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平成24年度第5回端島炭坑等調査検討委員会

更新日:2015年5月25日 ページID:027077

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

総務局企画財政部世界遺産推進室

会議名

平成24年度第5回端島炭坑等調査検討委員会

日時

平成25年3月26日(火曜日) 13時半~

場所

都道府県会館407号室(東京都千代田区平河町2-6-3)

議題

  1. 「高島炭鉱調査報告書」について 
  2. 「高島炭坑・端島炭坑管理保全計画書」について
  3. その他

審議結果

1 「高島炭鉱調査報告書」について
【事務局】第3章第1節(3)「高島炭鉱に関するこれまでの主な調査研究」と、それから平成22年度に事務局の方で実施した研究論文等の調査のリストを添付する形で、「高島炭鉱に関するこれまでの主な調査研究」を新たに設けて記述をしている。
その中で、東京電機大学の阿久井先生らによる「軍艦島実測調査資料集」の刊行と、これのもととなった実測調査等についても記述している。
第5章、史跡の保存として考えるべき範囲の考え方について、端島炭坑跡は、「炭坑の島としての形成から閉山、風化の過程がすべて読み取れる産業遺産」という歴史的意義を抽出しているが、これを示す要素が島内各地に存在していること、端島の範囲がその炭坑の発展とともに拡張されたこと自体が炭坑施設の発展の歴史を示しているものであるということ、またその中に地上に残存する遺構のみではなく、恐らく地下に保存されているであろう各時期の遺構等も含んでいる可能性があることから、端島全域を史跡指定・保存管理の範囲としている。
今回、日本建築学会が行った主な居住施設等についての劣化の診断の結果を踏まえ、居住施設の保存の考え方を次の4パターン比較検討した。
1.延命可能と判断されたすべての居住施設を対象とする外観維持のための整備と失われた居住施設の復元整備
2.延命可能と判断されたすべての居住施設を対象とする外観維持のための整備
3.代表的な居住施設を対象として外観維持のための整備、及びその他の居住施設を対象として現状からの自然劣化を原則許容し、積極的なデータ収集・記録保存
4.すべての居住施設を対象として、現状からの自然劣化を原則許容し、積極的なデータ収集・記録保存
なお、前回の委員会までは、居住施設については一応、「自然の劣化を原則許容する」ことを選択していたが、「生産活動と一体となった超高密な居住環境の形成」という部分を保存するという意味では、十分な対策とは言えないことから、今回、パターン3.、代表的な居住施設を対象とした形で、外観維持のための整備を行っていくという選択をしている。まず大正7年から大正11年にかけて並列して建設された16号棟、17号棟について外観維持のための整備を進めていくことを目標としている。
その他の居住施設については、現状からの自然劣化というものを、原則許容せざるを得ないという問題がある。そのため、鉄筋コンクリートの耐久性に関する研究資産としての価値を維持しつつ、現状維持、延命するための方法を検討していく中で、必要に応じて整備を行っていく考えである。
なお、大正5年に建設された端島最古の鉄筋コンクリート造の高層住宅である30号棟は、既に被災度が非常に高いため、外観維持のための整備をしていくというのが困難であると判断した。
【C委員】第4章の「高島炭鉱の価値」に、価値証明の根拠となるような、貿易史的な研究や、日本の製鉄業発展の上で果たした役割など製鉄業史的な研究が今までなされているということも、同時に示すべきである。
【C委員】第2章の第1節で論文の題名をそのまま取り上げているので、報告書の全体の調整の中で表題を変えて構わない。また、原稿もできれば差しかえたいと考えている。
【A委員】最終刊行物になるときには、タイトルの変更あるいは原稿の差しかえ、修正、執筆された方と相談の上、仕上げてもらいたい。
【A委員】居住施設の劣化診断については、未調査は未調査、わからないものはわからないということを含めて、この居住施設全棟を表にした方がよりはっきりするのではないか。
【B委員】この調査報告書の資料編の中で、平成17年度調査が行われたものについて注記がなされているので、この2012年度における調査結果もこれに加える形で一覧表が作れるのではないか。
【C委員】実習報文調査は、本来、第2章のところで生かされるべきものである。実習報文というのは何であって、高島に関する実習報文はどういう大学が所蔵していて、それがどういう時期にわたっていて、その中からどういう情報が得られるかという、いわゆる資料調査報告でいいのではないか。内容報告までここで含めるような形式になっているが、そうすると重複するのではないか。
【C委員】第3章の第1節(3)「これまでの主な研究調査」というのは、また別の意味を持つので位置を変えた方がいい。
【B委員】(1)の千々和先生の報告は「地質調査」とすれば、2番目が「実習報文調査」でよいのではないか。
【A委員】第3章はあくまでも調査の概要という形でとするのがよい。
【C委員】この調査報告書は、現段階における価値づけを明らかにする部分だけをまとめればいい。それに付随するさまざまな調査、精巧研究については、別冊扱いの方が全体がすっきりする。
【C委員】第4章が一番先に、第3章は、第4章の後にきた方がわかりやすいいのではないか。
【C委員】5章のパターン3.は、最低限度の補修である。まだ補修する価値のあるものがあるかどうかという検討を加えて、もしそれが出てくれば更に積み上げていくということになるのか。
【事務局】今後、研究が進むにつれて、今までは延命は無理だと考えられていたものが、将来的に延命が可能になっていく可能性があることの含みを持たせて、居住施設はできる限り保存をしていくという方針で文章をまとめていきたい。
【B委員】例えば100年持たせろと言われたらそれは到底無理だが、少し手を入れることによって少しは延命できるが、それをやるかやらないかは判断が必要である。端島全体がそういうものだという前提をパターン分けの前に書いておけばいい。それともう1つ、3.の1番頭に「当面」と一言つけ加えるとよい。
【オブザーバA】居住施設以外の整備として11億円が基礎的にかかる。軍艦島のこのシルエットをいかに保存していくかというのも、非常に重要なものなのではないか。もう少し幾つかのパターンがあれば、非常に議論がしやすい。
【A委員】「外観維持のために」というような言葉、文言があるわけだが、ここに是非、「島全体のシルエット」というような文言を中に入れて、更に検討できないか。
【C委員】どの棟を残すかという検討も非常に重要である。30号棟は建築史上重要な資料だと思うので、建築史的な視点から見た場合の重要度を、1つのものさしとして示す必要がある。

2 「高島炭坑・端島炭坑管理保全計画書」について
【事務局】タイトルについて「高島炭坑、端島炭坑」とするか、サイト名「高島炭鉱」とするかは調整中である。
【C委員】地下遺構に関して、特に海底炭坑ということが強調されるのであれば、坑道の評価が問題になる。
【C委員】管理保全という点から、この地底部分あるいは海底部分をどう考えるのかを検討しておいた方がいい。
【事務局】地下における遺構としては、例えば北渓井坑跡とかであれば、発掘調査でわかる部分までのところは確認ができている。また、現在の竪坑そのものが、閉塞されずにそのまま開いていて、ある程度の深さまでが確認できる。
【事務局】池島炭鉱はまだ坑道を閉塞していない。長崎市は、池島を学習・研究の場として公開をしていく検討を行っている。
【A委員】管理保全計画は、最終的に推薦書に添付し、「九州・山口の近代化産業遺産群」全体の管理計画の一部をなすという理解でよいか。
【オブザーバC】推薦書とともに、それぞれのサイトの管理保全計画書を提出する予定である。
【オブザーバB】地区別保全協議会を設置し、そのメンバーが管理保存計画の合意形成をしていくことになる。今後、地区別保全協議会のメンバー間での調整をとりながら、管理保全計画を改善していくことは当然ありえる。
【A委員】「九州・山口の近代化産業遺産群」全体から見た計画内容と、それから個別に長崎市が用意している管理保全計画との整合性は慎重にやってもらいたい。

3 その他
【A委員】整備検討委員会の設置は決まったものと考えてよいか。
【事務局】新年度より新たな組織を設置したいと考えている。
【C委員】新しい課題について検討する委員会が設置されるというのは一歩前進であるが、今後、補充調査が必要になったり追加説明が必要になったりすることも十分考えられるので、この調査検討委員会的な役割を果たす委員会が、今後も機能することが必要である。
【事務局】整備活用委員会は、基本的に整備・活用をコアな部分としてやっていくが、幅広い内容を網羅できるような委員会にしたいと考えている。
【オブザーバB】地区別保全協議会は、今後いろいろと起こり得ることを、全部、意思決定したり、意見交換したりする場として用意されるものである。専門家の指摘、アドバイスを適切に受けられる体制を整えておくことは非常に有益である。
【A委員】世界遺産の資産としてのこの炭坑群と、それからまたそれとは別な側面での文化遺産としてのこの炭坑群、両面の保存・活用・管理というのが必要になってくる。長崎市は臨機応変の対応に取り組んでもらいたい。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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