長崎市の附属機関等について(会議録のページ)
担当所属名
経済局商工部中小企業振興室
会議名
第1回長崎市経済振興会議
日時
平成23年11月24日(木曜日)午後2時30分~
場所
長崎市男女共同参画推進センター会議室1
議題
(1)長崎市第四次総合計画の概要について(説明)
(2)現在の主な経済振興施策について(説明)
(3)第二次長崎市経済成長戦略の概要について(説明)
(4)今後の経済振興施策について(協議)
審議結果
議事
- 正副委員長を決定
- 長崎市第四次総合計画の概要、現在の主な経済振興施策、第二次長崎市経済成長戦略の概要について、事務局から説明
- 今後の経済振興施策について(協議)
委員
- 市内には蒲鉾屋が多いが、県外へ売りに出ているところは売上が増えている。一方で、売り先が市内県内だけのところは、苦戦している。長崎かんぼこ王国とは、ブランド化と地域全体の売上増へ向けた起爆剤である。消費者の需要を、どのようにしてこちらに向けさせるかが大事。
- 食品製造業は、安全安心の設備があることが重要で、製造設備の衛生環境レベルを上げる意識が、全体に必要である。
- 市内は土地が高く、後継者不足も懸念されている。
- 昨年来から取組みを続けてきて、今まで外向けになっていなかった数社が本気になってきてきた。活動の目に見える効果である。
- 長崎は観光の街、と言うが、宿泊者の一晩の受入可能数に上限がある。仮に年間約4,000人ずつ人口が減るなら、それを観光客の胃袋で補うには部屋数が不足している。事実、稲佐山で野外コンサートが開かれた際には、長崎市内は勿論、諫早や大村までホテルが埋まってしまった。同じ方が沖縄で野外コンサートを開いた際に、現地には一日当たり16,000人の観客が集まるにも関わらず、那覇市内や近隣のホテルにはまだ余裕があり、何ら支障が出ていなかった、ということを目の当たりにした。今の状態で、長崎は本当に観光地と言えるのだろうか。
Q 後継者問題は、菓子業界も共通しているが、蒲鉾製造業ではどうか。
A
- 蒲鉾の組合の青年部は現在15人程。出席率は高めであるが、今のタイミングでなかったら、地域を挙げたブランド化の仕掛けは難しかったかもしれない。
- 仮に地域内の出荷額を倍増しようとするなら、実際問題としては、製造業者のうち3割ぐらいは規模拡大のため工場を移転する必要が出ると見ている。ただし、単に規模を拡大する目的だけなら、長崎市外に出てしまうことに成りかねない。そこで、急に売上を伸ばすよりは、まずは知名度を上げて、TV番組等でも取り上げられやすくして、PR効果の高い活動をしていく。
- 次の世代への先行きに光を見つけられるような活動をやっているつもりであり、現にやる気を出してきた者も出てきている。
Q 自身が贈答等で品を選ぶときには、検索してHPから発注することが多いが、各社のWEB環境はどうか。
A
- 正直、まだ足りていない。
- 商品の購入層は、高齢者が多いため、初めの頃はWEB利用が少なかったが、このところ、利用数が急速に伸びてきている。
- 蒲鉾業界の国内でのHP通販は、鹿児島や富山の業者あたりが先進例であり、成功例はまだ少ない。
Q 工場の規模拡大については、市内にも工業用地が在るが、例えば数社共同で建てるなどの可能性はあるか。
A
- 長崎市内で実行するとすれば、現実的には三重地区辺りだろうか。
- ここ十数年のうちに規模拡大のため工場を移転したところは、矢上か畝刈あたりに動いている。
- 水質の問題が、食品業界には重要。自社の例では、毎日、製造終了後に4時間をかけて館内の清掃を行っている。水道水だけでは、量が賄えず、料金も高くなる。清掃一つとっても、水は大事である。地下水が海水であっても、自前でろ過すれば良いと割り切って判断するのかどうか。
委員
- 自社は、神戸で海運業を興したのが起源。その後、大手事業所との取引きが広がり、発電プラント等を携わるようになって、長崎で輸送業をするように至っている。
- 主に、海外のプラント(火力発電、ガスタービン発電など)といった、電力事業の一部をやっている。
- 輸出入業では、どう梱包すれば壊れにくいか、等を研究しながら業務に当っている。
- 風力発電は、2009年にはオバマ大統領の再生可能なクリーンエネルギーの利用にシフトするという発言もあり、一時今後の主力に、と意気込んでいたが、他所に集約されてしまい、長崎での製造は難しくなった。
- 大手の動きに影響される事が多い。
- 客船について、かつての大型客船2隻の建造時には、様々な事情から、正味3隻分の物量が動き、市内が潤った。作業員は他所から集まり、長期になると、民宿での連泊が見られたが、より長くなれば定住や人口増にもなる。今後、人口定着にどう繋がるか。
- 国外からの物量受入も増えるだろうから、何処で、幾ら位で作れるか等の情報が大切。
- 旅客船建造は、動き出すのは早くても1年後なので、その間、楽観は出来ない。
Q 海外調達が増え、コストダウンを求められるなど、たいへん厳しい状況と聞いている。
A
- 実際にはかなり厳しい。海外とのコスト競争になっており、コストダウンも今できるならできるだけ早く、と言われているのが実状である。
委員
- 自社は、作業用の電力供給がメイン。
- 客船受注は明るい話題だが、全体的に見ると船関係全員が喜べる訳でもなさそうである。
- ドック使用は、同じような船が続いている場合は良いが、違う船になると、設備の配置や入替等の動きが発生する。この場合、船価の低さが課題となる。
- 造船所を観光で使うのは、見る側に驚きが得られて地域の活性化にもなりそう。建造用の大掛かりな設備の数々は、魅力になる。
Q 造船所を観光に活用することに積極的なのか
A
- 現場からすれば、機密性の確保など、課題もあるというのが事実である。
- 作業中の構内に一般人が入るという、安全面の問題もある。
- 大手製造所の構内にある博物館は、長崎さるくでも使われているが、そのような面からも、今よりも活用が図られると良い。
- 横浜の生麦では、大手ビールメーカーの工場が、コンパニオンを用意して一般客に見せるようにし始めたのが20年ほど前。最近では、石見銀山のような、現場を見せる観光の類がある。ビール工場のように一般の人が親しんでいる商品なら、見る側にも興味を沸かせられそうだが、造船のように一般の人に馴染みが薄いものには、それ程でもないかもしれない。
- 将来の優秀な人材(となる児童生徒)のために、現場を見せることは必要なことと言えるので、その面からの見せ方が有り得る。
- 社会科見学で市内の小学生を受け入れているが、来訪時のアンケートで、工場を見たから将来この職業に就きたい、という意見が出ることが多くなる、という実例もある。
委員
- 地場の仕事は増えておらず、県外からのオーダーに応える事のほうが多い。
- 同業者の中には、造船設計を主としている所でも、その割合を3割程に減らして、他の仕事を増やして補っている所もある。
- 農水産業にもIT化は有り得るが、長崎でそれをやるなら、景気が良くならないと難しいと考える。
- 県外の発注を受けるのは良いが、打合せや納品までに客元へ何度も長期間行く必要があり、それに行きたがらない若者が多い。
- ITを利用した販売例としては、五島のほうで、農水産物等を数社が合同し、大手ネット通販網を介して売る集まりが出来て、当初は好評だったが、売れにくく、昨年で終わっている例も聞く。
- 長崎での発注は依然少ないまま。景気が上向かないと増えてこない。
- 企業のHP自体や、中国圏向けHPが少ないという声が上がっているが、商売として食べて行けないからではないか。自社資本で、そこまでやろう、と踏み込んでいる所は少ない。
Q スマートフォンでHPを見る人が増えているが、アプリとかを用意していないか
A
- スマートフォン関連は、産業の分野ではやらないと周りに遅れる、というので手がけている。
- 五島のエコカー関連では、節電がクーポン化するとかの仕掛けがされている。
- 米国系のスマートフォン関連のOSに関する勉強会が行われる機会も増えている。
- 最近増えてきている携帯端末向けOSの技術者が不足気味である。
委員
- 菓子業界は、卸の所、小売の所、両方している所など居るが、殆どが小規模か零細。
- 菓子文化の中で作って売ってきているが、ライフスタイルも変わってきている。後継者を作る魅力が必要であるなど、課題は大きい。
- 売上増に結びつけるためには、作るだけの職人から、販売力を上げる方向性にすることが大事。
- 観光は、施設や旧跡を巡る観光スタイルが変わり、観光客が市内を素通りすることが多くなった。買わせる魅力向上が必要だが、現状は厳しい。
- 菓子業は、市内には約80社、県内では約270社居るが、今後どこまで減ってしまうか、危機感が強い。
委員長
- 大勢がある一定方向に流れてくると、逆らって、そこで持ち直す人が出てくる。インターネットの検索方法も、以前の検索は画面に幾つもの広告が貼り付けされている方式が多かったが、今は検索窓だけのシンプルな対応が多い。デスクトップパソコン主体から、タブレット端末への流れも出ている。生活自体の欧風化が進んでいるなら、ここで和に着目して立ち戻り、和風化に持っていくのも良いかもしれない。海外からの訪問者が日本に求めるのは、和の要素ではないのか。
委員
- 大学卒業後、大手旅行会社に勤めたことがあり、その間に国内や海外の様々な土地を目にした。海外の観光地も史跡が観光の対象となることには変わりがないが、美術館に行ったら、作品自体を写真に収めることはできないので、持って帰るのは絵葉書やレプリカ。ならば、長崎でもレプリカを作られるのではないのかと考えたのが現在の業務の原点である。グラバー絡みで英国、オランダ等も訪ねて、一層実感した。
- 長崎空港売店にも取引きがあり、その中での繋がりも、業務に活きている。
- 昨年は龍馬グッズが当ったが、放送が終わって効力が薄れてきているので、龍馬縁の地としての人気定着が課題である。
- 大震災前に孫文の旧家も訪れたが、長崎にはその痕跡が残っている物が無く、龍馬の時と比べると活用については厳しいとの声がある。
- 地域でオリジナリティの有る商品が必要である。各地でも取り組んでいるが、ブランド力のある所が強い。一次、二次、三次と組んでやると、上手く行くように感じている。
- 長崎市内に、土産を売る場所が無い。昔から比べると、売る店や売る場が大きく減っていて、新たな商品が入っていける場所が無い。人の集まる場所の売る場は、在った方が良い。人が集まる場所は、商売の場になる。
- 県北のアミューズメント施設でも、コスト等が折り合わずに出店を止めた所もあると聞く。アイドルの起用やアニメの活用など、集客に結びつける仕掛け作りが上手い。メディアを使った仕掛けが、今も今後も大事。
- 中国人客が増える事には、期待が有るが不安も有る。
- EWB上のSEO(検索エンジン最適化)対策をして、検索最上位に出てくる効果を得ている。HPでは、専用の写真も撮り、見せ方も買いたくなるような仕掛けをしている。
- 観光地と言っても、爆発的な仕掛けを何かを考えて、もっとやれるのではないか。
フリー討議
委員
- 菓子業は、観光客等に体験させる方向に重点を置いている。(料理体験など)
- 長崎の面白さを、作る体験で伝える取組み方を考えている。
- コンベンション協会の依頼で、東北被災地の生徒の工場見学を受入れる。次の世代に実物を見せて伝えることは、大切である。
- 商品開発を行うときに、一番難しいのが土産用。実際に、売る場所が取れないのが最大の阻害要因となっている。実際に置ける場が取れない、それならば、土産用ではなく業務用で先ず打って出る、となるのが実状である。
委員長
- 大学も、ここ数年で大きく様変わりしている。少子化が進み、学生数も減る見込みの中では、従来のように研究しているだけでは、教授陣の環境も厳しくなっている。
- 現在のグローバル化が進む中で、教授陣にも国際レベルできらりと光るものが求められている。生え抜きの教授陣は、それが出来ている人と、そうではない人に二分している。従来型ではない、考え方や取組み方の作り替えが求められている。
- すぐ傍に居るアジア20億人と、どう競っていくのか。
- WEB等で情報が得やすくなった現在、我々はどう動くべきなのか。
- 市や他の多くの会議に出ているが、良質な議論が少ない。構造変化の中で、どう作りかえるか、を議論の中で聞く機会が少ない。良質な議論をするために市外から呼び寄せるぶなら、しっかりと裏づけをとるべき。
- 経営学者にも、僅かながら良質な人がいる。その人達の著作は、率先して読むべき。
事務局
次回開催は、1月後半以降を予定。後日、各委員から意見や提案を募る。
閉会