〈標準語〉
若者 「お手をわずらわせてすみません。
あとは、ここを掃いたら終わりですんで」
婦人 「ああ、ゴミの袋は、結んでおくだけでいいわよ
。
わたしが片付けておいて、ゴミの日に出してあげるから」
若者 「何もかも、申しわけないです」
〈長崎弁&英語〉
若者 「お手ばわずらわせてすんません。
あとは、ここば掃わいたら終わりですんで」
(YOUNG MAN : Thank you for your time.
I'll finish up after I've swept here.)
婦人 「ああ、ゴミの袋は、きびっておくだけでよかけん。
うちがなおしとって、ゴミん日に出してやっけん」
(WOMAN : Oh, you should just tie up the trash bag.
Then I'll keep it and take it out on the next trash day.)
若者 「なんでんかんでん、申しわけなかです」
(YOUNG MAN : Thank you for everything.)
〈標準語〉
婦人 「いいのいいの。
あなただって、うちの網戸を直してくれたでしょう」
若者 「おばちゃんも、焼き魚とか、魚の煮付けとか
お刺身とか、よくくれたじゃないですか。
いいお隣さんで、本当によかったなあ
。
こんないいお隣さんなんて、滅多にないよ」
〈長崎弁&英語〉
婦人 「よかとよかと。
おうちだって、うちん網戸ば直してくれたたい」
(WOMAN : Don't mention it. You fixed my screen door.)
若者 「おばちゃんも、焼きアゴとか、アラカブん煮付けとか
キビナゴん刺身とか、ようくれたじゃなかですか。
よかお隣さんで、本当によかったばい。
こがんよかお隣さんちゅうたら、えっとなかばい」
(YOUNG MAN : You gave me grilled fish,
boiled fish and sashimi, too.
I'm so happy I have had such a good neighbor.
Such good neighbor are hard to find.)
〈標準語〉
婦人 「こちらこそ、会えてよかったわ。
本当に、いなくなると寂しくなるわねえ…(涙にむせぶ)」
若者 「ああ、おばちゃん、そんなに泣かないで下さい。
だってぼく、100メートル先に引っ越すだけなんですから!」
〈長崎弁&英語〉
婦人 「こちらこそ、会えてよかったばい。
本当に、おらんごとなったら寂しかねえ…(涙にむせぶ)」
(WOMAN : Yes, I am glad I met you,too.
I'll miss you when you move...(She is choked with tears))
若者 「ああ、おばちゃん、そがん泣かんどって下さい。
だっておい、100メートル先に引っ越すだけやっけん!」
(YOUNG MAN : Please don't cry.
I'm only moving 100m away!
<ワンポイント>
【掃わく】
掃く。
「どんなに気取っていてもうっかり使ってしまう長崎弁ベスト10」
を決めるとしたら、必ずランクインと思われる言葉。
皆さん、気をつけましょう。
【きびる】
結ぶ。
「どんなに気取っていてもうっかり使ってしまう長崎弁ベスト10」
を決めるとしたら、必ずランクインと思われる言葉。
皆さん、気をつけましょう。
【なおす】
片付ける。
「どんなに気取っていてもうっかり使ってしまう長崎弁ベスト10」
を決めるとしたら、必ずランクインと思われる言葉。
皆さん、くれぐれも気をつけましょう。
【なんでんかんでん】
なにもかも、なんでもかんでも。
【アゴ】
トビウオのこと。
由来は「アゴがはずれるほど旨い」からだとか
ホントビウオの学名が“Cypselurus agoo agoo”
だからなど、諸説あるらしい。
【アラカブ】
カサゴのこと。ブサイクな魚だが
刺身、煮付けや味噌汁など、何にしても旨い。
【キビナ】
キビナゴのこと。
都会などでは、どうやら高級魚扱いらしいのだが
地元では、これの手開き刺身が
ふつうに晩ごはんのおかずで出たりする。
【えっとなか】
滅多にない。ざらにはない。
例/「そがん英語ばしゃべる機会も、えっとなかもん」
「そんなに英語をしゃべる機会も、滅多にないわよ」
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