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第13回(平成27年度第6回)高島炭鉱整備活用委員会

更新日:2016年4月18日 ページID:028284

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部 世界遺産推進室

会議名

第13回(平成27年度第6回) 高島炭鉱整備活用委員会

日時

平成28年1月19日(火曜日) 14時00分~

場所

都市センターホテル 605号室

議題

(1)第3竪坑捲座跡補修
(2)地区別整備計画(中ノ島炭坑跡)
(3)居住施設屋上部の防水方法
(4)史跡 高島炭鉱跡整備活用計画書(案)
(5)その他

審議結果

(1)第3竪坑捲座跡補修

【事務局】
第3竪坑捲座跡は世界遺産の顕著な普遍的価値を証明する要素であるという位置付けになっている。今年度、アーチクラウン部分の煉瓦の脱落箇所に新規煉瓦を追加したいと考えている。新規煉瓦については、色合い、景観に大差がないものとする。かつ新規と既存とは区別できるように、新規煉瓦に「2016年修補」という刻印を打つ。既存煉瓦への影響を避けるという観点と可逆性は確保するという観点から、目地材については比較的強度が弱い、石灰1、砂3の石灰モルタルを採用したい。さらに新規煉瓦の脱落を防止するためにアンカーピンによる固定を行う。

【E委員】
石灰1、砂3の石灰モルタルを採用した理由が資料に書いていない。「施工性を考慮して」などの書き方でも選択理由を書いたほうがいい。

【F委員】
2段にわたって煉瓦が脱落しているところは、上のほうはアンカーピンをつけられるが、下のほうはどうやってつけるのか。

【事務局】
下のほうは石灰1、砂3の目地のところに差し込もうと考えている。強度が足りなければ樹脂系を入れる方法もあるが、基本的には樹脂系を入れないこととしたい。必要な強度があるか現場で引っ張り試験を行う予定である。

(2)地区別整備計画(中ノ島炭坑跡)

【事務局】
前回の委員会で指摘を受けた、端島炭坑跡における護岸の整備方針を次のようにまとめ、県及び国と協議を進める。

1点目、30年確率の設計波高に対して安全な構造とする。2点目、その場合の構造は護岸陸側で補強する構造とし、コンクルートで被覆する方法と天川護岸を露出させた状態で補強する方法との併用とする。但し、天川護岸をコンクリートで被覆する場合、可逆性を考慮して、天川護岸とコンクリートとが分離可能な構造とする。島内への海水の越波量は許容し、護岸の嵩上げは原則行わない。県、国とこういった内容で整備協議を進めていきたい。越波に関係して、内陸側にも排水のための対策が必要で、排水口、あるいは排水できる構造を陸側にも確保したい。天川護岸を露出させる場合に、含浸系の透明な保護塗装を行う方法について検討を進めたい。長崎大学などに天川自体の強度の調査を依頼しなければいけない。また、保護塗装した結果、どういう効果があるのかを検証する必要がある。

【F委員】
どうすれば天川護岸が長持ちするか、観察し考える時間が必要である。

【事務局】
中ノ島炭坑の整備について、現在、中ノ島に容易に船が接岸できない状況であるので管理と整備のための船着場が必要となる。船着場と通路の整備を第1)段階、第2)段階では船着場から少し高台に行けるような通路、第3)段階では端島が見渡せるような場所に広場等を整備したい。

【A委員】
中ノ島の船着き場は浮桟橋か。

【事務局】
波が荒い場所なので、固定式桟橋を作りたいと考えている。

【C委員】
端島も整備しなければいけないという事情もあるが、第1)段階、第2)段階、第3)段階と合計30年間の計画というのは長すぎる。遺構調査は短期間でやったほうがわかることも多いので15年ぐらいでいいのではないか。

【事務局】
高島から端島に電力を送電していたケーブル遺構が中ノ島に残存しているが、ケーブルが波にさらわれてしまう恐れがある。早めに別のところで保存すべきと考えている。

【C委員】
ケーブルは遺構というよりも遺物である。別の場所に保管するのはありえる方法である。

【A委員】
中ノ島炭坑の事業期間は全部で10年ぐらいにしておいて、3年ごとに見直してはどうか。

【F委員】
スタートが10年後というわけにはいかないのか。端島炭坑と高島北渓井坑が忙しいから、中ノ島炭坑は遺構調査と船着き場の整備だけ先に行ってはどうか。

【A委員】
工期をいつにするかも含めて、次回以降、修正案を出してもらいたい。

(3)居住施設屋上部の防水方法

【事務局】
居住施設の劣化の進行を抑制していくという方針の中で、水が建物に入らないよう屋上防水の施工を考えている。アスファルト防水やウレタン樹脂を吹き付けるという方法、ウレタン樹脂の上にポリマーセメントを乗せるという方法が考えられる。

16号棟の屋上には、土、石が残存しているがそれは、昭和38年から屋上が菜園化され、花壇や農園、お米を作る水田やサツマイモを作っていたためと思われる。16号棟屋上の土の厚さは20cmぐらいあり、防水を行う場合、この土は1回撤去する必要がある。さらに屋上を被覆している既存のコンクリートにカッターを入れて、小分けにして撤去した後、新たに防水層を施工する。その上に再度この土を戻すと荷重がかかり、水分もそこに一定期間残るので、コンクリートの保護や鉄筋の錆び防止の点で、いい影響を与えない。そのことから、撤去した土については元の場所に戻さないこととしたい。

【F委員】
屋上防水は屋上に雨が溜まらないように周りに流すものである。排水が詰まっていると溜まってしまうのでその効果がなくなる。

【E委員】
ポリマーセメントモルタルはパラペットの立ち上げ部分もきちんと塗れるのか。

【事務局】
パラペット部分は加工して水が入ってこないようにする。

【A委員】
ウレタン樹脂の上に保護コンクリートを打設すると耐久性はどうなるのか。

【事務局】
防水層の上に保護コンクリートを打つほうが耐久性は長くなる。

【C委員】
保護コンクリートを打つと荷重が増えて、スラブに対して悪影響がある。1回やって終わりではなくやり替えるということを想定すれば、後々のメンテナンスが容易な方法を選択するのが得策だと思う。

【A委員】
どの建物を延命させるかという議論とあわせて、どの建物を対象に施工するかという議論が必要である。屋上に土を戻すことなく、こういう屋上の利用があったということを映像で説明すればいいのではないか。

【事務局】
ウレタン防水であれば建物保護に貢献するし、色つやを消せば外観は変わらない。単価はウレタン樹脂が一番安価で施工もしやすい。

【A委員】
古いコンクリートや防水層が残っている場合と、それを撤去した場合とでは防水効果に差は出るのか。

【E委員】
撤去したほうが効果はいいだろう。塗り物には100%の効果はなく必ずどこかに欠陥が出てしまう。やり替えるときにはウレタンを取らないと駄目なのか。

【事務局】
表面が整地されていないと塗装に効果はない。

【F委員】
完全な防水を考えているわけではないから、そんなに気にすることはないのではないか。

【C委員】
未来永劫もたせることはあり得ないので、そうであれば、あまり経費がかからなくて一定の効果を期待できるぐらいで妥協しておくほうがいい。

【事務局】
基本は優先順位の高い3、16、65号棟の防水をやっていきたいと考えている。

【A委員】
次回、優先順位、施工計画、スケジュールを含めて提案してもらいたい。

(4)史跡 高島炭鉱跡整備活用計画書(案)

【事務局】
第1章、第2章は保存管理計画等から持ってきた内容で、第4章の地区別整備計画もこれまで図面等で提示してご議論いただいている。第5章は、長崎市をはじめとする所有者、管理者が保存と活用にかかる管理及び整備を適正に行うということから、「整備活用の体制」という表題にした。第6章ではモニタリングとして、高島炭鉱群(高島北渓井坑、中ノ島炭坑、端島炭坑)の観察指標を整理している。

【C委員】
第5章には「関係者並びに専門家等で構成する管理運営体制」や「運営体制」という言葉が出ていて言葉が十分整理できていない。例えば第5章としてはこの史跡全体の運営のあり方ということで「運営のあり方」のほうがよいのではないか。

【B委員】
第5章の「留意事項」で記載している内容は、まさに運営体制の具体的な中身といえるものであり、全部「基本方針」や「運営体制」に組み込んでいかないといけない内容ばかりである。

【E委員】
世界遺産委員の運営体制と高島炭鉱整備活用委員会とはどういう関係になるのか。

【事務局】
世界遺産としての運営体制に書いているのは、いわゆる世界遺産の価値に関係するところのことである。高島炭鉱跡は世界遺産以外も含めて史跡となっている。時間と手間はかかるが、世界遺産の運営体制側に報告するが、史跡全体としては専門家に諮った上で整備等をしていくものと考えている。

【A委員】
世界遺産の運営体制は臨機応変に対応できるような組織ではないだろう。この委員会と世界遺産の運営体制との関係がどうなのかをどこかで書いておく必要がある。実質はこの委員会が世界遺産のほうの価値だとか、管理保全協議会の議論もにらみながらいろいろ具体的なことを決めていくということになるのではないか。

【E委員】
そのために内閣官房から本委員会にオブザーバ出席いただいていると考えてよいのか。

【オブザーバC】
そのとおりである。長崎地区管理保全協議会は関係の機関と所有者、行政で構成する世界遺産に関しての最終決定機関である。したがって、この委員会でご議論いただいた内容が文化庁とも協議をされ、一方では現状変更の許可申請が行われる。他方、長崎市の中で調整を図って、最終的に世界遺産の観点で長崎地区管理保全協議会に諮られ、そこで最終意思決定が行われる。この長崎地区管理保全協議会に事務局である内閣官房が関わってくる。

【G委員】
モニタリングの話で、人が近づくのが危険なところにドローンの活用は考えているのか。地震があった後、人が入る前に1回飛来して、大丈夫なことを確認してから人が入るということもあるのではないか。

【事務局】
3D計測でドローンを使っている。平成25年度にドローンを飛ばしている。3Dも定期的にやっていくと全体的な島の変化がわかる。

【D委員】
震度3の地震が来たときに何を確認して、台風が来たときは護岸を中心にして何を確認するかなど、台風、地震、雨がこういう状況になった時のモニタリングの仕方が書いていない。

【E委員】
台風のときに人は立ち入っていないだろうが、震度3の地震があった後は観光客を止めたりする措置が必要である。

【A委員】
異常時、災害時の観察については、モニタリングの部分か危機管理みたいなところを別に立てて記載したほうがいいかもしれない。

【D委員】
台風や地震の後の対応マニュアルがあるのではないか。

【F委員】
定点カメラをもっと増やして、そのリアルタイム映像をガイダンス施設で見せてはどうか。教育的にも管理的にも効果がある。膨大な費用でなければ早めに手を打ったほうがよい。

【オブザーバA】
屋上の防水について、建物の劣化を抑制していくという観点で軽量化を図るという趣旨はそのとおりであるので、そういう方向でご検討いただきたい。屋上の庭園は、端島の生活文化の一環ということで、仮に撤去するにしてもそれをどのような形で後々伝えていくかの工夫を検討してもらいたい。

【オブザーバB】
モニタリングは是非お願いしたい。そのままの状態のところと整備したところと同じスパンでやるのではなく、適正な期間を設定してもらいたい。

【オブザーバC】
モニタリングは整備計画がどのように実行されているか、その推進のフォローというものもこのモニタリングの中に入ってくる。今年度の後半から来年度にかけて修復・整備活用計画を文化庁の支援のもとに策定することになるが、世界遺産としても十分活用ができる計画づくりをしていくことを考えている。

(5)次回日程など

【事務局】
次回、3月14日の委員会では、整備活用計画という名称で計画をとりまとめたい。見せ方の議論はこの委員会の中で時間をかけてやる必要があるので、次年度、もう1回現地を見ていただきたい。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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