古くから海外に開かれてきた長崎。
長崎弁と英語を一緒にマスターして
真の国際人を目指しましょう!
前回の彼、どうやら失恋したようです。


〈標準語〉
ああ……なんだか、寂しくてつまんないなあ。
この夏は、ものすごく楽しかった。
花火だろ、海水浴だろ、それとキャンプだろ、その他いろいろ。

だけどいまは、おれは孤独さ。
彼女の愛を、なくしてしまった。

〈長崎弁&英語〉
ああ……とぜんなかなあ。
(Ahh......I'm so lonely and bored.)

こん夏は、いっじ楽しかった。
(I really enjoyed this summer.)

花火やろ、海水浴やろ、そいとキャンプやろ、その他いろいろ。
(Fireworks, sea bathing, and camping, etc.)

ばってん今は、おいは孤独ばい。
(But now, I'm so lonely.)


彼女ん愛ば、うしのうてしもうた。
(I've lost her love.)



〈標準語〉
おれの何が悪かったのか、まったくわからない。
だけど、彼女は言ったんだ。
「これ以上、わたしにつきまとわないで。あなたなんか大っきらい」
それを言われたら、どうしようもないもんなあ。
失恋で、おれのハートは、壊れてしまったさ。

あぁもう、泣きたい。海に向かって叫びたい。
ちくしょう、やけくそで叫んでやるぞ。

「お願いだから戻ってきてくれ〜!」

〈長崎弁&英語〉
おいのどこが悪かったとか、いっちょんわからん。
(I don't know what is wrong with me.)

ばってん、彼女言うたもんなあ。
(But she said,)

「これ以上、うちにうてあわんで。あんたんごたっといっちょん好かん」
(“Don't hang around me any more. I hate you.”)

そがん言われたら、どげんもこげんもならんもん。
(So I couldn't do anything.)

失恋で、おいのハートは、うっくえてしもうた。
(I was brokenhearted.)

あーもー、泣きたか。海に向かっておめきたか。
(Oh, I want to cry. I want to cry out over the sea.)


えーくそ、やけくそでおめいてやるけんな。
(Damn! I'll cry out in desperation.)


「お願いやっけん戻ってきてくれろ〜!」
(“Please baby, come baaaack!”)



<ワンポイント>

【とぜんなか】
することもなくヒマで退屈で寂しいようす。

【うしのうて】
「無くして」の意。「うしなう」の変形。
標準語の「失う」より気軽な、日常的な使いかたをすることも多い。
例/「へーさ、さっき切符ばうしのうてさ、往生したとよ」
  (「そうなのよ、さっき切符を無くしちゃって、困ったのよ」)

【うてあう】
相手にする。
例/「もううてあわんちゃよか、あんがんと」
  (「もう相手にしなくていいよ、あんなヤツ」)

【いっちょん好かん】
「全然、好きじゃない」の意。
このセリフを言われると、長崎の人間はもう立ち直れなくなる。

【どがんもこがんもならん】
どうにもこうにもならない。どうしようもない。

【うっくえる】
壊れる。
例/「どがんもこがんもならん、こんパソコンうっくえたばい」
  (「どうしようもないよ、このパソコン壊れちゃったよ」




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