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第4回 外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006442

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

世界遺産推進室

会議名

第4回 外海地区の文化的景観保存計画策定委員会

  • 日時:平成21年6月23日(火曜日)午後2時~
  • 場所:長崎市民会館1階大会議室

議題

  • 開会
  • 議事
  1. 重要文化的景観のタイトルについて
  2. 重要文化的景観の価値付けについて
  3. 保存計画の策定について
  4. 重要文化的景観の選定申出範囲について
  5. 今後の調査方針について
  6. その他(今後のスケジュールについて)
  • 閉会

審議結果

事務局
議事1.と2.を資料1に基づいて一括して説明。(説明内容省略)
会長
名称の決め方について、2通り考えられる。熟慮しながら最適な名称を作るという場合と、ある程度の名称をつけ、それに基づいて報告をまとめていくという形。事務局が提案しているのは、熟慮しながら、最終的にふさわしい名称をということだろう。そういう方向でよいか。
(委員全員同意)
委員
この調査は、分析するというものではなくて、国の審議会を通さないと、重要文化的景観に選定されない。事務局が提案している価値付けにキリスト教というのが3個出てきているが、国は宗教的なものは多分嫌うだろう。今までの文化庁とのやり取りを少し紹介してもらって、それに基づいて、少し議論を絞り込んではどうか。
事務局
外海地区は、際立ってキリスト教の影響の濃い場所である。しかし、世界遺産を目指すためには、文化財保護法指定という大きな課題がある。そういうテクニカルな問題を考えたとき、今の重要文化的景観の選定基準の中には、宗教をテーマとしたような分野はない。
昨年度(平成20年)の調査結果から、文化庁と協議しつつ、秀でた外海の特徴は何だろうかと考え、日本の西の端に位置している地域特性から、強い風の影響を受ける中で、建物、住まい、居住をどのように工夫してきたのかを、ネリベイを中心にして考えてはどうかと思っている。それともう一つ、谷あいの地形で、土地利用が進んだ南側の緩斜面のところに集落構造を発達させてきたという特徴が顕著ではないかと考えている。
今後はこういった居住の部分を深めていくことで、外海の価値を、文化財保護法の中に位置づけることができるのではないかという見通しを持っている。
委員
重要文化的景観と世界遺産というのは全く関係ないもの。そこがねじれている。教会の問題がどう出てくるのかというところを切り離して、文化的景観の中に、ヨーロッパ的な集落形態が入り込んできているかを見た上で、宗教の問題を考えていかないと文化的景観は見えないのではないか。
委員
資料1の2.の(1)から(5)までは、部分的に確かに当たっているところがある、という程度である。全体を統括するような価値付けだが、外海地区は日本の中で一番西の端にあって、なおかつ地形的に特徴的な部分がある。暮らすには非常に困難を伴う状況と場所に、このような文化が出てきたというところを言葉にして書いていく必要がある。
建築的なことで言うと、外洋からの風当たりが強く、中国やヨーロッパに、日本の中で最初に接するということも含めて、文化的な価値付けをしてはどうか。
委員
2.の(2)、(4)、(5)にキリスト教という言葉が重複している。集落の地形とか支配体系と、キリスト教の伝来と受容、潜伏、そして復活というものは非常に関係している。もう少しこれをまとめると、キリスト教という言葉が簡単に出てこなくても済むのではないか。
事務局
ド・ロ神父が来て伝えたものは、密接に居住のところに関連している。ド・ロ神父の出現により集落構造に変化をもたらしているはずなので、そこを書き込みたい。また、技術的な面でも、例えば石積みのつみ方や接着剤の配合の変化などがあれば押さえたい。その中でキリスト教も語られる部分があると考えている。
会長
ただいま事務局より話があったようなことを文章化するために、今後事務局で、それぞれかかわりのある委員と、詳細な話をして文章化を図っていくというような形で進めてはどうか
事務局
建築だけでなく、必要に応じて各委員に相談していきたいので、よろしくお願いしたい。

3.保存計画の策定について

事務局
資料2に基づいて説明。(説明内容省略)
委員
景観の特徴や保存すべきものがあって、初めて保存計画が作れると思うが、事務局はどう考えているのか。
事務局
文化的景観の選定に当たっては、その価値付けを将来ともに守っていくためには何が必要か、どう守って、どう活用するか、というところがポイントになってくるので、それが何であるのかを調査をしたい。
委員
何を保存するべきかという調査があって、保存計画ができてくる。時間もないので、調査と同時進行で各委員が、保存するべきものとその方法を考え、委員会に持ってくるような進め方がよいということではないのか。
事務局
指摘のとおり。何が今後価値付けをすべきものなのか、ということは、名称の話とも絡んでくるので、並行して進めていきたい。
会長
すでに、ある程度評価を受けているものもあるし、今までそういうものがなくても、今後の調査の中で、そういう可能性が出てくるものもあるかと思う。今後の調査において、そういったものの調査も並行して行いたいということが事務局の提案だと思うが。
事務局
外海地区には伝承的なものが多くあるが、それらを文化財として保護するのは難しい。地域の人々は、自分たちの宝は、指定物件のみならず、そういう伝承であるという声が出てくるかもしれないので、そこを保存管理計画で何らかの手当てが出来ないかというところも相談できればと思っている。
委員
これは、文化的景観の価値と連携する話だと思うが、資料1の2.に書かれている5項目の方向性で価値付けをしていくということだと思っていたが、今出された話とは、相反するのではないか。実際のところ、どういう方向で行きたいと思っているのか。
事務局
文化的景観の選定を目指すためだけの今後の方針という部分と、世界遺産への取り組みを通じて地域振興を図る目的がある中で、文化的景観の選定を受けないと進まないという現実がある。
効率的に文化的景観の選定を受けてしまう部分と、世界遺産を住民と共に目指すときの姿勢との切り分けだと考えて欲しい。
委員
これは世界遺産とは全く関係ない問題ではないのか。文化財保護法の中の重要文化的景観は、そう簡単にとれるものではない。その調査に関して時間がかかるかもしれないという状況の中で、他の事をやる時間はない。まず、文化的景観の選定を受けたあとに、世界遺産に関連しているところをやるべき。
重要文化的景観の問題を世界遺産推進室が担当していることそのものが大きな問題で、長崎市の景観行政の最重要課題を包括するところだから、景観部署を投入して、総力を挙げてやるべきではないのか。
会長
今、かなり問題点を整理されたと思う。この委員会の中でも、何をどう取り上げていくかということについて、非常にポイントが捕まえにくい状況だと思う。基礎固めというか、はっきりとしたところで価値性を出していくことに焦点を絞り、その延長上に事務局が、世界遺産への関連も考えていくという形の順序立てで整理できるのではないか。
事務局
そのようにお願いしたい。
会長
各委員においては、関係するところで、さらなるご協力をお願いしたい。

4.重要文化的景観の選定申出範囲について

事務局
資料3に基づいて説明。(説明内容省略)
特に意見なし

5.今後の調査方針について

事務局
資料4に基づき説明。(説明内容省略)
委員
文化的景観に選定されるために、どのような調査をするかというと、この場所は日本で唯一のものであるということを実証するための調査。だから、新しいものを発掘するというようなことではない。
もう一回、場所を限定して、焦点を絞る。その地域に限定して、文化的な景観をいくつのベクトルで説明できるか。それが景観であったり、いくつかの建築物であったり、キリスト教であったり、その他に何があるかということを、もう一回仕切りなおして、狭いところを集中的にやろうということではないのか。
会長
今の質問は、この調査方針についての案の中で、例えば一つの地域別に分けてみて、何々のエリアとか、そういう形でその地域の特色を出していくという形が基本的には一番いいということか。
委員
もう一回全域やるということか。赤い地域だけではないのか?
会長
赤い地域だけである。
委員
そうするとゾーニングではなく、どのような層になっているのかということを、各委員がそれぞれの切り口で分析する。そして、どういう景観の構造になっていて、どのように見えるのか、ということを、誰にでもわかるような方向付けをしなくてはいけないのではないか。
委員
やはり、価値付けのところと絡んでくると思うが。何をここの価値として見出すのか。それが保存計画になるし、そしてそれを調査方針にしていくということ。それが微妙にずれているというか、価値付けにあげられている項目になっていない。そして保存計画にもなっていない。むしろ去年の調査のそのままに保存計画の章立てもなっており、今回の調査の方針の章立てもなっている。しかし、価値付けの5項目と、この部分は、複合しているもののはずだ。文化的特性のところもあるし、社会的特性のところもあるし、集落の特性もある、というところが、この価値付けのところでは、もっとまとまった形で述べられているので、連動していない。つまり、それぞれの委員が、このままの状態で調査をすると、もう一回それを価値付けと照らし合わせて並べ替えなければ、きちんとした保存計画にならないのではないかと危惧する。逆に、価値付けが何かという風に方針を持ってきたわけだから、それに合わせて、何をどのように調べていくのか、どの委員に割り振るのか、フラットに考えてみたら、もう少しすっきりしたものが出てくるのではないか。
事務局
ご指摘のとおりで、居住という方向性が近々に出てきたばかりであり、資料の整合が出来ていない点は申し訳ない。作業を進めながら、イメージされているのと同じような方向でやっていきたいと思う。それと、先ほどの質問の中にもあったが、ゾーニングについては、時間的にも非常に厳しいものがあるので、ある特定の地域を決めて、そこを集中的にやっていきたいと思う。調査内容については、居住というテーマが明らかになったので、今後つめていきたいと思う。また、委員会の場だけでなく、各委員と個別に打ち合わせをして、相談させていただく必要があると考えている。それと資料4の調査方針というのは、今後の調査方針に基づいて全部を洗い出すといったニュアンスではなくて、去年書いた分に足りない部分を補完するような項目を列記しているものである。
会長
事務局の話を整理すると、ある部分においては面的な調査を、ある部分においては時間的な経過の中での変容の仕方、流れを見るということを臨機応変にやるということである。
4‐1と言うのが資料として入っているが、事務局がこれを出しているということは、項目の抽出をするための資料としてということか。
事務局
そのとおり。資料4‐1については、歴史・文化的特性の中で、昨年(平成20年)の実績報告書の中で記述が弱かった部分、世界史的視点を含めた長崎、あるいは外海の重要性をもう少し顕在化させる必要があると言うことで、委員だけにおまかせするのではなく、事務局、文化財課の学芸員も含めてしっかり書き込んでいく、そのための項目として、資料4‐1に書いているような項目が考えられるといった観点から作成したもので、事務局が原稿を作成しながら、必要に応じて各委員に相談をしつつまとめたい。
委員
事務局が何を求めているのかわからない。世界遺産とは切り離してほしい。文化庁の文章を作るときには、世界とどのように関わっていたのかについては何の意味もない。それよりは、大村藩とこの地域がどう関連をもって、佐賀藩と大村藩とどのような関連をしていて、江戸時代にどういうふうにできたのかということが、前回までに議論されておらず、書けてもいない。資料がないのかもしれないが。大事なのは、この場所が歴史的にどう変容してきたのかということを示した上で、近代になってキリスト教がやってきてどのように変わっていくのかということ。世界史的な問題と文化的景観の選定とはまったく関係ない。無駄な作業は、よそでやってもらって、集中しなければならないのは、佐賀藩と大村藩の関係とキリスト教の関係がどうあって、どういうふうにこの地域に定着したのかと言うことの資料で、この場所の歴史的根拠を作らなければならないのではないか。
事務局
外海を語る前段としての通史的な書こうとする趣旨であり、今の報告書にはその部分が足りないので、そこは事務局で書くということ。その内容について、考えられる項目を示したものが4‐1の資料であり、必要ないと考えられるものも含まれているかもしれないが、そういったところは報告書になるどうかは別として、文化財課のほうで書き込んでいきたい。
委員
混乱させてほしくないのだが、この委員会の目的は重要文化的景観の報告書を作ることのはず。それに対して、歴史的な事実は何が必要なのか。この地域は、大村藩と佐賀藩が入り混じっており、考えられないような統治政策を行っている。例えば、佐賀藩の方にキリスト教徒が多いのはなぜか、歴史的な文献を調べ、学芸員にはそこを集中的にやらせるべき。こんなことを、限られた時間の中でやるべきではない。文化的景観のバックグラウンドは何か、それは世界遺産とはまったく関係ないはず。それで混乱しているのではないのか。
委員
文化財保護法の中の重要文化的景観であっても、通史的なものはバックグラウンドとして必ず必要なものではないか。日本の中で、ここが特殊な土地なのかということについて、日本全体としてどういう位置づけなのか。あるいはキリスト教のことも述べるので、それはどういった位置づけなのかを概観する文章が要ると思う。それを事務局が調べると言うのであれば、われわれが取捨すればいい。
委員
限られた時間の中で、事務局の調査に基づいて自分の原稿をやり直す方が大変である。外海を中心に書かなければならないのに、外海の他にこれだけの項目を入れれば長崎の歴史を繰り返すことになり意味がないと思う。われわれがやるべきことは、外海の文化的景観を浮き立たせること。それに必要な項目は何かと言うことを選んで書かなければ、ポイントがぼけてしまい、分量と期日という物理的時間的な制約の中では、とても書けない。
委員
長崎市は歴史観を間違っている。ここは長崎領ではない。合併する前、長崎市は長崎ばかりを見てきたのかもしれないが、少なくとも外海は大村藩であり、佐賀藩の飛び地があるところ。そこをきちっとやらないままに、従来の歴史があるところをかいつまんで整理をするよりは、やはり大村藩の大村郷村記を押さえるべきではないのか。合併した地域だから、郷に入って郷の知識を身につけないと、長崎の従来の歴史の中で解釈しても、ここのことは分からない。
委員
ご指摘はごもっともだと思うが、資料4-1には大村藩の支配についても触れてあるし、郷村記の話もここに書かれてあるので、この部分を中心にやってくれという要望は可能だと思う。この資料は、単に歴史の概要を挙げているだけであって、全部やるということではないだろうし、全部必要ないわけではないとも思うが。
委員
私が言いたいのは、この調査で必要なところは何なのか、大村藩がどのような支配形態で、佐賀藩がそれにどういう形でのって、それででき得れば、その間で住民がどのような関係になっていたのか、明らかにしたいということ。支配が非常に厳しかったのか、未知の部分はたくさんある。そこと、後の状況は非常に関連している。宗教形態の関連もそう。日本の中で、こんなまだらな支配体制になっているところはないので、どうしてこんなことが起こったのかを分析しなければならないのではないか。そこに居住空間が連動してくる。
会長
前回の会議で神浦の海運業の話をしたが、長崎に入る商船の采配は神浦で行っていた。大村藩はここで長崎に入る商船に対して、税金を課して財源にしていた。長崎の港に停泊している船で、中国船やオランダ船は泊まっているところがはっきりしているが、和船ははっきりしない。どこに泊っているのかというと、全部戸町に泊っている。戸町は大村藩なので、神浦を出るときに戸町に泊ることが義務付けられてくる。200艘ぐらいの船が神浦の港に泊っていたので、ものすごい税金が神浦に入ってきていた。
商業貿易、貿易関係のことが抜けていたので、どこかで書いておかないと歴史の中心になるところがないのではないかと考えて、前回発言したため、歴史の見直しが出てきたのではないかと思う。今までの委員会で資料を提供してきたが、事務局が的を射ているというような感じの書き方ではない。今までの資料を事務局でもう一度整理した形で出すと誤解はないと思うが、資料4のような出し方をされると、いつまでも進んでいないように思える。今までの調査の成果を各委員で見直して、それぞれの立場で議論したい。それが資料として出てくるとき基本線のところだけが出てきているように思う。その辺を事務局はきちんと押さえてほしい。
今日は地元の委員も出席しておられるので、今までの議論の中で気づいた点があればご指摘願いたい。
委員
大変な激論だったが、これを地元に聞かせた場合どうなるのかと思った。みんなに聞いてもらって、そして外海をより理解できればと思いながら聞いていた。神浦の話が出たが、神浦で歴史的なものも含めて見直していこうということで、神浦ボランティアガイドの会と言うのを10名程度で立ち上げた。そういったことを基にして神浦をもっと探れるのではないか。たとえば神浦の宗教の話があったが、キリスト教は神浦で始まったのではないか。そうしたときに、出津、黒崎はすでにあげられているが、神浦でその辺がつながっているのか。そういったものが文章化されていることもないようなので、探っていけるのではないかと思っている。また、今度「カクレキリシタンの歴史」というテーマで公民館講座があるので、それに地元も参加できるものはすることにしている。何かできることを我々もしていきたいと思っている。
会長
この委員会でまとめるものについては、事務局と委員会と地元の外海の方たちと三位が一体とならない限りは成功しないと思う。地元におかれましては、今後ともご協力を願いたいので、地元の委員さんを通してお願いしていくようなかたちで体制を整えていただければと思う。今後のことについてだが、予定では部会を作ってやりたいということであったが、どうするのか。
事務局
次回委員会までに、必要に応じて、部会という形で作業をさせていただいて、各委員のご意見を頂戴しながら成案を次回の委員会でご報告をさせていただければと考えている。
委員
部会の具体的なイメージはどういったものか。
事務局
今日も各委員から色々ご指摘をいただいたので、それを踏まえ、調査のテーマに応じて、個別の委員に具体的に相談しながら、問題の整理をしていきたい。その中で、問題によっては複数の委員にかかわっていただき整理を進めたい。
会長
ただいまの事務局の説明で、各委員に了解いただけたようなので、そのような形で進めて行きたい。

6.その他 (今後のスケジュールについて)

事務局
資料5に基づいて説明(説明内容省略)を行ったほか、選定申出時期を平成22年1月としたいこと及び次回の委員会を9月下旬に開催したいことを説明。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

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