〈標準語〉
暑いなあ、ずいぶん長いこと待ってるよ。
花火も、楽しみなんだけど
じつをいうと、おれにはもうひとつ計画があるんだ。
おれの隣にいるこの彼女に、愛を告白するつもりなんだ。
まるで、この夜空に咲く花火のように。
だって、いくじなしなんて、いわれたくないからな。
〈長崎弁&英語〉
暑かー、えろう待ちなんかなあ。
(It's hot. I've waited for a long time.)
花火も、待ちなんかばってん
じつばいうたら、おいにはまいっちょ計画のあっと。
(I'm looking forward the fireworks,
but in fact, I also have another plan.)
おいの隣におるこん彼女に、愛ば告白するつもりばい。
まるで、こん夜空に咲く花火んごと。
(I'm going to tell the girl who is next to me I love her.
Like the fireworks in the night sky.)
だって、ひょたくれて、いわれとうなかけんな。
(Because I don't want to be called a coward.)
〈標準語〉
花火の音 「ヒュルルルル…ドドーン!」
よーし、やってやるぞ!
おれは… 「ドドーン!」
おまえを… 「ドドーン!」
ちょー… 「ドドーン!」
愛してるーーーッ! 「ドドーーーン!」
〈長崎弁&英語〉
花火の音 「ヒュルルルル…ドドーン!」
(Sounds of the fireworks“Booom...BANG!”)
よーし、すっけんなー!
(Well, I'll give it a shot!)
おいは… 「ドドーン!」
(I... “BAANG!”)
わいば… 「ドドーン!」
(Love... “BAANG!”)
いっじ… 「ドドーン!」
(You... “BAANG!”)
好いとーーーッ! 「ドドーーーン!」
(So muuuch! “BAAANG!”)
<ワンポイント>
【待ちなんか】
「待ち時間が長くてうんざり」というのと
「待ち遠しい」「楽しみにしている」という
わくわくした意味との、ふたつを使いわけできる。
【まいっちょ】
もうひとつ。
例/「あんさ、まいっちょまからん?」
(「あのさ、もうひとつ、まけてくれない?」)
【ひょたくれ】
根性なし。いくじなし。情けない人。おもに男性に対して用いる。
例/「トイレにもひとりで行けんて、こん、ひょたくれが」
(「トイレにもひとりで行けないなんて、情けない人」)
【いっじ】
「すごく」の意。おもに若年層が使う「いじで」の強調形。
いわゆる標準語での「超」であると思われる。
同じ意味の言葉に「ばり」がある。
例/「おい、わいばいっじ好いと。ばり好いと」
(「おれ、おまえをチョー愛してる、ギザ愛してる」)
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