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平成27年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

更新日:2016年1月19日 ページID:027961

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

総務局 世界遺産推進室

会議名

平成27年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

日時

平成27年11月16日(月曜日) 10時00分~

場所

長崎市役所本館地下1階 議会第1会議室

議題

(1) 道の駅「夕陽が丘そとめ」駐車場整備
(2) バスチャン屋敷跡修理事業
(3) 出津教会堂案内誘導板の設置
(4) その他

審議結果

■議題(1)道の駅「夕陽が丘そとめ」駐車場整備

【事務局(農林整備課)】
道の駅「夕陽が丘そとめ」駐車場整備方針の説明

 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の来年7月の世界遺産登録を見据え、外海地区における観光客の受入れ態勢整備の一環として、来客数の増加が見込まれる「道の駅夕陽が丘そとめ」に駐車場を増設するものである。
面積は約800平方メートル、駐車台数は普通車25台を予定しており、増設後の道の駅における普通車の駐車可能台数は103台となる。
 工種は、土工、舗装工、排水工、擁壁工などで、工期は、今年10月から来年7月中旬を予定している。
 整備にあたっての基本的な考え方は、石積集落景観整備活用計画を踏まえ、道の駅「夕陽が丘そとめ」から遠藤周作文学館方面の海側への視点に配慮し、構造物の設置は最小限とし、規模や素材などは周辺景観と調和するよう努める。舗装の材料及び色彩は、既存の駐車場に合わせて黒アスファルト舗装とし、境界部のおさまりに配慮して周辺景観と調和したものとなるよう努めることとしている。
 駐車場予定地は現在丘陵地になっているので、右側は道路から掘り下がる形になる。25台の駐車スペースを確保する関係から、道路側、遠藤周作文学館側に構造物ができることになるが、構造物を最小限にする計画としている。
舗装は、黒アスファルト舗装とし、法面には緑化をほどこし、周辺景観に配慮した転落防護柵を設置することにしている。
 車は上の方から入って左側に出ていくという場内一方通行を考えており、乗客は左側の横断歩道に進み、階段を上り道の駅「夕陽が丘そとめ」を利用する。

【C委員】
 2点確認をしたい。
 1点目は、遠藤周作文学館と道の駅は、隣接しているわりに連携があまりとれていないと思われる。この駐車場整備がうまくいけば連携のきっかけになると思うが、連携の検討を行っているか。
 2点目は、駐車場の残地を全面黒アスファルトとするのは景観上良くない。残地がポケットパークや緑地になれば良いと思う。

【事務局(農林整備課)】
 今回の駐車場整備で、今まで丘陵地であった部分がフラットになり、道の駅から、遠藤周作文学館が大きく見え、遠藤周作文学館にも行きやすくなる。道の駅と遠藤周作文学館の連携をさらに強めていく施策をとっていきたいと考えている。
 2点目の残地について、乗客の動線となるので、ここにポケットパーク的な整備を行うことは考えられる。道の駅から見たときも駐車場の黒い舗装一面が見えるよりも、何らかの人溜まりができるような整備ができないかと考えている。岩盤なので樹木の育ちが悪い可能性があるため、歩道空間として、景観にも配慮した整備を検討したい。

【C委員】
 ポケットパーク化されるとした場合、この駐車場からポケットパークを通じて横断歩道をわたって階段を通って道の駅に行くという動線になる。ポケットパークを歩行者の動線計画上、重要な場所となるよう検討してほしい。

【事務局(農林整備課)】
 横断歩道から真直ぐポケットパーク的なものから直接降りられるようになれば、利用しやすくなると思われる。観光客等が駐車場から遠藤周作文学館へ安全に行けるようにできないか遠藤周作文学館と共に検討していきたい。

【B委員】
 造成によって擁壁工の部分が見えてしまうと思うが、景観上の配慮をした方がいいと思う。路面を黒アスファルト舗装するため、できることであれば法面を段差状にして緑化できないか。駐車場に入って右側に配置されている4台分の駐車枠を市道に沿わせて配置すれば、擁壁の幅を少しずらして斜面をゆるやかにできないか。
 
【事務局(農林整備課)】
 駐車場は、掘り込むことによって構造物を下げられないか検討してきた。しかしながら、進入口から車が入ってくる場所の傾斜が、現状の計画でも12%くらいになるので、これ以上の掘り込みは厳しいと考えている。そして、出口付近は歩行者、乗客が歩きやすいようにできるだけフラットに整地したいため、現在の地盤高での整備を計画している。
 擁壁工については、延長が17メートル、高さが3.5メートルの擁壁ができるが、1.5メートルほど埋戻して、実際に見えるのは2メートル程度の高さになる。擁壁下部に低木か中木を植えられないか検討したが、地質が岩盤であるため難しい。緑化用ウォールも検討したが、擁壁の高さ等を考え、擁壁部の緑化は行わないことで進めたいと考えている。

【E委員】
 防護柵は茶系統で統一して整備した方がいい。

【事務局(農林整備課)】
 防護柵は、道の駅と統一性を持たせ検討する。

【D委員】
 駐車場の横断歩道側の残地が多いことが気になっている。残地自体も一つの視点として機能するので、ここから何を見せるのか、ベンチを設置するとした場合、どんな形で何を見せるために置くのかも意識してほしい。

【C委員】
 岩盤であれば切りっぱなしでもつはずなので、そのような工法も検討してほしい。また、ポケットパーク的なものも岩盤を露出するような形で仕上げても良くなるかもしれない。個性を残しながら整備を検討してほしい。
 2つ目は、遠藤周作文学館の裏側が見えるようになる。下部は見えないように植栽をするなどの修景検討が必要。
擁壁を整備することにより、擁壁部だけ防護柵が付くと嫌な感じがする。擁壁側の4台の駐車枠の配置を検討して擁壁工を行わず、防護柵を設置しないような整備方法を検討してほしい。

【事務局(農林整備課)】
 構造物ができる所以外は、基本的には切りっぱなしで緑化するか、そのまま見せる形になる。今回の駐車場の需要予測に基づき、本駐車場で25台分を確保したいということを前提条件として考えている。ポケットパークについては、インターロッキングで整備するのか、カラー舗装とするのか、切り取ったまま地質の個性を残すのか、どのような整備が適当か検討していきたい。
 今までは見えていなかった文学館の裏側が見えるようになるので、見えても良いような何らかの措置がとれないか協議を行い必要な措置をとりたい。
 道路側の法面はそこまで高低差はないが、法面から駐車場へ出入りする可能性があるので、防護柵を設置することとしたい。

■議題(2)バスチャン屋敷跡修理事業

【事務局】
バスチャン屋敷跡修理事業の説明

 バスチャン屋敷跡は所有者(管理者)が、老朽化しているとのことから修理を行いたいという申出があり、今回提案する修理の工法案について意見をいただきたい。
 バスチャン屋敷については、バスチャンは日本人伝道師であり、江戸時代、禁教令による厳しいキリシタン弾圧の中、信仰を集め、バスチャン屋敷が隠れ家だったとして言い伝えられている。
 1983(昭和58)年、初代のバスチャン屋敷が建てられた。初代の建物は木造の草葺。しかし、この場所が谷間で湿気がひどいため木造部分が崩壊状態となった。その後、1993(平成5)年、住民の代表で結成されたバスチャン屋敷保存会によって、ネリベイ(石積の壁)で再建された。
 現在のバスチャン屋敷は面積が約12平方メートル、屋根は水除けにルーフィング材を敷いて杉皮葺きという状況である。
 平成8年の外海町の時代に、バスチャン屋敷跡として文化財、史跡の指定がされた。その後、平成17年に長崎市と合併して、外海キリシタン関係伝承地として市の指定史跡となった。そして、平成24年にバスチャン屋敷跡として、重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」の重要構成要素にもなっている。
 管理者が検討している修理内容は、小屋組を含む屋根の葺き替えとネリベイ基礎の補強である。
 屋根の修理は、正面南面の寄棟を切妻に変更する。屋根の現状は南面が三角形になった寄棟の骨組みとしている。屋根は基本的に現状と同じく水除けのためにルーフィング材を敷いて杉皮葺。現状と違うところは、竹で葺いていた部分を野地板へ変更する。
 基礎部は軟弱地盤であるため、左側の石積が少し傾いているということが考えられるので、現状の基礎の左右に幅150ミリメートル、深さ200ミリメートルでコンクリートによる補強を行う計画である。

【A委員】
 外海には日本でも珍しいキリスト教に関わる伝承が残っており、バスチャン屋敷等は地域の活性化にあたり必要なものであると判断され、伝承文化財(民俗文化財関係)の位置づけとして市の指定文化財とされた。今後、実証される可能性もあるということで、名称だけは、外海キリシタン関係伝承地、市指定の史跡という名前をそのまま使った。そういう経緯があるので、今回修理の対象になっている建造物は、文化財の建造物としての適用、あるいは、史跡としての制限は一切受けない。地域の人たちが語り継いできたことを残すための一つのシンボルとして守ってこられた。それを今後も守っていくということで、修理事業が提案されている。
 以上のことを踏まえて議論してほしい。

【E委員】
 修理に要する予算はどこから出るのか。

【事務局】
 補助金を活用できないかと相談があっている。補助金を活用するためには本整備活用委員会に諮って工法等を決める必要があるため、現在その手続きを行っている。

【A委員】
 バスチャン屋敷跡については、金銭的なことは別途事務局で進める。本委員会では、修理事業を行うかどうかということと、行うのであればその工法はこれでいいのかどうか。
 修理事業は行ってもよいのではないかと考えるが、いかがか。

【B委員】
 ここは伝承地として現状を維持していくために地元の保存会が取り組むことは重要なことと理解している。行政と保存会が連携して行うのが基本と思う。
 その上で、工法的に気付いたことは、近くに水路があるために建物全体に不安がある。この辺りの水はけをよくするのが一番効果的。できれば水路を深く掘って、周囲を下げるのが安全。山手側から建物の周囲を通って雨が水路に流れると思うが、山手側も掘らなければ建物側に入ってきてしまう。その部分をクリーク状に深く掘った方が効果は高いだろう。
 ネリベイの基礎部分だが、石が縦に並べてあるようだが、本来は、横に並べるべきもの。縦に並べれば上からの荷重で開いてしまう。安定させるためにも横に並べるべき。
 次に、屋根について、できるなら屋根の傾斜をもう少し大きくした方が雨漏りは少なくなると思う。強い雨のときは雨が軒から中に入ってくる。昔のネリベイの建物を見ると屋根の傾斜が相当あり、壁と屋根の間を塞いでいる。このような工法があるので、参考にされて、中に風雨が入って来ないようにした方がいい。
 寄棟を切妻にするとのことだが、歴史的なことにこだわらないことが前提であれば、中の保存のために切妻にした方がいいと思う。

【A委員】
 専門的な意見がでてきたが、修理を実施するという所まで決定して、実施にあたっては基本的に仕様が出されるということであるから、実施前までに現場を見ることは可能か。

【事務局】
 可能だと思う。補助金の交付を受けるには、所有者の修理の方向性を本委員会に諮る必要があるが、それは今日確認できた。細かい部分は現地を見て調整できると思う。

【C委員】
 やってもよいかというよりも、やるべきだと思う。
 場所もそうだが、技術的なことも含めて伝承の価値があるとすれば、修理することに加えて、自治会や保存会の方だけに任せるということはたぶん持続性がないと思われる。これを機に、外海全体、長崎市、また建築の学生が参画するなど、外海のネリベイ文化を皆で伝承していく。そういう体制を作ることが一番すばらしいと思う。

【A委員】
 それでは、できれば早い段階で各委員に現場を見ていただき、また、図面だけでも専門的な見地から修正できるところは修正するなど、調整を要望する。

■議題(3)出津教会堂 案内誘導板の設置

【事務局】
出津教会堂 案内誘導板設置の説明

 出津教会堂の敷地内で、今年度、案内誘導板の設置を検討している。
 出津地区周辺の案内誘導板は、旧外海町時代に設置したものからこれまで本整備活用委員会で議論し統一したものへ取り替えていっている。今回の案内誘導板は、昭和50年代に設置をされたもので、板面の表示も消えかかっており取り替えたいと考えている。
 色彩は、背後に教会堂等があり、屋根などの構造物を考えると、赤みのある茶系よりダークグレーの方が良いと考えている。
 表示内容の「出津教会堂入口」は、その場所そのものなので、右側に降りていく「ド・ロ神父記念館」と「旧出津救助院」の二つを表示してはどうかと考えている。

【E委員】
 出津地区の文化的景観の他の場所では、ほとんど茶系だが、周囲の構造物等との関係で景観を考慮してダークグレーにしてもいいと思う。

【G委員】
 教会の役員を中心に聞いたところ、ほとんどダークグレーがいいということだった。
 また、「出津教会堂入口」は、現在、教会を訪れる方に「入口はどこですか」と聞かれる。「入口」の表示は必要だと思う。「ド・ロ神父記念館」、「旧出津救助院」の二つは必要だと思う。

【事務局】
 「出津教会堂入口」の表示は、その場所でもあるので取ってはどうかと考えていた。

【A委員】
 教会堂の入口は、必ずしも、日本のように細長い平面プランの狭い小口の方から入ってしまうように限定されていない。出津教会堂を見ても、横に張り出しがある。ヨーロッパには、そのような場所を入口としている教会も多い。外国人が来た場合、どこから入ればいいか探すような状況になると思う。「出津教会堂入口」の表示は入れた方がいいと思う。
 色については、ダークグレーで進めること。


■議題(4)その他

【事務局】
文化庁協議の結果報告

 10月に各委員に四つの重要文化的景観関連の事業についてご意見をいただいた。その後、11月9日に文化庁との協議を行ったので報告する。
 結果は、各委員に説明した内容で、工法的には了解が得られた。
 各委員からの意見と同様のものもあるが、施工上の注意点として幾つか意見があった。
 野道共同墓地の手摺り設置は、中央の石階段に手摺り設置を行うことから、できるだけ石を削らなくてよいような場所に設置すること。掘削を伴うので市が立会うこと。
 墓地通路整備は、通路を整備して人を誘導することになり、ゴミ等の発生が問題となるかもしれないので、状況をモニタリングして、問題があれば委員に相談すること。また、活用の観点で誘導案内板を設置する必要はないかとの意見があった。野道共同墓地の位置は、道の駅や外海歴史民俗資料館に設置している案内板に表示はしている。今回活用しようとしている「中村近蔵の話」など、所有者が案内板を設置したいとの意向が出てくれば今後協議していきたい。墓碑の整備は、石を貼るとき角ばった形状で貼るのではなく、自然な形状で貼った方がいいという意見があった。
出津教会堂の石垣周辺転落防止柵設置は、外に基礎を設置するのではなく、通路内で、石垣に影響しない形で、通路幅を確保しながら整備をすること。
 ド・ロ神父の里道法面整備は、提示した工法でいいが、周囲に溶け込むような処理をしてほしいのとことであった。
最後の牧野修道院法面整備は、できるだけ近場の在来種、例えば、ツル植物を使用して緑化に努めてもらいたい。
細かな施工上の点は、現地で確認しながら進めたいと考えている。
 

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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