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平成23年度第3回端島炭坑等調査検討委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006681

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

総務局企画財政部世界遺産推進室

会議名

平成23年度第3回端島炭坑等調査検討委員会

日時

平成24年3月29日(木曜日) 午前9時30分~

場所

都道府県会館408号室(東京都千代田区平河町2-6-3)

議題

  1. 端島の価値付けについて
  2. その他調査報告

審議結果

実習報文調査報告

委員
実習報文には次の2点の特徴がある。

  • 世界遺産に届く資料としている時期(明治期まで)に関する実習報文はほとんど存在しない。
  • 大正から昭和戦前期に関する実習報文に関しては非常に充実した報告がなされており、生産、採炭に関してはかなり充実した実態がわかる。

高島の炭坑から端島の炭坑へ中心を移していって明治30年代から1920年くらいまでは高島炭坑の中心は端島炭坑だったということがこの報文により明らかになった。
数字的につないでいく資料をもうひとつ発見できれば端島炭鉱史というのは十分書ける。
プリントアウトして製本した状態で長崎市に所蔵してもらいたい。

実習報文が存在する大学

  • 東北大学 大震災以後、図書館では学外の調査に対応しきれないということで平成23年度の調査はできなかった。
  • 秋田大学 実際にどこにあるのか大学の方でも把握していない状態である。
  • 京都大学 実習報文を持ってることは明らかだが、教授会にかけて承諾が得られなければ見せないと言われて1年前に申し込んだが返事が未だない。
  • 東京大学、九州大学 内容的に充実しているのは東大と九大と思われる。
  • ソウル大学(京城帝大) これまで調査していない可能性があるので、できれば調査したい。

その他報文がある大学・九工大・北大・早稲田大・大阪大・熊本大

第7回「九州・山口の近代産業遺産群」専門委員会報告

委員
中ノ島が出炭量としても無視できない。高島、中ノ島、二子島、端島4つの炭坑群をあわせて評価するという視点が必要である。中ノ島の残り具合というのが重要になってくる。

委員
端島の場合は歴史が長くて、その一部が今回の「九州・山口の近代化産業遺産群」に貢献する。この会議としては「九州・山口の近代化産業遺産群」とは切り離して、端島、高島炭坑全体の価値というものを明らかにしていかなくてはいけない。

事務局
この委員会自体は価値付けから始まり最終的には、文化財指定を目指して保存管理のあり方まで検討する。最終年度には保存管理計画をまとめる作業まで行う。

委員
推薦書そのものを意識すると特に新しい時代の方に見方が偏ることから、最終的な成果物にはあまり拘らない方がいい。

委員
生産設備の遺構についての調査を可能な限りやることが重要になってくる。建物は、それぞれの段階の配置を確認して現状を説明することが必要になってくる。

委員
生産地区の遺構の発掘を含めて、正確な調査・検討というものがないと説得できない。特に第2竪坑を中心に調査をかなりやる必要がある。

オブザーバ
近代を通じて採炭が行われ、居住施設もまとまった形で残っているので、島全体、あるいは高島・端島を含めた炭田遺跡として文化財の価値があろうかという認識である。史跡としては全体を評価して、近代を通じて全時代の歴史的な価値を評価していただきたい。その全体の評価の中で1910年までの明治期の価値は何かという議論が世界遺産の議論につながる。

価値の検討

事務局

(1)1910年以前に着目した高島・端島炭坑の価値、幕末・明治から現在に至る端島炭坑の特徴となる価値の背景と年代を概観できるように整理した。

  • 西洋商人との合弁事業による、我が国初の洋式炭坑。
  • 外国技術の積極的な導入。
  • 1910年までに日本の重工業化に貢献。

(2)石炭の近代化技術と石炭産業の確立の中で高島・端島炭坑が果たした役割から骨子となる価値を整理した。

  • 日本の近代化の夜明けを牽引。
  • 炭鉱業を基本とする財閥資本の助成。
  • アジアで最初に近代化された驚異的な炭鉱施設。

(3)端島炭坑に着目し、1910年以降も含めて歴史的な変遷から特徴的な価値を整理した。

  • 日本一の良質炭鉱といわれた海底炭鉱で深度化をすすめていった技術。
  • 炭坑の島としての誕生から閉山、その後、施設等の風化の過程が読み取れる産業遺産。
  • 世界にも類を見ない、超高密な居住施設と生産施設が一体となった人口島。
  • 歴史的コンクリート構造物の劣化状況を調査・分析できる科学的試供体の集積。

委員
特に生産設備の配置が時期によって異なっており実態をおさえておかないと変遷だけでは説明しきれない部分がある。現在我々が軍艦島として見ているものは、全体像からもみると基本的に戦後に作られたものである。

委員
高島・端島の場合はどういうルートでその消費地に輸出されていったのか。

委員
イギリスの領事報告、長崎の領地のコマーシャルレポートを見ると、既に明治10年代から口之津から輸出している。長崎港から実際に輸出されたかどうかというのは、特に口之津との関係でいうと慎重に検討しなければならない。

委員
外国技術の積極的な導入がなされたのは、三菱の買収までで、三菱の買収以降、明治時代の後期には、むしろそれを基盤としながら自前の技術があったということは大きく評価すべき点である。

委員
日本人の手による近代化の要素をどこまで評価するかというのは非常に大きな論点である。洋式とは何を意味するのかをもっと具体的に考える必要がある。

委員
この委員会の成果物としては、端島・高島全体のストーリーあるいは評価というものがまずあって、その後に「九州・山口の近代化産業遺産群」に対してどう貢献するかという組み立てになる。

護岸調査

長崎県
長崎港湾漁港事務所が端島の護岸の調査を実施したところ、次の5か所については特に損傷度が激しいと判断された。

(1)端島病院隔離病棟横

(2)昭和館横

(3)31号棟横

(4)ドルフィン桟橋連絡通路脇

(5)端島小中学校横

委員
護岸は端島にとっては非常に重要な問題で、どういう形状のものが現在どの段階にあるのかを少し技術的に調査すれば、護岸が大事な遺構として評価の対象になる。

委員
端島の拡張の物的証拠になる。修復のやり方もかなり慎重に文化財的な視点から考慮されなければならないと思う。

事務局
護岸は端島を語る上で重要な部分であるというご指摘であれば、それは例えば石積みの専門の方に依頼するなどして、そういう視点で今後研究をしなければならないと思う。

建築材料等調査

事務局
日本建築学会にワーキンググループを設置し建築材料等の調査を実施している。詳細は次回5月の委員会において報告する。

植生調査

事務局
24年度の4月と秋で2回植生調査を実施する予定である。

古写真収集
事務局
約400点古写真をデータベース化した。

今後のスケジュール

事務局
次回委員会を平成24年5月の27日、28日に設定をさせていただきたい。委員会を1日、現地調査を1日という2日間の日程で開催を予定している。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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