(鳥居の一番下まで来て)
〈標準語〉
ここが、神社の入り口なのね。
初めて来たけれど
赤い鳥居がたくさん並んで、なんてきれいなの!
さっそく、上りましょう。
〈長崎弁&英語〉
ここが、神社の入り口たいね。
(Here is the entrance of the Shinto shrine)
初めて来たばってん
赤っか鳥居のよけしこ並んで、えろうきれかねえ!
(This is my first time here.
There are a lot of red toriis. It's wonderful!)
さあて、上りましょうだい。
(OK, here head up.)
(途中まで上って)
〈標準語〉
はあ……はあ(よろめきながら)この階段はまだ続くのかしら?
じつは今日は、遅くまで残業して、お腹が空いてるのよ。
上のほうから、お囃子も聞こえてくるし
そんなに焦らなくても、大丈夫みたいだわ。
ちょっとひと休みして、パンでも食べようかな。
〈長崎弁&英語〉
はあ……はあ(ちんごよんごしながら)こん階段はまだ続くとやろうか?
(Wheeze...wheeze(tottering), How far do these steps go on?)
じつは今日は、へぐらして、ひだるかと。
(Actually I worked over time today, so I'm pretty hungry.)
上んほうから、お囃子も聞こえてくっし
そがんあせがらんちゃ、よかごたるばい。
(I can hear festival music from above,
so I guess it's OK if we don't rush it.)
ちょいとひと休みして、パンどん食ぶうかな。
(I will take a break and eat some bread.)
(パンを食べ終わって)
〈標準語〉
モグモグモグ……ふう、ああ美味しかった。
さてと、出発しましょう。
……あらっ! お囃子が終わった?
なんだか、上から人が、ゾロゾロ下りてきているけど。
あらまあ、なんてことかしら!
竹ン芸が終わってしまった。わたしは遅すぎたんだわ!
〈長崎弁&英語〉
モグモグモグ……ふう、ああ、んまかった。
さあて、行きましょうだい。
(Munch...munch, ahh, that tasted good!
So, Let's go!)
……あらっ! お囃子の終わった?
なんか、上から人の、ゾロゾロ下りてきよるばってん。
(...Oh no! Has the festival music stopped?
Many people are coming down from above.)
あいやー、こらまたどうじゃろ!
竹ン芸の終わってしもた。うちは遅すぎたばい!
(Oh no! TAKENGEI has just finished. I'm too late!)
<ワンポイント>
【竹ン芸】
若宮稲荷神社の秋の祭りに、奉納される行事。
高さ10mほどの、2本の青竹の上で
狐の面をつけたふたりの若者により曲芸が行なわれる。
起源は、中国伝来の羅漢踊りで
文政3(1820)年の、長崎くんちのとき
八百屋町が諏訪神社に奉納したのが、はじまりといわれ
市の無形民俗文化財にも、指定されている。
【ちんごよんご】
よたよたとふらつくこと。
例/「若旦那さんの、ちんごよんごしながら帰ってきたばい」
(「若旦那さんが、ふらふらしながら帰ってきたわ」)
【へぐら】
残業。夜遅くまで仕事をすること。
【ひだるか】
空腹なこと。
【んまか】
美味い。「う」を「ん」と発音するのがポイント。
【こらまたどうじゃろ】
これは驚いた。これはまたどうでしょう。なんてことでしょう。
例/「こらまたどうじゃろ、こんパンのぼっくいんまか!」
(「これは驚いた、このパンめちゃくちゃ美味いぞ!」)
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