

そして今回の長さなんですけれども、前回様々なご意見を頂いたことを踏まえて、出来るだけ取り入れて案を作成させていただきましたけれども、全体として一つのストーリーにするというところで難しい部分がありました。分量で言うと、これまでで最高に近い長さになっていると思います。

その中で特に大きく変わった部分では、やはり被爆者の方の生のお声を入れた方がいいという意見がたくさんあったことを踏まえて、木野普見雄さんの手記からの文章を入れさせていただいている部分で、かなり文量が増えていることが一つ。それから、75年を受けての賛歌ということで、これは踏み出した表現になっていますけれども、拍手を送るという、75年経って改めて伝え続けてきてくださった被爆者の方への感謝と敬意をどう表現するのかということの一つの方法として挙げさせていただいています。これについても、様々な意見があると思いますのでぜひご意見を共有していただければと思います。

なお、今日の委員会を踏まえまして、必要があれば、例年ですけれども、小委員会を開催させていただく可能性があるというふうに思っていますので、もし大きな変化や構造上の変化がありましたら、その中で最終的に議論しながら詰めていきたいと思っています。

いずれにしましても、今日は全員でご意見をいただく最後の大事な機会ということですので、忌憚のないご意見のないご意見をいただきますようお願い申し上げまして、冒頭のご挨拶にさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

それでは委員会の議事に入っていきますが、今回もお配りしている平和宣言文をもとにご意見を頂く場ですので、まず私の方で平和宣言文案を朗読させていただきたいと思います。当日、平和公園の現場におられるというイメージを共有してお聞きいただければと思います。

(素案朗読)

それでは、ご意見をお伺いしたいと思います。

お願いします。

【委員】

はい、よろしくお願いします。

毎回同じことを言っているんですけれども、ほんとに事務局の方の多数の意見を反映していただいて、見事にまとめていただいていると思いますので、まずはその敬意を表したいと思います。

全体的にバランスよくまとめていただいたと思うんですが、第1案に比べて被爆体験の記述が加わったことと、被爆者への参加の拍手が入ってですね、大変良くなったと思います。

一方でやはりNPT50年の節目についてと、それから核軍縮に逆行する現在の状況と核兵器の脅威についての記述が全体として少し弱くなったかなと。それからコロナの感染症の話と今回の宣言の核軍縮・核問題との繋がりのところがもう少しなんとかならないかなというのが私の個人的な意見です。

ではまず、5行目の「地球に住む私たち全員が当事者である」の当事者なんですが、声で聞いても当事者という言葉がちょっと分かりにくいので、長くなってしまいますが、「加害者にも被害者にもなりうる」ということを明記した方がいいんじゃないかと。

それから6行目の「取り返しのつかない事態を招く」というのも、もうちょっと具体的に、例えば自然を破壊し私たちの命を無差別に奪うというふうな説明というか、表現をきちんと変えた方がいいかなと。字数が増えてしまうのでどこか調整が必要かと思いますが。

それから18行目のですね、細かいところなんですが、自分の国で広がり始めるというふうになってますが、私達っていう表現ですので、自分の近くでという他のところで起きても自分にさがってきてないということがあるかもしれません。自分の近くでというのがいいかもしれません。核兵器の恐ろしさも強調したいので、核兵器の本当の恐ろしさを十分に感じていないと。

それから22行目のNPTの成立からとありますが、成立はおそらく67年で発効は70年ですので、正確には発効の方がいいかなと思います。

それから私が一番悩んだところですが、25行目のところですが、INF全廃条約の破棄に関わる文章が長いので、去年も入れていただいたので、今年の強調はむしろ核兵器国が核軍縮ではなくて核軍拡にもう逆行してしまったと、それぐらい言っていいんではないかと、そういう文章にしていただいたらどうかなと。具体的にはですね、「核軍縮の流れに逆行し、新たな核軍拡競争を始めるなど」というふうにしていただいて、それでアメリカロシアが最初に上がってますが、「築き上げた約束を」の前に「核兵器国は」ということで全部核兵器国がやっている、核軍拡に走っているということで付けていただきたいと。

核兵器が使用される危機という27行目ですが、危機という言葉より脅威の方が私は何か迫ってくるかなっていう感じがしたのでこちらの方がいいかなと。そこが一番悩んだところですね。

あと次のページは54行目ですね、ここは核兵器のない世界っていうことが言われていますが、おそらくコロナの関係もそうなんですけど、軍事力に頼らない平和というのがキーワードだと思いますので、軍事力に頼らない平和な世界を、そして核兵器のない世界、もし字数が多ければ、戦争がない世界を目指すっていうことを強調していただきたいなと。

それから58行目のところですが、これ56行目に世界各国の指導者に訴えますとありますが、やはり核兵器国に直接訴える文章がないので、もしできれば58行目のところの来年開かれる予定のNPTのところは、特に核兵器国に訴えますっていう核兵器国の指導者に訴えますというふうにしていただいたくと核兵器国へのメッセージになるかなと。

それから、61行目の核兵器の恐ろしさを知る国というふうにありますが、これ体験したということの方が、頭ではなくて実際に体験したという表現の方がいいかなと思います。

それから最後は、66行目の福島の皆さんへのところなんですが、復興に努力するっていうのはそうなんですが、やはり私の実感としてですね、未だに被災者として苦労されているという、復興という言葉よりまだまだ被災者として苦闘を続けている福島の皆さんという、その方が福島の皆さんには力になるんじゃないかなと。というのは、最近の感じとして、オリンピックは延期になってしまいましたけれども、オリンピックができたら復興が実現したかのような表現が多いのですが、私はまだまだそうではないということを強調したいと思います。私からは以上です。

【委員】

今回の平和宣言文案は前回よりかなり改良されていまして、良くできていると感じます。

ただ、2、3気になる点がございます。簡単に述べさせていただきます。

8行目から14行目、作曲家の木野普見雄さんの説明のところで、『山里小学校の「あの子」、城山小学校の「子らの魂よ」など原爆にまつわる曲を数多く遺した木野普見雄さん』とした方が市民に親しみがわくんじゃないでしょうか。手記の内容は、被爆の実相をよく伝えているものがあります。

18から19行のところですけど、「しかし私達が新型コロナ感染症は日本に広がり始めるまでその怖さを軽視してしまったように」は削除した方がすっきりすると思います。コロナと関連付けようとする意図はわかりますけど、コロナを多用するのは如何なものかと感じます。宣言文を世界に発信する時に、コロナが核兵器より恐ろしいものだと感じる国、あるいは人々がおいでになるんじゃないかと思います。

42から46行目、被爆者に拍手を送りましょうの部分は、初めての試みとして新鮮なアイディアであり、はたして会場から賛同の拍手が巻き起こるのかなと思いました。拍手は、元来喜びとか勝利とか感動とかプラスの時の行為なんじゃないかなと、少し雰囲気が違うんじゃないかなという気がしました。

66から71行目、「福島の皆さんを応援」「広島、沖縄、そして戦争で多くの命を失った体験を持つまちや平和を求めるすべての人々と連帯して」とのフレーズは、戦争や紛争が終わっていない世界中の人々との連携を呼びかけるうえでも非常に貴重な感じがします。ぜひ宣言文の中に入れていただきたいと思います。

最後に、長崎市として被爆継承に取り組む強い決意を示していただき、被爆後100周年を十分に見据え、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてほしいと思います。以上です。

【委員】

委員長をはじめとするスタッフの皆さん、よく私達の前回の声を取り入れてくださいましてありがとうございます。

私としては大体このままで良いとは思うんですけれども、先程他の委員が言われたところは直してもらえればと思います。

私としては、被爆者としては、63行目ですね、「今なお原爆の後障害に苦しむ被爆者」という言葉が書いてあるんですが、私達被爆者は国家補償に基づく援護法を求め続けているわけです。だから、その声を世界に広げていく、日本政府に訴えるということが大事じゃないかなと思います。そのところを書き直していただければなと思います。

それから、被爆体験者に対する救済というのは、被爆体験者も被爆者として認めてくれということを運動として裁判でも負けましたけれども、やっぱり求めてるわけですね。そういった点で、被爆体験者も被爆者として認めてくださいっていうことを入れてほしいなと思います。

それから66から67行目の、もう少し具体的に福島の人達を応援するというんですかね。例えば、いま福島ではまだ4万人近くの人達が避難生活をしているわけですけれども、それに対して国とか東電はもう保障を打ち切ると言っているわけです。それとか地下水の汚染水を薄めて海に放流すると、そういったことを言っているわけですから、せっかく9年間で風評被害も無くなろうとしていく中で、また大変なことになると思います。そういった点で、具体的に海洋放出には私たち被爆地としては反対だということを訴えたらどうかと思います。

それからもう1つは、24から28行目までのところです。いま中国の動きが海洋の問題とか、インドとも武力衝突が起きているわけです。そういった点で、中国の覇権主義とか民主主義を抑圧することに対して注視をしていかなければならないということで付け加えていただきたいなと思います。

以上です。ありがとうございました。

【委員】

ほんとによくまとめていただいてありがとうございました。

いくつか述べさせていただきます。

まず、私も木野普見雄さんの紹介は少し説明が必要かなと。例年、城山小学校の生徒さんたちが式典で合唱をしていますので、そのことと関連付けて紹介できないかなと感じました。

それから、18から20行目のところですが、この「私たちが」っていうのはもう省いて主語を「世界」に統一してはどうかなと考えました。

それから31行目ですが、無くすべきだという人類の意思でもいいんですが、やはり議論の中で出てきた非人道性という言葉を使った方がいいのかなとも感じました。私はもっと踏み込んだ犯罪性とかそういった言葉で表した方が強まるかなと感じた次第です。

それから、32行目の「この条約を作るのはまだ早すぎるという声」というのは、核保有国はステップバイステップという論理を持ってきているので、ここは例えばこの条約の手順が性急すぎると言っているという形で表現してはどうかなというふうに感じました。核保有国の言い分としてですね。

それから2枚目にいきまして、42行目、このパラグラフの後に「若い世代の皆さん」とうふうにあるんですけれども、今年は若者が浮かび上がってきたっていう感じがしますが、これまでは市民という言葉が結構使われていたと思います。今回、市民という言葉がないんですけれども、50行目の「平和の文化を社会に根付かせて」というところに市民という言葉を入れて、市民社会とか市民というのを浮かび上がらせることがあった方かいいんじゃないかと思いました。

それから拍手をするところですけれども、パラグラフですが43から46行目、核兵器禁止条約などの具体的な成果に言及してはどうかなというふうに感じました。被爆者の果たした役割としてですね。

それから53行目ですけれども、私の実感としては、今回コロナに関しては若者が積極的な役割を与えられたというふうにはあまり感じていません。むしろ休業によって犠牲になる、自粛や忍耐を要請される、そういう立場にあったのかなと思いますので。ちょうど冒頭でコロナと地球温暖化と核兵器の問題を指摘されてますので、ここはグレタ・チェンベリーさんに世界中の若者がこうして声を上げたとか、そういったところを引用したほうが世界に向けては説得力があるのかなと思いました。

それから54行目のところですが、「核兵器のない世界に続く道を」というところが、ちょっと抽象的かなというふうに感じました。もう少し具体的に、若者の声を届けるとか連帯の輪を広げるとか、あるいは長崎の1万人署名なんかを取り上げていただいて日本の若者を鼓舞するような、そういった呼びかけになってもいいのかなと感じました。

あと細かいところとして4行目ですが、そしての位置を「新型コロナウイルス感染症、地球温暖化、そして核兵器の問題」というふうに核兵器の前にもってきた方がいいのかなと思います。

それからこれも細かいことで、61から62行目ですが、個人個人にも訴えているので、「核兵器禁止条約の署名批准を実現してください」というふうに政府・国会議員両方主語として成り立つように表現したほうがいいかなと思います。以上です。

【委員】

そうですね。全体的に色々な意見を入れていただき本当に大変だったと思います。

今回の宣言文を読んで、私どうしてもこの冒頭の言葉っていうのが違和感があるんですね。出席者500っていう風景はコロナのせいであるけれども、それを決めたのは長崎市であって、その状況というのは見れば分かることなので、それは入れなくてもいいんではないかなっていうふうに思います。それよりもやはり、75年という節目のときに何があってもここに行くんだっていう方々が絶対たくさんいらっしゃったはずなので、その方々の存在を感じていますっていうような形で始まった方が、その方々への声を届けたいなっていうふうに思っています。

例えば、「私の声が届いていますか。75年を迎えたこの日。ともにこの場で祈り世界平和を願うはずだったあなたへ。あなた方の姿がなくても私は感じています。皆さんの想いを。」とか。この場にいらっしゃらなかったっていう無念さを汲んでますというような入り方をしていただきたいなというふうに思います。

その後に、「新型コロナウイルスの発生により、私たちを取り巻く世界が一変しました」っていうふうに続くんですが、この世界が一変したっていうことを75年前の被爆地にかけて欲しい、かけたらどうかなと。

この後に、「75年前の8月9日原子爆弾によって一変した長崎」っていうふうに過去から戻して、そこで作曲家の木野普見雄さんは手記にこう綴っていますということで木野普見雄さんの言葉を入れて、この惨禍を忘れてはならないと音楽を通して平和を叫び続けたのです、全ての被爆者は同じですっていうふうにそこを関連付けてまとめたほうが冒頭の部分としてはすっきりなるんではないかなというふうに思いました。

ですから、その4~6行目をその下に持ってきたらいいんじゃないかなと流れとしてはそのほうが理解しやすいような気がします。

22から28行目、これは私にとっては理解しやすくてこのままで良いと思います。

30行目のですね、終末時計のことを説明して「残り100秒」と書かれているんですが、これは「残り100秒。地球滅亡までの時間を示す終末時計は過去最多を示しています」と、最初に残り100秒っていうことを強調した方が何かインパクトがある差し迫った感が出てくるんじゃないかなというふうに思いました。

あと、38から51行目までローマ教皇の言葉を書かれてるんですが、これ長崎で言われたローマ教皇の言葉から抜かれているんですが、これ少し要約しすぎて一致団結という言葉がなんかもうあまりにも表だって強調され過ぎているんじゃないかなっていうふうに感じます。教皇の言葉の中では、相互信頼に基づく強い一致団結を表しているんだと思うんですが、文中の一致団結の表現は、私はどうしても暴力的っていうか、意志だけじゃなくて報道の暴力的な感じが高まっているような感じがするので、後の相互不信との対比もできないし、この最初の相互信頼にも続く意志を持って一致団結してるっていう意味をちゃんとこの中に留めた方がいいんじゃないかなというふうに思いました。

あと、宣言文の後のほうにも相互不信っていう文章が出てくるので、この56から64行目のローマ教皇の言葉の後にそのまま続けた方が、この相互不信がきちんと理解できます。

この宣言文はよくできているんですが、何かこう同じような言葉がバラバラになってるので、同じ意味を持つ文章というのをそれぞれまとめた方が私は理解しやすくなるんじゃないかなっていうふうに全体的に感じました。その後に「世界の皆さんに呼びかけます」っていうことで、10秒の拍手であったりとか若者への訴えであったりとか、そういう強い意志から皆さん全体的に眺めるっていう形で。そこが東日本大震災の方々の想いを求めて、後、宣言しますっていう言葉に流れを持ってきた方が、流れとしても波がきちんと繋がっていくんではないかなっていうふうに感じます。

あとですね、ピースフロムナガサキっていう言葉も後の方に持ってきた方がなんか語呂がいいような気がします。

それと、広島長崎は分かるんですが、どうしてここに沖縄が入ってくるのか、沖縄だけを入れたのかが私には理解できませんでした。それよりも、その冒頭文頭の方に書いたように、この場に来られなかった方も含めて、長崎から平和を願いたいっていう人の存在をこの最後の文章もに入れていただけたほうがいいんじゃないかなと思って。

原子爆弾で亡くなられた方々に心からの追悼の意を捧げ、長崎に心を寄せ、平和を求める全ての人と連帯し、ピースフロムナガサキを胸に、核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くし続けることをここに宣言します。ていうふうに、なんかこう広く見た方が今年に限ってはいいんじゃないかなっていうふうに思いました。

はい。これだけです、ありがとうございます。

【委員】

私はまずは35行目のところなんですけど、「決議第1号であることを、核保有国は思い出すべき」のところで、核保有国と核の傘のもとにいる国っていうふうに、核兵器に依存している国に対して言った方がいいんじゃないかと思いましたので「核保有国だけじゃなくて、核の傘のもとにいる国日本も含めて」を入れていただければといふうに思っています。36行目に「人類が自らと交わした約束の重さ」ってあるんですけど、この約束っていうのは核兵器廃絶を指しているということで良いんですかね。はい。そうであれば、その約束を明確に「核兵器廃絶という約束」というふうに書いていただいた方がいいかなと思います。

拍手のところなんですけども、やはりその場にそぐわないんじゃないかという意見もありましたけども、そういう気持ちを表現する場所っていうのを作っていただけるのであれば、ぜひここで私は感謝を込めて拍手を送りたいなという思いがあります。

ただ、この拍手までの文がすごく長い、1文がすごい長いなっていう印象があって、切れるのであれば切った方がいいと思いますし、コロナの部分の説明があるんですけども、そこはなくてもいいのかなとちょっと思ったりはしていました。

50行目のところに「確信を持って、たゆむことなく」っていうふうに書いているんですけども、ここはぜひ力強く伝えていただきたいと思います。

若い世代のところの最後で、「核兵器のない世界に続く道を一緒に歩んでいきましょう」のとこなんですけど、前回、「次の時代を切り開いていきましょう」というような表現があったので、ここにもその道がないわけではないですが、あるものはたどればたどり着くような感じでとられてしまいそうな気がするので、そうではなくてやはり私達が動く必要があるっていうことを含めた意味で、「核兵器のない世界に続く道を共に切り開き、そして一緒に歩んでいきましょう」というような表現にしていただければなと思います。

61行目の日本政府と国会議員に対してのところで、「核兵器の怖さを知る国」というところなんですが、ここは「怖さ・非人道性を知る国」もしくは「体験した国」と、入れていただきたいなと思います。

はい以上です。ありがとうございました。

【委員】

前回説明していただいた案よりもだいぶ形になっているということで、その点については、こういう形でまとめられた事務局の方には感謝を申し上げたいと思います。その上で何点か意見を述べさせていただきます。

冒頭の言いだしのところなんですけども、確かに今年の象徴とするような言いだしになっていて、前回も発言があったかと思いますけど、やはり75年っていうのを長崎でということで主張するべきだということを鑑みて、8行目からのこの木野普見雄さんのところを冒頭に持ってきてはどうかというふうに考えました。

ですから、この75年前の8月9日ここから入っていくという表現の仕方でどうかと思いました。20行目までを言って、その後に続けて、冒頭の「今年の原爆式典は」に繋げていくということにしてはどうでしょうかと思いました。

そして、ちょっと前後して申し上げますけれども、先ほどの他の委員がおっしゃられた、例のローマ教皇の表現のところです。38から41行目ですね。ここの下りが、42行目以下の部分に全てにこう、通ずる形としてこの部分リード部分に持ってきたっていうんであればこれでいいと思うんですけども。先程もおっしゃられたように、56行目から繋げるっていう形の、もしそれが出来るのであれば、この56から64行目のところをローマ教皇の41行目の後に持ってくると。持ってきてその後に世界の皆さんに呼びかけるという形の流れにしたらどうなのかと思いました。

その上で、個別に何点かにわたり色々言わせていただきたいと思います。4行目の「世界に広がっている新型コロナウイルス感染症そして地球温暖化」、また5行目のところにも、「そして」っていう言葉が出てきます。このリターンをなくすために、この4行目のところは「世界に広がっている新型コロナウイルス感染症と地球温暖化」その後に読点で表現してはどうかと。「地球温暖化、核兵器の問題には」という形にしてはどうかというふうに思います。

そして、31行目のですね、31から32行目にかけて核兵器禁止条約があるんですけれども、このところの32行目のところに「核兵器国や核の傘のもとにいる国から」なってるんですよ、「から」これがあります、ちょっとだけ違和感があったんで、ここは核兵器核の傘にいる国「には」とされたらどうかと思いました。

それと、36行目の「そして人類が」っていうくだりは、その前のところが「核保有国は思い出すべきです」と止めているので、ここで止めてしまった方が訴える、演出上こっちの方が効果的じゃないのかと思って。この36行目はそのまま削除してはどうかというふうに思いました。

38から40行目ローマ教皇の言葉ですけれども、ここに39行目から「一致団結して応じなくてはなりません」と述べ、『「今、拡大しつつある相互不信の流れを壊さなくてはならない」と断言されました』とあるんですけど、ここはもう40行目ところの「~と述べ」は取ってしまったらどうかと。『~なりません。そして、「今、拡大しつつある~」と断言されました』としてはどうでしょうか。

それと、その後に続く拍手のところですけれども、確かに43から46行目までが3行続いて長すぎる。それで、コロナのところの44行目のところ、「送ったように」を「送りました」で一旦止めてしまってはどうかと。

そして、「つらい体験を語り続け」の続きが「警告を発し続けてきた」っていうことなので、最初のところを「被爆体験を語り」で止めたらどうだろうかと。そして「世界の人たちのために警告を発し続けてきた被爆者にも」としたらどうか。そうすることで、最初のコロナのところと同等な形で表現できるんじゃないかというふうに思いました。

あと、54行目の「地球を守り、人類を守るためにも」とあるんですけど、「にも」っていうのは取ってしまってはどうかと。「地球を守り、人類を守るため、あなたの力が必要です」。

そしてその後の、「核兵器のない世界に続く道」は、「に」じゃなくて「へ」の方が分かりやすくないでしょうかと思いました。

そして、56行目の「被爆地から世界各国の指導者に訴えます」。これ被爆地から出しているメッセージなので、あえてそこまでやる必要はないと思いますし、そのまま「世界各国の指導者に訴えます」としたほうがスッと入ってこないかなと思いました。

60行目の「日本政府と国会議員に訴えます」。ここで1回改行していただきたい。「日本政府と国会議員に訴えます」で改行をして、「日本国憲法が」という形で表現していただけないかと。

最後に沖縄が69行目に出てきました。今年の沖縄の慰霊の日に、沖縄知事が「広島長崎と連携して戦争のない、核兵器のない世界を築いていきましょう」という形でメッセージとして発しました。やはりそれに応えるために、長崎からも沖縄のことは意識してきちんと言及すべきだというふうに思いました。

以上です。

【委員】

私も、皆さんもご発言になりましたように、ここにおける論議の経過を十分に反映した形でこのように素晴らしくまとめていただいたことに、事務局の皆さんには大変心から感謝を申し上げたいと思います。内容的にも特段私は申し上げることはございませんので、まさにそのままでもよろしいんですけれども、片言隻句といいますか、用語の一つ、二つについて勝手な意見を言わせていただきたいと思います。

最初の1行目、「出席者わずか500人。」と丸印がついておりますが、この後の「コロナウイルスの発生により」が原因と因果関係が分かるわけですが、いきなり出だしでですね、出席者はわずか500人と言いきることが、今回このことについての外部の賛同者が非常に少ないような印象を与えはしないかという感じがいたしますので、ここは何か下の段との連携をもう少し文章として上手くくっつけた方がいいんじゃないかという感じがいたしました。

それから14行目ですが、「丸太のようにゴロゴロと~さまよう女」とこういう形で書いてありますが、これは木野普見雄さんの文書を引用したものですからそれでよろしいんですが、あんまり「さまよう女」という表現というのがですね、女性蔑視の考え方がそのまままだここには流れるような感じがしてですね。せっかくのこの今回の訴えようとすることの価値を少しそぐような感じがしないでもないのかなという感じがいたしますが、これは木野さんの文章を引用したということだから皆さんもそれはお分かりいただけると思いますが、なんとなく時間の差があるから。こういった文章も、その当時は当たり前のことと思うんですが、本来のこの訴えの趣旨から言ってですね、これはどうかなという感じが、これを引用したこと自体がどうかなという感じがしないでもないくらい、さまよう女っていうのはそれだけ原爆被爆者の女性が本当に大変な状況の中にいた、こういう人たちをさまよう女という形で言いっぱなしにするっていうのは、私はちょっと適切な表現ではないと思います。木野普見雄さんの文章だから仕方がないということであればそれで。

それから17行目ですが、「二度とほかの誰にもさせてはならない」というのは仮名で書いたほうがよろしいのでしょうか、それとも漢字の他という字で書いた方がよろしいんでしょうか。これは私はよく分かりません。わたしは漢字のほうが適切ではないかという感じがいたします。

次に55行目ですが、「核兵器のない世界に続く道を歩んでいきましょう」の「いきましょう」というのはどうなんでしょう。正確な日本語として、「ゆきましょう」という発音が本当の用字法ではないかなという気がしないでもない。ですから、本当は漢字で「行く」という字を書いたほうがよろしいんじゃないでしょうか。仮名で書くならば、やゆよの「ゆ」の「ゆきましょう」が本当ではないかという感じがします。

それから60行目になりますが、「日本国憲法が掲げる平和の理念を永久に堅持してください」は、永久にというよりもこれは「永遠に」という遠い永遠の言葉の方がわたしは適切ではないかというふうに思います。

それから63行目ですが、「今なお原爆の後障害」と書いてありますが、普通医学用語からいっても素人が使う場合でも、あと障害、のち障害というふうに言わず後期障害というふうに言うのが普通ではないかと思います。

それから、最後の「核兵器のない世界の実現に向けて、力を尽くし続けることをここに宣言します」ここで締めくくっております。これはまさにそうなんですが、「宣言いたします」ということの方が、「宣言します」というふうに言いっぱなしというよりも「宣言いたします」の方が、皆さんもぜひご賛同くださいという意味を込めて訴えるということでは、文章締め切りは「宣言いたします」ということの方が文章としては適切ではないのかなという感じがしました。

以上、雑音に近いような意見でございますけれども、意見でございます。

【委員】

いつものことながら、本当に文案作成お疲れさまでございます。いつもアイデアがあまりないのに、意見だけで申し訳なく思いますけれども、今日も少し発言させていただきます。

これを頂きました時に、最初の出だしのところですね。今年は75年ということでとても大きな節目だということをずっと言ってきたと思うんですね。それで、去年の宣言文を引っ張り出してきて比較をしてみました。

去年は最初に詩から入っているんですけれども、やっぱり私、今年一番訴えたいのは、被爆から75年、もう被爆者も83歳、平均年齢を超えたという中で、急がなきゃいけないということが今年の大前提としてあると思うんですね。それで私も、まず75年前の8月9日というところを冒頭に持ってきて、それからこの詩のところまでを続けて、それから8から20行目までを頭に持ってきて、それから1行目に戻って続けていったらどうかなと感じました。

そして、1から6行目までを読んだ時に、核兵器とコロナとのところがイコールで考えられるような中身ではないかというのがちょっと懸念されました。コロナというのは大変な事態ではありますけれども、いずれ共存していくものだと思うんですね。今でも、入院すれば治る人もいる。だけど、核兵器と言うのは絶対に共存できないものだという捉え方をするには、我々はこうして少し勉強もさせていただきますから分かりますけれども、まだ核兵器そのものをよく知らない方にとっては、ある意味核兵器もコロナも同じような怖さなんだという誤解を生じないかな、というのがありました。

ですから、このあたりの表現の仕方というのは、皆さんの意見も出ておりますけれども、共存できるかできないかの違いというのは、もう少し表現を工夫していった方がいいのかなと感じました。500人とか、いろんなところでご意見が出ておりますので、そこは少し工夫がいるのかなと思いますけれども、75年ということはぜひ皆さんの気持ちの中にストンと落としてほしいし、被爆の大変さが分かった上で、コロナとか地球温暖化とか核兵器というところは当事者となるのは同じですよということであれば、少し皆さんの気持ちの中にも落ちるのかなというふうなことを感じました。

それから44行目のところですけれども、「体と心の痛みをこらえながら」というふうになっているんですが、ここは「痛みに耐えながら」という言葉のほうがいいのではないかということを感じました。

それから49行目のところ、「私たちにできる平和のための行動は無数にあります」はむしろ、若い世代の皆さんと一緒に私達もやっていくということで。

それから、53行目からの「新型コロナウイルスの広がりを止めるためにあなたの」というのは、これは若者だけの問題ではないと思うんですね。ですから、むしろこれは世界の皆さんに呼びかける中に入れていったほうがいいのではないかというふうに思いました。このコロナは世界共通の認識として、いま一人ひとりが気をつけなきゃいけないというのがありますので、むしろ若い世代だけにというよりも、考えるきっかけづくりとしては世界の、地球市民の皆さんにそれを訴えて、できる行動が無数にあるので、そういう確信を持って、一緒に進んでいきましょうというのを若い人に呼びかけていったらどうかというふうに思いました。

それから、61行目の「北東アジア非核兵器地帯の構築を検討し」というところですけれども、「構築するための検討を始めてください」と、少し強く言ってもいいのかなと思います。そして「1日も早く、核兵器禁止条約に署名、批准し、被爆国としての役割を果たすことを求めます」というふうに、お願い調が多くなっているので、少しそこは語尾を強くして、その後の文章との関係もありますので工夫がいるかと思いますけれども、単なるお願いだけではダメなのかなというふうに思います。

それからここに一つぜひ入れていただきたいのは、先ほど「市民」「市民社会」という言葉がこの中から消えてきている、というのがあったんですが、先日の新聞でサーロー節子さんも「まず日本の人は、国を動かすことをがんばってください」というご提言があったと思うんですね。日本国民への呼びかけも過去にはあったと思うんですが、このところ世界の皆さんと言う中に日本に対する市民への呼びかけが埋もれていっている気がするんですね。全く動かない日本政府を動かすためには、日本国民がそれを変えていかないと変わらないんではないかなという気がずっとしておりまして。何か日本国民に、国や政治家に求めるものとは違うと思うんですけど、その後にでも「国民の皆さん、もう少し非人道的なことを理解して、一緒にこの運動を盛り立てていきましょう」というような強いメッセージを発していかないと。外国とか政治家とか届きにくいところに一生懸命になって、まず変えなきゃいけないところに対する訴えが弱くなっているのでは、特に75年ですから、もう本当に力を入れなきゃいけない部分ではないかなと思います。

それから私はこれを頂くまで、沖縄がどうなるのかなというのが気になっていました。特に沖縄の知事さんの宣言文を読んで、やっぱり危機感を持って、とにかく戦争というものがなければいろんなことがないわけだから、戦争をなくすために一生懸命一緒にがんばっていきましょうというのを広島、長崎にも強く訴えかけられたので、この沖縄が入っていて良かったなというふうに思います。やっぱり根本は、世界で戦争が無くならないと核兵器も無くならないわけですから、これを入れていただいたことは良かったなというふうに思っております。

以上です。

【委員】

最初にこの素案を読んだ時に、本当に皆さんの意見が綺麗にまとめられていて、分かりやすい言葉で今回は表現されているなというふうに感じました。流れについては皆さんからいろんな意見が出ていたので、私はそんなに申し上げることはないんですけれども、やはり冒頭の文章というのはとても大事で、聞いている皆さんを惹きつける部分だと思いますので、ちょっとこの文章では難しいのかなというふうに感じております。

前にも出ましたけれども、今回被爆75年ということで、多くの方がこの式典には参列したいと思っていたと思うんです。それが今回は招待者だけ。被爆者団体であっても人数が限られて参列という形になっているので、やはり75年に対する被爆者、そしてその遺族の想いというのは、参列できなくでもやはり平和に向かっての気持ちは同じということをなんとか文章に挙げられたらいいなというふうに思いました。

木野普見雄さんを使うかどうかはまだはっきりされていないということなんですけれども、やはり木野普見雄さんに対する説明と言うのがさらっとされていて、何で木野普見雄さんがここに出てきたのかというのが説明不足なのではないかなというふうに感じました。8行目のところに、「毎年この式典で子どもたちが歌っている曲を作曲した」とか、この式典に関連している方なんだよというのを入れていただきたいと思いました。

それから17行目からなんですけれども、被爆者の声というか、文章になっているんですけれども、被爆者の声として挙げるのであれば、「被爆者は二度とほかの誰にもこの地獄のような経験」ではなく、「体験を味わせたくない、再び被爆者をつくらせないと、必死で核兵器の恐ろしさを伝えてきました」というふうに入れた方がいいのではないかと思いました。

それから19行目ですが、「その怖さを軽視してしまったように」の後ですね、「残念ながら世界はまだ核兵器の恐ろしさを十分に理解していないと言わざるを得ません」とした方がいいのではないかなと思いました。

それから2枚目に入りまして、47行目から継承に関することに触れているんですけれども、「書」の後に突然「子どもたちに平和の絵本を読むことも同じです」って、何で絵本を読むことがぽっと出てきたのかなってすごく違和感を感じました。ここはいらないのではないかと思います。

あと52行目、本当は若い世代だけではなくいろんな世代の皆さんに訴えたいので、ここは市民の皆さんにするのか、世界の皆さんにするのか、変えないといけないと思います。「あなた」「あなた」って、何回も「あなた」ってくるんですけど、やっぱりそれは訴えるうえでは繰り返しは必要かなと思いました。

それから61行目なんですけれども、「核兵器の怖さを知る国として」を「世界で唯一の被爆国として」にしたほうがいいのではないかなと思いました。

以上です。

【委員】

いま皆さまがおっしゃった全体的なそれは、まさにその通りです。引用されている詩も、被爆当時の情景がよく描かれています。しかし、被爆者はせっかく生き残っても、人間らしく生きることもできなかったという大切な点に触れられていません。

苦しさから自ら命を絶っていく人がたくさんいました。私の妹も苦しさに負けて鉄道自殺をしてしまいました。両親も黒焦げになって、誰が誰だか分からないような状態になってしまったんです。体の中に入りこんだ放射能は取り除くことができません。被爆者は、生涯いろんな病気に苦しみながら生きていかなければならないのです。核兵器ならではの深刻な問題です。だからこそ、被爆者を二度とつくらないでください、と訴え続けてきました。

核兵器を単なる大きな爆弾だと勘違いしている人達がたくさんいらっしゃいます。そこが私達は心配です。平和宣言では、一度核兵器に遭遇すると死ぬまで苦しみ続けなければならない、という点に触れてほしいと思います。新型コロナウイルスが広がることを述べると同時に、核兵器のない世界をつくるために努力していってほしい、皆様方にご協力をお願いいたします。核軍縮のための実効性のある道筋をつけてください。それはもちろんですが、絶対に核兵器を使ってはいけないことを世界中に発信してほしいと思います。

私も親兄弟を亡くしてしまって、8歳の妹は先程言いましたように自ら鉄道自殺をしてしまいました。幼い子どもを背負って、食べるものもない、着るものもない、住むところもない、焼けたトタンを拾って小屋を建てて住む、その日一日を一生懸命がんばって生きてきました。今、それを考えると胸が痛くなります。一度核兵器が使われれば、私達以上に苦しむ人達が出てきます。それは絶対に阻止しなければいけません。核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず、という非核三原則を堅持するよう、改めて日本政府に求めてください。核兵器が絶対に使われないようにする、そのためです。

皆様方、よろしくお願いいたします。以上です、ありがとうございました。

【委員】

すでに皆さんがおっしゃったように、今回の文案は完成度が非常に高いものになっていると思いました。

出だしの500人の件なんですが、私はこのままでもいいと思うところはあります。ただ、前回強調したように75周年なのでですね、もう一つの視点が抜けているかと思うんですけれども。平和宣言ですから、第二次世界大戦が終わったわけですよね。その直前に原爆が最後のイベントとして起こったわけで。この第二次世界大戦の終結というのがあって、それから75年間、まがりなりにも世界の平和は保たれてきたと。もちろん、小さな戦争はいっぱいあるんですけれども、そういう点が抜けちゃっているんじゃないかなと、さっきから考えていると、そこに気づきました。やっぱり、どこかにそれを入れないといけないんじゃないかと。原爆から始まって原爆で終わったんじゃ、75年の今年は沖縄の問題も含めてですね、戦争を克服していくための、ないような世界をつくるための平和宣言だというふうに思いますのでですね、ぜひそのことをお願いしたいと思います。

それから木野普見雄さんの「あの子」ですかね、それはちょっと説明を入れた方がいいんじゃないかなと。聞く人はそれによって胸を打たれるんじゃないかなと思います。それから「女」というのは、私はどちらかというとフェミニストなんで、女性に対する気持ちが強く出た文章じゃないかなと思うんですね。ここは、男性よりも女性の方を木野普見雄さんはこの惨状の中で見たわけですから、女性に対する哀れみとか色々なものが表れた言葉として受入れられると私は思いました。

それからコロナと地球温暖化と核兵器の三つ巴ですね、こういうのが75年で結合してしまったわけですけれども、我々がいま何を一番学んでいるかと言うと、コロナウイルス感染症は一人ひとりの問題としてソーシャルディスタンスをとらないと絶対にこのウイルスは克服できないということを世界中の人が理解していると思うんですね。ところが、地球温暖化は国によって受け止め方が随分違いますし、核兵器はさらに多様で、核兵器は必要だという国さえあるわけでですね。一人ひとりの地球市民というか人類の問題だという点が希薄だと思うんですね。ここら辺を、ローマ法王が長崎のメッセージでは強調されておられて、協調性とかですね、そういうことをおっしゃっているわけで。そこら辺の掘り下げが必要かなと思います。それからコロナウイルスからすぐ分かることですけれども、化学というかサイエンスですね。医学、メディシン。サイエンスの力と個人個人のソーシャルディスタンスを保つことで乗り越えていけるだろうと思うんですけれども、核兵器の問題も本当は科学者の力と市民一人ひとりの「核兵器は不必要だ」ということが出てこないと、やっぱり乗り越えられない。特に核兵器国のアメリカとかロシアの市民がそういうふうに思ってもらわないといけない。そして、一人ひとりが核兵器の標的になっているということを核抑止力というのはそういうことだと思うんですね。どの国のどの都市が標的にされているというのは公表されていないと思うんですけれども、もう明らかですよね。主要な都市というのは何発もの核兵器に狙われているわけですから。一人ひとりが命を狙われている、核の傘に入っているということも間接的に敵対国を、その市民の命を狙っているわけですから、ほとんど一緒なんですよね。そういう点をしっかり捉えて、さらには地球温暖化で地球環境が破壊されていくと一人ひとりの市民の生存が危うくなっていくということで、この三つが重なっているということが今回の非常に大きな点ですので、そこを強調する文章が必要じゃないかと思います。

そして今回の宣言のコアになるところは、やはりローマ教皇がですね、38年前に来られたパウロ二世がですね、「核兵器は人間の仕業です」というところから、さらに38年後には世界の一人ひとりが参加しないといけないということを、それから政治指導者に対しての言葉もあったと思うんですね。このローマ教皇の言葉は、僕は原文を引っ張ってこられた方が国際的には感動を呼ぶと思います。ここは解釈が入っちゃっている気がします。38から48行のところですね。

それから医療関係者に対する拍手ですね。これは感謝の拍手ですかね。送ったように被爆者にも送りましょうという、この発想は素晴らしいものがあると思います。こういうのは70数年間の平和祈念式典で初めてじゃないかなと思います。被爆者に対する感謝の気持ち、非常に良いんじゃないかなと思います。

それから50行目の「平和の文化を社会に根付かせて」というのは、やはりどなたかがおっしゃっていたように市民社会が入った方がいいんじゃないかなと思います。

それから54行目、「核兵器のない世界に続く道」でもいいんですけど、まだ核兵器のない世界に行く道は見えていない気もするんですよね。それに至る道を、今つくりつつあるところですから、僕は「至る」の方がいいかなと思いました。

それから56行目の「世界各国」は、ローマ教皇の「世界の政治指導者」というのがありましたから、それに対応する形でもうダイレクトに「核兵器保有国の指導者」がやはり良いんじゃないかなと思います。

それから「日本政府と国会議員に訴えます」という、ここはいろんな方から批判というか、日本の国民の核廃絶に対する取り組みの不十分な点として、政府に対して、それから国家に対する訴えが弱いということを含んでいますので、非常に重いところだと思うんですね。ここをもう少し協調できないかなとは思うんですけど、いい文章が浮かんできません。日本政府が検討はされていると思うんですけど、この混乱した核を巡る環境の悪い状況で、核兵器を無くすのは危険だとまで言っていますよね。そういうところだから、世界の国際安全保障の環境改善を、日本政府がリーダーシップをとって核兵器禁止条約を署名・批准するという段階に至るというステップの一つを、そこで挙げて訴えた方がいいと思います。その方が直接、日本政府にも国会にも届くんじゃないかと思います。

それから、「被爆体験者に対する救済を求めます」は、被爆体験者はあらゆる角度から見て被爆者なんですよね。そのことを文章に入れないといけないと思いますね。

そして、東北の福島の方々が置かれている今の状況というのは、4万人の方がまだ復帰していない。復帰していないというのは、もう個人の問題だと政府が捉えているんじゃないかなと思うんですね。しかし、なかなか現地に行って町を訪ねるとですね、やはり深刻な問題がありますね。家族が離れ離れになっていることから始まって、生活のインフラである商店とかマーケットとかが無いところに帰るのかと。いろんな苦労がまだまだ延々と続いているわけですから。復興の途上にあるということを言葉に表してですね、支援しますということを付け加えた方が良いんじゃないかと思います。

最後の最後ですけれども、沖縄が入った69行目のところで、もう一度、第二次世界大戦の終結ということと原爆投下ということを含んだフレーズを入れられないかなと思います。

以上です。

【委員】

皆さん既におっしゃったのですけれども、ともかくここまでまとめていただいてこれからの議論の元になるものを作っていただいて、事務局の方にまずお礼を申し上げたいと思います。

私が一番悩んだのは、2枚目の部分です。38から64 行目の部分なのですが、ローマ教皇の言葉が後の文章に繋がっているはずなのですね。多分そのつもりで整理されているのだと思います。ただそれが分かりにくくてですね、流れがよく掴めなかったところが非常にありました。

私なりに整理をして考えると、このローマ教皇の4行の中で2つ重要なメッセージが語られていて、一人ひとり皆が参加する必要があるのだというメッセージと、今世界にある相互不信の流れを壊さないといけないというメッセージ。この2つのメッセージがあって、42から55行目、つまり一人ひとりがやることが具体的にできるのですよということが述べられていて、それから56から64行目のところに、相互不信の流れを壊すことについて世界の指導者に訴えていると、ローマ教皇の言葉が繋がっているのだと思うのですね。ですから言葉として、56から57行目に、分断、連帯、相互不信という言葉が出てきて、そこがローマ教皇の言葉に重なるので、そこと繋がっているのではないかと。そこは分かりやすいのですけれども、前半の部分が、皆の参加が必要なのだというメッセージを受けているということがあまりよく分からないので、ローマ教皇の言葉の繋がりをどのようにしてまとめればいいかというところで悩みました。

1つの提案なのですけども、ローマ教皇の言葉、メッセージを今言ったように「2つの重要なメッセージがあります」と、やはり言葉で整理したらどうかと。まずローマ教皇の言葉の引用の仕方ですね。鉤括弧でくくる言葉としては、「全ての人の参加が必要だ」という言葉と、「相互不信の流れを壊さなくてはならない」というこの2つを教皇の言葉として、ただその言葉の文脈は分かるように、その4行のうちで書かないといけないのですけど、その2つのキーワードを括弧でくくって「2つの鍵となる言葉を述べられました」と。そこが2つのメッセージだと文章に分かるようにして、42行目「世界の皆さんに呼びかけます」の次の行に「私たちが参加できる道は無数にあります」という、49から54行目にある文章を先に持ってきて、韻を踏んでいると言うのですか、ローマ教皇のキーワードを踏んで「参加できる道は無数にあります」と1行で言ってしまい、それでそこに書いてあるようなことを述べると、一応ずっと流れができるかなと思いました。

それで56行目、ここはどなたがおっしゃっていたのですけども、「被爆地から」というのはやめて、いきなり「世界各国の指導者に訴えます」と言って、次の行にやはり韻を踏んでですね、「相互不信の流れを壊し」という言葉で、58行目にありますけど、「対話による信頼の構築を目指してください」ということを先に言ってしまう。「相互不信の流れを壊し、対話による信頼の構築を目指してください」。それで、「今こそ分断ではなく連帯に向けた行動を選択してください」と。ともかく、ローマ教皇の言葉を踏んで、2つの呼びかけがあるというのを見えるようにするというのではどうだろうかというのが大きなところで考えたところです。

あとはですね、比較的細かいことになりますけども、22から28行目の現在の危険、脅威というようなことに関する部分で、私はINFがもう一度語られるということは大事なことではないかなと思っています。と言うのは、ともかく非常に大きな範囲の核兵器を全廃するというものすごく大きな成果だったのですね。だから中距離核戦略、25行目ですけど、この「全廃条約」の言葉のインパクトは非常に大きくて、これが無くなったために中距離の核をもう一度造ろうというのが新しく起きている競争の一つの大きな部分になるとしているわけです。これまで禁止されていたので手がつけられなかった、500kmから5,500kmと非常に範囲の広いミサイルをもう一度金儲けになるから造り始めるという、そういう動きがアメリカでは起こっているわけです。ですから、これからの競争の具体的な姿というのはINF条約を壊してしまったということから発していることで、これは今も続く、これからも続くので、やはり述べるべきことかなと思っています。その上で、ここで書かれていることは誤りも含まれていると思っていまして、「使いやすい核兵器」というのがかなり高性能ではなくて、これまでの兵器の最もプリミティブ、最も易しい類の兵器ともいえるもので、だから高性能で使いやすいのではないのですね。一方で、先ほどのINFであるとかそれからロシアが作っている兵器というのは新しい兵器であるのでここは分けて書かざるを得ないかなと思っています。というのは、「新しい高性能の兵器の開発」、それから「使いやすい核兵器の開発」というのが両方言われる必要があると思います。

それから先程の拍手のところは、視聴者参加型のスピーチと私は思いました。だから基本的には非常に良いアイデアだなと思って、少し新しい雰囲気が会場にも生まれると思いますので是非やっていただけたらと思いました。

それであとはですね、「日本政府と国会議員に訴えます」これはどなたかおっしゃったように改行して、それだけが1行に占めるようにしたうえで、やはり核兵器から入った方がいいと思うのですね。一応その全ての呼びかけは核兵器のことに繋がっていますので。

その次の61行目にある「核兵器の恐ろしさを知る国として」、ここはいろんな意見が出ていますので表現は別として、「議員に訴えます」というところは「核兵器の怖さを知る国として」ということを言って、「署名・批准してください」、その次に憲法が出てくるのですけど、その時にやはり憲法に繋がる最も重要なところが、戦争をしない、核兵器はとにかく戦争によって使われる。被爆者のメッセージというのは、戦争をするなというのが必ず入っていたと思うのですね。ですから憲法に繋がる前に、「署名・批准してください。全ての戦争に反対し、日本国憲法が掲げる平和の理念を永久に堅持してください」と、核兵器から入って、戦争、憲法に繋げたらどうかと思いました。

あとはですね、沖縄がとにかく入るということは、先程意見がありましたけれども、75年という区切りでそれが入ってきて、沖縄からもそういう長崎、広島への連帯という言葉が発せられましたから、それを契機に入ってくるというのは非常に大きな意味があるのではないかと思いました。

以上です。

【委員長】

ありがとうございました。今回の起草委員会は30分スタートが遅れた関係で、〇〇委員が途中で退席されます。ありがとうございました。

【委員】

すみません、勝手に申し訳ありません。一言だけ。

皆さんのお言葉をお聞きして私が感じた一言はですね、コロナ感染症と温暖化と核兵器の問題、共通にある問題が提起されていると同時に、核兵器はやはりコロナと温暖化対策とは違うということ。

専門家の方々に聞いてもですね、いやいや、核兵器が使われたら感染症対策もできない、気候変動対策もできないから核兵器は絶対使われたらいけないということをもっと強調されたほうがいいですよと言われるのですよね。だから、今回のメッセージで共通項を訴えると同時に、やはり絶対核兵器は使われてはいけない、核兵器が使われれば感染症対策も温暖化対策できなくなりますという核兵器の恐ろしさについてやはり強調されるのが今年のメッセージとしては一番大事かなと感じました。

以上です。

【委員長】

ありがとうございました。

一応皆さんから一巡してご意見をお伺いしたのですけども、もう少しだけ時間がありますので、今お聞きして自分もこう思うとか、ここは新たに気が付いたとかあったら付け足しをお願いしたいと思いまけども。最後の時間ですのでよろしかったら。

はい、お願いします。

【委員】

すみません。先程意見が出ていたのですけども、最初の時に書いていました、戦争放棄、本当は言わなければいけないところを抜けておりました。

平和の理念の中に全部含まれているのだという見方もあると思うのですが、やはりその中でも具体的にこういう問題が起きた根本は全部戦争だと思うのですね。ですから、是非戦争をしないということを文章でもですね、やっぱりその事は是非。これは、政府だけでなくて世界の人たちに訴えるという意味でも、やはり戦争という言葉は一番分かりやすいと思うのですね。ですから、戦争をしないということの約束は永久に守っていただきたい。

特に、今年沖縄が入りましたので。沖縄との共通点という意味ではやはり戦争だと思うのですね、核ではなくて。だからそういう意味でも、75年を締めに、もちろん核兵器廃絶が目的ですけれども、その根本となるものにもう一回意識を落として、そこからどのように連携して加速をしていけるのかという相互理解という意味でも、やはりもっと広い意味で市民の皆さんも捉えられるのではないかなと思いますので、是非これは書き加えていただければと思います。

以上です。

【委員】

木野さんの言葉の中にある「さまよう女」の「女」という言葉を「ひと」という呼び替えもできますよね。だからこれは「女」と書いて「ひと」と読んだらそんなに私は違和感を感じないので、そのままでいいのではないかなと思いました。

【委員長】

はい、ありがとうございました。他にもご意見ございませんか。

私としては、拍手の部分が今までになかった方法なのでボコボコにされるのではないかと、ひょっとしたらそうなるのかと思っていたのですが、皆さんからご支持をいただいた意見が多かったので。これは75年という時間の中で込められたもの。拍手というのは一つの行為ですけど、敬意と感謝というのは75年の1つの意味としてお伝えしたいという部分なのですけども。この部分はやはり活かせる、活かしていこうと、改めて皆さんのご意見いただいて思いました。

色々、今いただいた意見の中でも冒頭の部分に対するご意見もありましたし、参列できない人たちの思いの部分も出ました。他にもいくつも共通点、共通に何人かの皆さんからいただいた部分もありましたので、そのような部分について、字数はこれ以上増やせない、むしろ少し減らさないといけないような部分もありますけども、その中で色々工夫をしてみたいと思いますが、その意味でも何人かの皆さんにまたお集まりいただいてご意見をいただくという機会を是非作りたいなと思っているのですけども。

最後にあと10分間ぐらいありますけども、何か最後に一言というものがあればですけれども。よろしいでしょうか。お願いします。

【委員】

すみません、何度も。

今の拍手の部分ですけど、せっかく私達の気持ちを表すのであれば、当日何人か起草委員の方も参加されると思うのですね。ですから、これだけこの場で論議した私たちも気持ちの中に落としたわけですから、起草委員の皆さんが少しね、この言葉を受けて拍手を少し最初に強めにすれば皆さんも賛同してくださると思うのです。せっかくするのであればその場を拍手で盛り立てたいと思うので、そういうことも一緒に私たちも当日そういうことで参加させていただくことはどうでしょうかと思いました。

【委員長】

ありがとうございます。是非お願いしたいと思います。

それと今回ですね、今のところ各国大使の皆さん、かなり出席が増えています。これまででも多分一番多くなるのではないかというぐらい、やはり75年ということがあって参加の御意向が非常に強いので、日本語の平和宣言になりますので、大使の皆さんには事前にそういう部分があることをお伝えしたいなと思います。

是非起草委員の皆さんには先頭にたって拍手をしていただければと思います。

他にございませんでしょうか。お願いします。

【委員】

拍手のところなのですが、例えばおそらくスタンディングされる方も出てくるのではないかと思うのです。それはそれぞれの方々の判断にお任せするという理解でよろしいでしょうか。

【委員長】

そうですね、できるだけ自然な形で。立つ方も当然、特に外国の方もいらっしゃると思うのですけども。時間もそんなに長くない時間なので、遅れて立つとすぐ座ってしまうぐらいの時間でありますので、自然に任せたいなと思いますけども。

どうですか。皆さんご意見その辺でもしあれば。いいですかね。

【委員】

どうぞお立ちくださいとか。

【委員長】

そうですね、目を瞑ってくださいの次はどうぞお立ちくださいになってしまいますし。

はい、わかりました。では自然体でいきたいと思います。

ほかに何か、最後にございますか。なければ少し時間はありますけども、今年の平和宣言起草委員会、3回お集まりいただく機会が新型コロナウイルスの関係で2回となりましたけども、1回目のご意見を届けていただく分から始まって、内容的には例年と同じ、あるいは例年以上に非常に様々なご意見をいただけた起草委員会になったのではないかなと思います。皆さんのご意見があって平和宣言文ができていくという形を、今回もある意味では体現できたのではないかと思いますし、私自身も、基本的に市長が市民の代表として述べるという平和宣言文のあり方という意味では、自分の思いを柱にしながらストーリーを作って皆さんにお伝えしていくことができる平和宣言の形にできるのではないかなと、そういう感じがしています。

今年も皆さんのお力があっての平和宣言文になります。特に被爆75年という大事な年の平和宣言でもあって、かつNPT の50年、 国連創設から75年 、第二次世界大戦が終わってから75年、NPT再検討会議直前の平和宣言ということもあって、たくさんの意味がある、オリンピックは来年に延びましたけども、たくさんの意味が重なった平和宣言ですので、もう少し、今日のご意見を活かさせていただいて、練り上げて、そして何人かの皆さんにご意見をお聞きする形の中で取りまとめて8月9日に臨みたいと思います。

本当にさまざまなご意見、真摯に時間を使って検討いただいて、ご意見いただいたことに改めて感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

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