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令和元年度第3回 長崎市平和宣言文起草委員会

更新日:2021年6月3日 ページID:036828

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 平和推進課

会議名

令和元年度第3回 長崎市平和宣言文起草委員会

日時

令和元年7月6日(土曜日) 10時00分~

場所

長崎原爆資料館地下1階 平和学習室

議題

令和元年長崎平和宣言について

審議結果

【委員長】

おはようございます。

本日の第3回の起草委員会も大変お忙しい中、ご出席をいただきまして、ありがとうございます。今回いよいよ大詰めの3回目、最後の全員お揃いでの起草委員会ということになります。前回の2回目の起草委員会で大きな方向性については固めていただいたと思っています。そういった中で、いろいろいただいたご意見を元に、更に修正を加えて、3回目に臨む文案を作らせていただきました。この文案をもとに最終を詰めていただきますので、今日またいろいろご意見いただいて、それも出来るだけ話しながら最終文案に仕上げていきたいと思っています。できるだけ、2回目でいただいたご意見も取り入れられないか、検討しながら修正を加えてみましたけれど、全部というわけにはなかなかいかないところもありました。

その中で少し弱かった部分を補強する作業をしたんですけども、前回、前々回お話ししたように少し詩の部分などが、時間を取る部分もあって、分量としては昨年より少し少ない状況ですけれども、時間としてはちょうどいい形、案としてはなっています。そういったことも含めて話しながら、今日のご意見を加えて、最終文案に仕上げていきたいと思います。非常に大事な最後の会議になりますので、是非よろしくお願いいたします。

以上、私からのご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

それでは、さっそく入りたいと思いますが、その前に今回お配りしている平和宣言文の案について、まず、私の方から朗読をさせていただいて、その後、それぞれのご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。座らせて読ませていただきます。

読み方の練習はまだしておりませんので。

(素案朗読)

という内容になっております。それでは、この文案について、一人ずつご意見をいただければと思います。お願いします。

【委員】

おはようございます。ありがとうございました。全体として、今も聞いていてですね、よくまとまっていてですね、メッセージも明確だと思うんですけども、あんまりまとまりがいいので、さわらない方がいいかなと思ったんですが、あえて、私の方からは2点だけちょっと強調したいところを言いたいと思います。

一つは、「核を巡る危険な状況」のところをもうちょっと強調したいというところと、日本政府へのアピール、これは読んだ時も思ったんですが、今聞いててもちょっとまわりくどいかなと。もっとストレートに言ってほしいかなというところがありましたので。具体的に修正のコメントをしたいと思うんですが。30行目ですね。「アメリカはより使いやすい核兵器の開発を打ち出しました。」というところなんですが、「核兵器の役割を拡大し、小型でより使いやすい核兵器の開発を打ち出しました」と核兵器の役割を拡大したということが、非常に重要かなと。それを言いたいということですね。それから、最後にですね、こないだもちょっと申し上げたのですが、「今、人類は再び平和か滅亡かを選ぶ分岐点に立っています」、くらいのですね、危機感というのをちょっと言っていただきたいというのが、私からのお願いです。

それから、それと呼応する形で、51行目に最後の「小さな私たち一人ひとりにできる大きな役割だと思います。」というところでですね、上のビキニ環礁でのところの話を受けてですね、54年前と同様、「市民社会がまた平和を選択するときが来たのです」、あるいは、「平和をアピールする時がきたのです」と、市民社会が声を上げるということを強調していただければ。

あとはちょっと言葉のところでですね、53行目と54行目の「すべての国のリーダーの皆さん。被爆地を訪れ、」というところなんですが、「知ってください。」というのが、ちょっと弱いかなという感じがしてですね。「被爆地を訪れ」、ここ長くなってしまうけど、どうしてもきのこ雲の下で何が起きたかを、見て、聴いて、感じてくださいという、「感じてください」という言葉があった方がいいかなと。それから最後のところの「知ってください」ではなくて、「心に留めてください」、「常に思っていてください」という。ただ、知るだけではなく。

それと同じようにですね、57行目の「核保有国はもう一度確かめるべきです。」というところをですね、これも「心に留めるべき」、あるいは、「思い出すべき」、もうちょっと心に訴えていただきたい。確かめられて、ただ知識として確かめるというんですか、やはり心に訴えていただきたいと思います。

それから、日本政府の、ここですね、「核兵器禁止条約を支持する立場に立っていません。」というところのですね、あとで「核の傘」が出てくるんですが、「核の使用を前提とする核抑止に依存するため」という、核の使用を前提とするという、核抑止は、核の使用を前提とするので、それをちょっと付け加えられればいいかなと。その反面ですね、後半の「核兵器禁止条約に署名、批准し、条約を支える立場に立つことを求めます。」が、ちょっと弱いので、「核兵器禁止条約を一刻も早く批准することを求めます」でいいと思います。それが入ると、核兵器禁止条約に一刻も早く批准するためにも、そのためにも、というのを、次の61行目のところに入れていただいて、「そのためにも、核兵器に依存する核の傘ではなくという、北東アジア非核地帯」とつなげていただければと。

それから、これも細かいのですが、67行目の「原発事故から8年が経過した」という、この2行なんですけど、ちょっと唐突な感じがするので、「核の被害を2度と起こさないという、立場からというか心を持って」とか、前半とここをつなげる意味でも核の被害を2度と起こさないというのが、原子力発電所でも原爆でも共通点があるというのをここで強調していただけたらなと思います。

以上が私の意見です。

【委員長】

はい、ありがとうございました。では、お願いします。

【委員】

土山先生がおっしゃっていた核兵器廃絶には、理論と感性が必要だと言われたことですね、思い出しながら原稿読ませていただきました。令和元年の平和宣言文案については、起草委員会の意見がよく反映されておりまして、よくまとまっていると感じました。ただ少し気になる点がございましたので、以下簡単に述べさせていただきたいと思います。

3行から22行の朗読の部分ですが、この詩は当日も必ず削らずに読んでいただいて、世界中の人々に伝えてほしいと願っています。詩を詠んだ女性のプロフィールが追加されましたが、更にリアリティを高めるためにも女性の名前を是非追加してほしいと思います。交渉の段階でダメだとおっしゃられたのかもしれませんけども、できたら入れてほしいと思います。

それから、30行から34行、35行から36行のところですけど、「核兵器を巡る危険な状況と核の軍拡競争が再び始まった」の後に続く、「被爆者の思いが世界に届くことはないのでしょうか」というのは「被爆者の思いが踏みにじられています。」と強く訴えるべきだと思いました。

40行~43行、核兵器禁止条約を生み出した原動力の一つに、「被爆者の取り組みがあった」ことも明記すべきであると、早期発効にもまた言及していただきたいと思っております。

それから、63行の「日本は今、核兵器禁止条約を支持する立場に立っていません。」は、弱いので「日本政府は、核兵器禁止条約を支持していません。」とした方がいいのではないかなと思っております。また、「日本国憲法の平和の理念を世界に広げる」との表現は、これで十分じゃないかなと思っております。65行のところですけど、「被爆者の平均年齢は82歳を超えました。」被爆者の高齢化で、被爆者が語れる時間は残り少ないと。長年にわたって被爆者に寄り添いながら、被爆継承に取り組んできた公益財団法人長崎平和推進協会としては、長崎市の「被爆継承に取り組む強い決意」を平和宣言文で是非示していただきたいとそう思っております。以上です。

【委員長】

ありがとうございました。お願いします。

【委員】

全体としてはよくまとめられていると思います。私は、先ほどの詩の部分で、氏名を入れたら、もっとインパクトが強くなるんじゃないかと思います。それから、やはり35行目のですね、「思いが世界に届くことはないのでしょうか」、やっぱり、私たち被爆者は、あの生き地獄を生き抜いてきてですね、そして、いわれなき偏見、差別、いじめ、そういったことにも遭ってきたわけです。だからそういったことでですね、踏みにじられてきているという、そういったことを強調すべきじゃないかと思います。

それからですね、被爆者の今までの役割ですね、122カ国の賛成で禁止条約ができたと。これは被爆者が74年間、国内外で被爆の実相を語ってきたわけですね。また、近年はカンパを集めて、自前でNPT再検討会議にも参加して、国連のロビーで原爆展をしている。そういったことが、世界につながって来たと思います。そういった点でも「被爆者の役割」ということを一言でも入れてほしいなと思います。

それから、53行目のですね、「すべての国のリーダーの皆さん。」というところ、日本の政府が、首脳が広島・長崎の原爆資料館にどれくらい見に来ているのかということを、長崎だけですけど、調べましたところ、ここ10年間の中でも日本の首相は誰も資料館を見学していない。安倍総理なんかは、今年で5回目か6回目なんですね。しかし、1回も見学していない。私、思いました。だから、被爆者の声が政府には通らないんだと。そう思っています。だから特に「すべての国のリーダーの皆さん。」その中に特に日本のリーダーの皆さんが被爆地を訪れて、被爆者の声を聴き、資料館を観る、そういったことをちょっと入れてほしいなと思います。それから、「日本政府に訴えます。」で、「核兵器禁止条約を支持する立場に立っていません。」、これは弱いと思います。政府は、署名も批准もしないと言っているわけですから、そういったことを、ちゃんとはっきり具体的に書くべきだと思います。

それから、62行目から63行目ですね、『「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法』と書いてあるので、今、参議院選挙があっていますけども、自民党は憲法を、改憲をですね、はっきり公約に掲げているわけですね。そういった中で、世論の動きとしては、安倍首相のもとでは憲法改正は嫌だというのが、52%から54%、だいたい調査であるわけですね。そういったことで、特にこの憲法9条をはっきりここの中で書くべきだと。そういう時に来ているんじゃないかと。今日の新聞でも、長崎新聞でしたけど、第一面にですね、改憲勢力が2/3を伺うというようなことが書いてありました。そういう、だから来年は、やはりもう、安倍さんが言うですね、憲法改正の発議をして、国民投票をやるんだという、そういう日本の情勢になっている。やはり原爆が落とされたのは戦争の結果、戦争をした結果なんですね。だからそういうやっぱり日本が戦争するような国になっています。そして、そういう、この憲法に違反した法律がですね、この国家機密法だとか、共謀罪とか、できて、そして私たち被爆者は、このことに対して、裁判を起こしています。やはりそれはですね被爆者が87歳にもなっても、今の国を日本をですね、大戦争したらいかんと、それが、やはり広島長崎で死んだ人たちのですね、叫びじゃないかと私は思っています。そういった点でもですね、憲法9条をはっきり書くべきだと。これからの高齢化する被爆者の更なる援護のですね、このことも被爆者はですね、12年間国から放置をされました。そして、1950年のビキニ水爆実験の中でですね、全国の被爆者が集まって日本被団協を作ってきたわけで、そして、裁判もしました。長崎でもですね、松谷裁判それから広瀬さんが起こしたですね、どこにいても被爆者は被爆者なんだという裁判。そして、現在も裁判をしています。だから高齢化する被爆者がですね、裁判をしなくても済むような、そういう援護の充実ですね。2009年に麻生総理と日本被団協、それから弁護団ですね、そして原告が交わした覚書、これが約束通りですね、されていれば裁判をしなくても済むわけです。本当にこう体を引きずりながら、病にかかりながら、もう死をすぐ目前に控えながらもですね、裁判をしなければならないというこの国の被爆者に対する援護。これが遅れているわけですね。そして裁判所で勝っても国はそのことをちゃんと履行しようとしない。裁判する者だけすればいいじゃないかと、そういう被爆者の中に差別も持ち込まれています。そういった中でですね、もう少しこの高齢化する被爆者の更なる充実じゃなくて、裁判をしなくても良いと、そういった一言をですね、入れて欲しいと思います。以上です。

【委員長】

ありがとうございました。お願いします。

【委員】

もう以前からの課題になっていました、感性的な訴えとそれから理性的な訴えと、そういう点では非常にスムーズにつながっているなということを、また今回も感じました。改めて感じました。私個人のことで申しますと、第1回の起草委員会への意見の中で、大きく2つ要望を出しました。一つは、前回の平和宣言とそれから地球市民集会の成果を継続するということですね。そこでは、地球市民集会では、5つの具体的な行動が提起されて、それに加えて NPT 準備委員会での田上市長の米ロの対話の要請といったこと、5つの、合わせて6つのことを要望しましたけれども、ほとんどあの盛り込まれております。それから、もう一つ、この世代間の問題ですね。次の世代に核という負の遺産を残さない。そういうことを予防する上で、まず平和憲法の堅持ということを要望いたしましたが、これも一応文言の中に入れて頂いております。ただし、あと少し踏み込んで憲法9条というところまで記載して頂ければ、更にいいのではないかなというふうに感じました。それから、もう一つ負の遺産という点では、あの核との決別ということも要望を出しましたけれども、これもですね、鈴木委員の方からも既にありましたが、67、68ですね、ここのところに、例えば、「そしてこのような苦しみを生まずにすむエネルギー政策を求めます」とかがあり、あるいは、「負の遺産となる原発に頼らずにすむエネルギー政策を求めます」とか、なんかもう一歩踏み込んだ記述があれば、先ほどありましたように、連続的な流れの中で訴える、訴求力も増すのではないかなというふうに感じました。以上です。

【委員長】

ありがとうございました。お願いします。

【委員】

まず今年の平和宣言文は、詩を使ったということで、やはりその個人の体験に基づく生の言葉、生きた言葉ということの強さを本当に改めて感じました。今までこう状況の説明であったということでなんとなく違和感を感じるものがこれでちょっと払拭されたかなというふうに思います。その中で今の現状を新たに知るということで、次の文章でびっくりするわけですが、ただですね、ここを私、27行から29行の言葉はここに入るのが適切なのかどうかというのがわからなくて、この言葉というか後ろのまとめの言葉のような感じがして、ここはそのまま強い思いがそこにあります。しかし今というその今の状況に直接持ってきた方がその差というのがわかって伝わりやすいんじゃないかなというふうに思いました。で、その33行から34行の言葉というのはとても大切だと思うんですが、この成果が次々と「捨てられて」ということかちょっと違和感を感じて積み重ねてきたんだったらそれが「壊される」んじゃないのかなと思って、積み重ねられてきたものが捨てられてというふうな表現が正しいのかなって思います。そのあとの核の軍拡競争という軍拡競争自体の言葉が聞いてて分かりづらいんじゃないかなというふうに感じますね。これはもう直接的に核兵器が使われる危険性が高まっていますというふうに直接言葉として言った後に、補足として今、核軍拡競争がどういうものがあるかということを、しおりというものを作られると思うんですが、その中で示されてもいいんじゃないかなというふうに思います。で、あと35行の「繰り返してはならない」という、被爆者の言葉の中には、人間と核兵器は共存できないということもいつも言ってらっしゃる言葉なので、その二つを併記するのもいいんじゃないかと、人間と核兵器は共存できない、そしてその生き地獄を繰り返してはならないという被爆者の強い思い、というのをもうちょっと強調させた方がいいんじゃないかなというふうに思いました。

37と38行の言葉は読んでいるとよく分かるんですが、さらっと聞き流すととてもこれって分かりづらい言葉で、一体何を言ってるんだろうって最初思ったんですね、だからここは本当に強調してゆっくり言う必要性があって、それでその市民社会の力はというふうにここは読み方をとても何か工夫しないと、さらっと言ってしまうと今何を言ったんだという感じになるので、ここはちょっと注意しないといけない言葉なのかなって思います。

40行から41行のそのビキニ環礁の水爆実験から部分的核実験禁止条約を生み出すということは、これは果たして正しいんだろうかというのが私には分からなくて、その54年のビキニ環礁での水爆実験は、その女性達の署名運動から始まって世界を動かしてそこから反核運動につながったという流れはわかるんですが、この2行で収めてしまうのがちょっと無理なような気がして、ここはその実験を機に広がった反核運動というふうにつなげるよりは女性達による署名運動というなんかこう、小さなところから世界に広がったというふうに強調した方がこれはとてもわかりやすい言葉になっていくんじゃないかなと思います。

あとその42行と43行の私たち一人の意思は微力であっても決して無力ではないでというのはよくスローガンとして聞かれる言葉なんですが、今年は特に詩の要素が多くて、その田上市長も言われましたように、時間の制約がある中でこういうスローガン的な言葉を入れる必要は私はないんじゃないかと思います。で、他にももっと言って欲しいことがたくさんあるんですが、あとその市民社会への訴えの中が多分44行から51行までが、その市民社会への訴えになると思うんですが、ここなんか抽象的で私はとても分かりづらいんじゃないかなというふうに思いました。これはもう本当に今行っている事例として、広島長崎は昨年から国の支援で、被爆体験を、全国を訪れ語る活動をしています。で、そういうことはその確実にそれを知る一歩になっていますというふうにそのきちんとした事例を指し示した方が良くて、で、是非その言葉を聞いてくださいというふうにそれはアピールする分でもそういう言葉をきちんと入れた方がいいんじゃないかなというふうに思います。

あと、人の痛みがわかる大切さを伝えることというのもやはりこれも分かるんですが、これもすごく抽象的な言葉で、なんで急に絵本を使っているのは、使ってはいるんですが、なんかここでこの2行にこめられる言葉の重さというのがあまり感じられないので、私は今本当にその74年経った今その戦争ということが忘れ去られて伝え続けられることが危ういという事を、その状況をきちんとを記した方がいいんじゃないかなというふうに感じます。被爆者の年齢がその82歳を超えましたという最後の文章は毎年なんか出てくる言葉なんですが、それはその高齢化が進む被爆者の援助という問題だけではなくて、その高齢化によって伝え続けることができなくなる危険性がはらんでいるって言う事にもきちんとかけて欲しいので、その後で私たち国民はやっぱりその今から戦争する国に二度とならないようにやっぱり歴史を学んで見極める力をきちんとつけてほしいということ、であと、日本国憲法や非核三原則がどのようにして生まれたのかを学びましょうという言葉を入れていただけないかなというふうに思います。それはどうしてかと言うとどうしても派遣とかで平和教育をする時に学校の方からですね、やはりそういう憲法とか非核という問題に触れてほしくないという学校が本当に最近増えてきているんですね。たぶんそれは学校からの勝手な憶測で、そういうことをすると政治的だという考えになるかもしれないって言うことからそういうこと言われている先生が多いんじゃないかなというふうに私思っているんですが、やっぱりこういうことは公的にこういうことを学びましょうという言葉は発するだけで、ちょっと学校でもそういうことに興味を持ってみようじゃないかという先生方が増えてくるって言うことを、私はすごく希望してて、やっぱりこの平和宣言文というのは、その精神的なことを伝えるだけではなくてこれからどう示していくかどう動いていくかということをちゃんと指し示していくという言葉をきちんと私は入れた方がいいんじゃないかなというふうに思いました。

53行と54行の先ほどもどなたか言われていましたけど、その非人道的な兵器だということを知ってくださいという、知ってくださいは私もなんかちょっと弱いんじゃないかなと思って、きっとみんなは知っていると思うんです。知っているけど気づかないふりをしているじゃないかなというふうに思うので、私はきちんと来て思い出してくださいって言うか、知っているでしょ、それをきちんと思い出してくださいというような形にした方がいいんじゃないかなって思いました。

あと57行目ですけれども、この核超大国の責任というところが、この前回の委員会の中で、これを最大の責任にした方がいいんじゃないかという提言がありましたので、私もこれは最大の責任でいいじゃないかなというふうに思います。

63行目のそのリーダーシップを発揮することを求めますって言うかこういう発揮するんじゃなくてきちんと示して下さいというふうに言っていただきたいなというふうに思います。

あと67行目もですが、前回の会議で放射線の影響というのではなくて、放射線汚染の影響というふうにきちんと書いたほうがいいという提言もありましたので、それは私もそうしていただきたいなというふうに思います。

今回はやはりこの詩を使われたということで、この詩を書かれた方がその文章全文読ませて頂いてきましたけど、この人がとても言われているのは、やっぱり私たちは忘れやすく弱いものです。先の戦争を顧みて学ぶことがなければ、再び同じ過ちを繰り返すことになるかもしれません。で、どれほど大きな犠牲の上にもたらされたことが、どれほどかけがえのない大切なことではあるか、平和を守る責任をも私たちは与えられていますという気持ちが本当この方の文章に表れているので、やっぱり忘れる恐ろしさって、忘れて今一度思い出してそれを理解する時が来ているって言うことを宣言文の中には盛り込んでほしいというふうに思います。ありがとうございました。

【委員】

はい、ありがとうございます。読ませていただいて、前回の意見をたくさん反映していただいているなと思って、読ませていただきました。4点ぐらいありまして、まず28行目のところで、前回も色々、源泉という言葉があってということだったので、書いていただいたのかなと思ったんですけど、私はこれを読んでいて、そして、その意志が生まれるっていう、その意志が何を指すのかが、何かよくわからなくなるかなと思ったので、前に原爆をなくそうという意志が、「原爆をなくそうという意志は、間違いなく、私たち一人ひとりの心の中から生まれます」という言い回しでもいいんじゃないかなというふうに思いました。42行目なんですけど、先ほど、ちょっとスローガン的でということだったんですけど、私は、もしこれを入れるのであれば、その微力って、なにが微力なのかが、ここだったら、私たち一人ひとりの意志そのものが微力というふうに聞こえるんですけど、多分その微力さっていうのは、私たちが出来る事というのは少しかもしれないけどということにあると思って、意志としては、すごく大きなものなんじゃないかなと、私は思っているので、ここで微力を形容するのであれば、「私たちが出来る事って、そのものは微力だけど」というふうにしないと、ここはあんまり、この言葉だったら、ちょっと誤解を生みそうだなっていうふうに思いました。53行目のところなんですけど、ここはちょっと指摘も出ていましたけど、前回は、「原子雲の下で何があったのかを知って」という文言があったので、私もそれがあって、現実を知るからこそ、核兵器の恐ろしさを知るっていうことになると思うので、そこは被爆地を訪れて、「原爆によって、何が引き起こされたのかを知って」という部分は必要かなと思います。日本政府に対する訴えの部分59行目で、私もやっぱり「核兵器禁止条約を支持する立場に立ちません。」というのは、すごく弱いかなと、私も思いました。なので、ちょっといろいろ意見は出ていますいけど、私は「核兵器禁止条約に反対しています」とか、「反対の姿勢を示しています」とか言った方がわかりやすいかなと思いました。それを以って、条約を支える形で、署名批准した「条約を支える立場に立つ」と言うのもなんかちょっと、もう長いので「署名批准し、条約を支持するよう求めます」というふうにしても伝わるんじゃないかなというふうに思いました。以上です。

【委員長】

はい。ありがとうございます。お願いします。

【委員】

私の方からは、一つは詩の引用のことについてです。この素案では、大けがを負った女性がという形に止まっています。これはやはり、先ほどどなたかもおっしゃっていましたけども、具体的な方の名前を出すことで、この方が現在もご存命なのかどうか、そこら辺まで含めて出すことでこの詩のリアリティがより伝わるのではないかというふうに思いました。そこの点については、もしご家族の方がいらっしゃるのであればそこには交渉していただいて、ぜひ具体的な形で入れていただきたいと思います。

それと63行目辺り、日本国憲法のことについて触れておられる部分、このことについては一定評価をしたいと思いますけども、もう少し踏み込んでいただいて、今の日本国憲法の平和理念を維持した上で、世界に広げてほしいという形で、今の平和憲法の形を持っていくということを盛り込んでほしいというふうに思います。

それと小さなことなんですけど、戻って27行目に原爆は人の手によって作られっていう表現があります。この「作る」っていうのが普通のあの人偏の作るを使ってるんですけども、兵器なんかの場合には「造」っていう表現を使うんじゃないかと思います。国造りなんかも「造」っていうふうな方を使います。そういう意味でこの作られっていう「作られる」の字は「造」というふうに表現を変えた方が良いのではないかというふうに思います。

それとあちこちで申し訳ありません。67行目の福島に触れた部分です。やはり66行目までの流れを見ている時に、ここが唐突感があるので、やはりここについては、どういう表現がふさわしいのかここでパッとお示しできませんけども、核の被害を示しているとか、なぜ原発事故が起きたのかっていうことについてやはり若干の説明が必要ではないかというふうに考えます。

そしてまた戻って、核保有国のリーダーに55行目から呼びかけています。そして57行目からは超大国のアメリカとロシアに対して求めているのですけども、やはり中国への言及というのも必要ではないのかなっていうふうに思います。特にアメリカとロシアには核超大国の責任としてっていう文があって、もし入れられるならば、その後に大きな経済的な発展を遂げて軍備を拡張している中国にもって形で、この核兵器のない世界につながる具体的な道筋をという形でどこかで触れるべきではないかと、今の状況の中ではですね、そういう時代に来ているのではないかというふうに考えます。

また戻って46行目に、「小さな信頼を積み重ねることは」というのがあります。信頼に小さな信頼と大きな信頼とのどこが、どういうふうに違うのかって意味が、僕はイメージできません。信頼は信頼なんだろうと思います。ですからここのところの小さな信頼の「小さな」という言葉はいらないのではないかというふうに思いました。

最後にもう一点、40行目に「ビキニでの水爆実験を機に世界中に広がった反核運動は」というところがあります。私の理解が間違いだったら申し訳ないんですけども、水爆実験でマグロを食べられなくなった女性たちが、奥さんたちが、それをきっかけにして原爆はダメなんだっていう感じで、主婦たちの立場でこの運動っていうのが始まったというふうに理解をしております。そういうことに立てば、このどこでどういう形でこの反核運動が始まったのかっていうのも少し詳しく書くべきではないかというふうに考えています。それが市民社会とのつながりという部分でつながっていくのではないかというふうに考えます。以上です。

【委員】

今回の原案見させいただいて、今までの数回に渡るこの委員会における委員の皆さんのお考えご意向を反映した形で全体としては大変素晴らしく立派にできあがっておると思います。ただ2、3申し上げるとすれば、前文として詩を取り入れていただいたこと、これは大変素晴らしいことだと思いますけれども、この詩というものの持つ本来的な性格から行けば、やはり心の琴線に触れるような詩であってほしいという感じがいたします。そういう意味でこの詩というものがあまりにも悲惨な事実の羅列が少し激烈すぎてですね、詩のもつ情緒性と言うか、それに欠けていると。まあ、感性的な訴えというものは本来あるべきなのに、物理的な要求に少し走りすぎているのではないかという印象を与えかねないという感じがするのではないかというふうに思います。そういった面で詩の持つ情緒性というものについて、その価値を認めてここに詩を取り上げていただいたのであればですね、その辺をもう少しお考えいただいた方が良いのではないかというふうに思います。

それから67行68行目にわたる福島の問題については、少しこの前後の文脈上の関連性がなくて少し唐突に出てきたという感じですね。もう少し考慮すべき点があるのではないかと思います。核兵器反対という全体の流れの中で原子力発電というものが唐突に上がってきたという感じがしないでもないのですね。核兵器反対というこの主文としての流れの中で、原発による災害、そういったものを同列に扱っていいのかどうか。この主文が核兵器反対という流れの中で、そういったものがどう扱うかということについて、私は福島の問題も、もちろん同じような核問題、原子力問題についての人類に大きな問題を投げかけた、課題を投げかけたことであることには間違いないので、それをどう取り上げるかというのはいいチャンスだと思います。しかし、だからといって前後の脈絡のないような形で、唐突に上がってきたっていうのは、とむしろ違和感を与えない感じがしないでもないので、その辺を全体の流れの中でスムーズに皆さんに受け取っていただけるような感じで、もう少し表現方法その他を前後の文脈との関連性というものを、取り入れながら少し再検討していただければありがたいもではないかというふうに思います。

以上が私の感じたところでございますが、全体としては大変結構なことではないかと思います。私も12歳の時に被爆したということは、前回も何回も申し上げましたけれども、そういったことの中でも悲惨さを物理的に訴えるということは、もちろんそれはそれで結構ですけれども、特にその訴え方というのは、この前文の中の詩歌の中で取り上げるという場合には、それはどういう形でするかというのは、その性格上、自ら本質を考えて扱わなければならないのではないかというふうに感じたということも事実でございます。以上です。

【委員】

私は久しぶりに原点に返って、この宣言文は何のために発信をするのだろうというのを改めて考えてみました。やはり、被爆者の方たちは、戦争があって、原爆が投下されて、そこに被爆者がいて、その被爆者の方たちの実体験の中から、こういうことが二度とあってはいけないという思いを世界に広げていきたい、そして核兵器をなくしたいという気持ち、その気持ちをどう伝えるかということが、この長崎の平和宣言の基本ではないのかなということを改めて考えてみました。そうなるとやはり、被爆者の方たちが伝えたいこと、それはいろいろたくさんあるし、意見もありますけれども、そういうものが中にちゃんと置かれていないと、訴える力にはならないのかなということを、改めて宣言文の意味というのが、なんとなく褪せてきて、長崎が出すものだということになっているのですが、やはり、時々は振り返って何のために、誰に向けて出すのか、誰が出しているのかということを考えなければいけないのかなと思いました。これをいただいて、読ませていただいて、最初に読ませていただいて、2回目の時よりも非常に耳から入りやすい。読んでも読みやすい文案に練っていただいた。そして、細部まで丁寧に修正を入れていただいたこと。それから、どうしてもお願い調になる曖昧さが随分強化されてきて、強くなったなと考えました。そういう意味で、随分事務局の方はご苦労なさったのかなというふうに思います。その上でもう少し私も感じたところは、もう随分たくさんの方が、いろんなことをおっしゃいましたので、なるほどと思いながらもですけど、いくつか申し上げたいと思います。

私は、34行目のところ、「次々と棄てられ」と今回変えていただいていますけど、前回、私はこれを「壊され」というふうにしたらどうかと、それは積み重ねてきたものが「崩壊していく」という、「棄てられ」と字で見ると、とてもよく分かるんですが、言葉で聞いた時になかなかストンと入ってこないので、やはりここは「壊されて」いくというようなことがあったらいいのかなと思いました。

それから、35行目のところですね。「核兵器が生み出す」というふうになっているのですが、「生み出す」とか「生まれる」というのは、どちらかというと未来形の感じがあって、上にもある「意志が生まれる場所」などと使ってあるんですね。そしたらやはり、核兵器によって「もたらされる」生き地獄のような、「核兵器によってもたらされる生き地獄を繰り返してはならない」というような言葉遣いの方が、より強いものになるのではないかなと思いました。私も非常に語彙力が弱いので、そこは皆さんに検討していただければと思います。

それから42行目のところですけれども、「一人ひとりの意志は、微力ではあっても」、これは先ほども出ておりましたけれども、これは確かに、ずっと高校生が頑張っているし、そこで使ってらっしゃるのですが、やはり核兵器禁止条約というのは、私は時間との戦いだとある意味で思っています。早急に本当の条約として運用できるようにしなければいけない。そう思うと、そういうことよりも、「私たち一人ひとりの意志が集まれば、大きな力となりうるのです」と言うくらいに強く、もっと私たちは力を発揮して、これを早急に一つの形として捉えなければいけないのだというような強さを入れたらどうかというふうに思いました。

それから、先ほどから出ています47行目から48行目「絵本を使い人の痛みがわかる」のところ、もう少し工夫した表現のあり方、絵本を使うというのは確かに一つの事ですが、先ほど言われたように、もう少し長崎の頑張っている現状をここに出して、皆さんもこういうことで一緒にやっていきましょう、というような長崎からの発信が入ったほうが、もっと具体的に聞いている人たちにもストンと落ちるのではないかなというふうに思いました。

53行目のところ、ここは、次の「知ってください」というのが弱いというのは、確かにそうだなと思いますが、あの核兵器が「未来の地球を」という、人だけでなく、未来の地球をも壊してしまうんだというのに、人間だけじゃないんですよ、「地球をも壊してしまうような非人道的」っていうのがここにつながって、ちょっとどうかなと。文のつながりとしては、私は疑問がありますので、そこを強調していただけたらというふうに思っております。

それから、先ほどから出ております62行目63行目のところ、戦争しないという憲法に触れていただいて、とても私は良かったなと思います。決断していただいたこと感謝したいと思いますが、ここにはやはり「戦争しないという決意を込めた日本国憲法9条の」というふうにつなげて入れたらどうかというふうに私思いました。日本国憲法九条の平和の理念を、その後の文章がとても私は他人事みたいに捉えられたので、「平和の理念を揺るぎないものとして世界に発信することを求めます」と。リーダーシップというのは何かもっと広い曖昧な感じになるので日本がそれを揺るぎないものとして捉えて、それを世界のみんなに発信をして共感を得ていくというような、強い求めにしたらどうかというふうに思います。

それから今お話を伺っていて思ったのは、65行目から71行目に行くところ、67行目、68行目のところに突然福島の問題が出てくるというのは、確かに私も読んでいて唐突な感じがするのですが、福島の問題を逆に上に持ってきて、少し上からつなげて核被害のことを言って、その後に被爆者の方の年齢が82歳を超えました、そしてこういうふうなことを求めます、そして亡くなられた方に哀悼の意を表し捧げます、というふうに繋げるっていうのは、被爆者の方に対するものが弱くなるのかどうか分からないのですが、間に入れることが非常に唐突になるんだと思います。だからここの65~66行目と67~68行目を入れ替えるというのは考えられないかなというふうに感じました 。以上です。

【委員】

今回の宣言文はやはりこの最初の詩の部分っていうのが、すごく、皆さんの、聞いている方の心の中に響くのではないかと思っています。私は、この詩の書いた方のことをちょっと調べてないので、多分ここにいる皆さんもわからないと思うので、後でちょっと説明をしていただきたいんですけれども、前回よりはやはり17歳っていう年齢も入りましたし、少しは想像が、前回よりは想像ができるとは思うんですけれども、やはりこの方がどこで被爆をしたのかっていうことも出てないし、それが全世界の人にそれを言ったところで個人的なことはわからないかもしれないんですけれども、一応この宣言文を考える皆さんにはそれを伝えていただいて、そこで皆さんがこうこういうことを入れた方がいいのではないかというふうに考えることができるので、後でここを説明していただきたいなというふうに思います。横瀬委員からも出ていましたけれども、そのお名前を入れるかっていうことなんですけれども、やはりご本人さんがちょっと困るということであれば、それは入れられないと思うんですけれども、私たち永遠の会で朗読をするときにも、なるべくお名前を入れるようにしています。名前を入れることによって、ちゃんとしたそういうお名前の人が存在していたんだっていうことが聞いている方にも想像ができるし、これは17歳の少女って言ったらたくさんいるじゃないですか、名前があることによってこの方の思いというか、それがすごくこの詩から出てくるのではないかなというふうに思います。

細かいことを、文章的なことを、このまま使うのであればというところで、何点か変更してもらいたいなというところがありますので言いたいと思います。

まず25行目なんですけれども、自分だけではなく、世界の誰にもっていうところが、「世界の誰にも」っていう言い回しが、市長が読まれてても、なんか伝わって来ないっていうか、この言い回しがちょっと変えたらいいのかなって思って、私は「全世界の人々にも」って変えた方がいいのではないかと思います。

それから、どなたかも出ていましたけれども28、29行目、「その意志が生まれてくる場所は」と言うのではなく「その意志は間違いなく私たち一人ひとりの心の中から生まれてくるのです」と、はっきりストレートに言ったほうが良いと思います。

あと、35、36行目「被爆者の思いが世界に届くことはないのでしょうか」ではなく、「届いていないのでしょうかと」言ったところで、次の「そうではありません」というふうにした方がわかりやすいのではないかなと思います。あとは、長崎広島は昨年度から国の予算によって全国の学校さんなりに被爆者の体験をお話する、それも朗読であったり家族証言、交流証言であったりそういう取り組みを、とても良い取り組みをやっているっていうことを、やはり全世界にアピールするべきではないかなと思います。とは言いましても、今年初めて依頼をした学校さんとかは、「去年から始まっていたそうですね。知りませんでした。」っていうふうに、まだそれが広がっていない。これは日本だけではなく、本当に世界の方にも被爆者の思いというのを聞いていただきたいと思いますので、これはぜひ長崎の取り組みとして大きくここに入れていただきたいなというふうに思います。学校さんを回っていて私が子どもたちに伝えることは、いつもまずは知ることです。そして自分のこととして考えること。そして想像すること。想像しないときっと色んな感情というのはその人から生まれないと思うので、そのあたりを何かこう文章として入れられないかなというふうに思います。あと、学校さんからの依頼としてよく「どういう取り組みをしたらいいでしょうか、子供たちは何かをしたいと思っているけれども何をしていいのかがわからない。なので例としていろいろと挙げていたただければ助かります」というふうな依頼がよくあります。そういうことも、この宣言文に何か盛り込めたらいいなというふうに思っています。すみません、具体的に何をというのが言えないので申し訳ないんですけれども、私としてはそれが以上です。

【委員】

いろんな委員の話を聞いていると、共感するところがいっぱいあって、2つだけ言いたいことがあります。この詩を読んだときに、最初の部分がすごく、3行目から9行目がすごくインパクトがあって、そっちの方で心が持ってかれてですね、この後ろの方の「このことだけ忘れてはいけない。繰り返してはいけない」という方が薄れると言うか、あまりにも3行目から9行目が、インパクトが強すぎてちょっとこっちの方のメッセージがなかなか心についていかない感じでした。意見は二つに分かれると思うんですけど、その言葉から各自が想像して琴線に触れるようなものだと思うので、あまりにも最初にインパクトがあるものを持ってこなくてもいいのかなと思いました。その代わりに、17歳の時に被爆された女性の詩ですって言った後に、例年通りに原爆当時の風景の話を入れるのも一つの案かなと思います。もう1つ、もしもそれがそれじゃなくて今の文章のままで行くなら、どこかに戦争の時だけじゃなくて、今も、終わってからも苦しんできたっていう部分を一言どこかに入れられたらなと思います。

もう1つは、昨年はちゃんとあの継承、戦争しないという思いを日本国憲法に込めないと。次世代に引き継がなければという、そういう継承、繋げるとかそういう部分の言葉が一つあったらと思います。調委員もおっしゃったみたいに、平均年齢82歳を超えています。声を聞ける機会がだんだん減っていっている今だからこそ、引き継いでいかないといけないんですよというメッセージが入れられたらなと思います。以上です。

【委員】

私はこの文章で2行目、「幾千の人の手足がふきとび」からこの文章3、4、5、6と、その場にいた私は、まさにその通りだと。よくこの言葉が出てきたと。

人の体にうじ虫がわいた

息ある者は肉親をさがしもとめて

死がいを見つけ そして焼いた

人間を焼く煙が立ち上り

罪なき人の血が流れて浦上川を赤くそめた

正にこの通りです。浦上川が真っ赤に染まりました。ケロイドを残してやっと戦争が終わった、と思ったけれども、私もそうです。父も母もいない。兄も妹も戻ってこない。妹も兄も真っ黒焦げに焦げて。

人は忘れやすく、弱いものだから過ちを繰り返す。だけど、このことだけは忘れないでほしい。このことだけはもう繰り返してはならない。正に、最初の文章が本当に胸に叩き込まれて、これは私のことを言っているのではないかな、というような自覚があって、1945年8月9日、午前11時2分、その時の時間を忘れてはならない、世界の人たち、誰にも二度とこのような苦しみを与えてはならないということが、私たち長崎市民の人々の声ではないかと思います。正にこの文章のとおりで、後は皆さんがおっしゃったように、二度と核兵器のない世の中を作るために何をすべきか、何をしなければならないかを、皆で考えながら、一歩一歩平和の道を前進していければいいなと思っております。よろしくお願いいたします。

【委員】

この、詩から始まる前文のところはこのままでいいのではないかと基本的には思います。氏名があった方が、インパクトがあるのは間違いないと思います。あとは、この詩の読み方によって、先ほどから最初のほうがインパクトが強すぎてという御意見もあったのですが、この段落がつけてあるところが、ぼくは大事なんじゃないかと思います。最初の段落で「ケロイドだけを残してやって戦争が終わった」ここは、やはり原爆の爆発からしばらく時間が経ってその年の終わりまで亡くなっていくという経過が込められていて、ここにケロイドが起こってきて、そして戦争が終わったという時間経過がある。そして、その時間経過の後に、しばらくして思い返すと「父も母も もういない」という、原爆後の被爆者の心情が込められている。そしてさらに時間が経って、ここはやはり核兵器がなくならないとか、いろんな中で、「人は忘れやすく弱いものだから あやまちをくり返す」というようなことで、田上市長の詩の朗読の力を十分に発揮していただければ。そして、先ほどからいろんな疑問が提示されていましたが、包括的にこの詩で情緒の部分も表せるのではないかと思っています。

それから、「原爆は『人の手』によって作られ、『人の上』に落とされました」この文章は非常に良いと思います。「だからこそ『人の意志』によって、無くすことができます。」と。その後の文章については、先ほど何人かの方がおっしゃったように訂正された方がいいのではないかと思いました。

それから、30から34行目の、核情勢についての現状についての文章の中で、INF全廃条約は破棄されたんですかね。あるのだけれども、そこを離脱したというか、8月2日で失効。なので、ここは経過を見て決めた方が良いと思います。微妙なところですが。

35行目から36行目の文章は、「届いていないのでしょうか」という、現在の核情勢を見ると、これまでの被爆者の声が届いていなかったんじゃないかなという思いというのが、ここで表されているんじゃないかなと思うんで、ちょっと変えた方がいいんじゃないかなと思います。

それからの37行目から51行目は、これまでになく市民社会のことが、市民社会がどういうことをやっているかっていうことが書いてあるわけで、せっかくこれはいいと思うんですよ。市民社会がこれからの核廃絶の本当の担い手で、僕は今から第2のステージに入ってくるんじゃないかなと思っているんですけど、その大きな部分を、ここでしっかり述べておくということですね。だからこの市民社会の、特に40行目からのビキニ環礁ですね。これは、私の理解ではマグロが食べられなくなったではなく、マグロが売れなくなって生活も困って、静岡県清水市の主婦たちの間から起こってきたのではないかなと思うんですね。夫の船員の皆さんの被爆と共にですね。それが日本から始まり、世界中に広がった反核運動は、その後「10年」って入れなくてもいいんじゃないかなと思うんですけど、「部分的核実験禁止条約を成立させ」とかですね、それはさらに今日につながる核廃絶運動の原点となったと。ヒロシマ・ナガサキと共に原点に加わった等という説明が入ると非常に、市民社会が果たしたこれまでの役割と、今後の役割が生きてくるんじゃないかなと思います。被爆者の役割を、核兵器禁止条約のところでもぜひ入れていただきたいと、私も同感であります。

それから、45行目から46行目のところが、ここがちょっと、あの違う国の友人との間に確かな信頼関係を作り出している人達もいますというのが、どうしても何回読んでもここはどういう意味で書かれたのかなと、もう一つの部分であります。多くの国の友人と、とか平易に表してもいいのかなと。「違う国」というのがちょっと引っかかりました。後は、53行目の「核兵器が未来の地球を壊してしまう」でも良いんですけども、やはり、「人類の生存を危うくする核兵器の実相に触れてください」とか、そういうのがいいんじゃないか。「地球を壊してしまう」というのがちょっとイメージがやや上昇し過ぎている。地球環境を壊すのは間違いないけど、地球を壊すというのがちょっと引っかかります。

それから「日本政府が核兵器条約を支持する立場に立っていません」という文章が、前回からはずいぶん進歩したというか、進化したんですけども、日本政府が堂々と、禁止条約の多国間交渉の第一演者として軍縮大使がはっきり否定すると言っているということですから、「立場に立っていません」じゃないんじゃないかなと思います。はっきり言えば、極端に言えば「拒否しています」とかですね、そういうこともあっていいんじゃないかと思います。それから「核兵器禁止条約を批准してください」ということで、非常に簡潔に言い表せるんじゃないかなと思います。

それから、9条を入れるかどうかってことなんですけども、戦争をしないという決意を込めた日本国憲法は何ですかと言われると、小学生でも9条ですと答えると思うんですよ。だから、そこでわざわざ9条を入れないで、こういうふうに平和の理念で、これまでの平和宣言もそういうふうにしてきた経緯があるんですけども、今は正に憲法改正が国政選挙である党の公約になっているわけですから、そこは明確に、戦争しないという決意を込めた日本国憲法の平和の理念をという意味は、憲法9条を言うことですから、維持してくださいってことではっきり言った方がいいんじゃないかなと思います。今年はですね。

それからの原発事故から突然これが出てきて、これは毎回皆さん、違和感をお持ちになりながら言ってきたんだと思うけどね、今回少し文章が短くなっていますから、あと1行、例えば「核の平和利用の国策の中で生じた未曾有の原発事故から8年経過した今も、放射性物質あるいは核物質の汚染の影響で苦しんでいる」とか、そういうふうに入れると、核廃絶とこの原発を将来は減らしていくとかは、今の国策にもなっているわけですから。或いは人類が核を利用している核の時代の、問題が2つ併記されているという意味で、何の矛盾もなく入っていくんじゃないかなと思います。以上でございます。

【委員】

全体として非常によくできているというか、ほとんど抵抗なく読める宣言文でした。詩が冒頭にあるということも含めて非常に良いのではないかというふうに思っています。その上で一点ちょっと大きい所と、あとは修辞的及び事実関係で修正をしていただいた方が良いかというふうな点があります。

大きな点はですね、さっきちょっと、どなたかも言われたんですけど、詩の最後のメッセージはどんなことがあっても繰り返してはいけないと言う、被爆者の言葉があって、それとつなげる格好で、現実がいかにそれと違っているかというふうに繋がった方がいいんじゃないかというふうに思いました。それでどなたかも言われたかと思うんですけど、27から29行の3行は、この際切ってもいいんじゃないかと。現実がこうなんだというふうに、繰り返してはいけないっていう思いといかに裏腹なことが進行しているかっていうふうに直に流れていくような文章になった方がいいんではないかと思ったんですね。で、いろんな意見が出ていて増える傾向にあると思うので3行ちょっと減らすという思い切ったことも考えていいのかなというふうに思いました。で、そういうふうにして、その30行以下の数行にもうちょっと現実の酷さということを伝える必要があるんじゃないか。1回目の会議の時にも申し上げたんですけど、中満国連事務次長の言葉を引用して、とにかく公然と核兵器の役割を発見させるというか強調することを平気で言われるようになっているという、そういう時代の変化みたいなその事を例えば翻ってそれをいうかどうかは別としてですね、核兵器をめぐる世界情勢はとても危険な状況です。核兵器の役割を強調する風潮は強まっています、というような風潮を述べて、具体的にアメリカとロシアがこういうことやっています、とそのまま繋げられるようにうまくできるのではないか、より使いやすいというところの前提となることで核兵器の役割を強調するという、そういう風潮が強まっていますという言葉が入れば、あとはこの通りの扱いやすい核兵器開発というふうにつなげていいのかなと思います。

それからINF をどう書くかって、結構大変ですね。印刷が8月頃じゃ遅いと思うんですけど、破棄されてしまっていると言うとちょっとやっぱり違うという、違うかもしれない、これでいいかもしれないと言う、ちょっと際どい所にあるのでどうするかというのをちょっと考える必要があるというふうに思います。間違っても、法的には8月2日には失効、何もなければ失効で、現状、アメリカは従わないというサスペンド(=一時中止する)ですけど、停止しているんで、この条約は停止状態であって自分たちの国は破っても構わないっていう宣言をしているんですけど、だけど、それが法的に発効するのが8月2日 、ロシアも、一応停止ということを議会が決めたんですよね、ロシアもこの条約に縛られないっていうことを一応政策としては言っているんですけど、法的には8月2日にそれが手続きが完了しないと「棄てられる」と言うことにはならない、で、それまでの間に何か起こる可能性が非常に少ないけど、ないとは言えない。一応、変えると働きかけをしているというふうに言ってはいるんですけど、アメリカのボルトンなんかは、やらないっていうふうなことも言っているし、という状況であのちょっと考えないといけないことではないかというふうに思います。

それから40行目からの節なんですが、部分的核実験禁止条約だけがこの名前が出てくるというのがちょっとなんか違和感がありました。それで部分的確定しかその時はできなかったけどやっぱり市民社会の声はずっと維持されていて、結果的に包括的核実験禁止条約の成立まで実現したわけですから核実験禁止というのはあの北朝鮮がやっちゃったというのはありますけれども、世界の一応その規範として確立しているというふうに、アメリカも署名していますし、まだ批准してないので発効してないって、発効は大変だっていう状況にあることはあるんですけど、そのあらゆる規模の核実験は禁止されるべきという規範は一応あるという。ですから、部分的核実験禁止条約という言葉を出すんであれば、さらに包括的核実験禁止条約を生み出しましたというふうに言うべきかなと。あるいは、核実験の禁止条約を作りましたというふうに、部分的とか包括的という言葉は使わなくて平たく言ってしまってもいいかなと思いますけど、そこはちょっと引っかかったところです。それから先ほど日本の主婦の運動がというのは、多分正しいんだろうと思うんですけど、ちょっとあの調べる必要があるかなというふうに思うのは、ものすごい世界的な核実験反対の運動が起こったんですよね。それはビキニの実験そのもののインパクト、そのパグウォッシュというか、ラッセル=アインシュタイン(宣言)の、水爆が地球を壊すってことが人類の未来を決定するというような危機感がある時に、水爆実験がやっぱりものすごいインパクトでそれでもなんか同時にヤグーとかシュバイツァーとか世界の著名な人たちが一斉にメッセージを出して核実験禁止で地球を救え的なグローバルな声が起こったことは事実です、実験そのものの。それと、日本の市民の運動とどういう流れでどうなったのかちょっとチェックする必要があるかなっていう。でも両方あまり長々と書くことはできないだろうと思うんですけど、先ほどからの意見の中でちょっといいと思いましたのが、短くする趣旨で、私たち一人ひとりの意思は微力であっても決して無力ではないという言葉も無くてもいいかなというふうには思いました。

それから53行目は被爆地を訪れてやっぱり現実に触れる、これまでなんか少し言葉を重ねながら、「見て、聞いて、感じて」という文章があったと思うんですけど、なんかそういう言葉が一つ入ってから地球とか非人道的とかっていう言葉にしないと、ちょっとこの間に言葉が必要だというふうに思います。

それから57行目から8行目にかけてアメリカとロシアに要求する言葉として「核兵器のない世界に繋がる」というのはちょっと抽象的すぎるので、もっとずばりその「核兵器を大幅に削減する具体的道筋」というふうに、この二つの国がまずやるべきこととして中身をですね、もうちょっと練った方が良いかなというふうに思いました。

先ほど中国のことが触れられて、ご意見はよくわかったんですけど、とりあえずアメリカとロシアに焦点を絞った方がいいかな、というのは、最近にも中国の核の現状についてのデータがアップデートされたレポートが出たんですけど、やはりあの唯一増えている国はあるんですけど、全体的に見ると抑制した政策が続いているという認識なんです。で、弾頭の数が290発という数を維持していて高性能化しているんだけども、先に核兵器を使わないとか持たない国には絶対使わないとかという政策に変更はなくて、そういう政策がある国っていうのはあれだけの大国で今おっしゃったように軍拡もどんどんやっている中で、核に関しては抑制を続けていると言うか、続いているので中国を名指しにするのはもうちょっと待った方がいいかなっていうのが私の感じ方です。で、アメリカとロシアが、とりあえず全体の9割の核を持っている国で、まず減らせというのがわかりやすい具体的な要求、市民からの要求というふうに思います。

それから何人かの方がおっしゃった59行目の日本政府の今、というのは弱いというのは同感で、もっとズバッと言いたいという気持ちがあります。一方で、なんか反対しているとか拒否しているとかいう言葉を、言われないように言葉を非常にあいまいにしているという現実を、上げ足を取られない言葉ってどういうかっていう。何か工夫が必要だなと。本心は拒否しているし、指示していないというのは非常にはっきりしているけれど、国民世論を気にして、そういうふうに端的に決めつけられないような言葉にだんだん変わってきている現実があるので、しかし本心はやっぱりこうじゃないかということをはっきり言いたい。そこは本当に断固強く言いたいということです。

それから、憲法、63行目は前文と9条というふうに平和の理念というのをもうちょっと具体的にした方がいいのかなと、ただ国際的にその言葉がどのくらい伝わるのかちょっと分からないですけど、ただどこの国も平和の理念の憲法は持っているに違いないので、戦争をしないというのもまあ、国連でも言っていることなので、日本が持っている平和憲法ということの特色をどうやって表現するかということで、少なくとも9条ということばは世界にもだんだんわかる言葉になっていると思うので、あった方がいいのではないかと思います。

それから、少し戻りますけど61行目で、つながりをどうするかという問題はあるのですが、朝鮮半島で歴史的な変化が生まれている今とか、これは今年朝鮮半島で起こっていることが、いい方向で起こっているという認識を皆さん共有していると思うので、そのことと、その核の傘をやめて、北東アジア非核地帯にということは、密接につながる事なので、やはり状況として、朝鮮半島に歴史的な変化が生まれている今、とかいうような言葉が入った方がいいのではないかというふうに思います。

それから、どなたかおっしゃったと思うんですけど、原発の67―68行は、前に、65行の前にあったほうが流れがいいかもしれないということを、意見を言われてそう思いました。以上です。

【委員長】

ありがとうございます。一通り皆さんからご意見をいただきました。その中で一点詩の作者に関する問い合わせがありました。この方はですね、純心女子高校卒業されて女子挺身隊として爆心地から1.1キロの三菱兵器製作所大橋工場で働いておられました。お名前については今の段階ではふせさせていただきたいと思いますけれども、お父さんは6歳の時に他界されて、母子家庭で育って、お母さん、妹さん2人を亡くされたという状況です。住まいは爆心地から数十メートルの松山町にあったということのようです。お名前については、またご本人に確認をする必要がありますけども、一応状況についてはそういう状況ということです。

今一通り色んなご意見をいただきました。大枠については2回の起草委員会を通じてある程度今回強調する部分であったり、スポットを当てる部分については了解いただいていると思いますけれども言葉の部分についてはかなりのご意見をまたいただきました。これを加えていきたいと、修正がどこまでできるのかということを検討していきたいと思いますけれども、今回3回目ということでありますので、まだご意見一通りお聞きになり、こういうことも付け加えておきたいというようなことがありましたら是非またお願いしたいと思います。はい、お願いします。

【委員】

はい、パラグラフの問題でいきますと、37行目から51行目までが市民社会の問題になっているわけなのですけれども、37行目と38行目は、その前の段落を受けて市民社会の力というところに移るパラグラフ、この分だけとなっています。それでこの後38行目の終わりから40行までが世界的動きに繋がった市民社会の力、それから44行目から51行目までがその前の段落の「微力ではあっても、決して無力ではない」という微力な取組みですね。それの具体例となっているわけですね。従って、「微力ではあっても、決して無力ではない」というこのパラグラフの終わりと、それから50行目、51行目の「小さな私たち一人ひとりにできる大きな役割だと思います」という、このパラグラフの最後が呼応しているわけです。従って、42行から43行目の「微力ではあっても」というところですね、これは言葉としては変えてもいいかも知れませんが、趣旨としては残しておく必要があるだろう。次のパラグラフの伏線になるわけですから。それから、そういうことで言っていきますと、38行目の終わりの「そして、市民社会の力は、これまでにも」というところですが、これは次の行、パラグラフの頭に持ってきて、「特に、市民社会の力は」としたほうが強くなるのではないかなと感じました。一応そこのところをパラグラフの問題として提起したいと思います。

それから、その後のパラグラフは、世界のリーダーに対して、それから日本政府に対して、そして65行目から71行目が、まあ65から68は合せてこの核の被害に苦しむ、未だに核の被害に苦しむ人たちへの言葉、そして69から71が既に亡くなった方への追悼の言葉ということで、そういうふうにくくっていけば、一貫性はあるのではないかと思います。従って67、68のところをいわゆる核による被害という意味付けにしていくと。さっきもこれ申し上げましたけれども、そういった内容にしていけばパラグラフ毎の趣旨は非常にすっきりとまとまるのではないかと思います。それからもう一つ感じたのは、これを英語、他の言語に訳す時に、やっぱり何回も出てきましたように、日本語的なこの曖昧な表現は避けて、はっきりとした言葉で書いておくことが翻訳するうえでもし易いのではないかなということも感じました。以上です。

【委員長】

はい、ありがとうございます。他にもご意見などございませんでしょうか。はい、お願いします。

【委員】

今の情勢を表す言葉としてですね、「核兵器復権の時代」という言葉があるのですが、核の抑止がまた蘇ってきている。これは非常に危機的な状況を生み出しているので、「復権の時代」というと認めてしまうような気がして嫌なのですけれども、我々が感じる危機感はそういう感じなのですね。核兵器の役割が、一旦冷戦が終わって消えていっていたのに、またこう蘇ってきているという、その感覚がこの文章では伝わってこないので、「復権の時代」という言葉を使うかどうか分かりませんけれども、そういう感じを出していただきたいなと。それから先ほどの日本政府の立場なのですが、59行目ですね、「核兵器禁止条約を署名しないと述べています」というのは事実なので、それが一番ストレートかなと。で、「核兵器禁止条約に一刻も早く批准してください。」署名しないということははっきり言っていると思うので、それで分かるかなと。

それからビキニの話なのですが、これは日本との関係をはっきり言うのであれば「第五福竜丸」の名前を出した方がいいかなと。で、『「第五福竜丸」の被曝を機に日本の主婦が始めた反核運動は』とするとですね、長崎から出す平和宣言としての価値が高いかなと。これだとですね、誰が始めたのかよく分からないですから。それだけが部分的核実験禁止条約に繋がったかどうかは事実関係を調べてみないと分からないのですけれども、反核運動が最終的に核実験の禁止に繋がったことは間違いないと。

それから、私は日本国憲法の話ですね、私も9条を今是非「守る」という言葉が、「9条を維持する」と言う言葉があったほうがいいと思うので、63行を「日本国憲法第9条を守り、その理念を世界に広げる」と。そこが今大事なところなので、是非ここを強調してもらいたいと思いました。

【委員長】

はい、ありがとうございます。他に、お願いします。

【委員】

初端におっしゃった核兵器を巡る世界情勢がですね、非常に危険な、とても危険な状況ですというのが30行目の文章なのですけれども。ちょっとそれを変えて「危機的状況」、それが本当にそうかということなので。やはり核抑止力の考え方もですね、リバイバルして、しかも核兵器が近代化された流れの核抑止で、変なあれも入っていますよね。大都市に向けて、ボンとやってすごい数の犠牲者を出すという使い方ではなくてですね、小さい小型の核兵器で、しかも軍需施設を中心にやってあんまり民衆の死者数は増やさないという、非常に狡猾な状況とかですね、そういうのを考えると、去年から今年あたりは「非常に危険な状況」を通り越して、「危機的状況」なのかと思ったのですが、そこはなかなか文章として入れるのはちょっと勇気がいりますけども。まあ、そういうふうに今ちょっと思っています。

【委員長】

ほかにご意見ございませんでしょうか。はい、お願いします。

【委員】

すみません、これは宣言文には関係のないことなのですが、この最初の詩の作者に関しては、私は別に名前を入れなくても、入れたらその人に対する報道だったり、影響というのを考えると、あまり文章に名前を入れるべきではないのではないかと思います。やはりご高齢、91歳の女性ということで、そういうこともきちんと宣言文としては配慮が行われた方がいいのではないかと思います。ただやはりこの宣言文に入れられたということで、やはりすべての方がこの人の言葉を正しい全文というのを知っていただきたいという思いがありますので、それは永遠の会の方々が朗読というのを通じて語ってくれるという方法がありますので、もし可能ならば、この女性にきちんとした体験文と朗読を永遠の会でご紹介できるという了解を得て、きちんと平和宣言文で使われた詩なのです、これが全文ですときちんと伝えられるという状況を市としても考えていただけたらなと思います。それは宣言文前には発表できないにしても、永遠の会としては練習をするという期間が必要になりますので、それも踏まえて永遠の会は公言しないということを了解に、きちんとそれを練習する期間というのも与えて下さったら、私も8月9日の日にきちんとした形で、全ての文章を多くの方に語れるということが出来るのではないかなと思いますので、それを考えていただければと思います。よろしくお願いします。

【委員長】

今の件、ご本人とも色々やり取りをしていますので、そういった中での検討に含めさせていただきたいと思いますけれども、基本的には出すこと自体には問題はないとやり取りでは思っていますので、8月9日の前の時点でどこまでどうなのかについては、マスコミの皆さんの取材規制であったり、表に出す規制との関係がありますので最後にご説明させていただきたいと思います。

他に皆さん、ご意見。はい、お願いします。

【委員】

今の話を伺って思ったのですが、この前文、多分これだけ読んだら先ほど紹介してくださったのを聞いてもね、すごく読みたいと思うのですね。で、その当日の平和宣言文の冊子の学習資料みたいな、色々解説が載ったりしているのがありますよね。あの中に全文を紹介するようなことって難しいのでしょうかね。それは検討?

【委員長】

ちょっと量を見てみます、結構な長い詩のこれは一部でありますので、全体をちょっと見てみます。色々、核兵器の話がもう公然と役割が語られるようになってきた部分についての説明などもいるでしょうし、全体の中で考えてみたいと思います。いずれにしてもその詩に触れる機会、全文に触れる機会が出来ることについては考えてみたいと思います。

他に、はい、お願いします。

【委員】

少しなのですけれども、48行目のところで「子どもたちの心に平和の種を植えている人たちもいます。」ここが、「絵本を使う」という部分と繋がらないこともないけど、ということで意見が出ていたのですけど、私も「平和の種を植えている人」の対象の人たちは子どもたちに限らないのかなとちょっと思ったので、「人々の心に」と言ってもらってもいのかなと。ただ「子どもたち」、とここで出したその意図は、若い人たちにもちゃんと伝わって行っていますよということだと思うので、どなたかがおっしゃったような「継承」という言葉もどこかに入れつつ、ここは「子どもたち」もそうだけども、それよりちょっと大人になった世代もそうで、人々すべてが平和の種をという表現にできればいいかなと思いました。以上です。

【委員長】

はい、ありがとうございます。他にもございませんか。3回目ですので一応これで公式の起草委員会は終わりになりますので、もし何かありましたら。よろしいでしょうか。

先ほど憲法の検討について様々なご意見をいただきました。以前もお話はさせていただいていたことがあるかと思いますけれども、基本的に平和宣言は長崎市長が長崎市民を代表して述べること、そしてその中身の中核を成すものは原爆犠牲者への慰霊の部分と核兵器廃絶に向けた内容、そして世界平和をつくっていくという部分だと思っています。そういう中で、核兵器廃絶の部分と世界恒久平和の実現という二つのテーマが特に中心となるわけですけれども、核兵器廃絶については、具体的な手法をどうするのかといった点についても、私は市長として市民の皆さんに託されていると思っています。ですから様々なその時々に応じた対応をすぐに取れるように核兵器廃絶という目的のためであったら色々判断してやっていいということを託されていると考えています。ただ一方で、世界恒久平和実現に向けた様々な安全保障であったり、憲法の問題等についても、色んな考え方が市民の中にもある分については、これは、やはり市民の皆さんの考え方がどうなっているのかということをしっかりと判断する必要があって、どこまで書くべきなのかという事についてもそれを判断しながら、平和宣言の場合は発信していくべきであろうと思っていますので、今回いただいた様々なご意見を基にどういった表現が相応しいのかという点について考えさせていただきたいと思います。

今回の平和宣言の起草委員会、3回の起草委員会、ここで一旦終了になるわけでありますけれども、内容も、今日もたくさんのご意見をいただきましたので、そして構造自体、少し入れ替えとかがあるような部分もある形になるのではないかと思いますので、そういう意味でまたどれぐらいの修正になるのかということを検討したうえで、ひょっとするとまた数人、数名の委員の皆さんに改めてご意見を伺ったりすることもあるかも知れませんので是非ご了解をいただきたいと思います。今回の3回の起草委員会も非常に有意義なご意見をたくさんいただきまして、また検討にも、それぞれご自宅でも含めて時間を割いていただきましたことを感謝申し上げたいと思います。読み方もしっかり練習して、いい平和宣言だったと言っていただけるように仕上げをしていきたいと思います。本当に3回の起草委員会のご協力ありがとうございました。

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