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施政方針(令和3年2月22日)

更新日:2021年2月22日 ページID:036226

令和3年度施政方針

令和3年2月22日、令和3年第1回市議会定例会の冒頭において、田上富久 長崎市長が市政運営に対する所信を述べました。

目次
1 はじめに
2 令和3年度の予算編成
3 令和3年度の主な取組み
(1)新型コロナウイルス感染症への対応
(2)長崎開港450周年記念事業
(3)個性を活かした交流の拡大
(4)平和の発信と世界への貢献
(5)地域経済の活力の創造
(6)環境との調和
(7)安全・安心で快適な暮らしの実現
(8)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現
(9)創造的で豊かな心の育成
(10)多様な主体による地域経営
4 おわりに

1 はじめに

今、私たちは、「静かだが大きな災害」の真っ只中にいます。

昨年、世界を混乱に陥れた新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束の気配を見せず、私たちのまち長崎においても、この一年の間、市民に大きな不安を与え続けるとともに、社会経済活動の著しい停滞をもたらしています。特に、観光業など第3次産業の占める割合が高い長崎市の地域経済は、深刻なダメージを受けています。

この一年間、医療機関、医師会、長崎大学、県、保健所をはじめとする多くの関係者の必死の努力、そして市民や事業者の皆さんの感染防止に向けた協力をいただきながら、医療と社会経済活動の崩壊を防ぐべく、市議会とも連携しながら全力で取り組んできました。その中で私たちは、危機管理においては準備と連携が不可欠であることを改めて学んできました。

併せて、コロナ禍が収束した時に、社会は元に戻るのではなく、新しいあり方に向かうべきであることに気づきました。多くの人が「命」や「家庭」、「あたりまえの日常」の大切さに気付き、「生活の質」を追求しようとする意識が高まるとともに、地方分散やデジタル化の動きが加速するなど、私たちの生活や価値観は今、大きく変わろうとしています。

デジタル化については、令和3年度を長崎市の「デジタルスタート」の年として強力に推し進めるため、専門の組織を新設するとともに、外部人材を活用し、長崎にあったデジタル化の指針となる計画を策定します。

デジタル化を進めていくうえで忘れてはならないことは、デジタル化そのものが目的ではなく、市民の暮らしやすさや、訪れる人の過ごしやすさに貢献すること、そしてその基盤としての市役所の仕事を変えていくということです。

また、地方での暮らしへの関心が高まっていることをチャンスと捉え、「第2期長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる「若い世代に選ばれる魅力的なまち」の実現に向けて、より積極的に、そしてスピード感と柔軟性を持って取組みを進めていくことも重要です。

今、長崎のまちは100年に一度とも言える大きな進化の時期を迎えています。今年の春には、長崎駅周辺で、長崎駅西口広場が完成し、秋には出島メッセ長崎やヒルトン長崎が開業します。また、野母崎地区では、10月の恐竜博物館のオープンにあわせて、野母崎総合運動公園一帯が長崎のもざき恐竜パークとして生まれ変わります。

令和4年度以降も、九州新幹線西九州ルートの暫定開業や新市庁舎の開庁が続くほか、長崎スタジアムシティプロジェクトや長崎駅周辺での新駅ビルの建設など、民間事業者による大型事業も進められています。

また、地域コミュニティの仕組みづくりや地域包括ケアシステムの構築など、「まちを支える仕組み」づくりも、多くの市民や専門家などの参画を得て着実に進んでいます。

これからの数年間は、これまで取り組んできた「次の時代のまちの基盤づくり」の成果が、次々とかたちになっていく時期になります。

市議会の協力もいただきながら、多くの市民の皆さんとの協働により築いてきたこれらの「まちの基盤」をしっかりと創り上げ、その上に、住む人や訪れる人の幸せをつくっていくという長崎の未来づくりに、しっかり取り組んでいきたいと思います。

2 令和3年度の予算編成

長崎市の財政状況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、歳出面では、保健・医療体制の充実や経済対策などに係る新たな財政需要が増加し、歳入面では、経済活動の停滞による市税等の減収に加え、人口減少に伴う地方交付税の減収などが見込まれることから、多額の収支不足が懸念されます。

そのような中、令和3年度の予算編成にあたっては、将来にわたり持続可能な財政運営を行うため、コロナ禍の影響については、国の財政支援措置や、財政調整基金等で補てんするとともに、人口減少に伴う普通交付税の減収への対応については、各部局における予算のシーリングを徹底し、全庁一丸となって時代の変化にあわせ業務を見直すなど、歳出の削減に努めました。

そのうえで、人口減少対策や、「次の時代のまちの基盤づくり」などの重点的に取り組むべきことについては、選択と集中によりしっかりと予算配分を行うとともに、国の3次補正予算等を活用した新型コロナウイルス感染症対策に取り組みます。

今後の財政運営については、これまでの財政健全化の取組みにより確保してきた財政調整基金をはじめとする基金や、国の財政支援などを活用し、コロナ禍を乗り切りながら、未来への投資にもしっかりと取り組んでいきます。

3 令和3年度の主な取組み

令和3年度における主な取組みについては、まず「新型コロナウイルス感染症への対応」と「長崎開港450周年記念事業」についてご説明し、続いて「第四次総合計画」の体系に沿って分野ごとにご説明いたします。

(1)新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナウイルス感染症対策としては、これまで「感染拡大防止効果の最大化」と「社会経済への影響の最小化」の両立を図るとともに、ポストコロナに向けた準備も着実に進めてきました。

令和3年度も、感染状況に応じてこれらの施策のバランスを的確に取りながら進めることを基本とします。

感染拡大防止対策として、クラスター発生の未然防止策や、医療崩壊を防ぐための病院間連携に力を入れるとともに、社会経済対策として、1月16日から2月7日までの緊急事態宣言発令により影響を受けた中小事業者等の支援や、市民の足である公共交通の維持などに取り組みます。

また、収束に向けた根本的な対策としてのワクチン接種についても、長崎市医師会など関係機関の協力を得ながら、着実に進めます。

まず、「感染拡大防止効果の最大化」については、この取組みを着実に進めるため、今年1月から、感染拡大防止や医療機関相互の連携のあり方などについて、より積極的に専門的な意見を取り入れられるよう、長崎市の非常勤特別職として新型コロナウイルス対策専門監を配置するとともに、保健所の指揮監督機能を強化するため、保健所副所長を配置しました。今後も、その時どきの感染状況に応じて、万全の体制を整えます。

感染拡大防止に必要不可欠な検査体制については、これまでも長崎市医師会の協力によるドライブスルー方式の検査センターの設置や保健環境試験所の検査機器の増強を行うとともに、長崎県医師会や長崎大学病院等と連携しながら、身近な医療機関で検査を受けやすくする仕組みづくりを行ってきました。

今後もこの検査体制をしっかりと維持しつつ、関係機関や専門家の意見を伺いながら、更なる拡充などを検討していきます。

また、迅速かつ簡易に新型コロナウイルスの検査が可能な抗原検査キットを購入し、医療従事者が安心して診療にあたれるよう、市内の医療機関に配布するとともに、陽性者が確認された高齢者施設等において迅速な検査を行うことで、感染拡大の防止につなげます。

このほか、感染拡大防止の具体的取組みとして、高齢者福祉施設については、感染が疑われる方の入居スペースを確保するために、室内の空気を外へ漏らさないようにする陰圧装置の設置を支援します。

民間保育所や放課後児童クラブ等については、マスクや消毒液の購入など、感染症対策を徹底しながら運営を継続するために必要な経費の補助を行います。

小中学校、高等学校については、手指消毒の徹底に加え、子どもたちが毎日触れるドアノブ、共用の教材、教具、情報機器などを適切に消毒するとともに、教職員や児童生徒の体調管理に努め、引き続き、安全・安心な教育環境を維持します。

医療提供体制については、新型コロナウイルス感染症患者のための病床確保などにより、一般の病床が大幅に縮小され、救急医療を含めた一般診療体制にも影響が出ています。

医療提供体制を維持するため、感染症対応と一般診療体制を両立して確保できるよう、医療機関相互に、情報共有と役割分担を行いながら、一丸となって取り組むことが非常に重要です。

このため、総合調整の役割を積極的に担い、医療機関をつなぐ情報共有システムを拡充するとともに、国や県と連携し、医療機関等に対して必要な支援を行います。

また、新型コロナウイルス感染症専用病床を確保するため、症状が軽くなった患者の転院を受け入れる医療機関を支援し、早期転院を促進します。

次に、「社会経済への影響の最小化」を図るため、「社会活動や市民生活の維持・回復」と「地域経済の活性化」に取り組みます。

まず、「社会活動や市民生活の維持・回復」については、緊急事態宣言の影響を受けながらも、これまで支援の手が行き届いていなかった事業者を対象に一時金を支給します。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により納税等が困難な方に対しては、引き続き、市税や上下水道料金、保育料等の納付を猶予し、生活や事業を支えます。

さらに、市民の足として必要不可欠な公共交通を維持するため、利用者が安心して利用できるよう、感染拡大防止に取り組みながら、市民の移動を継続して支える公共交通事業者を支援します。

市民生活に必要不可欠な廃棄物処理については、感染拡大防止対策を講じ、安定的な収集体制を維持します。

妊産婦に寄り添った支援については、妊婦を対象に分娩前のPCR検査の費用を助成するとともに、万が一、妊産婦が新型コロナウイルスに感染した場合は、助産師等による訪問支援を行います。

また、県外での里帰り出産を予定していた妊産婦が、コロナ禍により里帰りできなくなった場合に、民間の育児等支援サービスの利用について、独自に追加助成をするなど、安心して出産・育児ができるようにします。

次に、「地域経済の活性化」については、新型コロナウイルス感染症の影響により失われた商店街や飲食店街等の賑わいを復活させるため、商店街等が行う各種イベントや顧客の獲得を目的として実施する事業など、賑わいの創出につながる取組みを引き続き支援します。

また、観光振興については、旅行者に安全・安心に来訪していただくため、県内各自治体や関係機関と連携し、宿泊施設を対象に実施している、長崎大学監修の感染症予防対策の認定制度「team NAGASAKI SAFETY」を、観光施設等にも拡大し、長崎観光の安全性をアピールすることで、誘客につなげていきます。

さらに、国のGo Toトラベルキャンペーンや県の全国向け宿泊割引キャンペーン終了後の観光需要の落ち込みを緩和するため、長崎市独自の旅行者割引キャンペーンとして「WELCOME TO NAGASAKIキャンペーン」を展開し、切れ目のない誘客を図ります。

まずは、感染拡大をくい止め、社会経済への影響を最小限にとどめられるよう対策を講じながら、ポストコロナに対応した社会経済構造への転換を図っていきます。

(2)長崎開港450周年記念事業

1571年のポルトガル貿易船入港から今日まで、長崎のまちは、港を通じて、たくさんの人びとを受け入れ交流することで栄え、国内外の様々な文化を取り入れながら、豊かな個性をもつ都市として発展してきました。

長い歴史を通じてまちの発展を支えてきてくれた長崎港への感謝を込めて、記念の年を盛大に祝うとともに、様々な主体が連携を深め、手を携えて新しい時代への一歩を踏み出す機会にします。

これから先も長崎のまちが「港」と、そこから広がる「海洋」とともに発展していくことを市民・県民が認識し、行動を起こすきっかけとするため、季節ごとにテーマを設けた記念事業を、新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえつつ、必要な対策を講じて実施します。

春は「感謝・愛」をテーマとして、長崎帆船まつりなどと連携し、スタートアップイベントを行うとともに、4月27日の開港記念日にあわせて開港記念式典を開催し、開港450周年の幕開けを祝います。

夏は「港」をテーマとして、ながさきみなとまつりを通し、長崎の海と港のすばらしさを再認識し、港を中心とした今後のまちづくりを共に考える機会とします。

秋は「まち」をテーマとして、港とともに発展する長崎のまちの原点を体感できるよう、開港当時につくられたまちがあったとされるエリアを中心に「長崎開港フェスタ450」を開催し、地域の方々をはじめ多くの市民の参画を得て、イベントや展示などを行います。

冬は「未来」をテーマとして、長崎港や長崎のまちに関するシンポジウムを開催し、港を活かした地域活性化や海洋関連産業の創出・育成に向けて策定する「長崎港の将来像」を共有し、開港500年に向けたスタートを切ります。

これらの記念事業の関連イベントとして、長崎歴史文化博物館で、近世において海外交流の窓口として重要な役割を果たした長崎に関する特別企画展「長崎開港450周年記念展」を長崎県と協力して開催するとともに、出島とポルトガルのつながりに焦点を当てた企画展を出島で開催し、長崎の港の成り立ちや出島築造の経緯、ポルトガルの文化等を紹介します。

また、長崎開港のきっかけとなったポルトガルとの交流の歴史や文化を紹介する記念講演会を、関係団体と連携して実施し、市民の皆さんにポルトガルとのつながりを実感していただくとともに、同国との更なる友好関係を促進していきます。

さらに、長崎港の歴史や文化の継承、魅力の向上などにつながる事業を募集し、40件の応募の中から10件を補助事業として選定しました。これらの事業を通して、市民・県民の皆さんと一緒に、開港450周年を盛り上げます。

これらを通じて、長崎の港と共に紡いできた交流の歴史や文化を継承し、シビックプライドを醸成するとともに、魅力の発信による交流人口の拡大を図ります。

また、広い海洋利用の視点に立った新たな海洋関連産業の創出・育成に向けた契機とし、新しい港の活かし方や海の楽しみ方の創造につなげていきます。

(3)個性を活かした交流の拡大

コロナ禍により、人の往来が停滞する状況が続いていますが、感染拡大防止策を徹底し、安全・安心につながる取組みを行いながら、国内観光需要の回復をめざすとともに、感染症収束後のインバウンドの段階的な回復を見据え、引き続き、受入態勢の整備などを進めます。

また、今年11月の出島メッセ長崎の開業に向け、MICEの誘致促進と受入態勢の強化を図ります。

これらから生まれる交流の効果をまち全体に広げるため、訪問客・事業者・市民がともにWin-Winとなる、調和の取れた「選ばれる21世紀の交流都市」をめざし、令和3年度にスタートする「長崎市観光・MICE戦略」に基づき、取組みを進めます。

長崎駅西口から歩行者用デッキでつながる出島メッセ長崎では、稲佐山や女神大橋など、長崎を象徴する風景を望むことができます。

また、大型MICEから小規模研究会まであらゆる規模の会議に対応するとともに、リアルとリモートを組み合わせた会議にも対応する「ハイブリッド型の施設」となります。

この施設を訪れる新たなお客様に長崎のまちを楽しんでいただくためにも、今まで以上に長崎の資源をしっかりと磨き上げていく必要があります。

資源磨きとしては、まず、長崎独自の歴史・文化を保存活用するため、歴史的風致維持向上計画の重点区域である東山手・南山手地区において、歴史的な資源を活かしたまちづくりの具体的な取組みを示す実施計画の策定を進めます。

令和7年9月末の完了をめざし、保存修理や耐震補強を行っている国指定重要文化財「旧長崎英国領事館」については、防災施設等の実施設計を行います。

世界遺産については、国指定重要文化財「旧グラバー住宅」で平成30年度から実施している保存修理工事を終え、今年の秋には改修後の姿を訪問客の皆さんにお披露目します。

また、国指定史跡である「端島炭坑」については、厳しい自然環境により護岸遺構の老朽化が進んでいるため、護岸の補強に必要な測量や調査、設計に着手します。

市指定史跡「心田庵」においては、劣化が著しい建物や庭園について、有識者等の意見を聴取しながら、保存活用計画を策定します。

長崎の歴史的資源を夜も楽しめるようにするため、東山手・南山手エリアや中島川・寺町エリア、館内・新地エリアにおいて、引き続き、地域のランドマークやその周辺のライトアップを進めます。

「世界新三大夜景都市」に認定されている長崎の夜景については、今年の再認定に向け、「世界夜景サミット」を誘致し、国内外に向けて長崎夜景の魅力を積極的に発信していきます。

次に、時代のニーズに合った魅力あるコンテンツの創造として、長崎市出身の漫画家・渡辺航氏の人気作品「弱虫ペダル」とタイアップし、デザインマンホールを巡る周遊コースの造成や企画展等の開催により、アニメツーリズムの推進を図ります。

また、観光まちづくりの中心的役割を担うDMOと民間事業者が連携し、郊外の豊かな自然環境を活かしたアウトドアでの体験型コンテンツや、食と体験を組み合わせたコンテンツの造成など、長崎観光の新たな魅力の創造・発信に取り組みます。

このように魅力豊かな長崎のまちを快適に楽しめるよう、滞在環境の整備にも取り組みます。

まず、“陸の玄関口”である長崎駅周辺の環境整備については、九州新幹線西九州ルートの令和4年度の暫定開業に向け、公衆無線LANを整備し、訪問客の通信環境向上を図るとともに、訪問客の多様化するニーズにワンストップで対応する新たな観光案内の体制づくりを進めます。

長崎駅の顔となる東側においては、駅前広場などの整備や長崎県と連携した国道横断デッキのバリアフリー化などにより、交通結節機能の強化に取り組みます。

また、開業効果の最大化に向け、新幹線開業アクションプランを強力に推進し、この2年間でしっかりと準備を整えます。

新幹線暫定開業にあわせてJRグループや県等と共同で実施する「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」に先駆け、令和3年度はプレキャンペーンとして全国から旅行代理店を招き、長崎市の魅力を旅行商品に組み込んでもらうための説明会などを開催し、観光客の誘客促進を図ります。

また、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格化については、引き続き県や沿線市と連携し、実現に向けた取組みに力を注いでいきます。

“海の玄関口”である長崎港松が枝国際観光船埠頭についても、引き続き産学官で組織する整備促進期成会や県と連携し、2バース化の早期完成に向けた取組みを進めます。

また、訪問客のまちなかへの誘導を図るため、長崎駅や松が枝国際ターミナルなどで、まちなかの魅力を効果的に発信するとともに、それらとまちなかを結ぶ回遊路に、民間施設と連携した案内所を設置するなど、誰もが安心して回遊できる環境づくりを進めます。

長崎のまちにより多くの方に訪れていただくためには、訪問客の動向やニーズを把握し、誘致ターゲットを設定した効果的なプロモーションが重要です。

そのため、DMOにおいて、令和3年度から国内観光客を中心に、観光関連事業者など多様な関係者が持つ情報を収集し、マーケティングやプロモーションに活かすワンストップの仕組みを構築するとともに、訪問客のニーズに即した情報発信ができる体制を整えます。

このようにして生まれる集客の効果をまち全体に広げ、観光・MICE関連産業の活性化を図るため、「まち全体でMICEを活かし、楽しむまち」をめざすとともに、「地域の稼ぐ力の向上」に取り組みます。

まず、「まち全体でMICEを活かし、楽しむまち」の実現に向け、11月の出島メッセ長崎の開業を契機として、MICE開催による効果をまち全体に波及させるため、「まちMICEプロジェクト」の推進を図ります。

長崎孔子廟や出島など長崎らしさが感じられる会場や、地域資源を活かした体験プログラムを主催者や参加者に提案し、活用を促進するとともに、引き続き提案内容の充実に取り組みます。

また、出島メッセ長崎開業イベントにおいて、主催する民間事業者と連携し、市域全体を巻き込む仕掛けを行うことで機運の醸成を図ります。

次に、「地域の稼ぐ力の向上」に向けては、DMOにおいて、MICE開催における様々な需要の地元受注を促進するなど、多様な関係者との更なる連携を図ることにより、地域経済の活性化につなげます。

このほか、観光・MICEを振興するうえで必要となる新たな財政需要に適切に対応するため、引き続き、関係者との意見交換等も行いながら、宿泊税の導入に向けた準備を進めます。

(4)平和の発信と世界への貢献

被爆75周年の節目の年が終わり、悲願であった「核兵器禁止条約」が発効した今年は、次の大きな区切りである被爆100周年に向けた新たなスタートの年です。

被爆者のいない時代が到来しても、被爆地長崎が歩みを止めずに前進し続けるためには、国内外の多くの人びとが平和を後押しする潮流をつくっていく必要があります。

そこで、これまで重点的に取り組んできた「被爆の実相の継承」と「核兵器廃絶の推進」の2つの柱に加え、新たな3つ目の柱として、より多くの人が気軽に平和について考えられるよう、スポーツや芸術などを入口として、日常の中に「平和の文化」を根付かせていく「平和の文化の醸成」に取り組みます。

そして、被爆の実相や核兵器禁止条約などを多くの人に知ってもらうため、従来にはない新たな発想で平和の伝え方にチャレンジする人たちを応援し、時代に応じた新たな伝え方をつくりだします。

このような平和の取組みを推進し、つながりと創造による次の時代へのステップを踏み出すため、被爆100周年に向けた取組方針「(仮称)PEACE100ビジョン」を策定します。

まず、被爆の悲惨さを後世に伝える「被爆の実相の継承」については、被爆遺構の保存・活用を図るため、国指定史跡長崎原爆遺跡である旧城山国民学校校舎の耐震診断を行うとともに、劣化が進行している「城山国民学校カラスザンショウ」について保存処理を行い、屋外から旧城山国民学校校舎内へ移設し、展示を行います。

また、平和公園を中心とした被爆遺構の周遊を促すため、QRコードを活用し、被爆遺構の見学ポイントや見学ルートなどを案内します。

スイス・ジュネーブの国連欧州本部内での常設原爆展については、今年11月に更新時期を迎えることから、写真パネル等の展示内容をリニューアルします。

次に、「核兵器廃絶の推進」については、先月、人類史上初めて核兵器を国際法違反とする「核兵器禁止条約」が発効したことから、「核兵器のない世界」に向けて大きな前進が期待されます。

条約発効後1年以内に開催される「核兵器禁止条約第1回締約国会議」において、条約の具体化と効果的な運用に向けた議論を進めることができるよう、被爆地としての役割をしっかりと果たしていきます。

新型コロナウイルス感染症の影響により延期となった「2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議」と「第10回平和首長会議総会」は、8月に開催される予定です。

再検討会議においては、核軍拡の流れに歯止めをかける動きにつながるよう、被爆地長崎の平和への思いを世界に強く訴えます。

また、平和首長会議総会においては、世界165の国と地域から約8,000都市が加盟する平和首長会議が、これまで以上に世界恒久平和の実現に貢献できるよう、今後のビジョンや行動計画の策定に力を尽くします。

「平和の文化の醸成」については、多くの人びとが当事者として、平和について考え行動してきたこれまでの取組みを顕在化し、更に広げていくため、「平和の文化認定制度」を始めます。

併せて、平和の新しい伝え方にチャレンジする個人や団体を応援するため、「平和の新しい伝え方応援事業費補助金」を創設します。

また、さだまさしさんらが中心となり8月に開催される「長崎から世界へ平和を-稲佐山音楽祭2021-」の機会を捉え、市民が気軽に参加できる平和の発信事業を行います。

福山雅治さんプロデュースの「長崎クスノキプロジェクト」では、被爆樹木を通して生命の逞しさや平和の尊さを伝えるプロモーション事業を引き続き実施します。

さらに、V・ファーレン長崎と連携した平和の取組みを進め、小さな行動であっても、平和につながることを実感できる機会を創出していきます。

このような平和の取組みを多くの人たちと連携して進めるため、被爆100周年に向けた取組方針「(仮称)PEACE100ビジョン」の発表の場、仲間づくりの場として「平和フォーラム」を開催し、オール長崎で平和の構築に取り組んでいきます。

(5)地域経済の活力の創造

デジタル化の進展や顧客ニーズの多様化など、目まぐるしいスピードで変化を続ける、この不確実性の高い社会の中で、産業分野では新たな価値を創造していくことが求められています。

コロナ禍がもたらした価値観の変化は、このような流れを加速させたほか、地方分散という新たな流れも生み出しました。

これらの流れをチャンスと捉え、しっかりと成果につなげようとする、スタートアップやオープンイノベーションによる新規事業の創出を支援するとともに、地域経済を支える「人」や「企業」の集積に向けた取組みを進めます。

併せて、今後も地域経済が発展し続けられるよう、これまで長崎を支えてきた産業の進化や、あらゆる分野における新たな産業の創出を後押しします。

まず、「新たな産業を生み出すまち」をめざす「新産業の種を育てるプロジェクト」では、県やその他自治体、大学、金融機関等と連携しながら、県外企業と地場企業等によるオープンイノベーションの手法を活用した新規事業の創出を支援します。

また、起業に向けたチャレンジを促すため、ふくおかフィナンシャルグループや大学等と連携し、長崎市でスタートアップをめざす人材の掘り起こしと支援に取り組むとともに、長崎市内の起業家コミュニティの活性化を図ります。

次に、地場企業の経営力強化の促進については、事業者のオンライン取引への参入をはじめ、新製品開発や、ICTを活用した生産性向上、経営の多角化に向けた事業展開などの新たな取組みを引き続き支援します。

また、経営者の高齢化や後継者不足に加え、コロナ禍による廃業の増加が懸念されるなか、事業承継を進めることで、地域の雇用を守り、地域経済の損失を防止するため、事業を譲り渡そうとする経営者を支援します。

若い世代が働きたいと思えるまちとするためには、地場企業の経営力強化とあわせて、これまで長崎にはなかった魅力的な仕事を増やし、働きやすい環境を整えるとともに、長崎で働く魅力を発信することも必要です。

企業誘致については、AI技術の研究開発拠点等の情報通信関連企業の立地が相次いでおり、新たな雇用が生まれています。

今後も、人材の豊富さなどの強みをPRするとともに、企業情報などを積極的に収集しながら、地域の発展に寄与する企業の誘致を推進します。

また、特に若い世代において地方への関心が高まっている状況をチャンスと捉え、地場企業に対し、働き方改革の必要性について広く啓発するとともに、それを推進するキーパーソンの育成を支援するなど、若者にとって魅力的な職場づくりを促進します。

コロナ禍により就職活動や採用活動のあり方が変化したことを踏まえ、SNSを活用した効果的で効率的な企業の情報発信に取り組むとともに、オンラインでの採用活動を支援します。

また、コロナ禍は、人びとの働き方にも影響を与え、テレワークの普及により、都市部の企業で働きながら地方で暮らすスタイルも浸透してきました。このタイミングをチャンスと捉え、移住者の更なる獲得に向けて、長崎市の魅力発信を強化するとともに、県外企業等に在籍しながら、テレワークを行うために長崎市に移住した方を移住者支援制度の対象に加えます。

併せて、新しい働き方として注目されているワーケーションの受入れにより、地域と様々な形で関わりを持ち、将来的には移住者となりうる関係人口の創出・拡大を図るため、関係事業者や団体とのネットワークづくり、モニター事業などに取り組みます。

次に、まちのにぎわい創出については、「出島メッセ長崎」の開業、新幹線の暫定開業などの好機を活かすとともに、コロナ禍で冷え込んだ夜間の消費活動を回復・拡大するため、長崎ならではのコンテンツを創出し、積極的に夜間市場の活性化を図ろうとする民間事業者を支援することにより、ナイトタイムエコノミーを推進します。

昨年、「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」が日本遺産に認定されました。

江戸時代、鎖国の中にあっても世界に開かれていた長崎港に砂糖が輸入され、出島から大阪へ、更に全国へと運ばれていたシュガーロードの歴史を、スタンプラリーなどを通じて市民や観光客に広くPRすることで、長崎の魅力を伝えるとともに、シュガーロードにまつわる関連商品の消費拡大や誘客につなげます。

いつでも新鮮な旬の魚が味わえる長崎の強みを活かすため、長崎の魚の食べ方をイメージできるよう、「さしみシティ」を新たなキャッチコピーとしてPRを行うとともに、長崎の魚を提供する店舗の技術や情報発信力を向上させるための支援を行います。

併せて、市民や事業者による情報発信などの自主的な取組みを「さしみシティプロジェクト」として認定するとともに、商品開発やイベントなどの取組みを支援することより、地元の機運醸成と訪問客の受入体制の強化を図ります。これらの取組みを一体的に推進することで、民間が主体となって誘客に取り組む、持続可能な仕組みづくりにつなげます。

次に、水産農林業の振興については、生産環境の高度化や産物の高品質化をめざします。

まず、水産業の振興については、海外輸出にも対応できる衛生基準を満たす水産加工工場の整備や、漁獲物の鮮度を保持するための機器導入などを行う水産加工業者等を支援し、販売力の強化や経営の安定化を図ります。

また、長崎市沿岸の藻場の回復を図るため、長崎県と連携し、海水温の上昇に強い品種の海藻を用いた、種苗プレートの生産試験を実施します。

さらに、これまでヒラメ等の養殖を行ってきた水産センター高島事業所が、令和2年度末をもって役目を終えることから、残された施設・設備の有効活用を図るため、民間による陸上養殖施設としての活用について検討します。

農業の振興については、農業従事者の離農や高齢化による担い手不足に対応するため、農作業の省力化・効率化による生産性の向上が必要です。いちごなどの施設栽培におけるスマート化を進めるとともに、長崎県立大学と連携し、長崎市の農業の実状に適したスマート農業技術の導入可能性を検討します。

また、花き産業の活性化については、新型コロナウイルス感染症の影響で成人式を行うことができていない令和3年の新成人に花を贈り、新しい門出を祝うとともに、公共施設や学校に花きアレンジを飾ることで、長崎の花の魅力を伝え、市民による花きの消費を喚起します。

これらの取組みを着実に進めるとともに、令和4年度からスタートする「第5次長崎市経済成長戦略」については、コロナ禍による地域経済への影響や今後の動向を見極めるための基礎調査を行い、今後の長崎経済の成長に向けた取組みの方向性を指し示す戦略となるよう、しっかりと仕上げていきます。

(6)環境との調和

近年、地球温暖化とそれに伴う気候変動の影響により、市民生活や経済活動に甚大な被害を及ぼすような大規模な自然災害が頻発しており、その原因とされる温室効果ガスの排出抑制は喫緊の課題となっています。

脱炭素社会の実現に向けて、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成し、それを経済と環境の好循環にもつなげていくことが国の方針として示され、特に今後5年間を集中期間として、国と地方自治体、地域企業等が一丸となった実効性のある取組みが求められています。

長崎市としても、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボンシティ」を宣言するとともに、長崎市、長与町、時津町で形成する長崎広域連携中枢都市圏において、地球温暖化対策実行計画の共同策定に向けた検討を進めます。

環境面においても世界に貢献できるよう、脱炭素社会の実現に向け、取組みを加速させます。

まず、地域で生み出された良質な再生可能エネルギーを地域で活用するため、「株式会社ながさきサステナエナジー」を中心に、産学官民が連携するネットワークを構築することにより、市民や事業者などの意識の醸成を図り、新たな脱炭素事業の創出につなげます。

また、東工場の廃棄物発電を活用した急速充電設備を市民等が利用できる場所に整備し、電気自動車の普及を促進するとともに、災害等による停電時には、電気自動車を避難所等の非常用電源として活用できるようにすることで、災害に強いまちの実現にもつなげます。

令和8年度の稼働開始を予定している新東工場については、ごみ焼却で生み出される様々なエネルギーを有効に活用することで、地域に貢献できる施設をめざし、令和3年度は施設整備事業計画を策定するなど、建設に向けた準備を進めます。

さらに、長崎市役所においても、脱炭素化を推進するため、新市庁舎においては、省エネルギーに配慮した建物の構造や設備、機器を採用するとともに、太陽光をはじめとする自然エネルギーを積極的に活用することで、エネルギー消費量を現行の省エネ基準に対して、50%以上削減します。

また、令和元年度から3ヶ年計画で実施している道路や公園の照明灯のLED化を完了するとともに、次世代自動車の導入計画を前倒し、令和3年度に購入する公用軽自動車6台すべてを電気自動車とするなど、率先的な取組みを進めます。

次に、市民等の環境行動の実践を更に促進するため、長崎市地球温暖化防止活動推進センター「サステナプラザながさき」において、環境行動の核となる人材を育成するなど取組みの強化を図ります。

また、食品ロスの削減に向けて、食品を提供できる事業所などと、食品を必要とするこども食堂などをつなぐ仕組みづくりを検討します。

(7)安全・安心で快適な暮らしの実現

安全・安心で快適に暮らせるまちであることは、市民が生活するうえで、すべての土台となるものです。

全国的に大規模災害が増加しており、長崎市においても、昨年の台風第10号接近時には、過去最大の約1万2千人が避難しました。今後、より多くの人が避難したり、避難が長期化した場合にも対応できるよう、しなやかで強く、持続可能な避難所運営の仕組みを整えていきます。

また、人口減少や高齢化が進む中でも暮らしやすいまちとするために、「ネットワーク型コンパクトシティ長崎」の実現に向けて、持続可能な公共交通への転換や、再開発事業への支援などに取り組みます。

まず、避難所運営については、必要な物品は自ら持参する「自助」の考え方や、地域と避難者が互いに助け合って運営に協力する「共助」の考え方を取り入れ、「自助」、「共助」、「公助」が一体となった運営への転換を図っていきます。

また、スムーズな避難を可能とし、コロナ禍における分散避難を促進するため、スマートフォン等で避難所の開設や混雑の状況を確認できるサービスを運用します。

さらに、想定を超える大雨時にも円滑な避難を促し、被害の軽減を図るため、長崎県の洪水浸水想定区域をもとに、浦上川一帯の洪水ハザードマップを作成します。

地域の防火防災の担い手となる消防団員の確保に向けては、消防団活動に協力する事業所のマップを作成し、地域に貢献する事業所を広く周知することで、協力事業所を増やし、消防団員が活動しやすい機運の醸成につなげるとともに、大学の学園祭等で加入促進イベントを開催し、主に若い世代や女性を対象に消防団への加入促進を図ります。

次に、市民が安心して暮らせる環境づくりについては、地震などにより倒壊のおそれのあるブロック塀等の除却を進めるため、除却費用を助成する事業の対象範囲を、指定通学路に加え、子どもたちが通学に利用する通路まで拡大します。

また、老朽危険空き家の除却費用を助成する事業の対象を拡大し、放置すれば危険な状態となるおそれのある空き家も対象とします。

さらに、これまで分かれていた、空き家・空き地情報バンクへの登録窓口と老朽危険空き家などの相談窓口を一本化し、市民の利便性向上を図るとともに、空き家の更なる活用促進に注力します。

市民の安全・安心な暮らしのためには、自分たちの地域を自分たちで守ることや、安全・安心に対する市民の意識を高めることも重要です。

まず、市街地周辺で増加している有害鳥獣被害への対策については、ワイヤーメッシュ柵の設置費用の一部を補助する制度を創設し、自治会等による対策を支援することなどにより、引き続き、防護・棲み分け・捕獲の3対策を進めていきます。

地域の防犯活動については、自治会等が行う防犯カメラの設置に対して補助することで、地域の防犯力を高め、犯罪の未然防止につなげます。

また、犯罪被害にあわれた方やその家族、遺族を支えるため、長崎市犯罪被害者等支援条例を制定し、相談体制の整備や経済的支援など、被害者等に寄り添った取組みを進めます。

併せて、周知啓発を行うことで、地域社会が一体となって被害者等を支える意識の醸成を図ります。

市民の安全・安心につながる良好な道路ネットワークの形成については、国道34号新日見トンネルについて、整備が進められていた下り線トンネルが今年2月20日に開通し、3月末には4車線化が完了し、さらに、令和3年度には、長崎自動車道の長崎インターチェンジから長崎芒塚インターチェンジまでの4車線化も完了し、より安全で快適な移動が実現します。

また、南部地域の幹線道路となる長崎外環状線の新戸町から江川町間については、整備促進に向け、国や県などと連携した取組みを進めます。

次に、長崎南北幹線道路については、平和公園内の複数のスポーツ施設が道路整備の計画区域となることが想定されるため、これを契機として、平和公園のあり方やスポーツ施設の再配置などについて検討します。

また、西彼杵道路については、西彼杵道路計画検討委員会において、琴海地区を含む未整備区間について、概ねのルートやインターチェンジの位置、優先整備区間などが検討され、長崎県に対して検討委員会から提言がなされたところです。

この2つの道路は、国道206号とその周辺における慢性的な交通渋滞の緩和や、県北と県南地域の交流人口の拡大、ダブルネットワークの構築による安全・安心の確保などにつながる、非常に重要な道路であることから、今後も長崎県と連携し、早期事業化に向けてしっかりと取り組んでいきます。

次に、地域をつなぐ公共交通について、「まちをつなげるプロジェクト」では、持続可能な公共交通への転換を図っていくため、新たに専門の組織を設け、事業者や地域の方々と協議を行いながら、ネットワークの再構築に向けた取組みを具体化するための実施計画の策定や、路線の見直しなどを進めていきます。

また、高齢者などにやさしく、利用しやすい公共交通機関の整備に向けて、超低床式路面電車を導入する事業者への支援を行います。

さらに、路面電車の快適性などに優れたシステムへの転換、いわゆる「LRT化」に取り組む都市の代表者が全国にその活動を発信するとともに、一層の都市間連携の推進などを図る「LRT都市サミット」を長崎市で開催します。

次に、市街地のまちづくりについては、都市再生や定住人口増加につながる民間の取組みへの支援として、「長崎スタジアムシティプロジェクト」の着実な推進に向け、引き続き「長崎サッカースタジアム検討推進チーム」を中心に協議を進め、必要な支援を行っていきます。

併せて、スタジアムシティに隣接し、令和5年度末の機能停止を予定している中部下水処理場については、施設内にある「一般財団法人クリーンながさき」と動物管理センターを隣接する旧クリーンセンターへ移転することで、約2.3ヘクタールのまとまった土地を確保し、この土地の有効活用に向け、検討を進めていきます。

また、令和4年度に完成予定の新大工町地区市街地再開発事業や、現在検討が進められている浜町地区の市街地再開発などについても、その取組みを積極的に支援していきます。

まちの形が大きく変わろうとする今、より良い土地利用を推進するため、市内の貴重な平坦地に少しでも多くの店舗やオフィス、住宅などが立地できるよう、令和2年度において、用途地域の指定基準を抜本的に見直し、大規模な容積率緩和を行いましたが、引き続き都市計画の見直しなどを適宜行っていきます。

次に、「若者や子育て世帯が住みやすいまち」をめざす「住みよかプロジェクト」では、将来の市営住宅の建替えや大規模改修に向け入居者の募集を行っていない「政策空き家」において、定期借家制度を活用し、新規就労者や移住者に住まいを提供することで、住宅ストックの有効活用と移住・定住の促進につなげます。

また、「(仮称)住みよかプロジェクト協力認定制度」を創設し、若者・子育て世帯向けの住まいづくりに取り組む事業者等を認定することで、官民が連携した取組みを推進します。

さらに、市営住宅の機能を充実させるため、浴室など水回りの機能改善を行うとともに、対面キッチンなどを備えた子育て世帯が住みやすい住戸を整備します。

このほか、住まいづくりについては、更新時期を迎えた野母崎地区の市営住宅を、地域の担い手となる若い世代の受け皿にもなるよう、利便性の高い旧野母崎町立病院跡地に集約して整備します。

また、日見大曲・宿町団地などについては、建物の更新と集約を図るため、民間資金等を活用した建替えも視野に、地域の将来のまちづくりにつながるよう、地元と協議しながら検討を進めます。

さらに、民間賃貸住宅において、入居を敬遠されがちな一人暮らしの高齢者などを支援するため、不動産関係団体や居住支援を行う団体等と連携して、民間住宅への入居につなげる仕組みづくりを進めます。

次に、市民の大切なライフラインである上下水道事業については、人口減少などによる水需要の減少や施設の老朽化など、事業環境が厳しさを増す中で、将来にわたって安全な水の供給と下水道機能の維持に努める必要があります。このため、施設のダウンサイジングやスペックの適正化を推進し、老朽管の更新を計画的に行うとともに、基幹浄水場等の耐震化を進めます。

また、今年は水道創設から130周年、下水道供用開始から60周年を迎える節目の年です。水道資料室のリニューアルや人気アニメとタイアップしたデザインマンホールの設置などの記念事業を通じて、先人の知恵や工夫、情熱にふれ、これまで築いてきた安全で強靭な上下水道を次代へ引き継いでいくことを再確認します。

(8)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現

長崎市では、2025年には、65歳以上の高齢者人口がピークを迎える見込みであるなど、全国的に見ても早いペースで高齢化が進んでいるほか、若い世代の転出超過や少子化も進展しています。

少子化・高齢化や人口減少の進展は、社会保障負担の増加や、医療・保育・介護等の人材不足などを招き、子育て世帯や高齢者、障害者などの暮らしに大きな影響を及ぼすことが懸念されます。

このような変化が続く中でも、すべての人が安心して自分らしく暮らせるまちとするため、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援に取り組むとともに、子どもをまち全体で育てる仕組みや、高齢者の在宅生活を地域でサポートする仕組みを強化するなど、地域で支え合う仕組みづくりに取り組みます。

まず、「子育てしやすいまち」をめざす「こども元気プロジェクト」では、子どもたちが豊かな自然環境の中で、思いっきり遊びながら成長できるようにするため、「あぐりの丘」に整備する全天候型子ども遊戯施設の建設工事に着手し、令和4年度のオープンをめざします。

次に、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援については、結婚を望む方に対し、結婚に関する情報を提供するとともに、結婚に向けた行動を後押ししたり、その家族や職場がそれをサポートできるようにするためのセミナー等を開催するなど、結婚希望者を支援します。

子どもを望む夫婦を支援するため、高額な医療費がかかる特定不妊治療の助成について、所得制限の撤廃などの支給要件の緩和や助成金の拡充などを行い、治療にかかる経済的負担の軽減を図ります。

また、産後の心身の不調や育児不安を軽減するための産後ケア事業について、ショートステイやデイケアの利用期間を延長し、支援体制を強化します。

子育て中の孤立感や負担感の軽減を図るため、子育てに関する相談や交流などの場として設置している子育て支援センターについては、より気軽に利用できるよう利用料を無料にするとともに、令和3年度は新たに4区域に開設し、未設置区域の早期解消をめざします。

保育の充実については、保育所などの4月1日時点における待機児童数ゼロを継続するため、引き続き、適正な保育の「量」の確保に努めるとともに、保育所等における職場環境の改善を促すための講演会を開催するなど、市全体の保育の「質」の向上に努めます。

放課後児童クラブについては、経済的な理由でその利用ができないということが生じないよう、ひとり親世帯などの利用料について、夏休みなど長期休暇中の利用料を新たに減免対象に加え、子どもの安全・安心な居場所の確保につなげます。

次に、子どもやひとり親等の医療費助成については、市民の方が隣接する諫早市、西海市、時津町、長与町の医療機関を受診した場合でも、窓口で自己負担額のみを支払う制度へと見直し、利便性の向上を図ります。

また、骨髄移植等の医療行為を受けたことにより、予防接種で得た免疫が失われた方に対し、20歳未満までに再接種した費用を助成します。

定期予防接種である子宮頸がん予防ワクチンについては、対象者やその保護者が情報不足により接種の機会を逸しないよう、ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報の個別提供をはじめます。

子どもの貧困対策については、社会全体で取り組むべき課題であることから、貧困対策を総合的に推進するための計画の策定に向け、子どもや保護者の状況を把握する調査を実施します。

また、民間の自主的な取組みである子ども食堂の開設を応援するため、「子ども食堂開設応援アドバイザー」を派遣します。

次に、超高齢社会への対応としては、高齢者の在宅生活を支援するため、地域の支え合い活動の推進役として、介護予防や地域づくりなどの分野について、専門的な視点を持つ「生活支援コーディネーター」の配置により、高齢者の生活支援ニーズを把握し、そのニーズに対応する担い手を養成するなど、地域住民相互の支え合いの仕組みづくりを支援していきます。

また、認知症高齢者や知的・精神障害者の尊厳や権利を守るため、成年後見制度の普及啓発や相談窓口の周知を行うとともに、市民後見人の養成と市長申立て以外の専門職後見人への報酬助成制度を創設することで、担い手不足の解消を図り、成年後見制度の利用を促進します。

障害者支援については、自らの障害や疾病の経験を活かし、障害者の支援を行うピアサポーターとして、精神障害者を養成することで、その社会参加促進や福祉事業所等への雇用につなげる取組みを進めます。

さらに、障害者の自立と社会参加の促進を図るため、チャレンジド・ショップ「はあと屋」の新たな営業戦略として、オンライン販売を開始することにより、授産製品の販売促進と福祉的就労における工賃向上に努めます。

また、障害福祉センターにおいて、発達障害児などの診療待機期間を短縮するため、医師の増員を含めた診療体制の更なる強化について検討を進めるとともに、地域で療育に携わる児童発達支援センター等と連携し、発達障害児の早期の発見と療育に努めます。

次に、被爆者援護については、被爆から75年が過ぎ、介護を要する方が年々増加しています。令和3年度から介護保険利用時の助成対象サービスにグループホームが追加されますが、引き続き国に対し、被爆者に寄り添った援護施策の充実を要望します。

また、今なお被爆体験に起因する病気に苦しみ続けている被爆体験者のために、引き続き国に対し、被爆体験者の救済と支援事業の充実を要望します。

地域医療体制の維持については、医療資源が限られた地域において、救急医療体制が継続して確保されるよう、支援を充実させます。

このほか、血液疾患のある患者が利用する骨髄バンクのドナー登録者を増やし、骨髄等の提供を促進するため、骨髄等を提供することによる経済的負担を軽減する助成制度を創設します。

(9)創造的で豊かな心の育成

コロナ禍にあっても、子どもの教育や、心豊かな暮らしにつながる取組みは大切です。

未来を担う子どもたちが創造力豊かに成長できるよう、次代を見据えた教育の実現をめざし、「長崎市GIGAスクール構想」や長崎市版キャリア教育「長崎LOVERS育成プログラム」を推進します。

また、だれもが生涯を通じて心豊かに暮らしていけるよう、時代の変化に対応した、学びの場の創出や芸術文化・スポーツの振興に取り組みます。

今年10月には、長崎の新しい学習拠点として、長崎市恐竜博物館がオープンします。長崎市で発掘された希少な恐竜化石などを通じ、長崎を舞台に自然史を学ぶ場として、進化し続ける博物館をめざします。

まず、キャリア教育については、「長崎のまちを支える担い手を育てる」ことをめざす、長崎市版キャリア教育「長崎LOVERS育成プログラム」を引き続き推進します。子どもたちが「社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力」、「地球規模の視野で考え、地域の視点で行動するグローカルな視点」、「長崎のまちを愛する気持ちとそれを実行に移す力」の身に付けるべき3つの力を適切に高めることができるよう、引き続き子どもたちの発達段階に応じた取組みを進めます。

この取組みの一つとして、令和2年度からは、すべての小中学校、高等学校において、子どもたちが自身の学習の記録を蓄積していく「キャリア・パスポート」の活用を始めました。この取組みを高等学校まで継続することで、子どもたちが身に付けるべき3つの力を育んでいきます。

教育環境の整備については、次代を見据えた「長崎市GIGAスクール構想」の実現に向け、長崎市立の小中学校と商業高等学校において、すべての児童生徒が使用できるよう、1人1台のコンピュータと通信ネットワークの環境を整備するとともに、教育現場において、その円滑な活用を図るため、ICT支援員を配置します。

このような環境を活用したICT教育を通して、これからの時代を生きる子どもたちに必要となる「情報活用能力」の育成をめざすとともに、学習の理解度や適性に応じた学び方である「一人ひとりに合わせた学び」や、仲間と意見をやり取りしながら、お互いの考えを広げ深めて、新たな考えを生み出す「創造性を育む学び」の実現を図ります。

また、老朽化が進んでいる小中学校の建替えについては、引き続き、西浦上小学校や小島小学校、西町小学校において事業の進捗を図るとともに、新たに琴海中学校の建替えに向けた事前調査を実施します。

さらに、学校プールのあり方を検討するため、モデル事業として民間の施設等を活用したプール授業を実施し、各施設の受入体制や児童生徒の技能向上などの観点から、事業の有効性について検証を行います。

学校給食については、献立内容の充実や食物アレルギーへの対応、給食施設・設備の老朽化などの課題の解決を図るため、既存の学校給食施設を集約し、市内3箇所に学校給食センターを建設することとしています。

1箇所目は、北部の学校給食センターとして「豊洋台教育施設用地」に整備を進めており、令和4年1月の供用開始をめざします。

残り2箇所については、中部の学校給食センターを「川平小学校跡地」に、南部の学校給食センターを「香焼本村埋立地」に建設することとし、整備に向けた事業手法の検討を進めます。

次に、子どもから大人まで学び、楽しむことができる施設として、野母崎田の子地区に、恐竜に特化した博物館としては日本で3番目となる、長崎市恐竜博物館が開館します。

また、それにあわせて、軍艦島資料館や野母崎文化センター、水仙の丘などを含めた博物館周辺を一体的に整備し、長崎のもざき恐竜パークとしてリニューアルオープンします。新たにユニバーサルデザインに配慮した遊具などを備えたこども広場や、大型バス駐車場などを整備するとともに、豊かな自然や風景、歴史・文化といった、南部地域の魅力をあわせて発信することで、長崎半島地域全体の賑わいを創出します。

パークの核となる恐竜博物館の常設展示室では、世界最大級である全長13メートルのティラノサウルス・レックスのレプリカが来館者を出迎えます。

このレプリカは、姉妹都市であるオランダのライデン市の「ナチュラリス生物多様性センター」にある本物のティラノサウルスの全身骨格化石を基に再現され、同館との交流のシンボルとして、世界で唯一、ここで展示されることとなりました。

また、国内で初めて発見されたティラノサウルス科の大型種の歯の化石など、他ではみられない長崎市で発掘された恐竜化石などの展示をみながら、太古の長崎に思いを馳せ、生命の起源や生物の進化について学ぶことができます。

このほか、鳴き声やまばたきの動きまでリアルに再現した恐竜ロボットや、拡張現実(AR)により現在の野母崎の風景の中に恐竜が登場する映像など、最新技術を駆使した展示も見どころです。

今年の「子どもゆめ体験事業」では、ライデン市と市民友好都市であるドイツのヴュルツブルク市に子どもたちを派遣します。

長崎市恐竜博物館が開館する記念すべき年に、現地の人びととの交流を通じて、両市との友好交流を更に深めるとともに、文化・習慣を肌で感じてもらうことなどにより、国際感覚を持つ人材の育成を図ります。

開館20周年を迎える長崎ペンギン水族館については、記念セレモニーや限定イベントなどを通じて、これまでの歩みや水族館の魅力を改めて発信するとともに、今後とも市民に愛される水族館であり続けるため、専門家の意見を取り入れながら、将来的なリニューアルに向けた検討を開始します。

次に、芸術文化の振興については、新たな文化施設の整備に向け、文化振興審議会や市民ワークショップなどを開催し、幅広い意見をお聴きしながら、基本計画を策定しているところです。

市民の皆さんが利用しやすく、多様な演目の公演を楽しむことができる施設となるよう、引き続き策定に向けて取り組んでいきます。

また、チトセピアホールにおいて、開館30周年記念の音楽コンサートを開催するとともに、遠藤周作文学館においては、遠藤周作氏の没後25年を記念し、「遠藤周作と母」をテーマに企画展示を行います。

新型コロナウイルス感染症は、市民の芸術文化活動にも大きな影響を及ぼしています。

そこで、新しい生活様式を取り入れた形で音楽コンサートなどを行う「長崎文化時間の創出事業」を引き続き実施し、市民文化団体や市民演奏家の芸術文化活動を応援するとともに、この活動を市民に鑑賞、体験していただくことで、心豊かな生活を取り戻すきっかけづくりに取り組みます。

また、若者の芸術文化活動を応援し、この先も芸術文化活動を続ける市民が増えるよう、全国大会等へ出場する小中学生と高校生を対象とした奨励事業を創設します。

次に、スポーツの振興については、スポーツに関わる施策の総合的で計画的な推進を図る「長崎市スポーツ推進計画」が令和3年度に終期を迎えることから、新しい競技スポーツへの関心の高まりなど、社会環境の変化に対応した新たな計画を策定します。

また、プロスポーツ応援事業として、昨シーズン、あと一歩のところでJ1昇格を果たせなかったV・ファーレン長崎を引き続き応援するとともに、プロバスケットボールリーグへの参入をめざす長崎ヴェルカを応援することにより、市民がスポーツを楽しむ機会をつくります。

(10)多様な主体による地域経営

少子化や高齢化などの社会状況が変化する中でも、暮らしやすいまちを維持していくためには、地域の力を高めることが重要です。

また、近年、多様化・複雑化する地域課題の解決に向けては、多様な主体と連携し、ICTなどの新しい技術やアイデアも取り入れていく必要があります。

そのため、地域課題を地域で解決する仕組みづくりを進めるとともに、あらゆる主体と手を取り合い、信頼関係を築くことで、連携を強化していきます。

このような取組みを着実に進めることで、時代の変化に柔軟に対応できる、自律的でしなやかな強さをもつ都市をめざしていきます。

まず、地域の皆さんが話し合って、必要なことを「地域で決めて、地域で実行する」ために、地域で活動する団体同士が連携し、課題解決や活性化に取り組む、地域コミュニティ連絡協議会の設立・運営を引き続き支援します。

また、地域のつながりを更に深め、様々な主体がそれぞれの役割を果たしながら、安定的で持続可能なまちづくりを進められるよう、その取組みの方向性などを示す、長崎市地域まちづくり計画「みんなで、す~で!ながさき虹色プロジェクト」を令和2年度中に策定します。今後は、この計画に沿って、地域のまちづくりを未来へしっかりとつなげていけるよう、地域の皆さんと一緒になって取り組みます。

市民がまちづくりの主役となるためには、まちづくりを担う人材の育成にも取り組む必要があります。

このため、市民活動団体と協働し、自分たちのまちは自分たちでよくするという「長崎市よかまちづくり基本条例」の理念を広く市民へ周知し、市民活動を身近に感じてもらうことで、まちづくりの担い手として行動するきっかけづくりを行います。

また、まちづくりに必要な様々なノウハウを学ぶことができる「まちづくり学校」を開校し、各種講座や研修の情報を発信します。

次に、多様な主体との連携については、情報通信関連事業者、金融機関、大学の7者間で締結した「長崎市における地域活性化・地域課題解決に関する産学官金連携協定」に基づき、それぞれが持つ強みを活かしつつ、地場企業や誘致企業をはじめとした様々な主体の参画を得ながら、種々の取組みを推進していきます。

また、経済・生活圏をともにする長与町、時津町と、令和2年度中に策定する「第2期長崎広域連携中枢都市圏ビジョン」に基づき、それぞれの地域資源を相互に活用するなど、引き続き広域連携に取り組みます。

さらに、市民の皆さんの長崎への愛着を深めてもらうとともに、応援してくれるかたや長崎を訪れるかたを増やすため、広報戦略に基づき、市民のくらしを便利で豊かにする情報を発信する「くらしプロモーション」と、長崎市のまちの進化や魅力などを市の内外に発信する「シティプロモーション」を実施します。

そのために、生活者目線や利用者目線に立ってわかりやすく編集した情報を、プロモーション用ホームページやLINEなどの新たな媒体を通じて効果的に発信します。

様々なかたに未来の長崎のまちをイメージし、期待感を持っていただけるよう、SNS広告や街頭ビジョンなども活用し、「長崎MIRAISM」を旗印とするプロモーションを展開します。

また、長崎市が伝えたいテーマについて、印象に残る分かりやすいメッセージを発信するため、若い世代の感性に響くものとなるよう、大学生とともに動画を制作し、街頭ビジョンやSNSなどで幅広く発信します。

次に、行財政運営については、市税等について、コロナ禍による影響を考慮しつつ、収入率の向上を図るとともに、今年2月からスマートフォンによる決済を可能とするなど、納付手法の多様化を更に進めます。

コロナ禍により、様々な分野におけるデジタル化の遅れが顕在化したことで、オンライン手続きやテレワークの導入など、デジタル化の流れが全国的に加速しています。

長崎市役所においても、AIやRPAを活用した業務の効率化や、電子決裁によるペーパーレス化、ビジネスチャットによる迅速な情報共有などを進め、事務の効率化を図り、人でなければ行うことができない市民サービスなどの業務に充てられる時間を増やし、行政サービスの更なる向上に努めます。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止や働き方改革の一環として、在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークが実施できる機器を導入します。

さらに、地域間の情報格差をなくし、Society5.0の実現に向けた基盤を整備するため、令和4年4月から市内全域で超高速インターネットサービスが利用できるよう、引き続き光回線の整備を進めていきます。

時代の変化に遅れをとることなく、都市全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)と、市役所のデジタル化を推進するため、「情報政策推進室」を設置します。

併せて、デジタル化に関する専門的知識を持つ外部の方からアドバイスや支援をいただきながら、次世代に向けたデジタル化の指針となる「(仮称)長崎市DX推進計画」を策定し、Society5.0の実現に向けた取組みを加速させていきます。

さらに、令和5年1月の開庁に向けて建設工事が進む新しい市庁舎においては、ICTを活用した取組みが推進できる基盤を整えることで、ハード、ソフト両面で全国トップレベルの市役所となるよう取り組んでいきます。

以上、申し述べました方針に基づいて編成した令和3年度予算は、

一般会計 2,243億8,000万円

特別会計 1,136億 766万2千円

企業会計 391億1,648万5千円

合 計 3,771億 414万7千円

となっています。

4 おわりに

令和3年度からのスタートを予定していた「長崎市第五次総合計画」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、開始時期を1年延期し、現在、様々な分野の皆さまのご意見を頂きながら策定作業を進めています。

第五次総合計画の策定作業は、過去を振り返り、現在地を確かめた上で、時代の流れを捉えて未来を描いていく作業です。

今、私たちが時代の流れを捉えようとする時、特に求められる視点として、意識しておくべきいくつかのキーワードがあります。

その一つは「生活の質(QOL)」です。第四次総合計画の10年の間、災害の多発やコロナ禍の中で、私たちは物の豊かさだけでなく、心と体も含めた人間本来の豊かさについて考えるようになりました。

「多様性(ダイバーシティ)」も大切なキーワードです。一人ひとりが大切にされ、誰もが安心して生きることができる社会をつくるために重要だからです。

急速に進化しつつある「科学技術(テクノロジー)」も大事なキーワードです。科学技術の発展そのものよりも、それを何のために使うのか、が問われています。

SDGsという言葉の中にも示されている「持続可能性(サステナビリティ)」も世界が共有するキーワードです。今の時代だけがよければいいのではなく、未来の人たちのことを考える必要があります。

そして最後のキーワードは「レジリエンス」です。コロナ禍の中で注目されたこの言葉は、これからも起きるであろう様々な変化や出来事に対応するときに必要な「しなやかな強さ」を意味します。

本議会に提案させていただいた新しい基本構想の案には、これらのキーワードを意識した「めざす2030年の姿」が描かれています。

私たちのまち長崎は、長い歴史の中で、これらのキーワードの大切さを既に経験してきました。科学の力によって生まれた原爆の惨禍から力を合わせて復興し、未来の人が同じ経験をすることがないようにと、世界の人びととともに核兵器廃絶を呼びかけ続ける長崎市民のあり方には、これらのキーワードすべてが含まれています。

今年は開港450周年。第五次総合計画という新しい海図をつくり、未来という新しい海への航海に出発しようとする大事な時期にあたり、改めて先人の知恵に学び、感謝し、新しいビジョンをつくりあげ、議会、市民の皆さんと共有する1年にしたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の1日も早い収束を願うとともに、市民の皆様並びに議員各位の大いなるご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、令和3年度の施政方針といたします。

お問い合わせ先

企画財政部 都市経営室 

電話番号:095-829-1111

ファックス番号:095-829-1112

住所:〒850-8685 長崎市桜町2-22(本館4階)

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