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平成30年度第2回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

更新日:2019年3月29日 ページID:032645

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部 世界遺産推進室

会議名

平成30年度第2回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

日時

平成31年3月18日(月曜日) 15時10分~16時00分

場所

旧出津救助院(西出津町2696-1)

議題

大平作業場跡の整備について

審議結果

1、大平作業場跡保存整備活用について
 委員会開催の直前に、出席者全員で大平作業場跡の現地調査を実施した。
 現地調査後に委員会会場へ移動し、所有者が実施予定の大平作業場跡保存・整備活用について、所有者から委託を受けた業者より配付資料に基づき説明があった。その後、各委員から次の意見があった。


(1)2019年度に実施する工事の内容

【所有者から委託を受けた業者】
※大平作業場跡における、今までの取り組みをまとめた映像を放映(3分程度)

【A委員】
地元のかたの協力を得ながら、文化財は公有財産、守り育てていくという意思を持っていただきたいし、委員会としてもそのような姿勢で臨みたい。

【所有者から委託を受けた業者】
2019年度に石積みの保存修理を行い、2020年度には(作業場跡の)活用施設の整備工事を行う。
茶畑では、今年3月に植えた苗が成長し、2022~2023年あたりから茶葉が摘めるようになると見込んでいる。
維持管理については、オーナー制の採用を目指して進めている。
プロモーションの一環として映像を活用しながら、できればクラウドファンディングなどの仕組みも導入して、より広くド・ロ神父様の整備した畑を知っていただき、参画していただく、といった取り組みをしていきたい。

【A委員】
外部へ発信していくという意味で、例えば市立図書館のロビーを使って、小規模でいいので写真パネル展のようなものができないか。市の施設だからお金も要らないだろう。

【E委員】
今日の現地の状況を見ると、たいへんきれいになったと感じる。
茶畑を育てるのに3~4年かかり、茶葉が摘めるようになるとますます人手が要るようになる。
オーナー制を採用するとのことだが、多くの人を呼んで、作業をしてもらえるようにするための案は、どの程度できているか。

【所有者から委託を受けた業者】
具体的にはこれからだが、クラウドファンディングなどでオーナーを募るためのホームページ作成、プロモーションに使えるような映像作成といった準備は、順次進めている。
また、苗の植え付けに参加いただいた小学校や障害者施設などのかたに興味を示していただいているなど、継続した参加が期待できるところがいくつかあり、関係の構築が重要と考えている。

【所有者】
ここ1~2年の除草および茶木の世話についてはド・ロ様の家事務局で、ガイド業務と調整しつつ週1回程度対応する。茶が摘める頃になると今の人員では対応が難しいので、オーナー制度の実施や、専任の人員配置が必要と考える。人員配置については修道会でも検討をしている。
できるだけ楽しく、ド・ロ神父の思いを皆さんに味わっていただける場にできたらと考えている。

【A委員】
今後の進展および必要な経費などについて、事務局で検討し、関係するところと詰めていただきたい。

【C委員】
この2~3年で徐々にできていく様子は、内輪だけでなく、外部への発信や、地域とのつながりなど、うまくかみ合わせるプログラムをたてていくものと思うが、つなげていくための工夫・仕掛けが必要。観光客がそこに行ったらお茶を飲める、というのはかなり難しいと思うが、どこかでそれにつながるような仕掛けをつくることが大事だと思う。

【所有者】
例えば、救助院の見学に来られた時間に余裕があるかたに、ド・ロ様の畑で作った紅茶ですよ、といって提供するといった対応の仕方をする、という意味合いか。

【C委員】
そう。意識としてつなげていきながら、この地域のことをよくわかってもらうということ。

【所有者】
ド・ロ神父の黒い茶(紅茶)、青い茶(緑茶)を、今でも再現してると言うと、飲んでみたい、購入できないか、と興味を持つお客もいる。提供については、余裕があるときに試してみる。


(2)安全対策と石壁の補強

【所有者から委託を受けた業者】
1.ハード面(物理的)での対策
(1)修理
 崩落しかかっている石積みを修理するほか、予防措置として、雨水の浸透を防止する処理をするなど、今後崩落が起こりにくい状況をつくる。
(2)補強
 東側のバラバラになった石積み壁を一体化するため、一部に金物などを入れ、東西の壁をタイロッドで連結することで外側に倒れることを防ぐ。
(3)フェールセーフ
 仮に大地震等が発生した場合、内側(活用施設)に石積み壁が倒れた場合にそれを軽減し、屋根を支える柱の崩壊を防ぎ、利用者の避難経路を確保できるような構造とする。
※資料3頁の図面上に記載の、青い柱(活用施設構造体)と赤いもの(展示物補強構造体)とは、完全に縁が切れている(つながっていない)。

2.ソフト面(管理・運用面)での対策
(1)立入制限
大地震等が発生した場合、石垣が崩落する危険性が高い場所(建物西側)を立入禁止区画に設定。
また、台風等の強風の際、石が飛ばされる可能性があるので、目安となる風速を設定し、それ以上の時は近づかないこととする。
(2)経過観察
活用施設の柱を基準点として、石積みがどれだけ傾いているかを確認できるようにスケールを設置し、定期的あるいは台風・地震等発生後に確認することで、危険を予知できるようにする。
また、現地にて引張荷重試験を行い、評価の基準を設定する。

【C委員】
基礎の部分の補強については、どの程度やろうと考えているのか。

【所有者から委託を受けた業者】
地山あるいは岩の上に直接基礎として建っているので、鉛直荷重に対しては対策不要と考えるが、水平力がかかった時の倒れへの対処は必要と考える。
傾斜が大きい一部の壁を油圧ジャッキで起こし、その部分の基礎は補強しようと考えているが、それ以外は特に補強は行わない。

【C委員】
石積み構造の場合、橋口家住宅の事例のように、外に開いていく危険性がある。内側に倒れるくらいのほうが構造的には、危険を回避できる可能性が高いのではと思う。
補強構造の色をよく考えてほしい。痛々しい見栄えにならないよう、同系色のほうがよい。ただしタイロッドについては、別の色でもよいと思う。

【B委員】
いろいろな計算や実験の結果として、補強は要らない、と言い切れる可能性はないか。

【所有者から委託を受けた業者】
言い切れることはおそらく無いが、部材を小さくするなど、補強の規模を調整していくことは可能。今提示しているものは、最大限の補強というイメージである。

【B委員】
補強の規模の検証作業は、手間だとは思うがぜひやっていただきたい。
補強材について、素材のコーディネートを、全体で一度ちゃんとチェックしてほしい。少なくとも、活用施設構造体と展示物補強体は、まったく違うものとして見えたほうがよい。
新築部分(活用施設構造体)の柱はスチールか。

【所有者から委託を受けた業者】
熱押形鋼(スチール)を考えている。

【B委員】
違和感がない、ということを検証していただきたいと思う。

【D委員】
B委員と同意見で、一体化を求められ色の調整をする必要がある部分(展示物補強体)と、それとは別の部分(活用施設構造体)が、明確に分かれているようにする必要があると思う。

【B委員】
一般の客が来た時に、すぐ壊れるのではないか、という印象を与えないように、安心感があるようにしてほしい。どうすればそうなるかのはわからないが、頭の隅においていてほしい。

【D委員】
背後の土砂崩壊箇所に土留めの石垣を整備することについても、危険因子の除去・予防にあたるので、このような周辺環境の整備も、安全対策の方針における物理的対策として整理しておくと、より説得力が高まると思う。

2、橋口家住宅の現況・破損状況および2019年度の予定(※事前説明のみ)

【長崎市】
基礎部分や壁面の亀裂、壁の膨らみ、屋根の欠損など、損壊が進んでいる橋口家住宅について、どのように修理をしていけばよいか、2019年度に検討していくこととしている。
2019年度は、安全上の観点、価値(重要文化的景観、登録有形文化財)の観点および所有者の意向を踏まえて修理計画を検討、修理方針図を作成する。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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