皆さんは観光名所を訪れた時、当然写真を撮りますよね。
『シャッターチャンス@長崎』では、「長崎の観光名所はこの角度で撮るのがベスト!」という「ベストポジション」をご紹介しています。
また、長崎の街は数々の映画の舞台にもなっています。「あの映画のあのシーンはここで撮影された」という場所を見つけ、時にはその現場の「ベストポジション」もご紹介。
長崎の旅の記念になる最高の一枚を撮るためにぜひぜひお役立てください。

第2回目は、鎖国時代に日本唯一の窓口であった出島・和蘭商館跡です。

さて、皆さんの頭の中にある「出島」のイメージはどんなものですか?
おそらくそれは「海に浮かぶ扇形の島」というものではないでしょうか?
残念ながら出島周辺は明治以降に埋め立てが進み、明治37年の第2期港湾改良工事によってその原形を失ってしまいました。
これまで、その扇形の島が残っていると思い訪れる観光客の方も多かったようですが、出島・和蘭商館跡には「ミニ出島」と呼ばれる模型しかなく、多くの方々をがっかりさせていました。
大正11年に国の史跡に指定された出島は、日本だけではなく世界においても貴重な歴史的遺産。ということで国内外の多くの人々の期待に応え、長崎市は平成8年度から復元工事を進めています。最終的には出島の四方に水面を確保した扇形の島が誕生する計画ですが、現在はまだ途中段階。以前出島にあった建造物の復元と共に、当時の生活や貿易の様子を紹介する展示がなされています。
しかしながら、当然、周辺には近代的なビルなどが立ち並んでいますし、何より工事中の光景は風情もあったものじゃありません。
そこで今回は工事中の出島を感じさせず、なおかつ出島らしいという、とっておきのポイントをご紹介しましょう。


まずは、大波止電停サイドからの道筋です。
右手のヘトル部屋、左手の一番船船頭部屋など復元工事を終えた建造物が並んでいるので写真に撮ると雰囲気があるでしょう?



そして現在は出島史料館本館として利用されている旧出島神学校の前です。
明治10年(1877)にキリスト教新教の神学校として建設された水色の建物がとてもきれいでしょ?



また、この旧出島神学校の脇にそびえる「デジマノキ」の木陰に立ち、休憩所として利用されている旧内外クラブをバックにパチリというのはどうでしょう?
ちなみに「デジマノキ」とは、ジャワなど東南アジアに自生するナンヨウスギ科の木で、日本で唯一出島にしかないものです。



中島川に沿う白壁は鎖国当時の情景を色濃く残すポイント。鉄製のトラスト橋『出島橋』上からはこんな風景が広がります。しかし、この橋は狭いうえに車が通るので、充分気をつけてください。



日没から22時までは出島白壁ほか、新石倉、出島表門、旧出島神学校、そして出島橋がライトアップされます。白壁を眺める位置にはベンチがあるので、そこで闇に浮かび上がる出島を眺めるというのもいいと思いますよ。




出島白壁のライトアップ


現在は復元工事中で、なかなか風情が感じられない出島・和蘭商館跡ですが、ぜひ、既存建物の前でパチリと一枚、素敵な写真を撮って旅の記念にしてください。


出島(和蘭商館跡)/寛永13年(1636)、キリスト教の布教活動を禁止する目的で人工島を築き、来航したポルトガル人を居住させたのが出島の始まり。その後、寛永18年(1641)に平戸のオランダ商館が移転。以来、安政の開国まで約220年間、日本とヨーロッパを結ぶ経済・文化の交流が行われる日本唯一の窓口として大きな役割を果たした。



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