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第9回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006680

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

総務局企画財政部世界遺産推進室

会議名

第9回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

日時

平成24年1月15日(日曜日)午前10時~

場所

長崎交通産業ビル6階大会議室

議題

長崎市外海の石積集落景観

重要文化的景観選定申出書(案)及び保存計画書(案)について

審議結果

事務局より重要文化的景観選定申出書(案)保存計画書(案)について説明。

委員
石積文化を四期に分けている中で、第一期はイモ作、畑地の石積みが中心の論調だと思うが、牛小屋の石積みもあるのではないか。第二期の論調は、明治になるとド・ロ神父の時代になって、それしかないと受け止められかねないので、かくれキリシタンも併存していたというような表記も必要ではないかと思う。また、枯松神社や泉など、カトリックやかくれキリシタンに関連した石積み構造物も構成要素に入れると、後々につながるのではないかと思う。

事務局
牛小屋については、大村郷村記の中で外海地域が他地域に比べ馬より牛の量が増えているという記述があるが、牛小屋との関係性がはっきりしなかったため申出書には記載していない。ただ調査報告書の中では、その関係性を示そうと考えている。第二期の信仰関係の部分は、関連性を深めて調査を進めるべき段階である。第二期については、石積みで考えると、ド・ロ神父だけでなく昔から続く在地の石積みの流れもあり、そこにド・ロ神父の技術が入ってきたというまとめ方である。不確かな部分もあるので、今後の課題としてどこがルーツか、どこが影響したのかというのを調査報告書の中でまとめていくという状況である。

委員
資料1の文言で、サツマイモに関して「イモ栽培」や「甘藷」という表現があるが、使い分けに意味はあるのか。

事務局
意図的に使い分けているわけでないので、表記を統一した形で修正を行う。

委員
資料1の文化的景観の保存体系に関する図の中で「温じゃく石」という記述があるが、以前にもこれで良いのかという話があった。

事務局
既に出来上がっている景観計画の中でこの文言を使用しているため、同じ表記方法で記載している。

会長
誤解を避けるために、学術的な岩石用語ではなく転用した表記であるということを記載するようにしてほしい。

委員
整備活用の中で、石積み建物の保存についての考えを入れると、後世にうまく残っていくのではないか。修景については、赤い屋根の建物や白い外壁の公共施設などがあるので、全体の色彩を考慮し、落ち着きのある風景を目指すという点も重要だと考える。

事務局
来年整備活用を考えていくので、意見を取り入れた形で進めたい。

委員
飼われていた牛は、耕作目的だったのか、居留地の肉食に対応するための畜産目的だったのか。石積み構築物を作った人々の物語は、まだド・ロ神父しか出てきておらず、地元の方や先祖の方の背景がもっとわかると、地元の方や来訪者も身近に感じるのではないだろうか。また周知活動については、外海地域を訪れる観光客は外海だけでなくもっと広い地域を訪ねてみようとするので、外海だけでなく周辺に住む人達の意識ももっと上げていくような啓発活動を行っていけたらいいと感じる。

事務局
牛を飼っていた目的については、耕作・昔の肥料・そして特に牧野でやっていた炭焼きの炭を運ぶ牛という3つがある。二点目の人との関係、物語というのはすごく大事なことだと思っており、文化的景観の中心はそこに住まれている方が中心になって築かれているので、今後の整備活用で先祖の方々の努力も表に出るような形にしていきたい。三点目については、外海だけでは終わらないで周辺にも関係を持たせるような整備活用を考えていきたい。また、サンセットオーシャンロードのような地域を越えた取組みもあるので、文化的景観もあわせて広域的な周知を行っていきたい。

委員
情報発信施設として遠藤周作文学館・歴史民俗資料館・道の駅があるが、子ども博物館は該当しないのか。

事務局
子ども博物館は展示について観光の部分が多いことや、歴史民俗資料館と近いことなどがあり、民俗資料館を中心的な場所として考えた。

会長
子ども博物館という名称は、全国的にみても外海町がほぼ最初に使っていて文化を見てきた所なので、子ども博物館を入れるよう考慮していただけないか。

事務局
子ども博物館を入れるようにしたい。

委員
申出範囲の設定について、神浦にも石積み建物は多くあるが、どう考えているか。

事務局
神浦については、文化的景観にも近いような場所であるという認識はあるが、調査があまり進んでいないこともあり、外海全体のもう少し深めた調査の中で見定めていきたいと考えている。

委員
神浦には地方都市レベルの石積みがあり、石積み文化が形成された中心であった可能性もあるので、今後のことも踏まえて設定に関して柔軟に考えて欲しい。

事務局
西彼杵半島全体にある石積み文化の中でも出津・牧野を申出地域にしたのは、ド・ロ神父関連のものが見られることと、四期全て見ることが出来る地域としての特徴を考慮したためである。

オブザーバー
重要文化的景観は一つの自治体に一つだけとは限らない。神浦は、大中尾棚田の棚田景観と流通往来ということで、出津・牧野の追加申出の形ではなく、単独の文化的景観が成立することも考えられる。追加申出で大野地区が囲われているが、赤首地区が抜けるのは何か理由があるのか。

事務局
大野地区については、大野教会堂との関係と、景観形成重点地区の保護措置の区域であることを考慮して追加申出の範囲としている。

オブザーバー
地域の歴史の中から、カトリックに復活した方だけを強調するのは少しバランスを欠くと思うので、報告書の中でかくれの文化についても述べておいて欲しい。今回まとめられた保存計画書の中には、全国の30数地域に見られない先進的な記述・先進的な考え方が三つあるのではないかと思う。一点目は、石積みを形態学的な分類を行ったところと文化の展開史を上手く抽出したところで、外海の特徴を端的に分析した見事な記述だと感じた。その中で、ネリベイの四つの形態は直線的な発達だったのか、ある時期で併存していたのかを教えていただきたい。二点目としては、単位景観という概念を出し、広い地域の文化的景観の中で、ある単位のまとまりの在り方と単位ごとの保存活用方針を上手く捉えていることで、今後、他地域の手本となるような考え方だと思う。その中で、単位は単にテーマ設定としてのものなのか、単位を構成するものは共通していると考えてよいのかを教えていただきたい。三点目としては、選定申出書の中で景観計画や長崎市の総合計画との連動を図っている、或いは図ろうとしている所は非常に素晴らしいと思う。文化的景観は、単にそこにあるものを大事に守るということよりも、むしろ出津牧野の地域をこの景観をもってどう活性化していくかというような総合的な取組みに繋がる話だと思うので、ここに書かれていることは是非実現していただきたいと思う。またこの部分は、保存計画書の中にも記載していただきたい。

事務局
一点目の変遷については、直線的な単純な発達ではなく、複合的な形で変遷が見られたと思う。二点目の単位景観については、テーマ的な部分と共通するものと両方の意味を含んでまとめているという形である。

会長
皆さんからの意見も出尽くしたので、今回の資料を基に進めていただきたい。これをもって第9回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会を閉会する。

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総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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