〈標準語〉
うわあ、たくさんの帆船が港に入ってるなあ!
海とか船とか見ていたら、なにか、デッカイことをしたくなるなあ。
〈長崎弁&英語〉
あいやー、よけしこ帆船(ふね)ん入っとんなあ!
(Oh, many tall ships are in port!)
海とか船とか見よったら、なんか、ふっとかことばしとうなるばい。
(When I look at ships and the sea I want to do something great.)
〈標準語〉
たとえば坂本龍馬みたいに、船に乗って日本を変えるとか
それとも、三菱を創設した岩崎弥太郎みたいに、商売で偉くなるとか
〈長崎弁&英語〉
たとえば坂本龍馬んごと、船ん乗って日本ば変えるとか
(For example, to change Japan through trading by ships like Sakamoto Ryoma,)
そいとも、みつぶしば作った岩崎弥太郎んごと、商売でえろなるとか
(or to become great in business like Iwasaki Yataro who founded Mitsubisi.)
〈標準語〉
うう……だけど、船に乗る想像をしてただけで、吐き気がしてきた。
忘れてた。おれって、船酔いするたちだったんだ。
〈長崎弁&英語〉
うう……ばってん、船に乗る想像ばしよっただけで、むっ気んきた。
(Oh my god, but I feel sick just thinking about getting a ship.)
忘れとった。おい、船酔いするたちやったとばい。
(I remember now that I am a bad sailor.)
<ワンポイント>
【船ん入っとる】
豪華客船やその他の船が、港に入っているとき
長崎の人間は、とりあえずこう言う。
例/「外人さんのよけしこおるて思うたら、船ん入っとっとたい」
(「外国人がたくさんいると思ったら、客船が入港してるのね」)
【みつぶし】
正しくは「三菱(みつびし)」。
多くの年配の人が、こんなふうになまって呼んでいるようです。
例/「あそこん旦那さんは、みつぶしげなよ」
(「あそこの旦那さんは、三菱に勤めているそうよ」)
【えろなる(えろうなる)】
偉くなる。立派になる。
例/「あんなんは外国に行って、えろなって帰ってきなった」
(「あの人は外国に行って、偉くなって帰ってきた」
【むっ気(け)】
吐き気。「吐き気がする」は「むっ気んくっ」となる。
※ちなみに「船酔いするたち」は、英語で「a bad sailor」だそうです。
わるい船乗りだなんて、おもしろいですね。
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