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令和元年度第2回 長崎市平和宣言文起草委員会

更新日:2021年6月3日 ページID:036687

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 平和推進課

会議名

令和元年度第2回 長崎市平和宣言文起草委員会

日時

令和元年6月8日(土曜日) 14時00分~

場所

長崎原爆資料館地下1階 平和学習室

議題

令和元年長崎平和宣言について

審議結果

【委員長】

皆様こんにちは。

今日は今年度2回目の平和宣言文起草委員会になります。大変お忙しい中ご出席をいただきましてありがとうございます。今回は例年のように2回目で初めて文案をお示ししながら具体的にご意見をいただくという大変重要な会議になります。毎回この2回目の議論は、3回目に結構大きく変わったりということもありますし、そういった意味でも今回2回目の会議は非常に大事だと思っております。今回2回目にあたって、文案をお示しするにあたっては、1回目で皆さんからいただいた様々なご意見をどういった形で取り上げていこうか、それを箇条書きにならないように、しっかりと柱を持った宣言文にするために、どう強弱をつけていくのか、といったことも踏まえて案を作らせていただいています。

全体的に言うと、市民社会への呼びかけの部分にかなりのスペースを割いている案になっています。市民社会への呼びかけをするにあたっては、まず共感をいただく市民の視点、ひとりの人間の視点から共感をいただくという部分。それから、現状に対して、まだ良く伝わっていないところがありますので、それに対する危機感を市民社会の皆さんと共有したいという点。それから、その後に、しっかりと私たちができることがあるという、ゆるぎない姿勢を示すことで、どちらかというと前向きなトーンで終わるというような、前回の様々なご意見を踏まえた中での案になっております。それに加えて、非常に重要視した部分で言うと、前回もたくさんのご意見がありました「わかりやすさ」という面についても少し気を配って作ってみています。そういう中で全体として1回目にいただいた色々なご意見を活かした案となっていると思いますので、また今回の具体的な案をベースにして様々なご意見をいただき、それを3回目にお示しする案に反映させていきたいというふうに思っております。毎回、2回目に出した案をたたかれて、それはそれでプロセスを経て、いい案に仕上がっていきますので、ぜひ忌憚のない様々なご意見をいただければと思っております。これから2時間になりますけども、よろしくお願いいたします。

それでは、議事を進行させていただきます。先ほど事務局からも申し上げましたが、今回は、お配りしている平和宣言文(案)をもとに、委員の皆様からご意見をいただくという回になります。まず、私のほうから平和宣言文の今回お示ししている案を朗読させていただきたいと思います。

(素案朗読)

以上が、今回提出させていただいた第1案ということになります。この案については、事前に送らせていただき、ご覧いただいていると思いますので、さっそく、それぞれの委員の皆さんからご意見をいただきたいと思います。では、お願いいたします。

【委員】

はい。前回欠席させていただいたので、ちょっと最初に、前回提出させていただいたメモから、私からお願いした5点を簡単に説明したいんですが、まず、核の脅威、核兵器が使用される危険性が増しているというポイントがひとつ。それから、来年のNPT再検討会議が50周年であるという、大変重要な年であることが2点目ですね。3点目が北東アジアの非核化の問題で、朝鮮半島の非核化の動きを止めないこと。それから将来の非核兵器地帯に向けて、朝鮮半島の平和と安定を築くというのが3点目。4番目が、核兵器禁止条約の発効に向けてアピールする。最後に世界の被爆者の連携というのをあげさせていただいたんですが。特にそれと軍縮教育もあげさせていただきました。これは、被爆者の、あとでちょっとお話いたしますが、被爆者の方々が高齢になってくるという時なんですけれども、日本だけではなくて、これ前回もお話しましたが、世界で核の被害にあった方々に対するアピールだったりというのがあったほうがいいかなというのが、5番目のポイントでした。

それで今回第一案を見させていただいて、ほとんどの点が入ってはいるのですが、まず印象深かったのは、冒頭に長崎の被爆者の詩が生々しい詩が入っておりまして、被爆地からのメッセージという点では、非常に強い印象を持ちました。非常に良かったと思います。それから、全体的に先ほど市長がおっしゃった市民社会との連携をはかるというメッセージも非常に強く感じましたので、私は今年の特徴として、それは非常にいいのではないかと思います。

一方で、核の脅威の説明と核兵器国や日本政府へのメッセージについて、多少ちょっと文章を変えて、強くしていただきたいなと思うところもありますので、あとでお話させていただきます。最後に被爆者のところなんですが、実は数日前に長崎ユース代表団の発表があったんですけども、そこで今回ニューヨークで彼らが発表した、世界、人類みな被爆者というメッセージがあったのですが、これは非常に新しいというか、言ってみれば、説明を受ければですね、わかるんですけど、普通はなかなかそういうことは、言葉に出しては言わないのですが、全ての世界中の人々が被爆者になるという危険性があることを、現代の世界の人達に訴えるということは、非常に重要かなと思いますので、文章をどこに入れるのかは考えてなかったんですけど、もし、できればそういう世界の被爆者との連携についてもご指摘いただきたい。文章をお時間いただいて、私の方で付け加えさせていただき、紹介させていただきたいと思いますが、まず、30行目のところです。その前に29行目の『間違いなく、私たち一人ひとりです。』この文章は非常に強くて、私、非常にいいと思いますので、ここは強調していただいてよかったです。30行目の『今、核兵器を巡る世界情勢はとても危険な状況です。』というところなんですが、これを入れると説明が長くなるので、心配なんですけども、私が書かせていただいたのは、例の終末時計なんですけど、終末時計が2分前のままだというのは、入れてもいいかなと。例えば科学者たちが毎年示している終末時計も戦後最悪の2分前のままですという文章を入れていただくのはどうかなと。それから、裏に返りまして、46行目ですが、ここは信頼を強調されているところなんですけど、46行目の後ろのほうに『国同士の間に信頼関係をつくるような力はないかもしれません。』という文章なのですが、ちょっとネガティブなので、これを消しまして、その次の行の『関係をつくり出すことはできます。』という次のところの文章の次にですね、『それが国同士の信頼関係につながる力になるかもしれません。』という前向きにとらえていただければいいかなと。それから、最後の50行目なんですが、昨年、確か、「平和の文化」というキーワードを入れていただいたのが消えてますので、ここにですね、最後に『地道に平和の種を植え続けることが「平和の文化」を育てます。これこそが市民社会の役割だと思います。』という風な文章にしていただくといいかなと。それから54行目のところの『来年開催されるNPT』のところ、ここは是非『発効50周年を迎えて』というのを入れていただきたい。それから、アメリカとロシア、56行目ですが、『アメリカとロシアには、核超大国として、』、その次ですね、『他の核保有国や同盟国が後に続くことができるよう、』という、リーダーシップを示してほしい。それから一番最後の『対話する責任があるはずです』というところが、ここもリーダーシップを示せという意味で『核兵器のない世界につながる具体的な道筋を、世界に示してください。』。対話はもう既に今回のNPT再検討会議準備委員会の方で、対話するとは言っているのですが、肝心な核兵器廃絶に向けてのロードマップが示されていないので、それを示してくださいというのがいいかと思います。それから、59行目のところは、『「核の傘」を「非核の傘」に変える』というところは、そのとおりなんですけど、『朝鮮半島の平和と非核化を実現し、』というのを入れていただいて、今の朝鮮半島の動きを支えるメッセージにしていただきたい。最後に『実現に向けた検討を始めてください。』という、日本政府のところなんですが、これも日本政府自身が検討を始めるだけではなくて、検討を『周辺の国々と検討を始めてください。』というふうにしていただきたい。我々としては、多国間で話を進めていくことが大事かなと。以上であります。ありがとうございました。

【委員長】

はい、ありがとうございました。では、お願いします。

【委員】

いきなり入らせていただきます。今回の平和宣言文を見まして、この案はこれまで以上に素晴らしくまとまっていると思いました。本当に良くできていると思います。同時にすごく感激して驚きました。ただ、少し気になる点がありましたので、簡単に述べさせていただきたいと思います。3行目~22行、朗読の部分ですが、田上市長さんが、是非、今聞いておりますと詩の読み方というか、詩の、ほかのところ、先のところとそんなに変わっていないんですよね。それで、被爆者と一緒にいる平和推進協会としてはですね、先生もおられて、「永遠(とわ)の会」というのがありまして、そこで練習もしておりますので、市長さんが空いた時にですね、先生を呼んで、一回スラスラと読まれて最後にメッセージを送られるときに一緒にCDかなんかで、付けて送ったらどうかなと、そう思いました。世界中の方々の感動を深めてほしいと、さすが長崎市長だと言われるようにしていただきたいと思っております。24行~26行ですけども、「長崎で被爆した女性の言葉」の表現ではなく、もう少し、女性の名前とか、年齢とか、被爆の状況説明が欲しいと感じました。そうすると、さらにリアリティが高まるのではないかと感じております。プライバシーの件とかあると思いますけど、もう既に追悼祈念館のほうにどこから取ってあるのかというのを聞きましたら、その点はしっかり前もってしてありますということでございましたので、なにかプライバシーに関してあるなら、我々の方でもご加勢したいなと、できると思います。27行から29行の1982年に長崎原爆資料館を訪れたマザーテレサは、「原爆は、悪魔の行為です。」と述べておいでになりますけど、『原爆は「人の手」によって作られ、「人の上」に落とされました。』だからこそ、人の意志によってなくすことができますと、淡々と言われているような感じがいたしました。もっともっと強い恐怖感を感じさせる光景を挿入することはできないものかなという感じがいたしました。そして、人間と核兵器は絶対共存できないことを声高らかに世界中に訴えた宣言文にしていただきたいなと思います。それから、40行から41行、「核兵器のない世界」を求める市民社会の声を拡げて、国を動かし、世界を動かす発想は、その通りですが、『市民社会の役割だと思います。』で締めくくるのは、少し弱い感じがいたしました。また、核兵器禁止条約の早期発効を希望する地球市民の声も載せていただきたいと思います。それから、64行目、『被爆者の平均年齢は82歳を超えました。』被爆者の高齢化は、待ったなしです。被爆者が語れる時間は残り少ないのです。被爆継承は、長崎のみならず、日本の喫緊の課題なのです。長崎市として、被爆継承に取り組む強い意志を示していただいて、被爆後100周年がまいりますので、100周年を十分に見据えて、「核兵器廃絶」と「世界の恒久平和」の実現を訴えて欲しいと思った次第です。以上です。

【委員】

1行目から23行目までの詩は大変いいことだと思っております。特に先程の委員が言われた項目は私も同感です。24行から26行の「二度とこの経験をさせては」というところは、生き地獄だと私は思うのです。この生き地獄を体験させてはならないと。そして去年あった谷口さんの言葉で「核兵器と人間は共存できない」ということも入れてほしい。次の37行目の「このことだけは」はもう少しはっきり、地獄、生き地獄ということですね、繰り返してはならないという文章に変えてほしいと思います。次に56行目の「アメリカとロシアは、核超大国として」のところは、NPT条約の第6条では、核軍備撤廃を交渉する義務が明記しているわけです。ですから特に核超大国のアメリカとロシアは義務を果たすという文章も入れてほしいと思います。それから、58行目の日本政府に対しての訴えがちょっと弱すぎるのではないかと感じています。核の傘から離脱して、日本国の憲法の精神、平和主義に沿った平和外交を行い、世界のリーダーとなってもらうようなそういう気持ちを入れた、文章に書き替えてもらえたらいいと思います。それから今度の文章には憲法のことが一言も載っていない。私が生まれたのは、ちょうど戦争の真最中で、戦争があったからこそ核兵器が投下されたのであって、そのことをちゃんとうたわなければ、なんか片足で立っているような感じがするわけです。核兵器廃絶だけでは。そういうわけで、特に安倍さんになってから軍事費は毎年増大していくし、憲法違反と言われている国家機密法だとか、共謀罪だとか作られる中で、マスコミも政府の外交の秘密とか、そういったことが機密法に触れるということで、書かれなくなってきている。そして国民の知る権利が侵されていると私は思っています。だからそういったことにも、そしてそういう中で自衛隊の専守防衛と言われていたものが、集団的自衛権もあるんだと解釈されて、そういう中で出雲とか加賀の空母化がすすめられ、そういう中でそれに載せるF35ABまたはオスプレイ、また長距離の巡航ミサイル、そういったものも武器にしていくという、そういった動き、専守防衛の武器ではなく、相手方を攻撃するような武器がどんどん拡大されている、とそういうことについて私達は本当に、危惧をしています。戦争がなかったら、沖縄も東京も広島、長崎もなかったわけです。そういう中での戦争をする国だった日本に近づいていると私達は感じています。そういったことをぜひ入れて、政府に強い警鐘を鳴らしてもらいたい、そう私は思っております。それから、66行目の福島を応援するという事に対して、それではどういう風にして応援するのか、エネルギーを核依存から変えさせるような思いを私達は持っています。原発の事故というのはまだ起きているわけですから、そういった中で原発の再稼働がどんどん進められている。新しい原発の安全神話というものが、生まれてきているという中で、もう少しそういうエネルギーを替えていく、いわゆる再生エネルギーに変えていく、そういう気持ちを表わして、福島の人たちを応援していきたい。以上です。

【委員】

一読しまして、本当にすっとこう入ってくる内容でした。前回その話題になっていました感性と理性、この感性的なものからこう理性的なものにスイッチングしていくところが非常にスムースになされていて、共感の持てる文章だったと思います。そういうふうな思いの中で、ちょっといくつか盛り込んでいただければというようなことがあります。

まず、 50行目から 51行目ですが、既にご指摘がありましたように、市民社会の役割とは何かというようなところですね。これをもう少し明確に、例えばこれは文言する必要がないのですが、例えばNPOにもっと大きな権限を与えるとかいろんなことがあると思うのですね。それで市民社会から国際社会に動きをボトムアップしていく中で、自治体の役割というのもやはり問われていくのではないかと思います。先日も平和首長会議が開催されておりましたけれども、何かそういった市長の役割、自治体の役割にも言及をしていただければというふうな感じに思いました。それから、58行目から59行目のところですが、これもすでに指摘がありましたけれども、例えば「核兵器禁止条約に批准し、これを支える」とかですね。「批准」という言葉を明確に使っていくも必要なのではないかと感じました。それから先ほどの委員の方から平和憲法に関する指摘がありましたが、確かにですね、核兵器禁止条約と平和憲法、日本国憲法の親和性といいますか共通性といいますか、そこのところを、そういった面から平和憲法への言及があってもいいと思いますし、もう一つ、59行目のところの北東アジア非核兵器地帯の実現というところで、やはりアジアの信頼を勝ち得ているのはこの平和憲法に由来するところがかなりあるのではないかと思います。こういったところで、アジアと信頼関係を築いていくという面からも、平和憲法を少し文言に入れていただきたいというふうに感じました。それから64行目と65行目ですが、被爆体験者の訴訟ですね、17年の12月に最高裁で却下されまして、その後昨年12月には高裁判断、と言う中で、長崎市がですね、上戸さんに交付するというようなことがありましたけれども。そこはやはりこの長崎市の姿勢がやはりはっきりですね、打ち出されていてここはいいなと思ったのですが、長崎市の今後の方針を明確に出すという意味で、例えばここに「内外の被爆体験者の救済」というふうに在外被爆者も含めた形で盛り込んでいただければというふうに感じました。それから福島の皆さんへの応援というところも先ほど指摘がありましたけれども、具体的にどういうものになるのかということで、もう少し踏み込んで書いていただければという事も感じました。以上です。

【委員】

前回、福田さんの詩を入れていただきたいということで、今回この詩を読みまして、とても良い詩だなと思うのとともに、やはり誰の言葉なのかなというのを思いました。やはり私が福田さんの詩に触れたのは、ここに平和祈念像があって、その祈念像があるということで現実性を持っているということで福田さんを入れさせていただいたのですが、やっぱりこの詩も同じように、これを書いた人がいるということを明確にしていかないと、これが誰の言葉なのかというのが伝わらないので、そこがどうなっていくのかなと思ったので、こういう人が書いて、こういう思いを持ったというのが、もう少し伝わっていくと、この詩がもっと活きていくのではないかなと思いました。28行目、「その意思の源泉は」というところ、漢字を見るとわかるのですが、耳で聴いていると「げんせん」とはどういう字を書くのだろう、自分では理解ができないような気がしたので、同じ意味で「源流」とか、もう少し伝わりやすい言葉を選んでも良いのではないかと思いました。37行目、「「このことだけはくり返してはならない」という被爆者の警告はむなしい独り言なのでしょうか。」というところで、ここで少しトーンが落ちてしまうので、今まで盛り上がっていた文章がここでストンと下がってしまうような気がして、この1文は必要なのだろうかと思いました。その中で全体的にこの文章を見ていくと、去年に比べてずいぶん短い文章になっているのではないかと感じたのと、もう少し時間をとって、色々なことを書き加えても良いのではないかと感じました。その中で、前回の話し合いの中で、市民社会のメッセージ性を強めるということで市長も言われていましたけど、それを重点的に置いたと言われているのですが、私はどうしてもこれは何か事実の確認をしているだけで、メッセージ性をいうのは少し弱いのではないかと私自身は感じました。そして、世界の現状を見ると、そういう現状になるということは、やはり読んでいて驚くことでもあるし、そういう危機的な状況がある中で、じゃあ私たちが今から何をすべきかということを言いたいと思ったときに、過去のことに振り返るのではなくて、やっぱり今私たちが何をすべきかということをもう少しストレートに言ったほうが、この宣言文の意味が市民の言葉として伝わるのではないかと思っています。前回も言いましたように、やはり今の子どもたちというのは、74年経って、何もわからない、何も知らないという状況が親の世代にも広がっているので、その中で私たちが伝えたいということは、やはり唯一の被爆国である日本政府に、日本国憲法があって戦争をしなかった事実があるということと、非核三原則があるからこそ日本は核を持てないという強さがあるということを今一度盛り込んで、それを見直しても良いのではないかなと思います。そして、日本の立場というのもわかりはするのですが、NPTの会議だったり、核兵器の非人道性というのが一番重要だということがわかっているけれども、それは被爆者に頼っているということも大きくなって、その被爆者が高齢化している今だからこそ、じゃあ残された私たちが人道的な見地を持って、核兵器を廃絶しようじゃないかということを今一度確認するためにも、「核兵器の非人道的結末、NPT第6条の効果的な措置並びに核兵器法的禁止について積極的に推進する。」といったような直接的な言葉というものを、きちんと長崎市民として言い切りたいなという思いがとてもありました。

全体的にとても良い宣言文なのですが、市民に伝わるためにやさしい文章で書くというのはそのとおりなのですが、それだけでは言いきれていない部分が、この文章の中にはたくさんあるのではないかなと感じましたので、そこはやはり、憲法のことに関しても、非核三原則のことに関しても、やっぱり言うべきことはきちんと言葉として発して、そこに注目してもう一度見直してもらう機会というものを、この宣言文の中には盛り込んでほしいなというのが、この宣言文を読んだ感想になります。どうぞよろしくお願いします。

【委員】

最初から意見を言わせていただくのですが、さっき指摘があったように、核が落とされた現実というのは、戦争の過程の中で起きたことであるという部分で、2015年の平和宣言文の中に、「長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。」という一文が入っていて、そこは、日本がこの日は原爆の日というのがありますけど、その前に、戦争の過程で日本も色々と行ったことがあって、それも含めて全てこの日に振り返る必要があるというような意味を込めて、日本が各国に対して行ったことも学ぶべきであって忘れてはならない、という部分を戦争というところに加えて入れていただけたらと感じました。31行目、アメリカがより使いやすい核の開発を打ち出しているという部分を強調してほしいなと思っていまして、その理由が、先日大学の授業の中で、「核兵器は要ると思いますか、要らないと思いますか。」という質問をしたときに、学生で核兵器は必要だという声がやっぱり多いなというのを感じて、その理由が、核は使わないのであれば、持っているだけであれば良いのではないか、とか、持っているだけで抑止力になる、とか、今の時点で日本は核に頼っているのだからなくすということは難しいのではないか、という声があって、その中ですごく思ったのが、若い人は使われるリスクということを認識できていないのかなということをすごく感じました、使わないなら持っていて良いということは、使わないのであれば抑止力は働かないということにはなるかと思うのですが、でもそうでもなくて、完全に使いやすい、使える核兵器を開発しようとしているという部分は、もう少し現実味を帯びて若者、若い世代の中に入っていく必要があるのかなと思ったので、ここは強調していただきたいなと思いました。58~59行目の日本政府の部分ですが、さきほどから意見はたくさん出ているんですけど、ここには、核兵器禁止条約を支える立場にたってくださいとは書いているのですが、現状、日本が反対の立場を取っているんだということを言ったうえで、これで良いのかという問題意識を、市民社会、聴いている人たちに投げかけたうえで、政府にも、私たちはそういう姿勢を望んでいるのではなくて、支えていってほしいし、リーダーシップを取ってほしい、という感じのメッセージにしていただけたらなと思いました。

簡単ですが、以上です。

【委員】

まず、導入部分について評価をしたいと思います。良い感じにメッセージとして聴く人の感性に訴えるような入り方になっていると思いました。ただ、他の方もおっしゃっていましたけど、これは誰への詩なのかということについては、明らかにしたほうが、より訴える意味があるのかなと感じました。そして、日本の憲法を変える動きについて、特に9条を変えてはならないとの立場で、憲法を変えることに反対の意見をやはり盛り込むべきだと思います。長崎は戦争の帰結として交戦国だったアメリカから一般市民に原爆、核兵器を使われました。その歴史に鑑みて、やはり戦争、紛争に繋がるような条件整備はするべきではない、してはならないと考えます。平和憲法と言われる日本の憲法が創られた原点に立ち返れば、やはり変えてはならないというふうにしかならないと考えます。3つ目に、素案の27行目に書かれた「原爆は「人の手」によって作られ、「人の上」に落とされました。だからこそ人の意志によって、無くすことができます。」というところの、「人の手」と「人の上」が鍵括弧で括られています。その後の一番強調したい「だからこそ人の意志によって、無くすことができます。」の「人の意思」という部分も強調する意味で鍵括弧で括ったほうが良いと思います。42行目以降に市民社会を強調する部分がありました。「これまでにも市民社会の力が世界中の多くの人、国々を動かしたことがあります」とあります。ここの「市民社会」の使い方に少し違和感を覚えました。「市民社会」とはいったい何だろうかということです。同じ考えに立った市民の集合体という意味なのでしょうか、「市民社会」といった使い方をすることで、一方で市民一人ひとりの核兵器廃絶といった方向に向けた使命や役割を逆に薄めてしまっているような気がしました。もう一工夫が必要かなと感じます。あと、53行目以下の訴える順番、これを日本政府を一番最初に持ってきてはどうかと考えました。日本政府への訴え、核保有国のリーダーへの訴え、全ての国のリーダーへの訴え、という順番にしてはどうでしょうか。最後に、アジアへの加害の反省に立って、なぜ韓国で徴用工訴訟が相次いでいるのかということについて、その背景、理由ということを考えるべきだという文言も入れていただきたいと思います。

以上です。

【委員】

私も全体としては大変すばらしい文案になっていると思います。ただ、私も以前から申し上げておりますように、これは、私共が周辺にただ呼びかけるというものではなく、世界的な共感を得るという基本的な考え方を持っていないといけないと思うのですが、そういった意味で、この文案の58行目にもあります「日本政府に訴えます」といったような、はっきりした言葉も出ておりますが、私は、この「日本政府に訴えます」という言葉によって、多少、受け取る人によって誤解を与えるのではないかという感じがしないでもないんです。

私は、できれば世界の指導者に訴えるという形で、世界的な共感を得ないと、この問題は世界的な世論にはならないのではないかと思います。特に前から申し上げておりますように、私はこの訴えが、世界的な共感を得るためという目的であるならば、この文案が確定した段階で、少なくとも世界的な国際語としての英語はもちろんですが、同じく国際語に近いフランス語、スペイン語、中国語などの言語にも翻訳をして、世界的な共感を得るということを最も考え方の基本に持つことが必要ではないかと思います。現在の文案で行きますと、おそらく日本人が、日本人に訴えるという形の、非常に限定された受け取り方をする人もいるのではないかと思いますので、国際的な世論の喚起ということも、もう少し考え方の基本に置く必要があるのではないかと思います。

私も被爆当時、小学校6年生、新興善小学校の6年生でありました。そういった生々しい記憶も私は鮮明に持っておりますので、こういった訴えというのは決して我々の周辺の人、日本国内の世論の喚起というものだけでなく、世界的な考え方になるような一つの動きになってほしいものだと思います。以上でございます。

【委員】

私はこれをいただいて、何回か読み返して、その時に感じたことをいくつか、お聞きしているとダブったり、揺らいだりしているところもあるのですが、感想を述べさせていただいて中身に入りたいと思います。

これを読ませていただいた時に、本当にこの間出してきた宣言文と違うなと感じました。この間いろんな社会の、世界の動きがあるものですから、内容をとにかくいろいろ網羅しなければということで焦点を絞りにくくなっていた、あまりにも気を配り過ぎていて、なかなか我々が理解するには知識がないと難しい文案が多かったのではないかと思いました。それで、今回は平易で分かりやすいし、訴える相手が明確で、誰に何を言いたいのかというのがとても良かったなと思います。あと、ちょっと感じたのが、米ロに対する強い訴えを我々はしているのですが、最も我々が用心をしているのがある意味、日本政府の動きだと思います。その日本政府に対する訴え、これが出ていますけれども少し弱いなと感じました。

それと、文全体ですが、とてもソフトにはなっていますが、やはり私たちは「お願い」という立場ではないと思います、世の中を変えるのは。ですから、我々がやることに関しては、自己の決意を表すような文章の繰り方、表現の仕方、それから、要求すべきことは強く「こうあってほしい」ということを要求するようなことをしないと、とても分かりやすいのだけれども、何となくやさしいなという感じがしました。

この間、私たちはいろんなことを訴えてきましたし、科学者に問いかけたこともありますが、それでも変わらないということから、やはり市民社会が変わらないと、どんな人も変えることができないのだということが今回の宣言文の行き着いたところかなということで、私は中に入りますけれども、詩を読ませていただいた時に、ある意味文学的と言うことではなく、本当にとても落ち着いて見えるのですが、その時の情景をストレートに表した、本当に素晴らしいなと思いました。私たち体験のない人間がそれを想像するには、想像力を掻き立てる詩だなと思いました。最初にこれを読んだ時に、先ほど市長も読まれましたが、「目を閉じて聴いてください」ということなのか、「ちょっとみなさん」という引き付けをして、「目を閉じて聴いてください」とするのか、最初の引き付けは検討してもいいのかなと思いました。それから、誰の詩かというのは、ここに来てからも誰の詩だろうねという話をしていましたので、皆さんが仰るように、それが分かると現実的でいいのかなと思います。

それから28行目の「その意志の源泉」というのが、これも私は非常に分かりにくかったです。ここはやはり、「みんなの意志の大元になるところなんだ」ということだと思うのですが、表現の仕方は先ほども出ましたように、少し、耳から聞くときの感じでの検討があった方が良いのかなと思いました。

35行目の「努力の成果が次々と消え」となっているのですが、私は、これは「壊され」ということだと思います。壊されてきているのだと思います。「消える」というのは自然に消えるという形なのだけど、私は意図的に壊されてきているのではないかと、そして社会が変わってきているのではないかと、なので「壊され」とするともっと強い意志になるのではないかと考えました。

それから37、38行目のところは、私もここにこれが入るのがどうなのかと考えた時に、40行目の出だしが「そうではありません」となっているのですが、むしろここは「いいえ、そうではありません」と前のを否定することから入っていくともう少し強い訴えができるのかなと。「いや、そうではないんですよ」ということをもっと強調した方が良いのかなと。

41行目で、「同じ思いを持ち、声を上げている人たちは大勢います。」なのですが、「核兵器をなくそうという、同じ思いを持ち、声を上げている人たち」ともう一度ここで繰り返してはどうかと、何を同じ思いを持ってしているのかというのを入れてはどうかと思います。

47行目のところで、ここは先ほど文章の入れ替えとか言っておりましたので変わるかもしれませんが、もしそれがなければ、「でも、違う国の友人と」というところが、私は「しかし、」とすると少し感じが変わってくるのかなと、もっと強くなるのかなと思いました。

それから、50行目のところ、「あきらめずに、そして無関心にならずに」というのは、私はとてもいい言葉だと思いました。我々が聞いた時に、「どうせだめよ、そんなこと言っても一緒よ」という言葉がとても多いんです。返ってくる言葉が。そういう時にあきらめずに、そして関心を持ってやりましょうと、こういう言葉を以て訴えることは、一般市民社会に対しても良いと思います。ただし、先ほどから出ていますように、どういうことをするのか少し具体的な提案があるといいのかなと思いました。

それから、58行目の「日本政府に訴えます。」これが、私が弱いなと感じたところなのですが、ここに「唯一の戦争被爆国として、過去の反省と、憲法の戦争放棄の平和理念に基づいて、核兵器禁止条約に」と続けていくと、やはり過去の反省というのは、アジアとの関係だけでなく、日本がやってきたことが他にもあると思うんです。それと憲法の戦争放棄と言うのはとても素晴らしい。その平和の理念に基づいて核兵器禁止条約をやるんだという、日本が一番大事にしなければならないことを、ここに明確に出すことによって、禁止条約の必要性がもっと強く訴えられるのではないかと思います。

それから、61行目の「すべての国のリーダーの皆さん」のところに、「核兵器が地球を壊してしまう未来」と言う表現も、私は入れていただいてよかったと思います。核兵器は人間だけでなく、地球そのものを、環境を含めてすべて失うのだという、それほどの威力のある悪魔の兵器なのだということを、やはり地球規模で考えることはあまりないと思うんです。街の一部分をということで。こういう言葉が入ることによって想像する範囲を広げてくれるのではないかと思いました。

これは自分が考えたところで揺らいでいるのは、先ほど日本政府の訴えが先ではないかというのがあったのですが、私は逆に、61、62を52行目のところに入れて、そして、まずはすべての国のリーダーに訴える、それから核保有国のリーダーに訴える、そして最後に日本政府に強く訴えて、被爆者の援護につなげていったら、同じ日本政府に対する要望としてつながっていくのではないかと、これは最初に感じた部分です。以上です。

【委員】

私はこの宣言文を初めて読んだ時に、今までにない始まり方ですごくいいなと思いました。やはり、毎年同じような始まり方をすると、また同じかってやはり聞いている方は思われると思うので、やはり、いつもと違うように「目を閉じてください」って言われると「何々!?」ってやはり聞いている方の関心を引くと思うので、これはすごくいい始まり方だなと思いました。この詩なんですけれども、私も永遠の会でいっぱい詩を読んでいますが、見たことがない詩だったので、調さんとも「福田須磨子さんじゃないよね、誰だろう」ってすごく興味を持っているんですけれども、この文章の中に、その方の原爆に対する怒りっていうのがすごくにじみ出ていて、聞いている方に本当の原爆の恐ろしさとか、その被害を受けた方がどういう風に思っているのかっていうのが、すごくこの中に網羅されていて、とてもいい詩だと思います。だからこそ、やはりどなたが書いたかっていうのはすごく興味を私も持っていて、あの永遠の会でもそうですけれども、必ずその詩を読む前にこの詩はどういう人がどういう状況で書いたものだというのを説明してから、詩を読むようにしているので、それはやはり聞いている人が、その書いた人に共感を持つためにも、その人がどういう状況だったのかっていうのを分かった上で聞いてもらうと、もっとこの詩が生きてくるのではないかなと思うので、ぜひ、公表できる分は入れた方がいいのではないかなと思います。

それから、何回もこれ出ていますが、28行目の、やはり耳だけで聞くと「源泉」と言うとやはり何かなって、ちょっと言葉的に分かりにくいかなと。この1文がちょっとどうなのかなって、私は分かりにくいのでもう少し言い回しを変えたらいいのではないか、私もどういう風に変えたらいいのかというところまでは浮かばなかったんですけれども、最後の、「一人ひとりです」というのがちょっと弱いかなという感じもしたので、「源泉」という言葉を変えて、最後の部分を「一人ひとりにあるのです」ときっぱりと言った方がより強くなるのではないかなと感じました。

それから、これも何人か出てきましたけど、37行目の「むなしい独り言なのでしょうか」というのは、私も本当にこの1文はいるかなと思ったんですけれども、「このことだけは繰り返してはいけないという、被爆者の警告」というのは生かした方がいいと思うので、その後に「という言葉は被爆者が長年訴え続けてきたものです」とかその辺りをもう少し強く、「独り言なのでしょうか」と投げかけるのではなく、もっと強く言えないかと感じました。それから、日本政府に訴える部分なんですが、58、59、60行目なんですけど、全部語尾が「下さい」「下さい」「下さい」と続いているんですけれども、人任せにしているような、弱い、「~をしてください」と私たちの意思がそこまで強くないように聞こえてしまうんです。市長がもっと強くここを「下さい!」って言って、きっぱり言ってくださればちょっと捉え方も違ってくるかもしれないんですが、弱いかな。もうちょっと言い回しを強くできないかなと感じました。

それから、61行目の「核兵器が地球を壊してしまう未来を拒否するために」というのは、私的には分かりにくいと思ったので、「核兵器が未来の地球を壊してしまう、非人道的な恐ろしい兵器だということを、ぜひ被爆地を訪れて知ってください」とした方が良いのではないかなと思いました。

それからちょっと細かいことですけれども、66行目は「長崎は」と始まっていますが、「長崎は変わらず応援していきます」ということを言いたいわけなので、「長崎は」を「福島の皆さんを」の後に入れた方が、より「長崎は応援してるんですよ」と聞こえるのではないかなと感じました。以上です。

【委員】

私も今回読んでいて、今までの3回と違うなと感じました。この流れすごく好きです。好きですって言ったらダメですけど、すごくしっくり来て、今まで市民社会に訴える順番は最後だったんですけど、国のリーダーさん達よりも最初に持ってきたのは、すごく良かったなって思います。

何個か意見があるのですが、この女性の言葉、もしも詩じゃなければ、欲を言えば、今も苦しみ続けるんですよ、過去で起きた時だけじゃなくて、原爆の被害は長く続くものなんですっていう、去年も多分話題に出たんですよね。「今も苦しみ続けています」という言葉を入れて欲しいっていうのがあって、やはり過去にこういうことが起きました。すごく残酷でした、で終わるんじゃなくて、それがそこの時点からずっと続いています、という言葉も入っていたら、読んでいてグッと来るなーって思いました。

ここの言葉のこの20行目から22行目の「忘れてはいけない」「繰り返してはいけない」ということが、この宣言文の一番の根本的なことなんだろうなと思って、すごくいいなと思いました。この言葉を、できたらあの市民社会のところに訴える40行目から51行目のところで色々言って、最後に「地道に平和の種を植え続けます。それが役目です」で終わるのではなく、もう1回ここで、そういうことをして、二度と繰り返さないために行動していきましょう、みたいな言葉が追加されると、言うだけじゃなく、アクションまで持って行きましょうねっていうことが伝えられるのかなと思いました。

この40行目から51行目のとこで、「小さな」「小さな」「小さな」というのが続いていて、一人ひとりがやることは小さいかもしれないんですけど、ここまで入れなくてもいいのかなって思って。「小さい」っていう言葉を取りたいと思いました。戻って申し訳ないのですが、27行目の「原爆は人の手で」のところで、今まではちゃんと「原子爆弾」と日本語では書いていたので「原子爆弾は」と書いて欲しいです。

61行目と62行目ですが、「未来を拒否するために」の「拒否」という言葉に、すごく違和感を感じて、どういう時に使うかなって、「私それ嫌だ、拒否する」みたいな、ちょっと他人事の言葉なのかなって思うんですけど、結局、未来って今いる私たち一人ひとりが作っていくものなので、核兵器が地球を壊してしまう未来にしないために、さっきおっしゃった言葉を借りると、「核兵器がいかに非人道的なものかというのを、被爆地を訪れて知ってください」とした方がストーンって落ちるかなと思いました。以上です。

【委員】

この文章を読ませて頂いて一番実感したのは第1から目を閉じて聴いてください。若干(幾千)の人の手足が吹き飛びってこの文章をずっと私たちのことを書いているのではないかな、肉親も真っ黒焦げになって探し探し求めたあの時の苦しさ。どの遺体が自分の親だろうか、兄弟だろうか。私と妹と男の子、姉の子と3人が助かったのですけれども、そうやって母を、父を探しましたけれども、なかなか実の母と巡り会うことできず、姉は黒焦げになって、自宅で黒焦げになっていましたから、これが姉だっていうこと分かったのですけれども、他の人たちの遺体は全く黒焦げ。みんなそこにいたかもしれない、いたかもしれないけれども、そこを探すことができなかった、十歳の子供の気持ちがここによくいきわたっているのではないかなあと思っています。父も母ももういない。妹もせっかく生き残っても、食べるもの着る物もない、住むところもない。これでは生きていけないということで、妹は自らの命を終わらせてしまった。こういう人たちがたくさんいらっしゃったのです。これをここにこう書いてくださったからもう涙が出てきてどうしようもありませんでした。どうぞこういうことを忘れないでくださいと言いたいですね。過ちが二度と繰り返さないためには、やはり命は地球よりも重いのだからしっかりとその命を、一人ひとりの命を大切にするためには、今こそ英知を出し合って、戦争という事を絶対に地球から排除して、素晴らしい平和な道を一歩一歩前進していただけたらといいなと。この文章は、私たちの気持ちをしっかりと文章に書いてくださった。親も子もね、皆いなくなりながらも生き残った者同士が食べる物を拾って、草を取ってきて、焼けた戸板を取ってきて掘立小屋を建てて、もう何もないところから一生懸命、でもそれに負けて多くの人たちが命を絶ったのです。こういうことが二度と起こらないようにするためには、やはりこの文章は素晴らしい文章だなと思いました。二度とこのような事実が起こらないようにするためには皆様方がしっかりと手をつなぎあって今こそ英知を出し合って素晴らしい人生を送っていただけたらいいなという思いでいっぱいです。短い言葉でありましたけれども、一人生き残って、この文章のとおりだなと実感しましたので、そのことを伝えさせていただきます。どうも失礼しました。

【委員】

今回の全体構成ですが、非常に平易な日本語によって表現されておりまして、分かりやすい、と。その反面、世界の各国のリーダー、それから国連とかですね、これまで訴え続けてきた相手に対してはインパクトが弱くなるかなという感じを同時に受けました。そこは、言葉を補完していくことで補えるのではないかと。全体の構成としてはこれでいいのではないかと。特に詩の持つ力を初めて、多分初めてではないかと思うのですが、広島では峠三吉の文言とか、詩の一部が使われてきたわけですけれども、そういう意味で非常に斬新で新しいタイプの宣言になるんじゃないかと感心しました。

それからの構成が詩から始まって、これは被爆の実相を隈なく表してるわけで、その後に世界情勢のことが来まして、次に市民の力、市民力ですね。それから継承とか信頼醸成というような、非常に大事な、これから市民社会の果たす役割での土台が述べられまして、そして政治リーダーですね。特に超大国、そして日本政府時に、と流れていくわけで、この流れも非常によろしいのではないか。

それから、世界のリーダーに被爆地訪問を呼びかけるというのも、ここで非常に決まったって感じがいたします。被爆地の決意が込められた宣言文として、非常にいいんじゃないかなと思います。

個別的にちょっと感じた点を申し上げると、先ほどから何人もの方が仰っている、28行目の「意志の源泉」っていうのは、意志と言うのは一人ひとり人間の意志ですから、「意志は私たち一人ひとりの意志です」というような感じで、「源泉」という言葉はなくしてもいいんじゃないかなと思います。

次のページの37行目の「ことだけは」というのに、僕はちょっと引っかかっちゃったんですけど、表現が弱くなったなと思いますので、ここはもう少し強めの表現の言葉を使っていただければと思います。それから次の、「国連」から始まって「市民社会」のここですね。それから核兵器禁止条約に流れていくだけですけども、核兵器条約が少し今、批准に向けてですね、発効に向けて批准国を増やす段階にありますが、まあもうちょっとそこは、「早く批准しましょう、批准させましょう」というような、文言が入った方が良いと思います。その後の45から51行目は、これもよくできている文章で、それほど私は変える必要はないと思うんですけれども、全体を通して、今回は若い世代に対する呼びかけとか、期待感とかいうのが込められていないので、この最後の辺りに「若い世代に期待します」とかですね、入れられたらいいと思います。

次の53行目からの「世界の保有国のリーダーの皆さんへ」というのは、NPTに関しては、来年が成立50周年を迎えますので、そのことは入れた方がいいのではないかと思います。あと1つ、25年経ってからの無期限延長もあるんですけど、それはまああえて入れなくてもいいかなと思っていまして、「成立50年を迎えるNPT再検討会議では」ともっていけばいいのではないかと思っています。

それから、55行目の「核兵器のない未来への筋道が示せるよう」は、「道筋が」と市長さんは読まれ、間違っているようだけど、「道筋が」の方が読みやすいんですかね。それから、そのあとにいくつか「対話」「対話」と続くんですね。「対話」が良いのかどうかは、なかなか判断できないのですが、「信頼醸成」とかですね、「醸成」という言葉が今回は使われていないのですが、平易な言葉に徹するという意味だと思うのですが。

あと、一番ここで引っかかるのが、重要な言葉が「責任」という言葉が出てきたんですね。56行目の「アメリカとロシアには、核超大国として、核軍縮について真摯に対話する責任があるはずです」と。「最大の責任がある」と入れた方が良いと思います。「責任」というのが、世界各国で、つまり核兵器国の中で、イギリスとか、責任論が出てきているんです。これまで長くNPT50年の中でも核軍縮が進んでいない、と。むしろ、後退しているというですね、これは誰の責任かというので、核兵器国の責任というものがあるのではという議論がふつふつと涌いてきているので、今年の宣言文ではこの点を指摘したいと思います。その場合残りの7か国のリーダーにも責任があります。それから核の傘の同盟国にも責任があります。そしてNPTの再検討会議で、未来の道筋が示されるところで、やはり「責任」を強調した文章に構成しなおした方がいいと思います。

あと、日本政府のところにもやはり「責任」という言葉が入った方が良いと思います。「唯一の戦争被爆国として」といつも形容詞のように頭につくのですが、この言葉が本当にどういう意味で日本政府は言っているのか、あるいは我々もつかいますがそういう時言っているのかというと、どうなのでしょう。原爆を体験して、非人道性を骨の髄から分かった国民というか、人類の一つのグループとして、これは二度とつかえない兵器で、なくさないといけないということを、世界に知らしめていく責任があると思います。そういう意味での責任なしに「唯一の戦争被爆国として」というのをつけていくと、あまりインパクトがない言葉になっているのではないかと思います。そこに「核兵器禁止条約を支える立場に立ってください」という言葉が出てきているのですが、「支える」という言葉は日本政府に忖度したような言葉になっているのではないかと思います。私は賢人会議のメンバーとしていろいろ議論していますが、あそこは政府が作った賢人会議なので、政府の意向をくんでやっているから「支える」という表現をすることもあるのですが、被爆都市としては、非人道性から生まれてきた核兵器禁止条約を、日本政府の責任として批准していく立場を取り戻してくださいと、いうような読み方が良いと思います。それからこのあたりで、日本の平和主義というのを、毎回の平和宣言で言ってきたように、変わることなく挿入すべきだと思います。これが全ての宣言文の根源になると思います。

大体は以上ですが、後は小さい点で、66行目「放射線の影響で苦しんでいる福島の皆さん」と言うと、少し福島の実際の放射線の影響をやっている人たちから、まだ確認がされていないわけですから、異論が出るかもしれませんので、「放射線の汚染の結果に苦しんでいる福島の皆さんを、変わらず長崎は応援していきます」という言い方の方が良いのではないかと思いました。以上です。

【委員】

いろんな方からの意見があってほぼ尽くされている感じなのですけど私が読んだときの感想も含めて繰り返しちょっと恐れず述べさせていただきたいと思います。冒頭の詩の入り方は私もあの非常に良いなというふうに思いました。ただ前回会議の時に、これこういう感じの詩が冒頭にあった時に、読むのを市長さんだいぶ苦労されるのではないかなと思って、意見を言ったのですけど、割とやっぱり淡々と述べられて、目を閉じてくださいっていうことで始まっていますので、淡々と述べられて、それぞれの人の想像力でうまくいくのではないかなと、私はあまり凝らなくていいのではないかっていう感じで、先ほど読まれたのも聞いておりました。あれで良かったっていう感じがしているのですけど。その上で、この詩は被爆の実相ということに留まらず、やはり戦争によってこれが起こったっていうメッセージが強くあると思いますね。それで24行、26行、あるいは21行、29行、その辺りに戦争によって起こって、戦争してはならないというメッセージをたたみかけるようにここに入れた方がいいのではないかと思いました。

それとの流れを引き継ぐ格好で、30行目からの5、6行の所のその現在の世界情勢というのがやはり非常にこの安易に戦争に走るという状況があるので、そのことと、核兵器が使われるという危険性は一体に今の状況というのはあると思いますね。すぐに戦争、今のイランなんかもそうですけども、戦争を始めると核につながるという危機感が今の時代に繋がると思うので、戦争から起こった、戦争してはいけない、で、今もその戦争に安易に傾こうとする世界があるみたいな流れで現状と繋げたらどうかなと思いました。この前の1回目の会議の時に、私が強調したことが必ずしも反映されてないと思ったのですけど、その米、ロ、中というのは、中国が主体ということではなくて、アメリカの論理の中に米、ロ、中と入ってくるのですけど、やはり競争を始めているというのが新しい状況だと思うのですね。その核軍縮が進まないどころか。核軍備の競争を始めているというのが新しい状況だと思うので、それは数が増えるという競争ではなくて、どういう核兵器を、相手が持っているものを自分がもう一度持たないといけない。一度アメリカではその巡航ミサイル、海上発射巡航ミサイルを一旦廃棄したのだけれども、またそれが必要だと言い出している。それは他の国との競争の中で、新しい核兵器、使いやすいということがこのメッセージとしてありますけども、そういうものを開発しているということなので、核兵器の競争をまた始めたというメッセージは必要ではないかなと思いました。それから、それと関係することで、ちょっと表現の話になるのですけど、33行目、ロシアはですね、新型の核兵器の開発を表明したというのではなくて、配備まで表明をしましたから、「開発と配備」と言っていいのではないかというふうに思います。そこまで状況が悪いということも含めて、そういう表現が必要ではないかと思いました。

それから、45行目から51行目、市民社会の役割ということを述べているところなのですけど、私はこの45行目から51行目はちょっとなんか文章の流れがごちゃごちゃしていて、いつのまにか違うメッセージに移っているというような印象を受けました。項目にしていくと、1番目はその継承に努力をしようとしている人がいるという継承の問題、その次に、信頼醸成に小さな市民活動が貢献をしていけると信頼醸成に対する市民の役割があって、あと3つ目で、粘り強く、諦めずに、無関心にならずに、という持続性みたいなことを強調しているメッセージがあって、ちょっといくつかのアクション、テーマを述べている流れと、それから市民の強さみたいなものの流れがごちゃごちゃしていてですね、ここ何とか工夫が必要ではないかなと思いました。それからちょっと戻るのですが、これまで市民が、その市民社会の力が世界中の多くの国々を動かしたことがありますというのは、ちょっとよそよそしくて、言い切って「動かしてきました」と言っていいのではないかと。数え上げる時に、一番その出席、参列している人とか、メッセージ、宣言文を読む人にとって、市民がやったっていうことのわかりやすいのは核実験禁止条約だと思うのですね。そのビキニからはじまった非常に大きな世界の市民運動が結局、核実験禁止条約を生み出したわけですから。だから地雷やクラスターよりももっとポピュラーなのは核実験禁止条約だと思うので、それが入った方がいいのではないかと。あるいは先ほど世界とのつながりを言う場合でもあのビキニとかの繋がりもその中で表現できるかもしれないということも含めて、市民の力の一つの大きな成果だと思います。

あとどなたかがおっしゃったのですけど、53行目から62行目まで、順序はやはり工夫をした方がいいかなと思いました。全ての国のリーダーの皆さんがまず来て、そこは何て言うか、継承の問題とか、被爆地を訪れてくださいというメッセージが前の市民の役割のとことつながるという意味においても、先にそれが来て、核保有国のリーダーが来て、日本政府が来るという順序がいいのかなと思いました。それから日本政府への訴えなのですけども、これは去年のこの起草委員会の時もちょっと議論があったかと思うのですけど、やはり日本政府が核兵器禁止条約を今支持していないという、今の日本政府の在り様が端的に表現されてないので、それをずばり言ったほうが、なぜ日本政府に我々は強く訴えないといけないかと言う、ずばりポイントがそこで言えるのではないかと思いました。それから核の傘と非核の傘というのは我々もよく言うのですが、もうちょっと言わないとやはり分かりにくいのかなという気がしまして、核兵器に依存をするという核の傘の核兵器に頼るということを禁止条約との関係でもはっきりと表現した方が良くて、「核兵器に依存する核の傘」という言い方とか、「北東アジア非核兵器地帯という非核の傘の実現」というような形でその中身がもう少し説明されるような書き方が必要ではないかと思いました。それから非核三原則を今言葉にするというのは意味があるかなと思いました。というのは、先ほど核兵器の新しい開発の話がありましたけど、核兵器の持ち込みという問題がまたテーマになる可能性もあって、ですから非核三原則を生かし、北東アジア非核地帯を創るというと2つのことが、両方言葉としては出ていた方が良いのではないかと思いました。とりあえず私の意見はそれだけです。

【委員長】

ありがとうございました。今ひと通り皆さまから様々なご意見、全体的なものについて、それからそれぞれの文章、具体的なご指摘もたくさんいただきました。ありがとうございました。

いくつか私の方から付け加えますと、ご説明しますと、一つこの詩については、全体はもう少し長くて抜き書きのような形になっています。量とかも勘案しながら一番伝わる部分を抜書きした形で、抜粋みたいな形になっています。そのことについても、また今日案としてお示しすることについても書かれた本人からのご了解をいただいています。それが一つで、今もう少し詳しくということについてもご本人ともお話をしながらできるだけ少し説明が出来るような形を検討してみたいと思います。それから読み方については、おっしゃるとおり私は長崎弁なので、五島弁混じりの長崎弁なのであまり伝わらないところもあると思いますので、読み方は少し検討を、少し勉強してみたいと思います。それから字数の面ですね、実は先ほどご指摘があったように、字数は例年より少し少ないです。字数は少ないのですけれども、詩が結構な部分を占めていますのでそこはあまりスピードを上げて読めないので、時間でいうとそんなに短くないという状況なので、少し書き加える部分は当然出てくるのだろうと思いますが、あまり大幅に書き加えて字数を揃えてしまうと今度は長くなりすぎるということになりますので、そこをもうちょっと調整をしてみたいと思います。

それから外国語の件ですけれども、今ですね、10ヶ国語に翻訳をして、それぞれインターネットなどでも発信をしたり、あるいは各国の政府、大使館などにもお届けをしたりしていますので、そういった点についてはひょっとするとご指摘があったように今後もっともっと多くの国々、言葉の違う国々もアジアにも多くありますのでそういったことも検討しながら進めてまいりたいと思います。

今色々ご指摘いただきましたけれども、またさらに加えてお聞きしながら、このこともちょっと付け加えたいというのがありましたらまずお願いしたいと思います。どなたでも結構です。はい、どうぞお願いします。

【委員】

さっき緊張して言い忘れたのですが、市民社会の文章のところでですね、 40から51行目、これ毎年10か国語に訳されているとおっしゃったじゃないですか。そしたら日本人以外の方がこの文章を読むときに、日本人だと被爆国だからと言われてきているからリンクしやすいと思うのですね。外国の方が母国語で読んだときに何かリンクできることがあったらいいのかなと思って。平和目的で原子力はいいだろうと言っている国もあるけれども、私IPPNWでヒバクシャ・ワールドワイドというポスターをやっているんですね。そこで、ウラン鉱山で働く方たちも健康被害が出ている。だから、そういうところを見てくると、核兵器、核のエネルギーと健康被害が遠いから繋がらないのですけれども、やっぱそういうこともあるんですよというところに目を向けられることができたら、たとえもし今からウラン鉱山をつくりますというかウラン鉱山をこうしますという国があってその国の人たちが、「えっ、健康被害出るの」と、そういうことを考えさせる文章とかになったら、またその結局平和の種を植えることができるのかなと思って、そういうところも平和利用と言っているけれど、そういう被害もあるんですよと入れられたらいいのかなと思いました。以上です。

【委員長】

はい、ありがとうございます。他にも皆さん。はい、お願いします。

【委員】

先ほど市民社会という言葉が拡散しにくいという感じで受け止められていて、締まらない感じでのニュアンスでご意見がありましたけれども、この前11月に行った地球市民集会の時もですね、最後の確か長崎宣言ですね、長崎アピールではですね、同じようなところが議論になって。その時は黒沢滿先生が基調講演で地球市民という言葉を使っておられたんです。その方が人を中心にものを考えた時にはいいのではないかと。市民社会というと、社会というコミュニティになっていく。そこを使い分けた方がいいかなと。地球市民という言葉もあるのだということをここで述べさせていただけたらと。それがいいというところまでは言いませんけれども。

【委員長】

ありがとうございます。他にも皆さん。はい、お願いします。

【委員】

本当に小さいことなのですけれども。27行目ですね、「落とされました」というのがやはり、落とすというと普通落下というのは自然に落ちると私は思っています。原爆中心地も落下としてあるのですね。私たち、碑巡りをしている人たちは、あそこは「投下」じゃないかということでね、だいぶ市の方にもお願いをしているんですけれど、なかなかそれが投下にならないということで。やはり人間の手で落とされたわけですから、やっぱ「投下」と言う言葉にしたらいいのではないかと私は思うのですけれども。以上です。

【委員長】

ありがとうございます。他にも皆さん何か。 次は3回目で一応最終案になりますので、今気が付いたこと、小さなことでも結構ですけれども、言っておいていただけると非常に助かります。お願いします。

【委員】

この詩の読み方について、今日のでいいのではないかと、私もそう思うのですよね。逆にこれは聞いた人がこれを聞いてどう想像するかという想像する部分なのですね。ですから本当に怒りも悲しみも悔しさも含めて、静かに聞くからその気持ちが伝わると思うのですね。それをあまり感情表現で入っていくと、そちらに気を囚われて、だから淡々聞いて、それを自分の中で理解して、その怒りとか苦しみとか悲しみを感じ取るというふうにした方が。長崎にいる我々はストレートに来ますけれど、それ以外の方たちが来た時に感情で聞き取れるかというとなかなか難しいと思うのですね。ですから、逆にいうと本当に祈念像の前で、静かにそういうものを殺して読んでいただいて、そこに来た人たちが怒り、悲しみ、色んなものを受け止めるという、私はその方が自分自身が伝わるのかなと思い、いろんな意見があると思いますけれども。そのへんは少し勉強されるだけで、検討いただけたらと思います。

【委員長】

ありがとうございます。昨年、平和宣言を読む前に一度だけその会の、永遠の会の方に聞いていただいてご指導いただいたのですけれど、やっぱりご指導いただくと、いただく前より、ちょっとマシになって。私の場合、結構感情を込めて読んだつもりでも今日淡々としていたねと言われるタイプなので。あんまり極端にこもらないと思うのです。ただ、間とか抑揚とか、基本的な部分ができていない部分があるので、そういった部分を是非ご指導いただいて、あんまり演じるみたいなことにならないようにというのは気を付けたいと思います。他にも皆さん何かありますか。お願いします。

【委員】

「唯一の戦争被爆国」というのがやっぱりどうしても引っかかって。独りよがりのような気がして。「ヒバク国」と言えばたくさん世界中にもあると思うし、戦争被爆国と単語で収められるぐらいの簡単なものではなくて、やはり原子爆弾が頭上で爆発してその下に人々がいたというのがその一言で片付くのかというのと、これがどうしても私はこの言葉をずっと違和感があるので、ここの表現を少し変えていただくか、何かもう少し違う言い方があるのではと思うのですが。そこもお願いします。

【委員長】

今のご意見、以前は「唯一の被爆国」と言っていたのが、途中から「戦争被爆国」になったのだと思うのですけれども。何か別の言い方ってあるのですかね。お願いします。

【委員】

発明したほうがいいですよ。

【委員長】

はい、そこも研究をしてみたいと思います。他に、お願いします。

【委員】

「唯一の戦争被爆国」というのは日本政府が率先して使っている言葉だろうと思うのですよね。であれば、「唯一の戦争被爆国を掲げる」とか「標榜する」というそういう国、政府ならばと置いたらどうでしょうか。

【委員長】

ありがとうございます。他に、お願いします。

【委員】

核兵器の今の現状の危機感を訴えることなのですが、皆さんのご意見を伺っていますとですね、やはりかなり強烈に言った方がいいのかなと。今ラッセル=アインシュタイン宣言をもう一度見ていたのですけども、「人類に絶滅をもたらすか、それとも人類が戦争を放棄するかの選択を今迫られている」という表現をラッセル=アインシュタイン宣言が言っているのですが。もう一度それをここで言ってもいいぐらいかなという気がしました。今我々はその選択を再び迫られているというような表現で、分かりやすく核戦争の脅威と言うのを伝えてみたらいかがでしょうか。

【委員長】

ありがとうございます。他にも是非。次また案を作るのに皆さんから頂いた分が、かなり、どのぐらいあるかによって変わってきますので。前回のもたくさんいいヒントを頂いてできていますので。お願いします。

【委員】

どなかた既に言ったことなのですけど、私が言い忘れている、割と大事だと思うことは、NPTが発効50周年という事なのですが、NPTがなぜ大事かということを、核兵器をなくすことを約束をした、そういう義務を負っている条約であるということが表現として出た方がいいと思う。

【委員長】

お願いします。

【委員】

第6条に触れたほうがいいという意見を私は出します。

【委員長】

現状を示す部分にということですか。ではなくて、53行目からのですか。

【委員】

54行目。

【委員】

もう一点いいですか。核抑止、核の傘のことなのですけれどもですね。どうも核兵器国もそれから核の傘の国も日本のようなですね、核兵器はどっちみち使えない兵器で、使うことはないよねという暗黙の了解事項があってですね、その上で核抑止論にのっとった政策である以上は、核兵器は実際現存するしそれは維持して、あるいは少し進化させて、新しい兵器体系を作ろうとしている。そういう核拡散、というか核の競争になってきつつあるのが現状ではないかと思うのですけれども。その時に、やっぱり核兵器は絶対使えないのだと、なくすべきだと根元の誓いというか、認識と誓いがないのが問題ではないかと思うのです。50年の機会というのは、まさに第6条の趣旨をですね、核兵器国が本当に中心になって反芻して、そういう決意を、思いを新たにする機会にすべきではないかと思うのですね。そうしないとこのままずっと行くのではないかと思うのです。そうすると後30何年ですか、100年が来るのですよね。被爆後100年という。平気で100年以上いくよ、といろんな会議でおっしゃる人も出てきていますもんね。そういうことが一番の問題だと思うのですね。

【委員長】

ありがとうございました。他にもございますか。お願いします。

【委員】

皆さんの意見よく分かったのですけど、 私は被爆体験講話と言って、学生さんたち、戦争知らない人たちに話すのですね。そしたらびっくりなさるわけ。だから戦争を知らない人たちに具体的に語るにはどう語ればいいかということも一人ひとり考えていただいて、しっかりと次の世代の人たちに戦争の愚かさ、悲惨さ、残酷さ、命がどんなに尊いかということを具体的に伝えていくことが私たちの責務だと思っていますね。やはり被爆国に住んでいる私たちは、県外から来る生徒さんたちは分からないわけなのですね。へー、そんなことがあったのですかというような答え方をする。でも後で返信が、お手紙が届くのですけど、初めて聞いてびっくりした、母も父もこれからは絶対に戦争のない世の中を作っていくのが自分たちの責務だからしっかりと頑張れよ。無で来た子どもたちね、何も分からないで来て、あー、長崎っていいなといい所ばかり観て、そして私たちの話を聞いてびっくりして、えー、そんなことがあったんですかという生徒さんがたくさんいらっしゃいます。そういうことにならないために、私たちは次の世代の人たちに事実を的確に伝えて、二度と戦争のない世の中をつくっていくのが我々の責務だよということを若い人たちに伝えていくことがいいのではないかと思っています。それが私たちの責務だと。生徒さんたちに一日に2校、3校話すのですけども、えー、とびっくりして、涙を流しながら聞いてくださいます。だから事実を的確に語ることによって、次の世代の人たちが、二度と戦争してはならないのだ、核兵器を所有してはいけない、海外にも核兵器を廃絶するという声を発信していくのが被爆国日本だということを子どもたちが気持ちをしっかりと持ってもらう。このようにして、次の世代の人たちに事実を的確に伝えて戦争を無にするようにということをしていただけたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。

【委員長】

ありがとうございます。まず知ることからとうことでもありますね。他にもございますか。

今年の平和宣言は先ほどから出ているNPT50周年、そして来年NPTの再検討会議、ある意味で知恵を集めて作ってきたこの条約が50年経って非常に危機に瀕しているという中で、NPT再検討会議前の最後の平和宣言でもありますので、そういう部分も少し盛り込んだらというご意見もありましたし、また来年は被爆75周年でもあって、かつオリンピックの閉会式の日でもあって、また色々要素としてはひょっとして盛り込む部分がかなりあるのかも知れないという意味では、こういった市民社会への呼びかけの部分というのは今年しないと来年はこんなに十分には出来ないかもしれないので、そういう意味では、全体的には、こういった流れの中で少し色々工夫をしながら、今日いただいたご意見を基に少し工夫をしたり、足りない部分を継ぎ足したり、言葉を、とても不評だった「源泉」などを変えたりしながら、色々知恵を出してみたいと思います

第3案について、また後程日程なども第3回目の起草委員会についてもお知らせしますけれども、また今日と同じぐらいの時間で、数日前にお送りする形になると思いますので。それまでかなりこちらで詰めさせていただいて、直前になりますけれども、またご覧いただいて、ご意見を頂ければと思います。

今日も本当にたくさんのヒントをいただきましたので、また今回以上に、必ずいい案をご提示できるというふうに思いますので、精一杯頑張ってみたいと思います。本日もお忙しい中、そしてまた真剣に見ていただいて、細かいところまで目配りいただいて一杯ご意見をいただいたことを心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

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