「生き生きけんこー講座・16」です。
なお、これはあくまでもナマの長崎弁を学ぶためのもので
ほんとうの健康講座ではありません。
従って、講座内容が正しいかどうかは
保証できませんので、 あしからず。


皆さ〜ん、元気にしとりますか〜?
いつも、隔月ごとにお届けしよる「けんこー講座」ばってん
今月もお送りします。緊急特別企画。題して「せせりに要注意!」

なしてかていうたら、著者が、
つい先日、こいのおかげで、ひどか目におうたばっかいらしかです。
私憤の、みなぎっとるらしかとです。

《訳》
皆さ〜ん、元気にしてますか〜?
いつも、隔月ごとにお届けしている「けんこー講座」ですが
今月もお送りします。緊急特別企画。題して「ブヨに要注意!」

なぜかというと、著者が
つい先日、こいつのおかげで、ひどい目にあったばかりらしいです。
私憤が、みなぎっているらしいのです。



さて、せせりは、体長3ミリほどの
黒か、こまんちか、ハエんごたっ虫で
山間の渓流んごた、きれいか水んところに生息しとります。
キャンプんごたっ夏のレジャーで、喰わるっことの多か虫です。
蚊(かー)んごと、針ばつき刺すとではのうして
ムカデんごと、皮膚にかんついてきます。

かまれると、どげんあっとでしょうか。

・チクッと痛んで、喰われたところから血ーん出てきます。
・半日ほどしたら、まわりのすか腫れて、痛がゆうなってきます。
・だんだん熱ばもちはじめ、皮膚のつっぱったごとなります。
・足ばかまれたら、歩くごとに、ぼっくい痛かです。

《訳》
さて、ブヨ(ブユ)は、体長3ミリほどの
黒い、小さな、ハエのような虫で
山間の渓流のような、きれいな水のところに生息しています。
キャンプなどの夏のレジャーで、かまれることが多い虫です。
蚊のように、針をつき刺すのではなく
ムカデのように、皮膚にかみついてきます。

かまれると、どうなるのでしょうか。

・チクッと痛んで、かまれたところから血が出てきます。
・半日ほどすると、まわりが腫れあがり、痛がゆくなってきます。
・だんだん熱をもちはじめ、皮膚がつっぱった感じになります。
・足をかまれた場合、歩くたびに、とても痛みます。



その後、およそ1週間は、痛みやかゆみとのたたかいです。
かきむしらんごと、注意ばしましょう。
つになって治るとば、待ちましょう。

かゆみや熱は、氷とかで冷やすと、効果のあります。
ただ、づる症状には、かなりの個人差の、あっごたっです。
むくんだり、リンパなどに炎症のおきる人もおります。

はげしか症状のでたら、たかが虫ちゅうてあなどらんで
早めに、お医者さんに行きましょう。
アレルギー体質ん人は、とくに注意しましょう。

訳》
その後、およそ1週間は、痛みやかゆみとのたたかいです。
かきむしらないよう、注意をしましょう。
かさぶたになって治るのを、待ちましょう。

かゆみや熱は、氷などで冷やすと、効果があります。
ただ、でる症状には、かなりの個人差が、あるようです。
むくんだり、リンパなどに炎症がおきる人もいます。

はげしい症状がでたら、たかが虫とあなどらないで
早めに、お医者さんに行きましょう。
アレルギー体質の人は、とくに注意しましょう。



では、せせりに喰われんごとするには、どげんすればよかでしょう。

・半そでや半ズボンはさけて、厚手のズボンばはく。
せせりは、ひっと出た足とかば、狙ってくっことの多かとです。
ばってん、ズボンの上からやられた話もしょっちゅうあります。

・虫よけスプレーば使う。
そがん威力はなかですが、せんよかはした方がよかでしょう。
虫よけ効果の持続時間は短かけん、まめにスプレーしましょう。

・出没時間帯に注意する。
朝夕に、ようけ出没します。とくに気ばつけましょう。
雨天や曇天のときは、一日中要注意です。

訳》
では、ブヨにかまれないためには、どうすればいいでしょう。

・半そでや半ズボンはさけて、厚手のズボンをはく。
ブヨは、露出した足などを、狙ってくることが多いのです。
しかし、ズボンの上からやられた話もしょっちゅうあります。

・虫よけスプレーを使う。
さほど威力はありませんが、しないよりはした方がいいでしょう。
虫よけ効果の持続時間は短いので、まめにスプレーしましょう。

・出没時間帯に注意する。
朝夕に、多く出没します。とくに気をつけましょう。
雨天や曇天のときは、一日中要注意です。



こがんして、せせりは、ぼっくい迷惑か虫ばってん
そいばきらって退治する、ちゅうわけにはいきません。

せせりは、きれか水ば好いとります。
せせりがいるちゅうことは、自然の保たれとる証拠なのです。
益虫害虫ていう区別は、人間の決めたこと。
せせりとは、うもう共生していくごとしましょうで。
そしたら、また来月〜!

訳》
このように、ブヨは、たいへん迷惑な虫ですが
それをきらって退治する、というわけにはいきません。

ブヨは、きれいな水を好みます。
ブヨがいるということは、自然が保たれている証拠なのです。
益虫害虫という区別は、人間の決めたこと。
ブヨとは、うまく共生していくようにしましょう。
それでは、また来月〜!



<ワンポイント>

【せせり】
ブヨ(ブユ)。藪などをせせる(引っかき回す)と出てくることで
こう呼ぶようになったという。
以前は、せせり虫とか せせくり虫ともいっていたそう。

【喰わるっ】
(虫に)刺される。かまれる。かじられる。
標準語でも、衣服などを「喰われる」と、表現することはあるが
この「食わるっ」はそれよりも、わりと頻繁に使われている。
例/「あ〜、かいかかいか。蚊(かー)に喰われた」
 (「あ〜、かゆいかゆい。蚊に刺された」)

【すかばれる】
はれあがる。

【つ】
かさぶたのこと。「つー」と語尾をのばして使う。

【ひっと出る】
むき出す。はみ出す。露出する。
例/「ふとんから、ひっと出て寝たけん、喰われたったい」
 (「ふとんから、はみ出て寝たから、刺されたのよ」)


次回へつづく…

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