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令和2年度第1回 長崎原爆資料館運営審議会

更新日:2021年6月1日 ページID:036791

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 平和推進課

会議名

令和2年度第1回 長崎原爆資料館運営協議会

日時

令和3年3月24日(水曜日) 13時30分~

場所

(1)長崎原爆資料館地下2階 企画展示室
(2)~(4)長崎原爆資料館地下1階 平和学習室

議題

(1)企画展「復興の息吹~被爆後10年の歩み~」及び「【被爆75周年事業】新着資料の紹介展示 第3弾」視察
(2)報告
ア 新型コロナウイルス感染症拡大防止策について
イ トリップアドバイザー「旅好きが選ぶ!日本人に人気の美術館・博物館ランキング2020」第3位受賞について
ウ 柱時計のレプリカ作製と被爆資料収集強化について
(3)意見交換
展示室Cコーナー「核兵器のない世界をめざして」の展示について
(4)その他

審議結果

【会長】

はい。皆様お疲れさまでございました。

それでは議事に入りますけれども、まず只今視察していただきました企画展、柱時計のレプリカについては後ほど改めて資料をもとに報告がありますので、復興の企画展についてご質問とかご意見とか、感想含めてございましたらお願いします。

挙手でご発言をお願いしたいと思うのですが、皆様いかがでしょうか。

被爆から10年間の復興の企画展ですけれども、今とはだいぶ様子が違っていたと思いますが、被爆直後それから26年後の写真なんかありましたけれどもいかがでしょう。

【委員】

大変興味深く拝見いたしました。

私は長崎に住んで4年なものですから、町名その他はっきり皆さんのようには知らないですけども、短期間のうちにこれだけ復興するということ、ある程度聞いていましたけれども、目に見える形で、しかもあれだけ写真パネルが大きいとかなり細部にまでわたってその当時の方がとっても印象深くお感じになるのではないかと思いましたので、パネル展としての意味合いがとっても良かったのではないかなと。時間的な対比と大きな展示ということで、二重の意味で非常に良かったということが一つ。

もう一つは、可能であれば、これは当然保存資料として残るでしょうから、加えて今の街並みとかその時地上で撮られた写真とかを組み合わせて展示されると、臨場感が出て、生活感が出て、長崎市民の家族とも近い形で拝見していただけるのでないかなと思いました。

【委員】

興味深い写真が並んでいて、ここはどこだろうかと思いながら拝見しました。

その中で、戦後の様子が分かりはしたのですけれども、今の町名でここはどこなのだろうかと思う写真がいくつかありました。

それから良かったなと思うのが、そこの場所に住んでおられた方の証言が、短い言葉でしたけれどもキャプションがあったのが、当時のことを想像するのには役に立つなと思いました。

【委員】

この企画展、本当にご苦労して写真をお集めになられて行っていただいたものと思います。大変ありがとうございます。すごく興味深かったです。

私が通った学び舎も写っておりまして、今はもう新校舎になっていますので全く面影はありませんけど、私の記憶の中ではあの校舎で学んだことを本当に思い出しましたし、見たことがなかった父が通った学校も見ることができました。

長崎市民の方はそういう形で本当に身近に被爆の実相を感じていただける企画展ではないかなと思いますので、これは常設展の方にもこういう復興の模様を組み入れていただければありがたいなと思いました。

【会長】

感想をいただきましたけど、他の先生方いかがですか。色々お感じになったことがあるのじゃないかと思うのですけど。

特に無いようでしたら次に進みたいと思います。

引き続き次第に沿って進行を行いますが、次は報告です。これ4項目ありますので、事務局からの説明を4項目についてしていただいた後、まとめて質疑を行いたいと思います。

それでは事務局から説明を願います

【事務局】

それでは、資料は令和2年度長崎原爆資料館運営審議会資料となっているものの1ページをお開きください。

新型コロナウイルス感染症拡大防止策について、原爆資料館における対応状況についてご報告いたします。まず1つ目の臨時休館ですが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、昨年4月10日から5月31日までの間、原爆資料館は臨時休館といたしました。なお、これはグラバー園や出島など市の観光施設と合わせた対応であり、平和関連施設である永井隆記念館や旧城山国民学校校舎についても同様に休館としております。

6月1日の再開にあたっては、施設としての感染防止策はもちろんですが、ご来館いただく皆様に対しても、体調の確認、マスクの着用、消毒の徹底などをお願いさせていただきながら来館者が安心して見学できる環境を整えてきたところです。

その下には、再開後の具体的な感染防止策取り組み状況として指定管理者が行っている取り組みの状況写真を添えて記載をしております。

まず市が感染拡大予防ガイドラインを策定し、指定管理者はそれに基づき運用マニュアルの作成し運営にあたっており、ホームページ上で「お客様へのお願い」としてガイドラインの主な事項を掲載しております。また、館内の混雑状況をお知らせするため、把握できている団体の来館予定をホームページ上に掲載しております。

2ページ目をご覧ください。

来館者に対しても、マスクの着用や距離の確保などをお願いする事項を大きく掲示することとしております。また、館内で対面通行を極力避けるため、展示室へ向かわれる方とホールや図書室へ向かわれる方の動線を分けております。

なお、この一方通行につきましては、3月中に緩和する方向で話を進めております。

続きまして、3ページ目をご覧ください。

展示室においては地下2階という場所でもあることから、安心して見学いただけるよう、入口にサーモグラフィーカメラを設置しモニターによりご自身の体温が確認できるようにしております。

それから、万が一館内で発生した場合に備え、連絡先の把握も行っているところです。

館内でも、立ち止まって滞留しやすいと思われる券売機の前や展示室の入口などには、間隔をあけやすいよう足元に足形マークを貼り、座席やソファーにも間隔をあけて座っていただけるようマークを貼っております。

そして、展示室内での対面通行を極力避ける取り組みを行っているところでございます。

5ページ目から6ページにかけては、接触による感染の回避策や手指消毒の徹底、換気の実施状況について記載しておりますのでご参照ください。

なお、6ページの下段の方に参考として記載しておりますが、指定管理者が独立採算制として運営している喫茶室と図書販売において一時的に臨時休業しておりますが、全国的に緊急事態宣言が解除されたことに伴い、4月1日から再開する予定で調整を行っているところです。

7ページをご覧ください。

原爆資料館の月別の入館者数の推移について、昨年度と比較した形で一覧表を記載しております。先ほど申し上げました通り、4月と5月は臨時休館の期間があるため、来館者は少ないということになっております。そして、2月までのトータルとしましては、昨年度の約3割程度の入館者になっております。

続きまして、8ページをご覧ください。

報告(2)トリップアドバイザー「博物館部門第3位受賞」について報告いたします。

昨年度は第2位を受賞したと本審議会でもご報告いたしましたが、今回は第3位となり、一昨年度の第1位から数えて3年連続トップ3として上位にランクインしております。

9ページから11ページにかけまして、トリップアドバイザーに書き込まれた口コミをいくつか掲載しておりますのでご覧ください。ご意見の大半は、ぜひ訪問して見学するべきだというお褒めの意見をいただいております。このような口コミの内容的については、貴重なご意見として今後の施設運営の参考としていきたいと考えております。

続きまして、報告事項(3)柱時計のレプリカ作製についてと、(4)被爆資料収集強化についてご報告いたします。

資料の12ページをご覧ください。

柱時計のレプリカ作製につきましては、先ほど展示場所において学芸員の方から説明させていただきましたので詳細は省略いたしますが、昨年の10月から3月にかけて作製をしております。

資料の写真の方に、東京都八王子市の専門業者の工房での作業風景、これは実物と作製中のレプリカを見比べて確認しているところでございます。

それとその下、作製されたパーツの一部について写真を掲載しております。

今後も、有利な財源等活用しながらレプリカの作製を検討していきたいと思っております。

続きまして、資料の13ページをお開きください。

被爆資料の散逸、廃棄を防ぐため、長崎市では毎年の収集に力を入れてきましたが、被爆75周年となる令和2年度は、寄贈を呼びかける文書を市内在住の被爆者25,289人お一人お一人に直接送付するなど、さらに収集を強化しています。

この収集強化事業の中で新しく寄贈された資料は、随時展示して紹介しております。先ほど見ていただいたのが、その一部でございます。

資料受入数につきましては、令和2年4月1日から令和3年3月10日までで計48件、158点となっております。現物資料、記録資料、美術品、写真の受入数をそれぞれ配布資料に掲載しております。資料にはアルバムなどがあり、アルバムの中の写真を合わせて計上しますと、合計は222点というふうになります。

代表的な資料をご紹介します。

掲載している写真になりますけれども、ラムネ瓶は竹の久保町の住宅にあったものです。飲んだ後の瓶を家に置いていましたが、被爆後焼けて変形したものです。その横の罹災証明書には、被爆者の自宅が全焼、本人は負傷、母は爆死と記載されています。当時の生々しい情景が思い浮かびます。

令和3年度も被爆資料収集強化を継続していきますとともに、NHK長崎放送局と共同で、被爆者が書いた絵も募集する計画としております。

なお、本日追加で配付した資料に、本年4月に長崎市内の被爆者の方約24,300人の方に郵送する、被爆資料と原爆の絵を募集するチラシを配布させていただいておりますのでご参照いただければと思います。

報告事項の説明は以上です。

【会長】

ありがとうございました。

只今、事務局から報告事項4項目について説明がありましたけれども、これについて皆様からご意見とかご質問とか感想とかお伺いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

【委員】

お尋ねしますが、令和元年に比べれば令和2年度は30%、3割程度の入館者数ということでしたけど、この中身については、例えば修学旅行の子供たちが減ったのか、一般の旅行者が減ったのか、それとか例えば市内市外とか、そういう部分の統計をとっておられると思うんですが、その辺についてはいかがですか。

【事務局】

はい。先ほど委員がおっしゃったように、そういった分析というのはできるようにしているんですけれど、まだ具体的な内容の分析まで進んでいない状況です。

ただ、修学旅行については、5月、6月多い時期なのですが、こういったコロナの影響で来れないというのがありまして、例年だったら3月の修学旅行は少ないのですが、3月に入って、修学旅行の数も増えているということもございます。したがって、前年と比較できない人の動きをしているということがございます。

改めて先ほどの詳細な分析を行いたいと思いますので、また次回の審議会の方でご報告させていただきたいと思います。

【委員】

はい、わかりました。

ぜひ、そこのところの分析はしないといけないと思います。

あと、この特別展示の部分で、先ほど見せていただいて、色々な委員の方から意見がありましたけれども、例えば、ここにもありますけど、日本人なら一度は見てっていう口コミの部分がありますよね、こういう意味で、例えば長崎の人、日本人だけでなくて長崎の人、特に見なければいけないと思うのですが、そういう長崎市内の市民の人たちに対するこの特別展示の呼びかけというか、そういう対応はどういうふうにされているのですか。

【事務局】

長崎市民に対しての、この復興展の特別な呼びかけについては、正直なところ積極的なものというのはできていないというところがあります。ホームページとかFacebookとか記者の方にプレスリリース、そういったものはしているのですけれど、コロナが拡大していた時期でもありましたので、積極的に呼びかけがなかなかできていないというのも正直なところございました。

ただ、このコロナ禍において、観光客が少ない中で、市民の方に見ていただきたいっていうのがありましたので、6月1日、この資料館を再開した時から今年度末まで市民の方が無料になっておりますので、そういった意味ではほかの年に比べて市民の方に足を運んでいただけているのではないかと感じているところでございます。

【委員】

今言われていたようにコロナ禍ですから、市外のお客さんも当然ですけれども、こういうコロナ禍だからこそ、市民の人達にこういう展示を見てもらいたいというのが一番大事なんじゃないかなと思いますので、ぜひその辺の呼びかけというか広報というか、そういったものを積極的にお願いしたいと思います。

【会長】

最後はご要望ということです。

【事務局】

この復興展が5月31日まで行っておりますので、先ほどいただいた意見を踏まえてですね、再度プレスリリース等行いたいと思っております。

【会長】

他いかがですか。感想も含めて結構でございます。

【委員】

別の話題でも大丈夫ですか。

資料収集の強化のところですが、努力された結果この数字だと思いますが、どれだけ今集めるのが大変か物語っていると思うのですけれども、ただ、時間が経てば経つほど、処分されてしまったり、無くなっていくという事例もあると思うのですが、何か大学も含めてですね、一緒にやれたらプラスになるとかそういうふうなことは考えられるのでしょうか。

【事務局】

おっしゃられているように、何か大学と一緒にできることがあればしたいと思いますし、今一番思っているのが、やはり今、被爆者の方が段々少なくなってきて、ここ4、5年というのが私達ははっきりいって勝負かなと思っております。

そういった意味で、被爆75周年を契機として、この被爆者一人一人に対してお手紙を郵送して貴重な資料をいただいているというふうな状況でございます。

そして3年度以降もしっかりと予算を要求し、被爆者の方々一人一人にお願いをして、しっかりと被爆の資料を集めていきたいというふうに考えているところでございます。

先ほど大学との連携というお話もございましたので、どういったことで連携ができるかっていうことは、今後私達の方で考えていきたいと思っております。

【委員】

例えば、郵送されて、かなりご高齢なわけですからお1人で対応されるということが現実的になかなか難しいのかなと。

そうすると、ご家族とかちょっと対象広げる形で、しかも大学が関係するのだったらプロジェクトをつくって学生も動かしていくとか手数が必要だと思うんですよね。郵便一本でというのはご高齢の方には大変難しいと思います。

残り時間とかの話がありましたけれども、そこ考えると、もう一歩踏み込んだやり方をやってみてもいいかなという気はいたします。

【事務局】

おっしゃられるように皆さん高齢者なので、そういう時にうちの学芸員がどうしているかと言うと、当然こちらの方に持って来ることができないという場合も多々ありますので、実際にご自宅の方に行って、ものを頂くだけではなくて、当然ものにまつわる由来というのが非常に重要になってきますので、そういったものをしっかり聞き取って持ってきているというのがございます。

でも、先生がおっしゃるように、学生も一緒になって、そういったのを一緒に聞いてみるということは、平和学習としても非常に良い取り組みだなと私は今考えましたので、何かきっかけを作って、例えば聞き取りに一緒に行ってもらうとか、こっちに来た時に何か関係してもらうという、そういったことをできないかなと思っています。

すぐすぐに何かできるかという段階ではないので、検討させていただきたいというふうに思います。

【会長】

それでは委員どうぞ。

【委員】

一年間で集めてもこれくらいの数しか集まらないという現状の中で、あなた方は情報をきちんと管理しないといけないと思うんですよね。

この春までに応募がきている浦上天主堂の原爆資料ですが、これは新たに募集をしてそれなりの量を集めています。

しかし、ここに学芸員がいたりすることはないのです。家にあった、これは被爆の遺産ですよというものを持って来ている。

また、この資料館にも相当の浦上教会関係の資料を貸し与えているか寄贈しているかしています。

この春にオープンしていますから、できるだけそういうものを連携しながら両方が交換しながら適用するというようなことも含めて、一回浦上教会の責任者を訪ねて、何かそういうものをされているみたいですが、協力することはありませんかっていうような形でご相談なさったらどうでしょうか。見解があれば。

【事務局】

今の委員、それから先ほど委員の方から資料収集方法、それから他にも浦上の教会のことの話がありました。そのほか、被爆者団体、平和活動団体の方にもいろんな資料が残っていることは私もお聞きしています。

私どもは、まず市民の中に家の中に残っている物をまず収集しようと、2年前に被爆体験記の募集をしました。それで約50人以上の方の申し込みがあって収集できたと、追悼平和祈念館の方でやっていただきました。

そして75年ということで、今しかないということで、3万人の被爆者の方に送って家の中に眠ってないですかということを、そこの役割を市の方でやろうということでやりました。

そういうことで、そこにまだ力を注いでいくということと、それに大学等の力をお借りしたいし、それぞれに眠っている資料をどうするかということについても、各団体と連携をとりながら、どういう役割でやっていくかということを今後協議していきたいと思いますので、ご協力の方をよろしくお願いしたいと思います。

【会長】

他の皆さんいかがですか。感想を含めても結構です。

【委員】

この集められた資料ですが、これをただ収集というだけではなくて、この集めた資料をどう使っていくかっていうのも大事な問題だと思うんですね。

それで、私たちもお話をさせていただく時に、この写真だとか、例えば罹災証明書とかそういう体験記に出てきた言葉だけではなく、写真などで紹介できたらすごく実感していただけるというのがあるので、ぜひともこのような資料を使わせていただきたいと思っているのですが、こちらの資料はどういった形で一般にお披露目というか、借りることができたり、検索が簡単にできるとかそういうことはあるのでしょうか。

【事務局】

活用方法ということでございましたが、冒頭に見ていただいたように、新着資料が奥の方にあったかと思うのですが、今回被爆75周年で集めた被爆資料については、4回に分けて同じ場所で展示を行っております。今展示しているのが第3弾ということで、次は第4弾が3月26日くらいを予定しているんですけれども、それくらいから第4弾をするということで、それが第一のお披露目ということでございます。

今後これをどうするかということなんですが、年2回の企画展を開催しております。さっきの場所で常設とは別に企画展示をやっているんですけれど、そういった中で、例えば先ほど浦上教会が出ましたけれども、浦上教会をテーマにするものであれば浦上教会にまつわるものでいただいたものを展示するとか、そこでまた2回目が出るとか、そういうふうな使い方をしております。

それと、お披露目とか検索というお話もございましたが、今はなかなか進んでいないところもございますが、こういったいただいた寄贈品については、インターネットの方を見られるようにできるだけしているのですが、ただ、なかなかもらってすぐ全部というのができない状況ではあります。できるだけ多くの方、寄贈した方のご遺志に報いるためにも、広く多くの方に見ていただきたいという意味で、インターネットでの公開というのが最終的な公開になります。

【会長】

ありがとうございました。

追悼祈念館の方にも膨大な被爆体験記、活字、それから音声映像があるわけです。それで今、永遠の会で例の黒本の中からね、体験記を来られた方々に朗読する機会が非常に増えております。

だからやっぱり収集が今までものすごく大事だったし、もちろんこれからも大事だけど、この収集したものを今後いかに活用していくかということが大事だと思います。宝の持ち腐れになったらダメですから。そこら辺をやっぱり色々知恵を出し合っていくことが大事かと思います。これは私の感想です。

他の委員の皆さんいかがでしょうか。

それでは、引き続き次第3に移ります。

この後意見交換になるわけですけども、展示室Cコーナー「核兵器のない世界をめざして」の展示について、事務局の方から説明をお願いします。

【事務局】

はい。それでは資料の14ページをお開きください。

意見交換展示室Cコーナー「核兵器のない世界をめざして」の展示についてご説明いたします。

「(1)概要」といたしまして、原爆資料館は「原子爆弾により被爆した都市の使命として、被爆の実相と長崎市民の平和への願いを広く国の内外に伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与する」ため、平成8年4月1日に開館しました。このうち、展示室Cコーナー「核兵器のない世界をめざして」では、核兵器開発の歴史や戦後の国際情勢、その他核兵器に関する情報を、年表や映像資料で紹介しています。

しかし、開館から25年が経過する中で、核兵器を巡る国際情勢は大きく変化をしております。また、情報・通信・映像などの分野においても、技術の著しい発展が見られます。これらを踏まえ、Cコーナーの展示のあり方を検討する必要があると考えております。

15ページをご覧ください。

「(2)課題として考えられること」を記載しております。

アに記載のとおり、年表「核兵器の時代」について、核兵器を巡る国際情勢が変化してきておりますが、スペースの都合などにより、平成20年度以降の動きを壁面の年表で紹介できていない状態でございます。なお、その後の平成20年度以降の動きについては、壁面年表横のディスプレイという形でモニターに紹介しているところでございます。

次にイですが、記載のとおり被爆から復興までの歩みなど、展示を充実させてほしいとの声が寄せられています。

なお、被爆から10年の復興の歴史については、先ほど会議の冒頭に皆様に視察していただいたところです。

次にウにつきまして、年表「日中戦争と太平洋戦争」について、南京大虐殺や創氏改名など、歴史認識に変化が見られる中で、表記の検討が必要な部分があると認識しております。

このように、開館から25年が経過する中で、特に、このCコーナーは、次世代に未来志向のことを伝えていくエリアでもあるため、時代に即した展示のあり方を検討する必要があると考えております。

このことについて、委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。

【会長】

ありがとうございました。

只今、事務局より展示室Cコーナー「核兵器のない世界をめざして」これについて説明がありましたけれども、これから皆さんのご意見ご質問を承りたいと思います。

このCコーナーっていうのは、次の世代に未来志向の事を伝えていくエリアでありますため、時代に即した展示のあり方を検討する必要があるということでございます。

皆さんいかがでしょうか。

【委員】

この展示室Cコーナーについては、そろそろ検討する時期にきているっていうふうに事務局から話がありました。

2年前に広島をお訪ねした時に、広島の資料館の展示が大きく見直された直後でして、Cコーナーにあたる部分がずいぶん進化をされていて、そこに若い方とか当時まだコロナの前だったので外国人の方が、多言語でこのアーカイブス、さっきの資料の収集した活用も含めてそれを自分で検索されているようなシーンを見ました。

自分で自学していくっていうところは、図書館とか学ぶ場所っていうのは用意されていますが、それがデジタルになって写真と一緒に学ばれているっていうのはとても有効だなと思いましたので、ぜひ広島の資料館の副館長さんにご案内いただきましたけれども、かなり展示の内容についても随分検討されたと聞きましたので、このCコーナーについては先行されている広島の資料館と連携をとって前向きに検討していただければなと思っています。意見です。

【会長】

ご意見を承ります。

他にいかがですか。

【委員】

Cコーナーの件につきましては、まず一番疑問に思っているのが、先ほどから説明がありますように、この原爆資料館は核廃絶を目指す、色々なことを考えたりしていく、資料を見て考える、そういう場所だと思います。

ところが、今のCコーナーの年表ですが、あれは当時の本島市長の言葉を借りれば、侵略加害の歴史展示をする必要があるということで今の展示ができていると。

で、核廃絶をしようとする時に、パール・ハーバーの言葉が出るのですけど、「日本が先に侵略戦争をやったから原爆が投下された。だから、原爆投下はある意味仕方がない。」とか、「落とされるべきだった」などということを、当時の本島市長は東京新聞とか毎日新聞なんかで話をされているし、実際に長崎でも平成8年に問題になったというのは、その考え方がおかしいのではないかというのが根底にあったと思うのですよね。

要するに、提言が生かされてないということだと思います。

というのは、この資料館を建てかえる時の前の段階で、資料なんか見て思うのですが、その時の提言では、長崎に原爆が投下されるまでの経過、歴史的背景となっているのですけど、本島市長の話を聞いたら、原爆が落ちるには原因があると、「日本がそういう侵略戦争をしたから原爆が落ちた」「私がそう思っているのは事実なのです」とはっきりおっしゃっているのですね。

これでは、悪いことをしたから落とされたから仕方なかったとなるわけだし、これ後で考えて欲しいと思っているのですが、実際にこういう記事もありますよ、落とされるべきだったとかですね、そういった考え方が根底になって今の歴史展示ができているのです。

常識でも考えたら分かると思いますが、原爆が投下されるまでの経過ということになると、日米戦争の関係になるはずなのですね。日本でいうと、当時大東亜戦争、戦後に太平洋戦争と言われている。それがどういう経過でなってきたかということを説明するような展示であるべきだと思うのですが、展示を見てみると、太平洋戦争が年表の一番上なのですよ。日中戦争云々というところがちょうど目の高さにくるのですが、そこのところがたくさん書かれているのですけど、その内容が提言と全く違っています。

それともう一つは、この展示をつくる時に、本来ならば市議会に諮って喧々諤々議論をされるべきはずですが、これ議論がされていないですよね。

亡くなった人のことを言うと亡くなった人を批判するようで少し申し訳ないのですけど、事実だし、ある程度知ってもらうために言うしかないのですが、市議会にかけないでつくられたもので、提言とも違う、目的とも違う、こういう展示になっているわけですから。

それと、市議会に諮られていないということは、市民のビジョンを聞いてないわけですから、長崎市民のコンセンサスを得た展示になっているとは私にはどうしても思えないです。

だから、もう一回そういう意味も含めてですね、過ぎたことをいうつもりはないのですけど、そういうものがあるし、要するに展示の目的と意味と実際の内容というのは色々違いがあると思いますので、もう一回そういうところからの見直しをしていただくべきじゃないかなと思います。まず一つは。

それともう一つは、南京大虐殺が起こるという言葉がありますが、戦後いろんな形で南京事件が言われていますので事実のように考えられている方も相当いらっしゃるようですけど、当時の資料を見ますと南京は平和なのですよ。

一番良いのは長崎日日新聞、これは図書館で見ることができます。資料を持ってきていますが時間がないのでそういう話はしませんが、日本軍が入ることによって南京の平和が復活してい

るのです。これは朝日新聞の記事もあります。証言もたくさんあります。全然違うわけです。日中戦争なんかに掲げている内容も真実が反映されてない。

それともう一つは、新たな問題というのは、この南京事件というのは、学校で教科書を使って、教えられているというのは皆さんご存じだと思うのですよね。中学の教科書で教えられていますよ。

私が思うのは、当時平和だったのになぜそういうふうに教えなきゃならないのかと。

中学だけではなくて、今小学6年生の歴史から教えるようになっていますよ。教科書に書かれている。

だからそういう問題があって、これは国の将来を考える時に、事実ならともかく、そういったありもしない日本の加害を教え込むというのは国家的にはマイナスになると思うし、単なる長崎の展示だけの問題と私どもは思いません。

教科書を含めた、これは全国的な国民全体が考える問題だと思いますので、今日時間がないので問題があることだけをちょっと指摘させていただいて、それまでの詳しいことはちょっと今日控えますけれども、もう一回改めてこの展示の中身と南京事件についてしっかり議論する場をぜひ設けていただければと思うのです。子供達に、そういったありもしない要するに贖罪意識を植えつけるような教育、これは非常に大きな政治的な問題があるように感じますので。

なかなかこの場でこう言って解決する問題じゃないし、一番大切なのは、まず中で議論をするのと、それを公にして長崎市民全体も考えてもらう、それは全国に広がりますから。これを見直すということは、南京事件を考える、戦後の歴史をもう一回考え直す非常に大きな意味があるのではないかなというふうに私個人はそういうふうに思っています。

それから改めてお願いしたいのは、そういうことを、本当に腹を割って、これでいいのかどうか南京事件の信憑性とかそういうものについては、話をさせていただきたいと思います。

それから話をしておきたいのが、この南京事件というのが、中国の虐殺記念館というのがあって、そこでいろいろ南京事件の展示をされていることは皆さんご存知の方もおると思うのですが、そこに日本兵の2人が日本刀を持って立っている写真がありまして、それが南京事件の一番動かぬ証拠だというふうに言われるのですけど、これは全く無実の罪でございます。その経過等がいろいろありますので、また必要に応じてそのことは説明をさせていただきます。非常に大きな課題だし、歴史観に関わる問題でございます。

改めて話し合いをする場をぜひ考えていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

【会長】

委員、ありがとうございました。

この項目は意見交換ということで設定されておりますので、自由に意見を出していただければと思います。

委員が一つの考え方を申し上げられましたけども、他の委員の皆さんいかがでしょうか。

【委員】

このコーナーが、「核兵器のない世界をめざして」というコーナーになっていますので、どういうことが今世界であっているかっていうことを、広く子供達とかに知ってもらうっていうところが一番重要なんじゃないかなという気もします。

そして、20年後から先の情報はタッチパネルで触って見るということになっているみたいですが、そこら辺から先がすごく世界が動きだしたっていうことを実感できると思うのですよね。核兵器禁止条約も決まり。

だから、そういうことを子供達に自分たちが何を今後していく、していかないといけないのか、日本だけじゃなくて世界中がどんな動きで核兵器をなくす目的を持って活動していくかっていうのを知らせてくれるような続き、未来に繋がるような続きの展示があればいいなって思います。

日本でもやっぱり若い人たちが高校生平和大使とか一生懸命活動されていますし、そういったことも身近に何かできることがあるのではないかっていうのを、小学校とか中学校で修学旅行に来られた方が、最後にあそこで、じゃあ自分達がっていうふうに思ってもらえるような展示を考えていただけたらなと思っております。

【会長】

ありがとうございました。

このCコーナーっていうのは、次の世代に未来志向のことを伝えていくというエリアでございまして、開館から25年経って被爆76年になるわけですけども、やっぱり被爆者がいない次の世代、私は被爆100年、24年後そこらあたりも目指した、非常に俯瞰的な観点から検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。

他、いかがでしょうか。

何でも率直に、ここはもう自由に意見交換ということで出していただければと思いますが。まだ若干時間はあります。

【委員】

私も、広島がリニューアルされた後拝見しました。非常に印象的だったなと皆さんと同じ感想を持つのですが、一方で、先ほどのトリップアドバイザーのランキングでは長崎が上位なわけですよね。

この理由は、毎回いろんな理由を分析されていると思うんですけれども、私の個人的な感想としては、あまりにも盛りだくさんでない方が良いだろうと思います。

大切なことが次々と分かって、短時間のうちに次のところに行けて、場所にも観光できて、でも大事なことは分かる。そうした、ある意味コンパクトで情報が凝縮されているミュージアムなのだろうと。その方が楽しんでいただける印象を私は持っています。したがって、一瞬このデモンストレーションはその瞬間は良いのですが、ただそこばっかり印象に残って他が印象に残らなかったりもしますので、全体として、原爆資料館に来たという充実感というのはどうやって持ってもらえるかっていうのが大事なポイントだと思いますので、資料をお作りになる時も広島は参考にはなると思いますが、やはり長崎らしい、こんなランキングの上にあるというのもふまえて、もうちょっとこの歴史をふり返って、ポイントは何なのか、そういう本当に伝えたいことを強調した展示の仕方が良いと私は思います。

【会長】

ありがとうございました。

広島との関係も含めてご意見いただきました。

他のご意見ございませんでしょうか。

色々なご意見がこれまで出ましたけれども、ここは意見交換ということでしたので、まとめて事務局から何かご意見がありますか。

【事務局】

本日は、様々なご意見ありがとうございました。

このCコーナーについては、私達もずっと課題だと思っているのですけれども、なかなか今までそこについてリニューアル的なことを行わないまま25年が経過しているところなんですけれども、特にコロナ禍を私たちも経験しまして、例えば資料館に来ることができない人達にどういうふうに情報提供すれば良いのかというような課題を突き付けられたりしたこともあって、それと同時に核兵器禁止条約が発効するというような世界の動きもあってという、この一年間で色々なことが大きく動いた年だったのかなと思っております。

被爆75年を終えて、次の76年から節目である100年に向けて、私達も今しかできないことは何なのかとか、今準備をしておかなければいけないことは何なのかというようなことを考えておりまして、今年度から被爆100年に向けた新たなスタートの年ということで令和3年度を位置付けて色々な取り組みをしていきたいというふうに思っています。

この中で、Cコーナーを検討するというところもしっかり位置づけて考えていきたいと思っております。

令和3年度は、今日いただいたご意見も参考にしながら、論点を少し整理させていただいたうえで、またこの審議会の方にご意見をお伺いして、先ほど委員の方からご意見がありましたように、私たちの検討の状況も、こういうふうに審議会の皆さんにご意見をお伺いするであるとか、議会の方にも報告をするとかというようなオープンな形をとりながら検討を進めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

【会長】

ありがとうございました。

この次第3の意見交換について事務局からご発言いただきましたけれども、これで意見交換は終了したいと思います。

それでは次の次第4ですけれども、「その他」になりますが、事務局から何か伝達事項がございますか。

【事務局】

広島にある原爆資料館の情報をご報告させていただきます。

展示室を見学するための料金を「観覧料」としていることについて、娯楽性を感じる、相応しくないなど、被爆者や市民から変更を求める陳情や意見が相次いだことから、昨年の途中から、館内の掲示やリーフレットから「観覧料」という表現を取って、「常設展示大人200円」というような表現に変更したということをお聞きしております。

なお、この「観覧料」という表現は、長崎原爆資料館や沖縄県にあります平和祈念資料館でも使用しているところでございます。

長崎原爆資料館の館内には、展示室、展示室は有料なんですけれど、展示室のほかにホール、図書室、こういった利用者の方もいらっしゃいますので、その方たちも合わせて「入館者」という形で表現をしております。それと区別をする意味で、見学にかかる料金を「観覧料」としております。

先ほど広島の状況を説明したわけですが、長崎においては広島のような陳情やご意見はいただいておりませんので、今後長崎市としましては動向を見守りたいと考えております。

続きまして、お手元に冊子をお配りしております。情報提供ですが、これは活水高校の平和学習部の高校生が作った冊子になります。長崎平和推進協会の補助事業の一環として5,000部作られて、そのうち1,200部を長崎原爆資料館の方で配ってくださいということで寄贈をいただきましたので、委員の皆様にも配布をしまして見ていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

【事務局】

事務局からもう一件報告がございます。

原爆資料館とは直接関係ありませんが、別途お配りしておりますクスノキプロジェクトという資料をご覧いただけますでしょうか。

福山雅治さんを総合プロデュースに迎え、被爆樹木を活用して平和を発信する長崎クスノキプロジェクトを立ち上げまして、3月16日より平和のメッセージを発信するウェブサイトを立ち上げておりますのでご紹介させていただきます。

具体的には、被爆樹木を紹介した動画やマップなどを紹介しております。青色でアドレスを掲載しておりますので、ぜひ見ていただければというふうに思います。

【会長】

ありがとうございました。他にありませんでしょうか。

それでは、これで予定されておりました本日の議事は全て終了いたしましたので、ここからの進行は事務局の方にお返しします。

【事務局】

それでは、これをもちまして令和2年度長崎原爆資料館運営審議会を終了とさせていただきます。委員の皆様、本日は審議会のご参加と会議進行へのご協力をいただき誠にありがとうございました。

(終了)

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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