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第8回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006678

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部世界遺産推進室

会議名

第8回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

日時

平成23年6月14日(火曜日)午前10時~正午

場所

ホテルセントヒル長崎絹笠の間

議題

(1)会長・副会長の選任について

(2)外海地区の文化的景観保存計画のまとめについて

審議結果

(1)会長・副会長の選任について

会長:下川委員、副会長:片岡委員

(2)外海地区の文化的景観保存計画のまとめについて

事務局より重要文化的景観選定申出書概要版(案)、長崎市外海の文化的景観保存計画(案)について説明。

事務局
概要版、保存管理計画をまとめるにあたって、文化庁より価値の表し方、特性の表し方、価値の観点と保護手法の観点ということで助言、指導をいただいている。

会長
概要版、保存管理計画は今までのことを要約し、整理されているが、整理されすぎている部分もあるようだ。議論の前に、文化庁の技官よりお話を伺いたい。

オブザーバー
個々のジャンルについては調査していると思うが、調査したそれぞれのジャンルがどのように関連しているのかを導出し、文化的景観の本質的な価値を定めていく作業が必要である。例えば、自然的観点では、西彼杵半島から長崎半島にかけての広域的な地質の記載が必要であり、歴史的観点では、キリスト教史だけでなく外海地域の通史的な部分の確認が必要、生活生業の観点では、外海の農業、例えばいも作りの起源やその後のド・ロ神父の影響、建築の分野ではネリベイの起源やその後のド・ロ神父の影響、石垣の構造と技術的な展開の分析が必要である。さらに、池島炭鉱との関係など外海地域と他の地域とのつながりについて確認すると、外海地域の特別な価値が描けるのではないだろうか。また、土地利用規制について、現在この地域は農地法、農振法のみであるので、地域を守る手段を法的に考える必要があると思う。

委員
外海の表現で、地区と書かれている部分と地域と書かれている部分がある。

会長
統一したほうがよいのではないか。

委員
地区であれば、黒崎地区、出津地区、牧野地区という表現が他に出てくるので、外海は地域という使い方がよいだろう。

会長
事務局は「外海地域」で統一し、整理してほしい。

委員
申出書の写真の縁について表現を統一してほしい。写真の中にクロガネモチと説明が書かれているものがあるが、ここに写っているのはクスノキも含まれているので、説明を追加してほしい。また、写真の中でアコウの木があるが、葉の茂ったものに変更した方が良い。

会長
事務局は、指示にしたがって整理してほしい。

委員
申出書の中で、近代化という言葉が吟味されていない使われ方をしている。通常は近代化とは明治以降を全部指す。外海地域の近代化を整理し、明治以降の外海地域の変化について丁寧に記載するべきである。

会長
専門的な立場でさまざまなご指摘をいただいたが、外海地域において、海との関わりも重要であると考える。昔から外海地域と他の地域との交流手段は海だったことについても確認するべきだろう。

会長
外海中心に見た時に、石が家や塀、壁等に使われている地域の広がりはどこまでか。

委員
外海以外を深く調べたわけではないが、平戸にはある。山間地でおんじゃく石を使っているのがどの程度の範囲までかは調べきれていないが、もしかしたらド・ロ神父の影響があった地域とつながるのではないだろうかとも考えられる。

会長
西田平教会史の中に、平戸などにド・ロ神父が信徒を移住させた記録が残っているので、技術的な伝播もあったかもしれない。

委員
地質の面から見ると、西彼杵変成岩は外海が中心で大瀬戸まである。西海町のほうは別の岩石になるので、地質の面を確認して解説すると、範囲と結び付くのではないか。

会長
地形、地質については、重要な位置を占めるので補充が必要だろう。

会長
いも作の理由はどうか。大村藩の政策もあったのではないか。

委員
土地がやせていてもいもはできる。だからいも作りができていたのではないかということが出津地区で言われている。

委員
調べたことがあるが、西彼杵半島のいもの栽培の歴史は全くわからない。はっきりしないのが不思議である。

委員
いもに関して言うと、住宅の中の床下に、民家の間取りのようにいも釜がある。それはかなり以前から作られていて、民家の発生と非常に近いように思う。その切り替えなどで年代の考証ができたらよいと考える。

委員
一次産業が衰退していく中で、現在、いも作が続けられていない。なぜ続けられていないのか、一時期隆盛を極めた時期はどうだったのかという動きについて記載しなければならないと思う。今、畑地というよりも耕作放棄地になっている、その状態を文化的景観として出すことにより何がしたいのかということ、戻したいのか、何らかの形で残したいのかということを話し合うべきである。

会長
「天地始之事」の部分で、おんじゃくあるいはおうじゃくと呼ぶとある。おんじゃくで統一した方がよいのではないか。

オブザーバー
申出書の他の部分が学術的な調査資料で書かれているので、その部分に説話の記述を入れていることに違和感がある。

会長
文化人類学的な視点で調査した中で、外海地域の特異性はあるのか。

委員
生活を中心に宗教問わず聞き取り調査をしている中では、近隣地域との違いはない。

会長
他の委員はどう考えるか。

委員
特に特徴はないのではないか。

委員
私は特徴がないという意見と異なる。大村藩の中に佐賀領の飛地があることが大事ではないだろうか、習俗と関係があるかはわからないが。

会長
そろそろ意見をまとめたいと思うが、各委員より意見を聞かせてほしい。

委員
文化的景観の背景になっている、地質地形、この辺りをもう少し加えた方がよい。それにより、そのようなものを背景にこのような文化的景観がなりたっているということがいえると思う。

委員
外海と炭鉱の歴史的な流れが必要ではないかと思った。また、外海地域の取り組みのところで、出津救助院が平成15年に国指定の重要文化財になっている。外海地域には大野教会と出津救助院が国指定の重要文化財になっているという記述が必要だろう。

委員
生業の方で、外海地域は池島炭鉱や高島炭鉱と関係がある。その歴史もあるため、近代化を整理して書いていく必要があるだろう。

委員
近代における変化や現状など、特に農業景観に関しては、この申出書に書かれているものよりもずっと厳しい状況にあるということをきちんと書いた上で、今後どうしていくのかを外海地区の方と考え、実際はどこまでできるのかを考えながら書いていく必要があるだろう。

会長
委員よりそれぞれ意見を出していただいた。今後は文化庁技官より指導を受けながら進めていきたい。個々については事務局とそれぞれの委員とコンタクトをとりながら、より良いものを作っていきたい。

オブザーバー
議論を聞いた中で、海の観点が足りないのではないか、大村藩と佐賀藩領が入り組んでいることが地域共同体に大きく影響しているのではないか、そもそもいも自体が重要な作物ではなくなっているのではないか、ということや外海の近代をどう考えるのかという問題があった。指摘があった部分を詰めていく必要がある。この委員会で、外海の文化的景観はこのような形でいこうという合意が得られる水準まで議論を高めていく必要があるし、全国の重要文化的景観の中でも、外海地域はこれなんだというところに結論を絞る作業もこれから必要になる。追加調査の部分や取りまとめの部分について、先生方から意見等伺いながら、事務局と先生方の間で作業を進めてほしい。

会長
不足している調査等、委員の方にはご協力をいただきたい。

委員了解閉会

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