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第8回(平成27年度第1回)高島炭鉱整備活用委員会

更新日:2015年8月11日 ページID:027415

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

総務局 世界遺産推進室

会議名

第8回(平成27年度第1回) 高島炭鉱整備活用委員会

日時

平成27年5月11日(月曜日) 13時30分~

場所

都市センターホテル 604号室

議題

史跡 高島炭鉱跡保存管理計画書(案)について
 

審議結果

 (1)委員会規則について
【事務局】
当日配布資料1「長崎市指定文化財等保存・整備委員会規則」を説明。
長崎市は要綱に基づく委員会の設置規則の見直しを行い、本委員会は長崎市の条例に基づく附属機関と位置づける。変更箇所は、「会長」が「委員長」という名称になることと、委員報酬が若干増額になる。それ以外は大きな変更はない。規則第5条により委員長を選任する必要があるが、これまでどおり岡田会長を委員長に、小野副会長を委員長職務代理としたい。
 (一同了承)

(2)史跡 高島炭鉱跡保存管理計画書(案)について
【E委員】
資料1-2の用語の整理で、「管理」のところに「日常的措置及び中・長期的に及ぶ各種措置」とあるが、「中・長期に及ぶ」で良い。どういうことが「現状維持」なのか。
【C委員】
「管理」のところで「及び」が2つ重なっているので修正したほうが良い。
【オブザーバA】
「現状維持」は、中ノ島のところで触れているのであれば、そこで詳しく定義をしてもよい。
【E委員】
建築の場合だと、現状変更に対する対概念だと思う。劣化していくのも含めて現状変更しなければ現状維持である。見えない箇所に構造補強をするのも現状維持である。
【A委員】
「現状変更」に対する対の概念として「現状維持」ということで良いだろう。
【D委員】
「廃墟的な印象を与える」という言葉がここに出てくるのはどうなのかという気がする。
【B委員】
ここで使うかは別として、個人的には「廃墟」という言葉を使ってはいけないとは思わない。あまり「廃墟」という言葉に臆病にならないほうが良い。
【C委員】
これから産業遺産がいろいろ出てくると思うが、その場合に現状維持とはどういうものなのか、廃墟とは何なのか、廃墟であることを保護するとはどういうことなのか、議論を重ねないといけない。
【E委員】
産業遺産においては、用途が生きていない施設を一体どういう状態にしておけば良いのか、というのはとても重大である。
【D委員】
そこは産業遺産活用の1つの問題点で、今の状態を見せることに価値があると認められている。
【A委員】
皆さんの意見を集約すると、「廃墟的な印象を与える」という表現はここでは省いておいたほうが良い。
【D委員】
中ノ島のゾーニングについては、今まで発見された部分だけをゾーニングしている。調査されていない部分もあるということか。
【事務局】
詳しい調査はまだ実施していない。前回からの宿題として、中ノ島はもっと詳しい調査をやっていく。生産施設遺構のほうから先行して調査することをこの『保存管理計画書(案)』に書いている。
【A委員】
ゾーニングも暫定的なものだという断りがどこかにあったほうが良い。
【C委員】
研究資源としての活用のところは、研究を進めていく必要があるという全体方針を書き、それから個々の記述をするほうが良い。
【B委員】
「研究」は史跡活用の話なのか。端島におけるコンクリートの劣化の研究というのは研究としての活用だが、それ以外は史跡を活用しようがしまいがやらなければならない。
【事務局】
史跡の研究というのは、ここに限らず進めていく話である。ここで言う研究資源としての活用というのはコンクリートの劣化だけと考えている。
【E委員】
第5章の史跡の活用には「見学者等を受け入れる地域振興資源」と書いてあり、観光の話は出てこない。見学者を受け入れるところは観光的なところである。
【事務局】
観光資源として活用していくというのが趣旨であるが、あえて「地域振興資源」と書いている。イコモスの勧告で観光圧力などが言われているため、こういう書き方にしたい。
【B委員】
観光圧力への対応というのは、観光そのものを否定しているわけではないと思う。 
【事務局】
史跡に影響を及ぼさない範囲で観光客を受け入れて、価値を知ってもらう。あまり過剰に観光客を受け入れてしまって史跡を傷めては駄目というのが、イコモスの観光圧力についての勧告である。
【E委員】
むしろ、史跡に影響を及ぼさない範囲で観光客を受け入れることをはっきり書いたほうが、史跡を傷めないような観光をするというようになる。
【A委員】
イコモスの専門委員会の中にカルチャーツーリズムの委員会があり、質の高い観光をむしろ推進しようという動きもある。行政は「観光」という言葉をあまりにも否定的に捉え過ぎているのではないかという印象を持っている。
【B委員】
中ノ島、端島には居住者がいない。高島も非常に少なくなっている。地域振興という観点で言うと、旧産炭地にとっては地域アイデンティティの再生という面が日本の場合は特にある。観光だけではなく、地域振興資源として積極的に考えていくというのは必要だと思う。
【B委員】
「近代産業遺産等に関心を持つ見学者を受け入れる」などの言い方をしないで、観光客、ヘリテージツーリズムやカルチャーツーリズムといった言葉を使って良い。そういうものを受け入れる地域資源という言い方にしたら良い。
【A委員】
コンクリートの言葉遣いについて、「コンクリート建造物」は鉄とともにコンクリートを使ったものに限ってそういう用語にするということだが、鉄を使わないコンクリート構造物は含まれないのか。
【事務局】
護岸などは無筋のコンクリート構造物である。護岸と擁壁は用語定義から除いている。
【A委員】
RCという言葉も部分的には使うということか。
【事務局】
そうである。
【B委員】
今、非常に大きな問題は、ヘリテージマネジメントの専門家がいないこと、専門家を養成するシステムがないことであるので、そういうことは記載したほうが良い。
【A委員】
イコモス勧告にも、人材の養成、特にモニタリングをしっかりしろと触れられている。
【事務局】
『保存管理計画』を作った後に『整備活用計画』を作成する。今後はどういう整備をしていくのかを年次的に短期、中期、長期という形で、生産施設、護岸施設、居住施設、それぞれに優先順位をつけていつごろやっていくという計画を作らなければならない。
【A委員】
まだいくつも具体的に数字やスケジュールを固めないといけないことがあるが、それは次の委員会に委ねたい。保存整備の事業を進めるに当たっては、特に端島は電気も動力も何もない。それに関してはどこまで許容するのか、どこまで今の島の上に施設を持っていって良いのか、島の上が駄目であればどのように供給するのか、そういう課題も現実的にはかなりシビアな問題である。
【事務局】
今後作ろうとしている『整備活用』についても高島炭鉱整備活用委員会の中でご議論いただき、策定まで行いたい。その後、端島の整備の検証は別途委員会を作り、その中でご議論をいただくような形で進めていきたい。本委員会の委員からも何人か入っていただいた上で、九州の専門家を入れるのかあるいは、地元メインで行くのかの組織体制を考えていきたい。
【A委員】
実際の施工の発注時期の目途はあるのか。
【事務局】
昨年被災した護岸については近々工事発注する予定である。
第3竪抗捲座はかなり劣化が進んでおり、応急的に処置ができないか考えており、平成27年度に部分的に煉瓦を戻すような作業ができないかと思っている。 
【A委員】
イコモスが気にしているのは、優先順位をはっきりさせるということと、どこが緊急なのかを打ち出せということであった。それはこの委員会だけでなく、内閣官房とも調整しながら進めなければいけないことである。
【E委員】
建物を安定的に維持できる状態にするには巨額のお金がかかる。1つどこかで試算してみないと全く架空の計画になってしまう可能性があるので1度試算をしておくと良い。
【オブザーバA】
長期にわたりご審議いただいたことに感謝申し上げたい。内容等については、市の管理計画として成り立つ内容にできてきているのではないかと感じている。
【A委員】
本日の委員会をもって『保存管理計画書(案)』を最終的なものにとりまとめさせていただきたい。今後、委員長や事務局ほか意見を伺い修正を行った上で最終案としたい。その後、『保存管理計画(案)』を踏まえた『整備計画』の審議を引き続き行うことになる。ご了解いただけるだろうか。
 (一同了承)

(3)その他
【事務局】
平成27年3月12日(木)jから27日(金)に行った国指定史跡 高島炭鉱跡端島炭坑跡 範囲確認調査概要について報告
【A委員】
発掘を行ったグラウンドの遺構はどういう施設と想定されるのか。
【事務局】
護岸遺構の存否確認調査ということで、グラウンドの西側2カ所を発掘した結果、護岸遺構の頭の部分を確認した。将来的には部分的に確認した場所を基点に南北方向にトレンチを広げればこの護岸遺構の全容が見えてくるだろう。護岸を壊して遺構が建てられていて、その地下遺構も実際には遺跡であるため、遺構を壊して遺構を探すことになってしまうことが今後の課題である。
【A委員】
今後さらに調査は継続するのか。
【事務局】
今後は第1竪抗捲座と呼んでいるところをきちんと形がわかるようにし、機能解明を行いたい。護岸遺構に関しては石垣を見つけることも大事であるが、今後の端島の整備に当たって、運動場は整備のためのプラントとするなどいろいろ使い勝手があるため、工事をどこまで行って良いのかを判断するための予備調査にもなる。
【D委員】
トレンチ2と3の護岸ではなくてコンクリート遺構が出てきている。これに関連する図面はないのか。
【事務局】
測量図があるので、合成すればもう少し精度の高い図面ができる。次回以降の委員会で用意する。実習報文の結果と合わせることはできると思う。
【事務局】
この『保存管理計画(案)』については、委員長ほかと今後調整をさせていただいた上で、最終的に修正し、長崎市に報告をしていただく機会を設けたいと考えている。
【A委員】
日本コンクリート工学会による国際会議が6月の1、2、3日に長崎市で開催され、海外の専門家が50人ぐらい来崎し、200人ぐらいが端島に上陸すると伺っている。コンクリート構造物の技術的な成果が出てくるようであれば、研究者や事務局から報告してもらいたい。
【事務局】
国際会議では、端島に200人ぐらい上陸し、その後のディスカッションがある。その経過については報告できる内容があれば報告させていただく。また、日本コンクリート工学会との研究についても今後進めるようにしている。報告できることがあればこの委員会で報告する。
以上で本日の委員会を終了する。
 

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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