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第7回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006562

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部世界遺産推進室

会議名

第7回外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

日時

平成23年2月24日(木曜日)午後1時30分~午後3時30分

場所

長崎市民会館1階 大会議室

議題

(1)文化的景観調査の報告について

(2)文化的景観の特性について

(3)文化的景観の申し出範囲について

(4)外海の文化的景観保存調査報告書の目次(案)について

(5)その他

審議結果

(1)文化的景観調査の報告について

委員

佐賀の飛び地だったことが、潜伏が残った要因になった。大村藩も入れないということで、信仰伝承を助けてきたと考えてよいか。

委員

飛び地の中を街道が走っていたら、そういうことにもならなかったであろう。まとまりが10戸単位なので、こういう山間地で協力し合う環境が残っているのではないかと思われる。

委員長

共同墓地というのはどういう墓地なのか。例えば、特にカトリックの場合の共同墓地というものは、これは借りるものなのか。

委員

現代のカトリックの赤城の墓地などは土地を買っている。

委員

墓地は、絵図には「寺地」と書いてあり、その場所にはほぼ十中八九、現在も伏墓がある。

委員

石積みの分類で、資料4の7ページの6.に「墓地、境界石、ほこらなど」とあるが、墓と境界石は分けるべきである。境界石は十分調べられていないが、文久2年の地図に点で書いてあり、追跡可能だと思う。
石積みの中で、地域の役人の石垣などは立派であり、そのような観点を含めたほうが、さらによく分かると思う。この結晶片岩の組み方は築城の石垣と違うが、築城技術で普通の石を結晶片岩と混ぜ合わせて造っているようなところがあり、そういうことも入れていただければと思う。

事務局

境界石は、項目を1つ立てて考えたい。2点目は、私有物の宅地、公共物の宅地、庄屋さんなど、役割を持っていて表情が違うことも表に出して、整理をさせていただき、もう少し分かりやすいかたちで分類できるように取り組んでまいりたい。

委員長

石屋の存在が不明である。これだけの規模の石を集めて使うには、その辺りの石を拾ってくるというわけにはいかないと思う。おそらく、その石を管理する人、石を売るような人たちがいたのではないかと考える。

事務局

ヒアリングの結果、石というものは付近にあり、その石を使ったり、削り出したり、その場で積んでいくという答えが多かった。ただ、搬入搬出が困難な大きな石の部分もあり、公共的な役割に資するような大きな石がどこからやってきたのかは、今後とも注意をしながら調査をしてまいりたい。

委員長

江戸時代に、石屋が関わり作業をする場合、基本的には農閑期に行う。人が亡くなったからすぐに墓石を建てる、造って建てるという行為は一切やらないと思う。おそらく、農閑期にある程度石を買ってきて、もちろん石を買うときには、通常は石山を持っている所有者に対して株券を入れ、持ってきておいて農閑期に実施する。
収穫や田植えの時期にはやっていないと思われ、そうなると、石屋そのものでないにしても、農業以外に専業としてやっているような職業がないと成立しないのではないかと考える。

委員長

用語の統一を図る必要がある。例えば、「ネリベイ」の表記に漢字と片仮名がある。それから、和暦に西暦年号を併記すべきである。
もう一つはフランスのヴォスロールを「寒村ヴォスロール」と表記しているが、寒村であるかどうかはよく分からない。「フランスのヴォスロール村出身の」と、統一したほうがいい。
(2)文化的景観の特性について
(3)文化的景観の申し出範囲について

委員

3.の2行目「ド・ロ神父が布教に訪れたこの地」とあるが、はっきりと潜伏キリシタンが復帰しており、布教というよりも、むしろ「指導」ということで赴任しており、その表現を変えたい。
中ほどの、「貧しさの中にある人々に収入をもたらす」であるが、居留地の人が使うパンやマカロニ、織物などを居留地を対象として供給し、確実な現金収入をもたらしたことが一つの特徴ではないかと思う。
ヴォスロール村であるが、「懐かしい風景」ではなく、ヴォスロールと外海の自然はまったく逆である。むしろ、ド・ロ神父はその違いにショックを受けただろうと思う。ヴォスロールは、豊かな牧草地帯で酪農の村であり、石垣はヴォスロールにも確かにあるが、外海の石しかない風景に、ド・ロ神父はむしろ驚いて授産事業を始めたと思われ、もう少し表現を考えたほうがいいと思う。

委員

1ページ目の最後から2ページ目の最初で、「4メートル近い高さの練塀建造、建物などが健在し、当時の近代過程において彼が外海地域に与えた影響が分かる」となっているが、練塀はド・ロ神父ではなく、その前からあり、ド・ロ神父が持ってきたものは「ド・ロ壁」であるという説明と食い違う。

事務局

用語の使い方が誤っている。修正をさせていただく。

委員

「地質地形を反映した石積み」で、少し自然条件が厳しいというニュアンスを入れていただきたい。「地質地形を反映した石積み」だけでは弱く、厳しい自然条件の中で集落が営まれてきたということを、特徴として分かるように表現してほしい。
潜伏キリシタン時代のところは、もう少しその特徴を出した方がよく、集落単位のことも書かないと分からないし、現在とのつながりや隠れキリシタンの集落の関係もある。
選定予定範囲として黒崎は考えていないのか。出津と黒崎が、対照的なかたちで文化的景観の対を成してきたところがある。そういうものが分かるような選定範囲にしていただきたい。

委員

単位集落であるが、10戸前後の建物が集まって1つの生活集団を維持するのは、近世においては日本中どこにでも見られた形態であると認識している。例えば、「五人組」のようなものもある。決してここの特徴ではないと思われ、それだけをして潜伏キリシタンの特殊な形態であったのではないと思う。
民俗学でいう「近隣組織」として例えば、「組」と言っているところが多い。そういう近隣組織は、5組とは限らず、やはり10軒前後で同じような組織があり、やはり生まれてから死ぬまで、その組の中で、屋根のふき替えなど、いろいろな助け合いをする。そういう社会は、おそらくどこにでも見られるだろう。

委員長

学術的な問題で、時間的に後のスケジュールとの兼ね合いがあり、これはまた今後検討してまいりたい。
報告書を作り上げるにおいて、個々の語句の要望や見解、中に使われている専門的用語について、注釈の付け方なども、事務局のほうで調整を図っていただきたい。

事務局

この文化的景観の申し出の範囲は、3年間の調査結果を踏まえた、第一次の申し出範囲である。黒崎や大野も継続して調査を行い、重要文化的景観の選定を目指すが、今回は、第一次申出分だけを素案にしており、ご理解いただきたい。
(4)外海の文化的景観保存調査報告書の目次(案)について

委員

「土地利用の変遷」に「賤津村」とあり、この文字はどうかと思う。そのへんをどのように補完していくのか。

事務局

文久2年(1862年)の絵図の名称が、『彼杵郡三重村、賤津村、黒崎村、永田村図』であり、絵図の名称として、この字を使うことをご了解いただきたい。ほかの本文中の表記は、現行の表記の「出津村」という字に統一する。また、「賤津村」を用いる場合には、絵図に基づくことを表記する。

委員長

この絵図名の表記のカッコは、白抜きカッコ(『 』)が妥当であろう。
目次の第10章の1、2、3の順番だが、2と3は、潜伏キリシタンと言われる時代が、西洋人主体の土地改変の痕跡の時代より先行しており、2と3を逆転したほうがいい。

事務局

ご指摘のとおり改める。

(5)その他

委員

まちづくり協議会を組織するにあたり、世界遺産に絡むこともあり、自分たちのまちの宝というものが、今大きくクローズアップされるなか、それをどのように自分たちが認識し、そして本当に外海に住んで良かったという意識を持って、そして取り組んで行くための組織は、どのようなものかと考えてきた。自分たちのまちを見直すことの、今が一番大事な時に来ているのではないかと考え、これをきっかけにして、まちづくり協議会を一つの核にして「ぜひこういうことをしてみたい」と、一緒になって進めていけるよう、皆に呼びかけているところである。
重要景観構成要素の所有者合意、住民合意については、今、まちづくり協議会でも協力できるよう、なぜ外海地区の景観が重要なのかということも勉強しながら、選定されることを願っている。

事務局

資料8の目次の最後を見ると、文化的景観の特性の2点目に「都市近郊の農村集落としての特色」とあるが、これは今回の第10章の資料に入っていないようだが、これを復活することを委員に提案したい。特性として多様な石積みがある地形特性に合わせ、厳しい自然条件に生活してきたという物証としての石積み。潜伏期、復活期を経て地域の信仰が守られてきた、あるいは展開してきたという特性が挙げられているが、この外海、出津の地域の人たちが、何を糧にご飯を食べてきたのかというところの特性が書き落ちてしまっていると感じる。今まさに大平の地の農業を復活させようという動きもあり、農業という出津地域の生業も、特性としてやはり評価していだたくのはいかがかと思う。
今、1、2、3の特性を委員会で承認いただいており、単純に4番として付け加えることでも良いし、あるいは、例えば、2、3番の信仰に関する項目を1つにすることも考えられる。単純に4つにしても良いし、あるいは信仰関連のものを1つに合わせ、石積みの話、農地の話、信仰の話という3本柱として、これらを明記してはどうかと提案する。

委員長

大変有意義な指摘である。事務局、委員も含めて、今の提案のかたちで進んでいきたい。
今後、基本的に目次に沿って作業を進め、個々の見解の相違その他等、については、完成までの作業段階に、事務局にお世話をいただいて解決策を見つけていただきたい。

事務局

今後は、具体的な選定申し出等に必要な事項について、不足しているものは調査を行い、いろいろな調整を図りながら、早期の申し出ができるように頑張りたい。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

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