TEL095(818)4247 松が枝町7-15

開館  9:30〜17:30(7/1〜8/31は〜18:30)
入館料  無料
休館  月曜日(月曜祝日の場合はその翌日)、12月30日〜1月1日
駐車場  なし(周辺駐車場を利用)

公式HP  http://www.nagasakips.com


●JR長崎駅からのアクセス
路面電車/長崎駅前電停から正覚寺下行きに乗車し、築町電停でのりつぎ券をもらい下車。石橋行きにのりつぎ大浦海岸通電停で下車。徒歩2分。
長崎バス/長崎駅前東口バス停から田上、大平橋行きに乗車し、大浦天主堂下バス停で下車。徒歩4分。または長崎駅前南口バス停から深掘、樺島、ダイヤランド、脇岬行きなど(30番、40番系統)に乗車し、グラバー園入口で下車。徒歩すぐ。
車/長崎駅前から約8分。



長崎から世界へ発信する平和の玄関口
平和の象徴!モニュメント的ミュージアム


平成7年(1995)、「長崎に平和発信ミュージアムを作ろう!」。長崎出身のさだまさし氏の呼びかけにより発足したナガサキピーススフィア貝の火運動。
スフィアとは“球体”のことで、つまりピーススフィアは“平和な地球”。
貝の火とは宮沢賢治の作品で、動物の王様の印「貝の火」を神から授かった善良なウサギが、周囲にそそのかされて、次第に増長し、たった6日でその火が消えてしまうという物語『貝の火』から用いた言葉だ。
彼が考える“平和”とは、『誰もが仲良く暮らすこと』であり、そんな身近でわかりやすい“平和”を表現する方法として、長崎発の平和発信基地を形にすることだった。
そして、ナガサキピーススフィア貝の火運動発足以来、全国に約150名のボランティアが生まれ、パネル展、広報活動などを実施。同時に「貝の火運動」と名付けられた募金運動によって、長崎から世界へ発信する平和発信基地が形になるときがきた。平成15年4月、ついにナガサキピースミュージアムがオープンしたのだ。
このミュージアムの役割は、運動の拠点及び平和情報を発信する場。そしてこれを維持していくために、ナガサキピーススフィア貝の火運動は2002年3月、長崎県からNPO(特定非営利活動法人)としての認可を受け、新体制のもとスタートさせた。
地球から引き継いだ大切な命の火を決して消してしまわないように……誰もが願っている“平和な地球”を実現するために……。開館以来、長崎から世界へ愛を広げる活動、平和発信を続けるナガサキピースミュージアムへ……探検隊いざ潜入!




人間らしく生きていけることの
大切さを発信!コンセプトは“ピース”


名誉館長は、グラフィックデザイナーとして、シンボルマーク・パッケージデザイン等の仕事を手がける一方、日本の心“ふる里”をテーマに国内外で創作活動を続ける画家・原田泰治氏。
長崎から平和を発信するというと、どうしても“最後の被爆地に”的な枠にとどまりがちだ。しかし、このナガサキピースミュージアムにおいては平和の捉え方に関する間口はとても広い。人権、差別、環境、文化。私達の身の回りには不安定な問題が山積みなのだ。そこで、世界の現状を伝えつつも「戦史」を中心にすえるのでなく、美しい自然や子ども達の笑顔を通して、平和の尊さを感じてもらおうというのがコンセプトだ。悲惨な写真を見て、「戦争ってイケナイ」からはじめるのでなく、自然や子ども達の笑顔から「平和っていいよね」と暖かい心で一歩が踏み出せるような働きかけを! いわば21世紀平和文化型ミュージアムといえる。
“平和の玄関口”として、ここでは様々な活動が行われている。まずは現在戦渦にある世界の国々をパネルで紹介、平和情報の提供、NPO、NGOとのネットワークづくり、平和学習の場、長崎情報の発信、そして、国内外に広く公募した企画展、コンサート会場としての役割だ。また、ピーススフィアでは、年間をとおして、長崎、東京など全国各地で運動のためのチャリティコンサートを開催 、あわせてオリジナルグッズの通信販売も行って、ミュージアムの運営資金を捻出している。




おすすめチェックポイントベスト5


1.誰でも参加できる“身近な平和”が基本テーマ

平和の素晴らしさを身近に感じられること。これを展示の基本としているため、一般の人が写真展や絵画展を開くことも可能だということが何よりの魅力だろう。展示期間のベースは約3週間。開館からこれまで、様々な企画展示が行われてきたし、今後のスケジュールもいっぱいなのだという。
※今後の詳しい企画内容に関しては公式ホームページを参照

2003年12月に行われたイベントには『ホセイン・ゴルバ 平和の小道展』というものがあった。これは現代美術家ホセイン・ゴルバ氏(1956年イラン生。現在イタリア・ミラノ在)が呼びかけたアート“足跡プロジェクト”で、世界の子ども達の足跡が付けられた素焼きの陶板で、多文化の「道」をつくり、世界の町を彩ろうというもの。長崎市ではこれを2003年9月27日、平和公園(爆心地公園)で実施。2歳から12歳の子ども達40人の足跡を粘土板に採取し、その後、陶板は、大村市の社会福祉法人「三彩の里」で乾燥・焼成され12月15日、ナガサキピースミュージアムに設置された。






2.劇的空間を実現!建築的にも“平和”をアピール

建物に関する第一印象は、とにかく小さい! というものだろう。建物デザインを担当した古市徹雄氏は、西海パールシーを手掛けた建築家としても知られ、ヨーロッパ・中近東・アフリカなど世界各地で活躍している。
敷地が十分でないため、来場者は門からアプローチに入るまでジグザクした長い距離を通ることになるが、これは、建物に着くときには、精神が清められ、高揚されたものになるように、古市氏が設計したものだ。






3.ライトアップされた夜の表情にも注目!


昼間とは違う表情を見せる夜間のライトアップにも注目。照明デザインを手掛けるのは、日本の照明デザイナーの先駆者として世界各地で活躍する石井幹子氏。東京タワー、明石海峡大橋、姫路城、大浦天主堂、長崎ハウステンボスなど、光による空間プロデュースの魅力を日本に定着させたスペシャリストだ。
石井氏は人々の熱意が込められたこの建物が夜の闇に包まれたとき、その熱意を光で表現したいという考えをもって、デザインに取り組まれた。
ルビー色の赤い光は、貝の火運動に参加された方々の熱い気持ち、サファイヤ色の緑の光は、ここを訪れる大勢の人々の平和を心から願う希望を表わしているのだという。光によって人々の気持ちが繋がり、より大きな活動を生み出す、その効果は訪れてみると実感できるものだろう。夜は入館できないが、ぜひ、
光に包まれた夜の表情も見にでかけてみよう。





4.とってもかわいいモニュメント前でパチリ!

ミュージアムと並んで建てられたのが、五線譜をモチーフとした平和のモニュメント「宙(そら)へ」。制作は世界を代表するグラフィックデザイナーで、「トリックアート」の世界的第一人者である福田繁雄氏だ。
高さ9m。世界平和を長崎から発信するという心の唄を五線譜に託したというモニュメントだが、音符はあくまでもデザインということなので、演奏しても音楽は奏でられないことをご了解ください。
それにしても、天めがけてまっすぐに伸びたフォルムは希望に満ちていてとっても画になる風景! ぜひ記念撮影をおすすめしたい。





5.出迎えてくれるスタッフの方とも交流しよう!

ミュージアムの運営に参加しているのは、長崎県内外のボランティアの人達。少しの時間でも参加できる人が出向き、受付ほか様々な業務に取り組んでいるのだという。
企画展について、長崎について、平和について、ボランティアの方々と市民レベルの様々な話ができるのも魅力だ。ボランティアに参加する人は常時募集している(交通費実費を支給)。



海側の扉は開閉方式で、晴れた日には常時開放されている。開扉すると室内とモニュメントが一体化して、約100名収容のイベント空間が出現。光と影を劇的に使うことで、平和について考える空間の演出が施されたデザインとなっている。ここを訪れると、身近にあふれている平和に気付かされ“大切にしたいもの、しなければいけないもの”が自然と見えてくるような気がしてくる。そんなナガサキピースミュージアムへ、できれば企画展ごとに何度も訪れ、じっくりと平和について考える時間を過ごしてみよう。




【もどる】