(子ども部屋にて。お母さんの説教)
しょんなかろーもん、おうちが、悪かとやろう?
休みになってから、すぐにしなさいて
お母さんが、あんだけ言(ゆ)うたろうが。
そいばってん、あんたはあっちこっち、遊んでさらいて
遅うまで起きて、オリンピックまで見て。
そいけん、ごがんして
ひして、宿題ばせんばごとなるっさ。
ちょいちょーい。
《訳》
しかたないでしょう。あなたが、悪いんでしょう?
休みになってから、すぐにしなさいって
おかあさんが、あれだけ言ったでしょう。
それなのに、あなたはあっちこっち、遊んでまわって
遅くまで起きて、オリンピックまで見て。
だから、こんなふうに
一日かかって、宿題をしなきゃいけなくなるのよ。
ざまをみなさい。
(子ども、泣きかぶる)
あーもー、ほんなこて歯がいかね。
なんば、ぐじぐじしよっとね。
もう、おうちんごたっずんだれは
ほたっとかんば。
《訳》
(子ども、泣きべそをかく)
ああもう、ほんとうに歯がゆいわね。
なにを、ぐずぐずしているの。
もう、あなたみたいなだらしない子は
放っておこうかしら。
(お母さん、ため息をつく)
…あと、どんだけあっとね、貸しなさい。
算数は、お父さんにしてもらうけん
社会は、兄ちゃんに。
理科は、姉ちゃんに。
国語は、お母さんがすっけん。
おうちは…図工…て、いちばん楽しかとだけ
すっとじゃなかーーー!
《訳》
…あと、どれだけあるの、貸しなさい。
算数は、お父さんにしてもらうから
社会は、兄ちゃんに。
理科は、姉ちゃんに。
国語は、お母さんがするから。
あなたは…図工…て、いちばん楽しいのだけ
するんじゃないーーー!
< ワンポイント>
【さらく(さるく)】
うろうろと、歩きまわること。
例/「あん人、うちのことば好きて、 言(ゆ)うてさらきよる」
(「あの人、わたしのことを好きって、言ってまわってるわ)。
【ひして】
一日じゅうかかって。
【ほたる】
投げる。投げ出す。放っておく。
例/「タオルはそこん洗濯かごに、ほたっといて。」
(「タオルはそこの洗濯かごに、投げ入れといて。」)
次回へつづく… |