(インタビュアー あそこにくつろいでる年取った猫さんに
マイクを近づけてみましょう。こんにちは〜)
老猫 くんくん(マイクをかずむ)…あら、おうち。
どげんしたとね、顔に、つのできとったい。つーの。
インタビュアー あ、いやこれは…。
《訳》
老猫 くんくん(マイクのにおいを嗅ぐ)…あら、あなた。
どうしたの、顔に、かさぶたができてるじゃない。かさぶたが。
インタビュアー あ、いやこれは…。
老猫 ああ、あいどんやろ。しっぽのなんかとと、丸かとと、くの字んとと。
インタビュアー あ、はい、そうです。
老猫 おうちが、いたらんことしたとやろ。
《訳》
老猫 ああ、あの子たちでしょ。しっぽが長いのと、丸いのと、くの字のと。
インタビュアー あ、はい、そうです。
老猫 あなたが、いけないことしたんでしょう。
インタビュアー あ、いえ、しゃべってたら
ちょっと彼女たちを怒らせちゃったみたいで。
老猫 …いらいよったとやろ。
インタビュアー いいえ、いらうだなんて、そんな。
《訳》
インタビュアー あ、いえ、しゃべってたら
ちょっと彼女たちを怒らせちゃったみたいで。
老猫 …もてあそんだんでしょう。
インタビュアー いいえ、もてあそぶだなんて、そんな。
老猫 そしたらなんね、踏んしゃいだとね。
インタビュアー いいえ踏んしゃぐだなんて、そんな。
老猫 …そしたらなんね。
インタビュアー 「犬んほうが好いとる」て、言うただけです。
《訳》
老猫 それじゃなんなの、踏みつぶしたの。
インタビュアー いいえ、踏みつぶすだなんて、そんな。
老猫 …それじゃなんなの。
インタビュアー 「犬のほうが好きだ」と、言っただけです。
老猫 なぬう、そいは許せんばい!
そん顔ば、かっさいでやるー!(ばーりばりばりばり)
インタビュアー ギャアア! またしてもー!
《訳》
老猫 なぬう、それは許せないわ!
その顔を、引っかいてやるー!(ばーりばりばりばり)
インタビュアー ギャアア! またしてもー!
<ワンポイント>
【つ】
かさぶた。「つー」と語尾をのばすのが使うコツ。
例/「つーばむいたら、ちーんでてきた」
(「かさぶたをむいたら、血がでてきた」)
【いたらん】
くだらない。いけない。ばかげた。よけいな。
人をしかる際によく使われる。
例/「いたらんことせんとー!」
(「よけいなことしないの!」。
【いらう】
犬や猫などを、いじったりからかったり、もてあそぶこと。
筆者は、むかし猫をいらっていて、その猫に急に飛びかかられ
かっさがれて、腕に「ヤフー」という文字を入れられた。ならず者か。
【踏んしゃぐ】
踏んづける。踏みつぶす。
例/猫踏んしゃいだ、猫踏んしゃいだ、猫踏んしゃい踏んしゃい踏んしゃいだ
(猫踏んじゃった、猫踏んじゃった、猫ふんじゃー踏んじゃー踏んじゃった)
※もとの歌とはニュアンスがすこし変わったようだ…。
次回へつづく… |