お待たせしました、新シリーズです!
ごく普通の小学生ほげ太くんと
未来のロボットのガラエマンとの
心あたたまる、友情物語。


(ほげ太、自分の部屋でうだうだしている)

ほげ太   ああ、おもちゃもなおさんばし
      宿題もたまってしもうとるばってん
      しゃあしかなあ。いっちょんしとうなかなあ。

ガラエマン (いきなり登場)やあ! おいガラエマン!
      わい、穂毛ほげ太くんやろ。

ほげ太   わいちゃあ! わいいったい誰(だい)やっ!
      そいにそいに、壁にそがんふっとか穴ばほがして……。

ガラエマン おや、壁がうっくえてしもうたな!
      直さんば!(壁にハンドパワーをあてる)

ほげ太   うわあ、すごか。壁ん穴ん消えよる!

《訳》
ほげ太   ああ、おもちゃも片付けなきゃいけないし
      宿題もたまってしまってるんだけど
      めんどくさいなあ。ぜんぜんやりたくないなあ。

ガラエマン (いきなり登場)やあ! おれはガラエマン!
      きみが、穂毛ほげ太くんだね。

ほげ太   うわあ! お前はいったい誰だっ!
      それにそれに、壁にそんな大きな穴を開けて……。

ガラエマン おや、壁が壊れてしまったな!
      直さなくては!(壁にハンドパワーをあてる)

ほげ太   うわあ、すごい。壁の穴が消えていく!



ガラエマン さて、すっかり穴も消えたところで
      あらためて、自己紹介ばい。

ほげ太   あ、よかよか。言わんで。
      もしかして、こがんじゃなかろうか。
      わいは未来から来たロボットで・・・

ガラエマン ほほう、鋭かやっか。

ほげ太   おいの子孫から頼まれて、おいば助けにきたとばい。
      たとえば、こん山のごとたまった宿題ば
      便利か道具ば使うて、してくれなったり。

ガラエマン さすがほげ太、冴えとるばい。

《訳》
ガラエマン さて、すっかり穴も消えたところで
      あらためて、自己紹介だ。

ほげ太   あ、いい、いい。言わないで。
      もしかして、こうじゃないのかな。
      君は未来から来たロボットで・・・

ガラエマン ほほう、鋭いね。

ほげ太   ぼくの子孫から頼まれて、ぼくを助けにきたんだ。
      たとえば、この山ほどたまった宿題を
      便利な道具を使って、やってくれたり。

ガラエマン さすがほげ太、冴えてるねえ。



ほげ太   ねえねえガラエマン。はようそんポケットから
      ふしぎか道具ば、出してくれんね。

ガラエマン (いきなりちゃぶ台をひっくり返す)
      やかまーし! 片付けも宿題もわがでせんかーっ!

ほげ太   え、ええっ?

《訳》
ほげ太   ねえねえガラエマン。早くそのポケットから
      ふしぎな道具を出してよう。

ガラエマン (いきなりちゃぶ台をひっくり返す)
      うるさーい! 片付けも宿題も自分でやれーっ!

ほげ太   え、ええっ?



(ナレーション)
いきなりほげ太くんの家ば訪れた謎のロボット、ガラエマン!
いったいあいは何者やろう! 悪人やろうか、そいとも善人やろうか!
そしてこいから、何(なん)ばすっとやろうか!

《訳》
いきなりほげ太くんの家を訪れた謎のロボット、ガラエマン!
いったい奴は何者なのか! 悪人なのか、それとも善人なのか!
そしてこれから、何をするのだろうか!



<ワンポイント>

【しゃあしか】
わずらわしい。面倒くさい。「せからしか」ともいう。

【いっちょん】
全然。
例/「怖くなかぞ。いっちょん怖くなかぞ」
 (「怖くないぞ。ぜんぜん怖くないぞ」)

【ほげる】
穴が開くこと。強調すると「つっぽげる」となる。
また「穴を開ける」は「ほがす」。強調すると「つっぽがす」

【なおす】
しまう、片づける。
県外の人には「修理する」の意味にとられやすい。
例/「もう夏服は、なおしてしまわんば」
 (「もう夏服は、片付けてしまわなきゃ」)

【わがでせんか】
自分でしなさい。

【あい】
あいつ。奴。複数形は「あいどん」。
例/「あいどん、あがんとこで何ばしよっとやろうか」
 (「あいつら、あんなところで何をしているんだ」


次号へつづく!

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