新シリーズ! ごく普通の小学生ほげ太くんと
未来のロボットガラエマンとの、心あたたまる
友情物語のはずですが、いったいどうなることでしょう。


(ほげ太の部屋。外ではチュンチュンとスズメが鳴いている)

ほげ太   あいたしもた! もう朝たい!
      夕べはなんか、変なか夢ば見てしもうたなあ。
      確か、ガラエマンていう変なかロボットの……。

ガラエマン おはよう! ほげ太くん!

ほげ太   うわあ、あいは夢じゃなかったとばい!

ガラエマン (目覚まし時計を手に)ほげ太くん、もうこがん時間ばい。
      今日、学校は、休み?

ほげ太   ええっ! もう8時って?
      まさか、水曜日とに、休みなわけなかたい。
      なして起こしてくれんやったと、ガラエマン!

《訳》
ほげ太   ああ、しまった! もう朝か!
      夕べはなんだか、おかしな夢を見てしまったなあ。
      確か、ガラエマンっていうおかしなロボットが……。

ガラエマン おはよう! ほげ太くん!

ほげ太   うわあ、あれは夢じゃなかったんだ!

ガラエマン (目覚まし時計を手に)ほげ太くん、もうこんな時間だよ。
      今日、学校は、休み?

ほげ太   ええっ! もう8時だって?
      まさか、水曜日なのに、休みなわけないじゃないか。
      どうして起こしてくれなかったの、ガラエマン!



ほげ太   おまけに、教科書ばカパンに入るっとば忘れとったばい!
      筆箱に、下敷きに、給食袋……と。ああもう、しっちゃぐらしか!

ガラエマン がんばらんね、ほげ太くん。

ほげ太   あーも、やかましか! そもそもわいが夕べ
      いきなりそこん壁ばうっくわして、やってきたけん
      びっくいして、いろんなことば忘れたったい。

ガラエマン そいはすまんやった、ほげ太くん。

《訳》
ほげ太   おまけに、教科書をカバンに入れるのを忘れてたよ!
      筆箱に、下敷きに、給食袋……と。ああもう、めんどくさい!

ガラエマン がんばりたまえ、ほげ太くん。

ほげ太   ああもう、うるさいよ! そもそも君が夕べ
      いきなりそこの壁を壊して、やってきたから
      びっくりして、いろんなことを忘れたんじゃないか。

ガラエマン それはすまなかったな、ほげ太くん。



ほげ太   悪かて思うとやったら、そんポケットから
      ふしぎか道具ば出して、おいが遅刻せんごと
      時間ばもとに戻すとか、空ば飛ぶとか、どげんかして
      学校まで連れていってくれんかな。ガラエマン。

ガラエマン (いきなり目覚まし時計をひっくり返す)
      やかまーし! 寝坊したとは、わががひゅうなしやっけんたーい!

ほげ太   え、ええっ?

《訳》
ほげ太   悪いと思うんだったら、そのポケットから
      ふしぎな道具を出して、ぼくが遅刻しないように
      時間をもとに戻すとか、空を飛ぶとか、なんとかして
      学校まで連れていってくれよ。ガラエマン。

ガラエマン (いきなり目覚まし時計をひっくり返す)
      うるさーい! 寝坊したのは、自分がなまけ者だからだろう!

ほげ太   え、ええっ?



(ナレーション)
やっぱし正体は謎んままのロボット、ガラエマン!
いったい奴は何者やろう! 悪人やろうか、そいとも善人やろうか!
そしてほげ太は、学校に間にあうとやろうか!

《訳》
やっぱり正体は謎のままのロボット、ガラエマン!
いったい奴は何者なのか! 悪人なのか、それとも善人なのか!
そしてほげ太は、学校に間にあうのだろうか!



<ワンポイント>

【あいたしもた】
ああ、しまった。「あいやしもた」とも言う。

【カパン】
カバンのこと。バッグ。
例/「うわあ、よかカパン。そいブランドもんたい」
 (「うわあ、いいバッグ。それブランド物じゃない」

【しっちゃぐらしか】
わずらわしい。面倒くさい。
「しょあしか」「せからしか」よりも、度合いが強い。

【ひゅうなし】
なまけ者。いいかげんな人。だらしない人。



次号へつづく!

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