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令和2年第2回 長崎市国民健康保険運営協議会

更新日:2021年3月16日 ページID:035786

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

市民健康部 国民健康保険課

会議名

令和2年第2回 長崎市国民健康保険運営協議会

日時

令和2年10月8日(木曜日)19時00分~

場所

長崎市職員会館4階研修室

議題

(1)令和元年度長崎市国民健康保険事業特別会計決算見込みについて
(2)長崎市国民健康保険条例の一部を改正する条例について
(3)長崎市国民健康保険税条例の一部を改正する条例について
(4)令和2年度長崎市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)補正予算第1号について
(5)長崎市国保財政の現状と今後の対応について

審議結果

(1) 令和元年度長崎市国民健康保険事業特別会計決算見込みについて
(事務局説明要旨)
報告事項1の「令和元年度長崎市国民健康保険事業特別会計決算見込みについて」を説明する。
令和元年度長崎市国民健康保険事業特別会計事業勘定について、主な歳入は、国民健康保険税が85億2,624万8千円、県支出金が412億3,257万5千円、繰入金が46億3,334万4千円となっており、歳入総額は、547億9,519万5千円である。主な歳出は、保険給付費が397億2,220万8千円、国民健康保険事業費納付金が141億6,553万5千円となっており、歳出総額は、545億7,077万9千円である。
収支差引額は、2億2,441万6千円の黒字となっているが、この収支差引額から基金繰入金4億7,372万3千円、前年度繰越金2億4,412万円及び基金積立金5万5千円の調整を行った単年度収支は、4億9,337万2千円の赤字となっている。
次に、歳入決算見込額のうち、主な収入額の予算現額と決算見込額を比較した増減について説明する。
まず、国民健康保険税が、決算見込額は85億2,624万8千円で、予算と比べて1億6,031万2千円の減となっている。この内訳は、現年課税分が9,313万円の減、滞納繰越分が、6,718万2千円の減となっている。これは、現年課税分、滞納繰越分ともに、調定額及び収入率が見込みを下回ったことにより収入額が減となったものである。
次に、県支出金は、決算見込額は412億3,257万5千円で、予算と比べて2億6,788万1千円の減となっている。県支出金の内容は、保険給付費等交付金で、保険給付費に要する費用の全額が交付される普通交付金と、市町村の財政状況その他の事情に応じた財政の調整を行うために交付される特別交付金がある。減の主な理由は、普通交付金において、交付の対象となる保険給付費が見込みを下回ったことにより、6億1,237万円の減となったものである。
次に繰入金だが、決算見込額は46億3,334万4千円で、予算と比較し3,440万5千円の減となっている。この理由は、繰入対象である事務費の支出が見込みを下回ったことにより1,853万9千円の減、出産育児一時金に係る額の3分の2を繰り入れる出産育児一時金分において、給付件数が見込みを下回ったことにより1,080万円の減などによるものである。
次に、主な不用額についてだが、保険給付費は、決算見込額397億2,220万8千円で、予算と比較すると5億8,860万7千円の減となっている。これは、一般被保険者療養給付費において、1人当たり給付額が見込みを下回ったことなどによるものである。
次に、保健事業費だが、決算見込額は3億4,081万4千円で、予算と比較すると903万6千円の減となっている。これは、特定健康診査において受診者数が見込みを下回ったことなどによるものである。
次に、国民健康保険の諸状況だが、国民健康保険の加入状況は、令和元年度の平均世帯数が6万3,389世帯、平均被保険者数が9万5,882人で、被保険者数は年々減少している。
医療費の動向は、令和元年度の医療費が、465億576万4千円、1人当たり医療費が48万5,031円となっている。1人当たり医療費の推移としては、前期高齢者が非常に高い状態が続いている。1人当たり医療費は全体的に増加傾向にあるが、被保険者数が年々減少しているため、医療費総額は昨年度より1.68%減っているが、近年ほぼ横ばいで推移している。
課税の状況は、令和元年度現年課税分で85億8,227万7千円、1人当たり調定額は8万9,509円となっており、令和元年度は被保険者数の減少により、全体の調定額は前年度と比較して3.69%減少しており、1人当たり調定額は前年度比0.63%減となっている。収納率の状況は、令和元年度現年課税分が91.71%で前年度比0.17ポイント減、滞納繰越分が29.76%で前年度比0.16ポイント増となっている。現年課税分の減の理由は、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられるところではあるが、国保財政が厳しい状況となっている中、収入財源を増やすため、自主財源である国保税の収納率向上のための取組みは大変重要なものと受け止めており、今後もより一層、収納率向上対策に努めたい。
令和元年度の主な保健事業の実施状況であるが、令和元年度の特定健康診査の実施率は32.2%、特定保健指導の実施率は43.9%となっている。特定健康診査は生活習慣病の発症や重症化の予防を目的として実施しており、将来的には医療費の適正化にもつながっていくものと考えている。特定健診等については、被保険者の皆さまの健康の保持・増進及び医療費の適正化を目指すうえで大変重要であるため、今後とも引き続き、関係団体等のご協力もいただきながら受診率向上を目指していく。
直営診療施設勘定は、伊王島国民健康保険診療所と高島国民健康保険診療所、2か所の決算で、両診療所を合わせた歳入歳出総額は、歳入・歳出ともに1億3,110万2千円である。
伊王島診療所の決算見込みは、歳入・歳出ともに、6,112万6千円である。歳入において、診察や薬等に伴う診療収入は、患者数が予定を下回ったことにより、予算と比較すると、296万4千円の減、繰入金は、赤字補填のための一般会計からの繰入金において、総務費及び医業費の支出が見込みを下回ったことにより、予算と比較すると、577万1千円の減、市債は、対象事業費の雨戸シャッター改修工事費が予定を下回ったことにより、予算と比較すると、310万円の減となっている。
歳出について、総務費は、看護師報酬が見込みを下回ったことや、歯科診療業務委託料において、人件費が見込みを下回ったこと、また、医師住宅雨戸シャッター改修工事費が見込みを下回ったことなどにより、625万2千円の不用額が生じ、医業費は、患者数が見込みを下回ったことに伴う医療用薬品費の減により、555万9千円の不用額が生じている。
次に、高島診療所の決算見込みは、歳入・歳出ともに、6,997万6千円である。
歳入において、診察や薬等に伴う診療収入は、患者数及び患者1人当たりの平均診療単価が当初の見込みを上回ったことにより、予算と比較し194万円の増、県支出金は、長崎県離島医師確保補助金において、補助金の申請期限である令和元年8月末日までに常勤医師を確保できなかったことから、申請用件を満たさず、当該補助金を受けることができなかったことにより、予算と比較すると90万円の皆減となっている。繰入金は、赤字補填のための一般会計繰入金において、常勤医師を確保できなかったことにより総務費の支出が見込みを下回ったこと、国からの特別調整交付金を受け入れた事業勘定繰入金において、総務費及び医業費が見込みを下回ったことなどにより、1,165万2千円の減となっている。
なお、常勤医師は補助金の申請期限に間に合わなかったが、令和元年12月に確保することができた。
歳出において、総務費については、医師の不在に伴い、応援医師の派遣により診療をおこなったことで、医師に係る人件費が見込みを下回ったこと、また、歯科診療業務委託において歯科材料費が見込みを下回ったことなどにより、915万5千円の不用額が生じている。
次に、医業費だが、患者数は予定を上回ったものの患者1人当たりに要する経費が予定を下回ったことに伴い、医療用薬品費が予定を下回ったことなどから、171万8千円の不用額が生じている。

【質疑】 なし

(2) 長崎市国民健康保険条例の一部改正について
(事務局説明要旨)
報告事項2の「長崎市国民健康保険条例の一部改正について」を説明する。
まず、「1.新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対する傷病手当金の支給について」であるが、これは、本年3月に、国の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策において、新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対し傷病手当金を支給する市町村に国が財政支援措置を行うとされたことを踏まえ、国の基準に基づき傷病手当金の支給を行うため、条例を改正する必要が生じたが、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がなかったため、本年3月31日付けで市長の専決処分を行い、本年5月市議会臨時会で報告をさせていただいた。
その内容については、対象者は、被用者のうち、新型コロナウイルス感染症に感染した者、又は発熱等の症状があり感染が疑われる者であり、支給額は、直近3月間の給与収入の合計額を就労日数で除して算出した1日当たり支給額の3分の2の金額に、療養のため、労務に服することができず、給与の支払いを受けられなかった日数を乗じた額となる。国の支援措置の適用期間は、当初、本年1月1日から9月30日までとされていたが、現在、本年12月末まで延長されている。
次に予算対応についてであるが、傷病手当金の支給に要する予算は、国保事業特別会計の予備費充用により行うこととしており、その財源については、県支出金により全額措置されることとなっている。なお、現時点において、傷病手当金の支給実績はない。

【質疑】

(委 員) 「対象」が給与等の支払いを受けている被保険者ということだが、国保の加入者の中には、ひとり親の方や自営業をされている方も多いため、国保制度もしくは市 全体の施策の中ででも、個人事業主の方等にも今回の傷病手当金の支給の対象が拡大されるよう要望したい。
(事務局) コロナに係る傷病手当金の対象拡大については、全国市長会への提言「新型コロナウイルス感染症に感染した国民健康保険の被保険者に支給される傷病手当金に対して新たに設けられた全額補助する制度について支給対象の拡大や支給金額の増額」などを要望している。今後も要望を続けて拡大に努めたい。
(委 員) 傷病手当金の支給制度について、市民の方にはどのような周知をしているのか。収入が減少したり、失業したりした方は多いと認識しているため、傷病手当金の支給実績がないというのは疑問である。
(事務局) 周知の方法は、5月に発行した「国保だより」において、市民全戸に配布して広報を行い、ホームページにおいても、傷病手当金の申請書をダウンロードできるようにしている。
また、支給の対象は、被用者であり、感染の疑いにより労務に服することができない方であることから、対象者は限られると考えている。


(3) 長崎市国民健康保険税条例の一部改正について
(事務局説明要旨)
報告事項3の「長崎市国民健康保険税条例の一部改正について」を説明する。
まず、「1.国民健康保険税の課税限度額及び低所得者に係る国民健康保険税軽減判定所得の見直し」は、地方税法施行令の一部を改正する政令が本年3月31日に公布されたことに伴い、長崎市国民健康保険税条例の一部を改正する必要が生じたが、本年4月1日の施行であり、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がなかったため、市長の専決処分を行い、本年5月市議会臨時会で報告させていただいた。
今回の地方税法施行令の改正においては、国民健康保険税の課税限度額と減額の対象となる所得基準の見直しが行われている。
まず、課税限度額の見直しであるが、国民健康保険税は「基礎課税分」、「後期高齢者支援金等分」及び「介護納付金分」に分類され、それぞれに「所得割額」、「均等割額」、「平等割額」の率や金額の設定があり、それらを合算して算出する仕組みとなっている。国民健康保険税の算出にあたっては、地方税法及び地方税法施行令において、基礎課税分、後期高齢者支援金等分及び介護納付金分それぞれに課税の最高限度額が規定され、その範囲内で市町村の条例で課税限度額を規定することにより、上限を抑える方法をとっている。
今回の地方税法施行令の改正により、基礎課税分に係る課税限度額を61万円から63万円に、介護納付金分を16万円から17万円に引き上げることとした。長崎市では従来から法令の趣旨を尊重して、法令に規定する額と同額を条例で規定している。
次に、低所得者に係る国民健康保険税軽減の拡充であるが、国民健康保険には、低所得者に対し、その所得に応じて国民健康保険税の均等割(1人当たり)額、平等割(1世帯当たり)額を7割、5割または2割軽減する制度があり、今回の改正は、この低所得者に係る国民健康保険税軽減措置の対象を拡大するため、5割軽減及び2割軽減の対象となる世帯の軽減判定所得の引上げを行ったものである。今回の改正により、5割軽減については、軽減判定所得の算定において被保険者の数に乗ずべき金額を「28万円」から、「28万5千円」に引き上げ、2割軽減については、「51万円」から、「52万円」に引き上げた。
施行期日は、令和2年4月1日である。
次に、「2 新型コロナウイルス感染症の影響による国民健康保険税の減免の特例について」だが、これは、6月市議会定例会に上程し、議決をいただいたものである。
閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を踏まえ、国から財政支援の対象となる国民健康保険税の減免の取り扱い等について通知がなされたことを受け、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、収入が減少等した国民健康保険被保険者の国民健康保険税について、国が示した財政支援の対象となる減免内容に基づき、遡って減免できる規定を設けるため、条例を改正したものである。
まず、概要であるが、減免に係る国の財政支援の基準では、減免対象となる保険税は令和元年度分及び令和2年度分で、令和2年2月1日から令和3年3月31日までの間に普通徴収の納期限(特別徴収の場合にあっては特別徴収対象年金給付の支払日)が設定されているものであるが、従来の条例では、「納期限までに申請書を提出しなければならない。」と規定しており、納期限が過ぎたものについては減免の適用ができないことから、「新型コロナウイルス感染症に係る減免の特例」に係る規定を設け、納期限が到来したものについても遡って減免できるようにしたものである。施行期日は、令和2年6月19日である。
次に、「3 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る国民健康保険税の課税の特例」であるが、これは、9月市議会定例会に上程し、議決をいただいたものである。
令和2年度税制改正に伴い、地方税法の一部が改正され、低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得について、国民健康保険税の課税の特例が定められたことから、関係規定を整備するため、条例改正を行った。
根拠法令は、令和2年度税制改正に伴い、令和2年3月31日付けで公布された所得税法等の一部を改正する法律及び、地方税法等の一部を改正する法律である。
改正の内容であるが、低未利用土地等の利用促進の観点から、所得税法等の一部が改正され、都市計画区域内にある個人所有の低未利用土地等で、その年の1月1日において所有期間が5年を超え、かつ、その価格の合計が500万円以下であるものを令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間に譲渡した場合には、その年の長期譲渡所得の金額から100万円を限度額として控除することができるとされた。合わせて、地方税法の一部が改正され、国民健康保険税についても同様の課税の特例が定められたことから、条例の関係規定の整備を行ったものである。
今回の改正は、令和2年度税制改正に伴うもので、低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の算出において、100万円の特別控除が創設されたという税制上の改正のみであり、国保制度そのものは何も改正されていない。
施行日は令和3年1月1日で、令和3年度以後の国民健康保険税から適用となる。

【質疑】

(委 員) コロナに係る減免の最新の申請等の状況があれば教えてもらいたい。
(事務局) 10月7日現在で、申請の受理件数が243件、減免の決定件数・金額については令和2年度分が199件・40,427,600円、令和元年度分は、184件・6,836,300円、合計383件・47,263,900円である。件数については、令和元年度分と2年度分で重複している部分があるため、現在199件の申請があっている状況である。


(4) 令和2年度長崎市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)第1号補正予算について
(事務局説明要旨)
報告事項4の「令和2年度長崎市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)第1号補正予算について」を説明する。
これは、9月市議会定例会に上程し、議決をいただいたものであり、歳入歳出それぞれに1,996万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ547億2,706万円としたものである。
まず歳出について、一般被保険者保険税過誤納還付金であるが、これは、先ほど説明した「報告事項3 長崎市国民健康保険税条例の一部改正について」のうち「2 新型コロナウイルス感染症の影響による国民健康保険税の減免の特例」を定めたことに伴い、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、収入が減少等した被保険者の国民健康保険税について、国が示した財政支援の対象となる減免内容に基づき、令和元年度の第9期及び第10期分について遡って減免を行うため、1,996万円を増額したものである。
一般被保険者保険税過誤納還付金の事業費の中には、還付金そのものと還付加算金の2つを予算計上しているが、今回増額したのは一般被保険者保険税過誤納還付金の方である。
歳入については、「県支出金」であるが、一般被保険者保険税還付金の増額に伴う財源として、同額の1,996万円を増額したものである。国が示した基準に沿って減免を行った場合は、調整交付金により全額財政支援が行われることとなっている。

【質疑】 なし

(5) 長崎市国保財政の現状と今後の対応について
(事務局説明要旨)
報告事項5の「長崎市国保財政の現状と今後の対応について」を説明する。
国保の財政状況についてだが、被保険者数の減少等により国保税収が年々減少する一方で、医療費の増加に伴い、保険給付費が増加する状況にある。平成25年度から単年度収支の赤字が続いていたところ、平成27年度に医療費が急増し、財政状況が急激に悪化したため、基金をすべて取り崩すとともに、平成27年度から平成29年度までの3年間一般会計から法定外繰入を実施することとしたうえで、平成28年度に税率改定を行った。その結果、平成28年度と29年度の単年度収支は黒字だったが、平成30年度以降再び赤字となり、令和2年度も赤字となる見込みである。
令和元年度は収支不足が見込まれたことから約4.7億円を財政調整基金から取り崩し、令和2年度当初予算においても、被保険者数の減に伴う保険税収入の減、被爆者数の減少に伴う県支出金の減などによる収入減により、約5億6千万円の収支不足が見込まれたが、その不足分を全額、基金を取り崩す形で税率を据え置いたまま予算編成を行っている。この結果、基金は、令和2年度末で約1千800万円が残る見込みとなる。
次に、国保の諸状況についてだが、被保険者総数は、人口減少や後期高齢者医療制度への移行などにより年々減少している一方で、70~74歳の被保険者数は、団塊の世代の影響により、令和3年度まで増加し、その後、減少することが見込まれる。
保険税については、課税総額が、平成28年度の税率改定により一旦増加したが、その後、被保険者数の減少などにより年々減少傾向にあり、1人当たり課税額は、微増傾向である。
保険給付費について、保険給付費総額は、被保険者数の減少により年々減少している一方で、1人当たり保険給付費は、高齢者数の増加や医療の高度化などにより年々増加傾向にある。
次に、平成30年度施行の新制度(都道府県単位化)の概要について、国保特別会計における財政運営の仕組みは、改革前は、保険者である市町村が国保特別会計を設置し、支出すべき保険給付費に対し、歳入として受け入れる公費を充当し、残りを国保税で賄うという仕組みであった。改革後は、都道府県にも国保特別会計が設置され、市町村の国保特別会計と連動した形で財政運営が行われている。市町村は支出する保険給付費に対し、その必要となる額すべてを都道府県から保険給付費等交付金として交付を受ける。また、都道府県がその交付金に充てる財源として、市町村は都道府県に国保事業費納付金を支払うこととなっている。そして、市町村は都道府県に収める納付金の財源として、被保険者から保険税を徴収するという仕組みとなった。
改革後における長崎市の納付金及び保険税の算定方法は、歳出・歳入とも県全体の額により算定することとなり、県全体の保険給付費等から県全体の国・県等支出金を差し引いた残りの部分が、当該年度に県全体の保険税により確保しなければならない額となり、県内全市町が県に納めるべき納付金総額となる。この納付金の額は、市町村ごとの医療費水準や所得水準を考慮して算定されている。参考として、令和2年度の長崎市の納付金は、約144億円となり、ここに、長崎市は国の激変緩和措置を受けることとなり、約9億円の公費補填がなされた。この激変緩和措置額を差し引いた額が、長崎市が長崎県に支出すべき令和2年度の納付金、約135億円となっている。この納付金の決定を受けて、原爆等の特別事情に係る県支出金や一般会計繰入金等の長崎市独自の財源を差し引いた残りの部分が、長崎市が確保すべき保険税となる。つまり、県から提示される納付金の額で、長崎市が確保すべき保険税が決まるということになる。
なお、令和2年度の納付金は、前期高齢者交付金が前々年度の精算による追加交付などにより公費の増額が見込まれ、県全体で納付金が前年度よりも減少している状況である。
最後に、今後の対応であるが、県に納めるべき納付金の財源については、県支出金や一般会計繰入金などの公費を除いては全て保険税により賄う必要がある。平成30年度から単年度収支の赤字状態が続く中、令和元年度、令和2年度と2か年にわたり赤字額を基金で補填し、税率等を据え置いてきたが、基金も 残りわずかとなっている状況の中、引き続く被保険者数の減少による保険税収入の減及び1人当たり保険給付費の増、さらに、現在のコロナ禍による税収減の影響なども考慮すると、令和3年度も引き続き厳しい財政状況が見込まれる。
今後、11月に県から示される仮算定の納付金により、令和3年度の必要な税率を推計し、来年1月の本算定による納付金確定後、令和3年度の税率算定に係る最終的な検討を行うこととなるが、仮に税率改定が必要な場合は、運営協議会へご意見を求めることになる。

【質疑】

(委 員) 国保の財政状況に記載のR2年度の見込みは、予算作成時の見込みなのか、コロナによる緊急事態宣言を受け、受診控えがなされ、病院経営も大変だといわれる中での直近の保険給付費を反映させたうえでの見込みなのか。
(事務局) 当初予算の試算段階の数字であり、コロナの影響は加味していない。しかし、7月までの医療費の状況では、被保険者数の減などがあるため、簡単には比較できないが、総額で比較すると、3.6%の減となっている。
(委 員) それでは、今年度の単年度収支がどうなるのかは、年度末に近づかないと見込めないのか。R3の当初予算編成をする時期だと思うが、どのような状況なのか。
(事務局) 収納率、保険給付費の状況及び今年度の決算見込み並びに来年度の予算を編成していく中で、税率改定が必要かどうか、収支の均衡がとれるか、今から検討していく。
(委 員) 税率の改定については、具体的に見ていかないと分からないと思うが、コロナ禍で、国保加入世帯も総じて大変な状況にあるというのは事務局も認識されていると思うので、保険税が足りないから税率を上げるというのは避けていただき、違う形で財源を捻出するということを手段の一つとして要望したい。
(事務局) 今の要望については、長崎市としても、市長会や九州都市国保を通して、国へ交付金の拡充を要望している状況であり、その状況も踏まえたうえで、税率改定も検討していきたい。
(委 員) 特定健診の広告を秋から冬にかけてしていただいているが、11月から2月はインフルエンザが一番流行する時期であり、今年はさらにコロナウイルスがあり、できれば、特定健診の広報する時期を春から夏に前倒しにしていただくよう検討いただきたい。
(事務局) 今年は、コロナの影響で集団健診を7月半ばまで中止したため、受診率が今後下がることを予測している。7月以降は、なるべく密にならないような形で体制をとって、予約制で実施している。以前もお話をいただいており、今年は春先で考えていたが、PRが11月になるかと考えている。今後、平常時になったら、なるべく早いタイミングで広報活動を行い、特定健診は生活習慣病を抑え、ひいては医療費の適正化につながるので、御意見をいただいたやり方の中で取り組んでいきたい。
(委 員) 先ほどの意見に補足で説明だが、前回の会議で令和2年度は春先の広報が難しいという回答はいただいていたが、令和3年度は前倒しにするのであれば、今のタイミングから動く必要があると考えるが、そういった動きはあるのか。
(事務局) 新年度の予算の確保に向けて進めていきたいと考えている。来年度、準備としては4月以降になると考えられるが、なるべく早いタイミングで広報が行えるよう取り組んでいきたい。
(委 員) 特定健診の受診者としての質問だが、集団健診を受けようとすると、ほとんど一日がかりになってしまい、病院で受けようとすると病院から指定された日しか受診できない実情があり、なかなかマッチングしない。そのため、もう少し、集団健診の回数や会場を増やすことができれば、受診率向上にもつながるのではないか。
(事務局) 現在、予約制ということで、進めているところだが、予約制の周知もうまくいっていない部分もあり、新年度については、予約制についてのPRを強化していきたい。また、30分単位での予約制をとることで、受診者が押し寄せることのないよう、対応をしているところだが、現在、回数を重ねるごとに問題点も出てきているため、来年度に向けて改善していきたい。
(委 員) 前回の協議会でも、基金がなくなったから税率を上げるというのを繰り返しているため、長期的に見た財政運営を示してほしいという話をしたところ、県単位化により見通すことが難しいという見解だった。税率改定については、一般会計からの繰り入れも行っており、多くの市民の方にも負担が出ているため、単純に基金がなくなったから税率をあげるのではなく、将来の会計を含めて整理してほしい。
(事務局) 県に対する納付金についても、県との協議会において、何年かの見通しをつけて納付金の算定ができないか要望しており、長期的に保険税の見込みができないか県とともに協議しているところであり、今後も検討していきたい。

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