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第5回(平成26年度第4回)高島炭鉱整備活用委員会

更新日:2015年10月6日 ページID:026636

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

総務局 世界遺産推進室

会議名

第5回(平成26年度第4回) 高島炭鉱整備活用委員会

日時

平成26年10月27日(月曜日) 9時30分~

場所

都市センターホテル(東京都千代田区平河町2-4-1)

議題

1 史跡 高島炭鉱跡保存管理計画書(案)について
 

審議結果

【事務局】
 台風8号により被災した31号棟前の護岸、51号棟前の護岸の復旧工事について説明。31号棟前面及び51号棟前面の護岸は水中コンクリートを打設し応急復旧工事を行った。今後、51号棟前は災害復旧工事を、31号棟前は災害で生じた穴ではないため調査ルートの整備工事ということで埋戻し工事をする予定である。今後、海中の潜水調査を実施し、護岸全体の状況を把握したい。

【C委員】
 護岸のコンクリート部分が剥がれて見えている箇所は石と天川で組まれていたかと思うが、内側の部分はダメージを受けたときに、いい加減に応急的に補修した可能性があるのでなはいか。

【事務局】
 護岸の表側はほとんどがコンクリートで巻かれているが、基礎部分の材料はコンクリートと思われる。内側のえぐられた部分からは昔の天川の護岸が露出していることから、工事前後の記録作成を行う。

【C委員】
 創業時の護岸工事のデータがあるかどうか三菱マテリアルにアプローチしたほうがいいのではないか。

【事務局】
 三菱マテリアルでは資料として残っているものはないとのことであった。公有水面埋め立ての申請書類は長崎県歴史文化博物館に保管されており、既に事務局で内容をまとめている。

【オブザーバA】
 災害復旧工事等は継続的に行うので、調査の蓄積を記録化し広く公開していくとよい。

【事務局】
 前回開催の委員会までは端島炭坑跡と高島北渓井坑跡の計画は別々になっていたが、今回は1冊に編集した。第1章は大きくは変わらない。これまで端島炭坑跡を説明した後、高島北渓井坑跡を説明していたが、歴史的、技術的に北渓井坑が先になるので、高島北渓井坑跡から書き出して、その後、端島炭坑跡としている。計画の目的に係る他の章でも高島炭鉱全体、高島北渓井坑、端島炭坑跡という順番で整理している。「第2章 1.史跡の指定」については、10月6日付で国指定史跡の官報公示を受けたので、官報公示文を書き込んでいる。前回開催の委員会資料の「第2章 5.史跡の特色と課題」は第3章とした。第4章で史跡の保存を整理し、保存のための整備の内容を第4章に持ってきた。第3章(5)に周辺環境の一体的保全を持ってきた。6番目に保存のための整備の基本的な考え方を整理した。保存のための整備の基本的考え方は、前回は第4章の2に書いていたが、第3章に持ってきた。前回の第4章は周辺環境の一体的保全は第3章の(5)に持ってきた。前回の第4章の史跡の整備と活用は、第5章、史跡の活用に変更した。この中に活用の基本方針、活用の方法、活用のための整備の基本的考え方を整理した。
 「第1章 計画策定の経緯、目的」については、文化財的な話が先に来るべきではないかとの指摘があり、計画策定の経緯、計画策定の目的の前段部分には文化財的な書き方をした。
 「第2章 史跡の特色と課題」については、第3章を史跡の特色と価値及び課題とするほうがいいということで、3章は史跡の特色と価値及び課題をまとめている。
 「第3章 史跡の本質的価値、史跡を構成する要素の区分と保存管理の基本的考え方」では、居住施設は高密度都市空間の評価として非常に高い。また鉄筋コンクリート構造物の保存は難しく、本質的価値があると言ってしまうとそれを必ず守らなければいけないことになるので本質歴価値があるとせずに、本来的な端島炭坑の史跡的価値がどこにあるのかを総論的に記述するのみとした。

【B委員】
 「労務者」、「労働者」などの言葉があるので用語を統一したほうがよい。

【事務局】
 労務者、労働者、従業員と書いてある箇所は「労働者」に統一する。

【事務局】
 端島のシルエットについて、当時、櫓や煙突があったことが軍艦に見えたということだが、現在、第4竪坑、第2竪坑の櫓がない中で軍艦に見えるのは、護岸の形が1つはある。貯水槽、3号棟、65号棟を保存の対象として劣化の進行を抑制する措置を取り組んでいきたい。
 構造物の保存管理の記述で、鉄筋コンクリート構造物の安全性の観点から撤去という選択もあり得ることを記述した。
「大破」と評価された構造物は、劣化の進行を抑制する措置の対象とはせず、モニタリングの対象とすることとした。

【E委員】
 構造物の価値評価の表で◎がついてしまうと、残したいという意思表示に見えるため、その価値を強調しないほうがいい。

【オブザーバA】
 何かしら印はつけないと結局何もできない。◎か○かというわけではないが選択する方針を出すことは必要である。

【事務局】
 すべての構造物に同じように手をつけるのは現実的に難しいので、優先するものを抽出するために◎、○と評価した。○に統一して○の数が多いところから手をつけていくということでもよい。

【E委員】
 国の建造物の委員会では将来的な保障が取れないため、鉄筋コンクリート建築を重要文化財に指定していない。国がどれくらい補助をしてくれるのかの保障もない中で、メンテナンスのための財政規模も膨大である。

【C委員】
 モニタリングは必ずしも後ろ向きとは言えない。
 田川市の山本作兵衛の炭坑記録画についても全く同じことが言える。延命措置により可能な限り劣化のブレーキはかけられるが、完全に元に戻すことはできない。100年後、200年後に伝達できないものも文化遺産として認められる方向になってきている。あまりそこにこだわると文化遺産としての認識そのものの足を引っ張ることになってしまう。

【D委員】
 コンクリートに関しては今後の技術開発を待つという姿勢もありだと思う。秋田の旧池田氏庭園の図書館はコンクリートの建物で、鉄筋の錆び止めをした後でモルタルを打っている。可逆性の問題があって後世の評価に委ねる部分がある。

【E委員】
 小さい建物は内側に構造補強をして、壁体を外装材扱いにすれば問題ない。しかし、端島は建物の規模が大きいので莫大な費用がかかる。モニタリングを前向きに評価するのは大事である。内部資料としては◎を持っていても構わない。

【D委員】
 居住施設の特徴の中の「規模」の項目に「6階建て以上、かつ延べ床面積3,000平方メートル以上の遺構」と文末に7,900平方メートルの同潤会のアパートの例が出ているが、どういう関係なのか。

【事務局】
 平成22年~24年度の高島炭鉱調査報告書の中で、5つのパターンが整理されている。それとの整合性を考え◎と○という評価をした。◎と○というのは優劣があるものではなくて、調査報告書で評価をしているものに対して◎をつけている。

【B委員】
 規模の丸のつけ方は、歴史性の中に規模も含まれるという観点に立てば、歴史性のほうに丸をつけておけば、あえて○かどうかはつけなくていいのではないか。

【A委員】
 「機能を強化する」「機能を補強する」は分からない。

【事務局】
 護岸機能は「維持」、生産システムは「現状維持と強化」とする。

【E委員】
 今回提示したシルエットの資料は保存管理計画の中に取り込むのか。

【A委員】
 この保存管理計画に基づいて策定する整備計画にこういうのが出てくるものと理解している。

【事務局】
 4章全体について、保存と史跡の活用に分けるべきとの意見があった。第3章は史跡の特色と価値及び課題、第4章は史跡の保存、第5章を史跡の活用と再整理した。
 5章の1.運営の基本方針中、運営体制について整理した。史跡の保存管理については長崎市が所有者及び関係者と十分連携を図りながら行う。長崎市による高島炭鉱跡の運営には多岐にわたる部署が関係している。関係各課の連携による運営体制を再度整え、史跡の保存、管理を確実に実行すると記述した。史跡の保存、公開活用に当たっては、所有者、市民、関係団体、行政関係機関が連携できる体制を確立する。史跡の適切な保存、価値の保全、向上に当たっては文化財の担当所管、世界遺産の管理保全の関係機関と十分な協議・連携を図る必要がある。国内外からの専門的な知恵、情報、技術、指導・助言を広く収集し研究を進めるための研究機能や情報発信機能を持ったセンター組織のあり方、体制の構築についても今後検討をする必要があると整理した。

【オブザーバB】
 世界遺産に登録された後、今の体制が縮小していくのは好ましくないので、十分考慮して欲しい。

【B委員】
 5章の基本方針について、研究資源として活用する、観光資源として活用するということをうたう必要がありもっと具体的に書くべきである。
 活用のためにも管理が必要である。「管理」という言葉は非常に曖昧で、ソフト的なものとハード的なもの両方がある。活用のための管理を史跡の活用の5章の中で何らかの形で入れておく必要がある。

【A委員】
 基本方針の3つの柱と活用の方法の整合性がない。事務局は学習資源としての活用の中に観光も考えているのか。

【事務局】
 学習のほうに観光的な意味合いも含めて整理している。

【C委員】
 観光圧力にどう対応するのか。学習目的より観光で来る方が圧倒的に多い。観光圧力に対応する管理方針が必要である。

【A委員】
 行政は観光という言葉をネガティブに捉えられているようだが決してそうではない。ヘリテージツーリズム、カルチャーツーリズムもある。

【D委員】
 資源であることには間違いない。うまく整合を取って欲しい。

【A委員】
 管理運営の体制は2ページほどしかないがこれだけでは足りない印象を受ける。

【B委員】
 運営及び体制整備は6章程度で良いと思うが、史跡の保存と活用が目的であって、保存、活用、それぞれに管理と整備がある。史跡の活用の中に、活用のための整備、活用のための管理という2つの項目がある。活用のための管理はソフト的な部分とハード的な部分がある。ハード的な部分は維持管理的なもの。ソフト的な部分は若干運営とかぶってくるところがあるのでうまく書き分ける、もしくはだぶってもよい。整備活用計画の中には保存のため高島北渓井坑跡については、史跡の特色と課題は第3章で整理し、史跡の保存管理、史跡の整備・活用の後に一体的保全の話が来る構成に整理した。3章、保存のための管理と整備を、第4章を史跡の保存、第5章を史跡の活用として再整理をした。第5章の史跡の整備・活用で、初めに総論を述べて、その後、端島炭坑跡と高島の各論といった流れに整理した。

【A委員】
 活用のためにどういう管理が必要なのかを記述してもらいたい。

【E委員】
 鉄筋コンクリート建築の保存が難しいというのではなく、破損が進んだ鉄筋コンクリート建築の保存は難しいのであって、鉄筋コンクリート建築そのものはメンテナンスを継続的にしていれば安定的に使い続けられることを補足する。

【事務局】
 第6回委員会は中ノ島炭坑跡の保存管理計画について来年の1月頃に協議する。平成27年3月頃の第7回で中ノ島炭坑跡の管理をまとめ、高島、端島、中ノ島の計画書として提示したい。その後、第8回、第9回、第10回と、平成28年2月頃までに整備活用計画のまとめを進めていきたい。
 史跡高島炭鉱跡整備活用計画の基本構成としては、第1章、計画策定の目的と経緯、第2章、史跡の価値と保存管理計画で示された方針・方向性の整理、第3章、保存のための整備、第4章、活用のための整備、第5章、計画の推進となる。

【A委員】
 本委員会の委員の任期はいつまでか。

【事務局】
 委員会設置要綱のとおり、整備活用計画策定までとなる。

【事務局】
 中ノ島炭坑跡の現地視察を11月10日と12日に行い、次回第6回の委員会は来年1月14日の午後1時半から行う。

【オブザーバB】
 観光資源としての活用という話で、観光圧力への対応というのは世界遺産のところでかなり議論になってきているので表現を工夫する必要がある。学習活動に関連するが、そういう基本的な方向性を十分方針の中に出してもらいたい。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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