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平成22年度第2回長崎市図書館協議会

更新日:2013年3月1日 ページID:006621

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

市立図書館

会議名

平成22年度第2回長崎市図書館協議会

日時

平成23年2月2日(水曜日)午後2時~午後4時

場所

長崎市立図書館3階会議室

議題

(1) 報告事項
ア 長崎市立図書館の概要(利用状況)
イ 市民の声(要望等)について
ウ これまでのイベント等の実績と今後のスケジュール
エ その他

(2) 審議事項 長崎市立図書館の各種サービスについて

(3) その他

審議結果

委員
長崎市の人口は減ってきているけど、図書館の登録人数は増えている。図書貸出数も伸びている。これは図書館スタッフの皆さんのきめ細かい努力の成果と思う。嬉しいことに、市民からの苦情が少しずつ減ってきている。これは図書館に対する正しい理解が浸透してきているのではないか。
お尋ねですが、おはなしの会を8月から12月までやって、大人と子供と合わせて815人ほど来館しているが、子供が460人で大人が350人ほどと大きな差がない。最近、お父さんお母さん方が働く機会が多くて、子供を見る機会が難しくなってきている。おはなしの会の開催日には、きまって子供と変らないくらい大人が付き添っている。その背景は何であろうか。

事務局
子供が小さいうちは1人では図書館に来られない。それで親と一緒におはなしの会の会場に入ってくるため同じくらいの数になる。兄弟姉妹を連れて来ることがあるので多少子供の数が多い。

委員
若い親は忙しいので、我々のような家にいても何もすることのない老人が孫を連れてくるのかと思ったが、それはあまりないのか。

運営事業者
そんなにない。親子で来られていることが多い。

会長
平成21年度の来館者アンケートを見ると、図書館に対する満足度が非常に高い。館長の説明でも順調に推移しているが、平成22年度も来館者アンケートの予定はあるか。

事務局
毎年アンケートをすると決めているが、市が2年に1度全公共施設を対象に行っているので、市立図書館単独としては隔年ですることにしている。今年度は市全体での調査を昨年の7月に実施し、その件については前回8月の図書館協議会で説明した。このため今年は図書館だけのアンケートは行っていない。

委員
市民からの要望の欄に、駐車場の延長の件があり、30分で迅速で運んでいると業者側のお返事はいただいたが、一般の人は、図書館に来るのに30分は短いと思っている。だからといって駐車場料金がかかるから図書館に行かないとは思わない。一般の利用者にとっての30分と業者側の30分とは意味合いが違うし、一般の利用者に対する配慮はないものか。駐車場は年間どのくらい利用されているのか。

事務局
駐車場の利用者は一般に業者でなく利用者を対象としている。30分以内の利用率は70%に上り、つまり70%の方は無料で利用している。調べものなど利用される方はもっと長く、市営駐車場として利用している。駐車場の回転率がよくなり、じっくり調べものをする方はバスなどを利用して来館されるようだ。市役所に来た方でも駐車場が有料なので、長崎市内には無料で駐車できる場所がほとんどない。また1時間無料としたら、図書館に用事のない人まで停めるようになって、図書館の利用者が使えなくなる恐れがある。このため今の原則である30分無料を通した方が、図書館の利用者にとっても一番いいのではないかと考えている。

委員
私の周りでも1時間無料にしてほしいという意見があるので、改めて言わせてもらったが。

事務局
よくわかる。長崎市も(合併で)市域が広くなったため遠方から来る方もいるが、原則を崩してしまうとなし崩しになってしまいかねない。ご理解いただきたい。

委員
駐車料金は収入としてどこに入っているのか。行き先を教えてほしい。

事務局
長崎市の歳入としている。

委員
市の予算として使われているということになるのか。

事務局
そのとおりである。

会長
次に、長崎市立図書館の各種サービスについてご意見をいただきたい。実際にサービスを行っている運営事業者の方からお願いする。
(運営事業者から長崎市立図書館の各種サービスについての説明)

  1. レファレンス
  2. 地域・行政サービス
  3. ビジネス支援サービス
  4. 外国語(多文化)サービス
  5. 障害者サービス
  6. 視聴覚サービス
  7. 児童サービス
  8. ヤングアダルトサービス

委員
毎回、この会議の前には、会った人に図書館について聞くようにしている。その中で、長崎市の各課で行った調査事業結果など行政資料は全て図書館に送られていると、現場の職員さんは市民に言っているようだ。何人かお話を聞いた中では、行政資料が図書館のどこにあるのかよくわからないと言われたことがある。例えば21年度の報告書類は全部一箇所にまとめてわかるような形になっているのか。

事務局
各課で印刷資料等を作成したら、必ず図書館に3部以上送るよう周知はしているが、実際に資料を作ったときに送り忘れることがよくある。

委員
送られてきたものについてはいつでも見られるようにしているのか。

事務局
この基本3部というのは館外貸出用・館内閲覧用・永久保存用であり、いつでも本館2階で見られるようになっている。

委員
それならいい。もっとよく見るように言う。

運営事業者
2階に地域行政サービスコーナーを設けてある。

事務局
行政資料は年代別でなく種類別なので、おなじ21年度でもばらばらになっている。でも(行政資料そのものは)1箇所にまとめてある。足りないものが見つかったら、すぐ担当課に連絡して取り寄せるようにしている。

委員
図書館の利用者に、パソコンやスマートフォンを持ち歩いている方もいるが、無線LANは使えるのか。

事務局
グループ学習室のうち1部屋をパソコン利用可能としているが、LANは使えない。

委員
施設利用について午前10時からは厳格すぎるのではないか。駐車場も午前10時には車が並んでいる。準備だけでも15分前に入れてもらえないか。時間の制約が厳しいために使えないという人もいる。ルール上は10時だが、もう少し柔軟な対応をしてもらえたら、行事の参加者にしても図書館利用者にとっても使い勝手のよいものになると思うが。多目的ホールも新興善メモリアルホールもとても使いやすい施設なので、そのあたり可能だったらお願いしたい。

事務局
同じようなご意見・要望は前からあり、とくにうるさいのが市の職員。そのたびに説明しているが、午前10時に開館するためには午前7時前から清掃の方が入り、それから書棚の本の整理など閲覧室や貸館の準備を行っており、午前10時スタートにはぎりぎりいっぱいのところである。それをずらしてしまったら、スタッフのシフトから何から全部に影響するので変更がない限り難しい。そうなると長崎市と事業者との契約の問題、警備の問題、清掃の問題など全部に係わってくる問題なので、これについてはなんとかご理解いただきたい。悪天候のときなどは、早めにクロスロードに入っていただくなどある程度の対応はしている。先日のリサイクル市など大変な雪だったから寒さをしのいでもらうため早めに入っていただいた。ただ、どうしても難しいこともあるので、午前10時開館ということでは、午後から行う等イベント開始時刻のほうに配慮いただければとこちらの方からお願いしているところである。もっと時間を要するものなら、いろいろな事情があるから簡単にはいかないだろうが、午後の時間帯をお願いしている。役所の方には、このようなルールで図書館とはこのようなものだと、図書館司書たちが図書館業務をやりながら貸館部分も含めて準備作業をしているのでなんとかご理解をいただきたいとお話しているところである。

事務局
補足すると、施設を借りられた方についても午前10時に入っていただくことを原則としている。事前には入れない。なぜかというと図書館と貸室がオープンスペースになっているため区分けがなく、クロスロードを通じて図書館の中にも入れる。そうなると警備の問題やスタッフの問題が出てくる。今のスタッフは午前8時また午前9時から出勤しているが、開場を30分早めると、それぞれ30分ずつ早まり、勤務条件が大きく変わる。今雇用しているスタッフは午前9時や午前8時で了解していただいているが、そうなると家庭の事情などから出勤できない、また図書館で働けなくなる人も出てくるのではと懸念しているので午前10時開館というのは譲れない。

委員
今、モンスター市民とかいるので、「単に開館を午前9時にするだけではないか、誰のための施設か」と言われかねない。長崎市が今後コンベンションの施設を作ると、貸館業務一つとっても建物があることだけではなくサービスの競争にもなるだろう。すぐできないことは判るので、契約で変えられるところがあれば、更新の時期に見直すこともご検討いただければと思う。

運営事業者
開館時間を10時間という設定が、決められた水準だ。10時間で時間を設定してほしいということで、なるべくなら夜遅い方がいいだろうとして午前10時から午前8時までと時間が設定された。館長からもお話があったが、朝の準備時間をしっかり取っておかないと利用者をお迎えできないだろう。清掃とか図書館とか。そういうことがあって職員が出勤してから1時間以上の時間が必要で、清掃の方なら2時間くらいの時間が必要という枠になった。建築的にいうと、全く仕切りをつくっていないので、建物に入ると図書館の利用者と施設の利用者が全くわからず、どこへでも出入りできる状況が起きているので、そのような事情も併せて今の時間帯に決まったという経緯があることをご理解いただきたい。

委員
ヤングアダルトサービスについて、ボランティア活動の中高生を10人ほど募集したが、今年度は高校生しかいなかったということだが、どのように募集したのか。

運営事業者
学校あてに、平和学習などに合わせてお知らせをした。たくさんきてくれるだろうと考え、ホームページにまでは載せなかった。館内の中高生たちが集まるような場所にポスターを掲示したりした。

会長
10人募集に対して8人の参加である。

運営事業者
なかなか中高生は忙しくて、募集はしたが、いろいろなところに働きかけないと集まらない。

委員
部活とかで忙しいのだろうが、このような同年代の子供たちにPRをするのにはいいのかなと感じた。私も実は知らなかったので、保護者の方までお話があれば、親から活動を勧めることもできるのではと思ったので。

委員
今のことについて、全ての学校に直接ご案内しているのか。

運営事業者
私立も公立を含めた全ての学校にお知らせしている。

委員
子供に情報がしっかり伝わっていないのではないかと心配する。学校にはいろいろな情報が集まってくるから取捨選択したものを掲示板に載せるので。どのようにすれば情報を的確に対象者あて伝達できるだろうか。長崎市では毎月校長会が定例的に行なわれている。校長会の会長あたりに、校長会の場で、子供たちへの呼びかけを併行して依頼すればまた変わるかもしれない。

委員
校長会もだが、学校図書館担当者の部会があるので、そちらの方が有効ではないか。

委員
先生は学校担当図書館の部長でもあるので、今のことは我々が図書館をサポートする意味で、ぜひいい機会に啓発をしていただけばと思う。

会長
図書館はいろいろなサービスを提供しているわけだが、その他なにか。

委員
図書館から図書館だよりが毎月送られてきている。これを開ける際は胸がときめく。9月号に、「本を聴く、音楽を読む」というのがあり、このような表現もあるのかと感心した。11月号には「働くことは生きること」とあった。こういうのにはぱっと魅かれる。そこでお尋ねだが、図書館を中心に長崎市内の公民館・ふれあいセンターなどには、図書館だよりは何部くらい配っているのか。

事務局
表と裏とで2部ほど。

委員
こういうのが市民にとってはよい啓発になるので、公民館にどのくらい行っているのかなと思った。経費が大変でしょうけど生涯学習の推進という意味から、配布部数を増やすようご検討いただけないか。

事務局
了解した。

会長
さきほど胸がときめくと言われたが、広報ながさきに載っている図書館の記事に、誰が出るのだろうと楽しみだ。以前は小説類が多かったが、最近は小説以外も出るようになった。こういうサービスをはじめいろいろな試みに図書館が取り組んでおられる。ところが、この種の話合いがあると、どうしても批判的な意見が出るケースが多い。このようなこともしていると肯定的に感じるところも言っていただけたらと思う。

委員
図書館も開館3年目だが、初めのうちは冷たい感じがしていた。それが、この正月にはレイアウトを工夫され、ほっとできるような暖かみが出てきた。司書さんたちが頑張っているのかなと思いながら、うれしくなった。

会長
図書館サービスというと貸出・閲覧が伝統的に中心的だったが、それだけではなくて、いろいろなサービスが提供されていることは、利用者にあまり知られていないようだ。新たなサービスの発見とかないか。
資料5の1.にレファレンス勉強会&研究会とあるが、なかなか時間を見つけるのは職員の方大変だろう。そういった限られた時間の中、どういった形で取り組んでいるのか。

運営事業者
レファレンス研究会というのは、開館時から考えており、今年度から定期的にできるようになった。まず勉強会というのはレファレンスカウンター担当スタッフの全員参加を前提に、勤務時間内に時間を取って月1回実施しているもの。カウンターで答えたことが適切だったかの確認や、図書館で作った課題に全員で取り組み、どうやって答えるかワークショップをしながら検証するものである。
研究会のほうは、レファレンススタッフだけではないが、調べ物について興味をもったスタッフたちが勤務時間外に自主的に集まって活動しているもの。まず課題を出し、それを自分で調べて持ち寄り、どうやったら効果的に答えられるかお互いに共通理解を深めるためにやっている。

会長
図書館の方々が自らのスキルアップのために頑張っていると思う。

委員
図書館ではなく校長先生へのお尋ねだが、この前の学力テストで、長崎県の中学生は、全国平均を若干上回った。小学校は若干下回った。新聞読んでいると読書の時間が功を奏して子供たちの読解力が上がったのかという記事が出ていた。長崎市内で読書の時間に使う本は学校にある本か、家から持ってきたものか。長崎市内全域で、そのような読書の時間を今も継続しておられるのかお聞かせいただきたい。

委員
どんな本を読んでいるかということだが、どの学校も、学校図書館の本だったり、家から持ってきたり、公共図書館から借りたりとか、とくに制限はしていない。ただ携帯小説で、中学生にふさわしくないだろうと思われるものはそれぞれ担任がチェックしながら、こういう本を読んでみたらという形で少し質を上げるような形での声かけをしているようだ。うちの学校(香焼中)も去年までは携帯小説・横書きの小説とかが多かった。しかし図書館の読書活動を学校の中で推進していったら、泣きたいときに読む本とかどんなのがありますかといろいろ訊いてきて、料理の本にしても何にしても職員から紹介された本を読もうという形で質が少しずつ上がっているような気はする。教員の投げかけ次第で読書の質が上がってくるかなというのは実感している。それが読解力などにつながっていくと思う。ただ数さえ読めばということではない。量とともに質を上げようというのが今やろうとしているところである。

委員
量だけではなく質を上げようというのはよいことだね。次の学力テストでは、また少し上向くのではないか。

委員
そうなればいいなという願望はある。読書に関しては全ての中学校でやっているはずだ。日数を週3日以上にしようと市の教育委員会から投げかけられているので、半分以上の学校は毎日取り組んでいると思う。

委員
ぜひこれからも継続されるように。

委員
朝の読書運動を投げかけていきたいと思う。

事務局
この件で、学校教育課の資料だが、週3日以上実施するというような調査をしている。21年度は小学校で96%中学校で100%と、20年度よりやや増加という状況にある。

委員
いい情報を聞かせてもらい感謝する。継続することが大事。

委員
香焼の小学校でボランティアのほうで月に1回、午前8時15分から30分まで朝読書の時間に私たちも教室に入っておはなし会を開かせてもらっている。15分のお話会を子供たちは楽しみにしてくれていて、こちらも手応えを感じる。高学年は反応が薄いものの低学年の子はすごく集中して聴いているので私たちも勉強のやりがいがある。たぶん中学校でも。

委員
香焼中には、だるまちゃんメンバーの方が毎週来ていただいている。中学はテーマが決まっていて、それによっていろいろ本をメンバーの者が準備するが、ちょっと難しくもあり楽しくもあり、すごく勉強になると言われる。よその学校でもボランティアの方が入られて、おはなし会を実施していると思う。

委員
そのような啓発の場面があったらぜひ、市民の目に届くように長崎市の広報か何かにお願いしてみては。

委員
中学生も読んでもらうのは好きみたいだ。中学生が真剣な顔で絵本の読み聞かせを聴いている。今日は今年度最後の日だったが、三年生も小学校から9年間お世話になってきていて、本当に真剣な様子で聞いている。心にしみる絵本を探してくるので、決して小さい子供向けだけではない。

委員
絵本は大人でも楽しめる。

委員
大きくなっても読んでもらうのは好きみたいだ。

委員
絵本に癒されるのではないか。

委員
なにか裾野がずっと広がっていくのかな。いいことはうちでもやってみようかということになるから、お知らせの機会があれば啓発をしていきましょう。今日のお話はぜひ広げていきたいと思う。

会長
先ほども申したが、アンケートの結果では図書館の満足度が高い。各種のサービスだが、今図書館の人たちが誠実にまじめに真摯に取り組んでおられることの一つの証しだと思う。
そこでお願いというと大げさだが、図書館員のこうした頑張りといったものを持続可能としていくために、図書館の管理運営される側の人たちはどのように職員の方たちに刺激というかインセンティブを与えていけばいいのか、そのあたりに関してお伺いしたい。レファレンスの勉強会・研究会といったものへの取り組みも、そういう意味での一つの大きな刺激になると思う。限られた時間の中だが、いろいろなこの種の研究会等をできるだけ積極的に行っていただければと、特に図書館員を送り込む側とては、強くお願いしたい。

運営事業者
去年の3月、福岡からブックトークと児童サービスをされている方をお招きし、近隣の図書館の皆さんも参加できる形で、スタッフ向けにブックトークの研修会を開いた。そのお話をもとに、今年度は53人のスタッフ全員を対象として、本を選ぶところから15分ぐらいで本を紹介するプログラムを自分で作って発表する研修会を実施した。スタッフ1人1人がとてもよく勉強する。聴く方ももちろん勉強で、一度つくって皆の前で話すことがすごく勉強になったようで、私たちにもいい機会となった。また外部で行われる研修にはできるだけ参加するようスタッフに勧めている。図書館流通センターとしても、eラーニングといって現地に行かなくてもパソコンで学習できる専門のネット研修を会社全体として行っている。実際に話している講座を聞く人もいるが、同じ講座がそのままインターネットに流れているような状態のeラーニングで何人かが大人のサービスや児童サービス、オンラインサービスについて学んでいる。なかなかこちらでは受けられない研修に参加できたスタッフたちがまた講習を受けられなかった人たちに返していくことで、互いに高め合おうという気持ちを皆が持っている。よその図書館へ研修に行ったときには、そのことをレポートにまとめるなど、できるだけ外部の情報を積極的に取り入れて活用するようにしている。

会長
県立図書館に関していろいろな動きがあるのはご存知かと思うが、私も1人の利用者として関心もあるので、そのあたりの動きについての情報を伺いたい。

事務局
新聞等で報じられているが、長崎県立図書館再生検討会議が昨年の2月に発足し、11月までに8回検討会議が開かれた。この3月までに答申案を作ることで最終的な協議に入っている。その中で、早々に立候補の手を上げたのが大村と川棚である。大村に至っては用地も2箇所無償で提供するから使ってくれという。ちょうど市長選挙があって、(県立図書館招致を)選挙公約に掲げた市長さんが当選したのは別の理由だろうが、5万人もの署名まで集めてぜひ大村に引っ張っていきたいと知事に伝えているようだ。報道では、大村はそこまでやっているのに長崎は、ただ県立図書館のあるべき姿を言ってるだけでいいのかと言われていた。そこで昨年の7月に、田上市長が考えられるアイデアとか、広報としてはこのようなものもあるという話をされた。全国を見たときに、47都道府県の中で県都に県立図書館がないところ、具体的には北海道と兵庫県だが、県立図書館がないところがどのような事態になっているか。そういう形になってしまったら県全体の、県民全体の読書推進というのは図書館活動ということにどれだけマイナスかの実例がある。そういうことも含め、市長の話としてあるべき姿というものがよく判る。ところがその中に入っている委員さんのお1人が、図書館情報学を専門にやっている人間から言ったら、その理屈は判るんだけども、県の財政状況がここまで疲弊しているときに無償で土地を提供してくれるのなら、やっぱり喉から手が出るほど、そっちの方にいかざるをえない。本当に今のままでいいのかとわざわざ私に言われた。図書館情報学専門の先生ばかりではなくて、一般の方から入られた委員さんもおられて、全体の流れとしては厳しいところに来ているという話を聞き、この3月にどういう答申が出るのかと思う。大雑把にいってそのような流れになってきている。私どもは、この図書館協議会の委員さん方がどのようなご意見をお持ちかということを反映して、県のほうに持っていきたいと考えているので、ご意見をお聞かせいただけたらありがたい。

会長
可能性としては、北海道と兵庫と二つあるわけですね。

事務局
大阪府は、東大阪に本館があって、中ノ島に分館がある。

運営事業者
あれは資料館という位置づけで、もう分館ではなくなったようだ。だから東大阪と、機能的に半分は市立図書館になってしまった。

会長
やはり、長崎市を出るという可能性は強いのか。まるきりそこは判らない。

事務局
雰囲気としては、新聞の情報ではそんな感じのようだ。

運営事業者
客観的にいうと、土地代が無料になる。あとは建設費だけだが、ここ(市立図書館)より大きなものを建てないと県としてもメンツがあるのではと個人的には思う。だいたい1万平米で、1平米あたり30万は計算しなければいけないから、具体的には30億円を超える。そういうところだと思う。今厳しい中で、場所は決められるかも知れないけど県立図書館が長崎市から)出るんじゃないか。実は千葉県でも同じような問題があって出ることになっていた。

委員
正直いって私は他所に動くことはないだろうと、そういう安堵感があった。県都長崎にあって県の図書館を他所に持っていくことはないだろうと安易に考えていたが。よくよく考えると県立図書館と市立図書館は役割が若干違いがあるという気がする。かえって同じところにあったほうが利便性はある。いろんな学問的に研究しよういうときに、市で行って判らなかったら県に行くとか、県で判ったら市に行くとか。そういう利用の利便性を考えたら、ぜひ長崎にあったほうがいいと思う。県庁も海の方に行く、図書館も向こうに行くと長崎市も黙っていてはいかんばいという気持ちになる。

委員
素人考えだが、県庁が動いた跡地はどうなるのだろう。そこに県立図書館ができたらいいのではと思うが、何か活用法が決まっているのかなと、今の話を聞いていました。場所としてはすばらしいから。

運営事業者
もう一つは、県庁を建てるならば、県庁の真ん中に県立図書館を入れてしまえばよい。そうすれば躯体はいらず内装だけだから。費用的にいえば建物は少し高くなるけども、おそらく二層くらい高く作れる。

委員
いまの長崎県の県立図書館というのは年間にどのくらいの貸出冊数が出てるのか。

事務局
来館者が30万ぐらい。

会長
市立ができてからかなりダウンした。

事務局
2割くらい減って、少し戻したそうだ。

委員
大村に行ったらもっと減るのではないか。

事務局
北海道と兵庫は利用率が全国最下位と如実に現れている。北海道は江別市に、兵庫は明石市にあって、最下位というか下から2番目。中心地から外れてしまったら、ますます利用は減るということが、はっきりしている。

運営事業者
中身から言うと、大村が招致する最大の理由は、市立図書館をつくらなくて済むという発想である。大村としては県立図書館を市立図書館代わりにしたいという、東大阪の事例とそっくりだ。

委員
大村(市立図書館)もけっこう古いから。

運営事業者
おそらくそういう思惑で招致している。

事務局
そのような批判をかわすために、市立図書館を建て直し、必ず別に作ると公の場で言ってる。

委員
5万人でしたか、署名したのは。長崎市でも署名活動をしないとと思ったが。

事務局
長崎でも越中先生なんかも、まさか動くはずないと思っていたのが、お話をしたら急に慌てられて、いろんな会を作られて運動をしている。

委員
たいていの人が、まさかという気持ちを持っているのでは。だからお互いに少し危機感を持って、長崎に存続するように、県立も市立あったほうが一番いい。

委員
勉強不足の一市民としては、市立図書館と県立図書館の大きな違いというのが判ってなくて、それを市民に県立図書館は必要だとアピールしないと、市立があるから県立はいらないと思う人が多いのではないか。

事務局
役目が違う。県内市町の図書館の支援というのがまず第一にある。そして市や町の図書館の司書とかの研修とかそういうことも県立が担う。需要がないような所にある図書館で先生たちがいて、市町の司書たちをどうやって研修するのか。基本的なことがある。長崎の場合、県立と、できたばかりの市立と、ある程度役割分担をしているわけだ。いろいろな勉強を深くやりたい人は最初から県立に行く、その前の入門的なことなら市立で十分間に合うということで役割分担があるのだが、今後は、県立図書館の利用者の大半を占める長崎市民が借りるためには長崎市立図書館を通さなければならない。そういう手間もできる、県立もまた長崎市立に返さなければならない仕事が余分に出てくる。ほかにできる仕事ができなくなっている。いろいろな意味で、県の税金の使い道からいっても無駄なことがまた出てくるのではないかと考えられる。

委員
検討委員の方にもっと頑張ってもらうしかないか。

委員
県立や市立のいろいろな建物をどこに建てるかという委員会にいっぱい入っているが、皆さんパズルをやっているようだ。県庁舎の跡地と市役所の跡地と公会堂の跡地と駅前再開発の話と水辺の森美術館の裏の駐車場の話とか、パズルをやりながら、良いか悪いかはともかく、やっと一つのピースが埋まるのかなという感じだ。基本的には長崎市に建物を建てることが怖いという風潮がある。離島地区を除けば県内で一番というほど人口の減り方が著しく、それ以上投資して価値があるのかどうか。県のいろいろな施設や図書館についても、そういう観光関係の話等との接点が出てくるが、長崎が持っている様々な歴史的な、日本の礎になったようなものを外に向けて発信しようというとき、わざわざ長崎市にある必要があるのかという話があるのも確かだと思う。それだったら空港もあり、新幹線が入ってくる可能性もある大村で観光客相手にいろいろなことをやったらいいのではと、そういう計画がそんな人たちの中にあるのも確かだ。もちろん土地があるかどうかということもあるわけだが、一番大きな問題は、長崎市はビジョンを持ってないことだ。都市計画や、その他のまちなか再生とかいろいろなビジョンを持っているが、全部中身が違う。お互いが勝手に作っているだけで重ね併せられない。松ヶ枝から駅周辺の土地の使い方についても県と市が委員会を立ち上げているが、それは長崎市が持っている既存の計画とまた違っている。結局どれにも決められない。公共施設の配置なんかも、今度の大丸さんがなくなった跡も含めて、どんな配置をするのかというのを今長崎市は持っていないので、そういうビジョンがあるから県の図書館が必要なんだとか県庁舎が必要なんだと言えない。長与に出来そうになっていたイオンにやったことと同じような論理で、県警は大丈夫だと言っているのに車がたくさん来そうで大変だからとか、そんな細かい話で、ものごとを動かすしかなくなっている、そんな現状なのかなと。一番大変なのですが、正攻法で市立図書館と県立図書館には明確な役割りの違いがあるので、町全体の中でここにある意味というのを明確に打ち出せない限りは、土地代の捻出も大変だ。買うにしろ何にしろ長崎市内で買うより大村市内で買うほうがいいし、大村の市長さんはどうも駅前の再開発も含めて金があろうがなかろうがやるんだという意欲は間違いないので、県もはやく整備したいのであれば、そっちに乗る可能性も強くなる。長崎市の図書館というか、生涯学習地域教育をビジョンであるとか明確にしないとなかなか胸を張って長崎市においてくれとは言えないのではないかという気はする。後ろ向きな話で申し訳ないが。冗談抜きで、確かに企業の経営者の方とか、外から入ってきた企業も長崎で商売するかというと迷うことがある。これから人口が減るのは間違いなく、人が増えるような予測があるかというと民間にも行政にもないから商売をやっていいものかどうか悩まれている。これだけお金がない中だから、たぶんそれと同じようなことが、公共施設なんかにもあるのかなと。

委員
なんか話が暗くなる。

委員
だから、ビジョンがあれば私も長崎市にあればいいと思っているので、なんとなく風潮としてあきらめが他のところでも出てきているような気がする。

委員
昔から何かするなら長崎でと来ていたわけだから。それが長崎はだめだという雰囲気を作ってはいけない。なにがなんでも、極端な話、大学でもなぜ文学部がないのか、理学部がないのかなどと言ってくる。友達は選択肢がいっぱいあるのだが、自分が行きたい学部はないからと他所に行くわけ。そういう意味で大学の先生方には学部作りにがんばっていただいて、あっという夢を呼ぶような元気の出る長崎というものを、市民レベルでも大いに意見交換しないといけない。

会長
その他ということで、事務局から新規事業等の説明をお願いする。
(事務局からの新規事業の報告)
1.出張おはなし会 
2.図書館ボランティアの講座・研修会 
3.「読書会」育成講座

会長
がんばっておられることが、よく判った。

委員
いい講座なので、何年かで終わったらもったいない。長続きするようにがんばっていただけたらと思う。

委員
学校のほうで、たくさん来ていただき、たくさん支援していただいて、ありがたいと思う。これ以外でも様々なお世話になって、うちの図書館でも選書の講習を快く引き受けていただいて、たいへんありがたく思っている。また次に部会で担当の先生たちが来られるので、たくさん宣伝をしても構わないか。そこでYAボランティアの紹介もさせてもらいたいと思う。

会長
YAボランティアはネットに出ていたのか。

運営事業者
記憶にない。これからはネットに出すようにする。

会長
審議等についてはこれにて終了する。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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