(E美のモノローグ)
あいから2ヶ月ちかく…。F介とは連絡の取れんまま
もう、そげん時間の過ぎてしもうたとね…。
わたしの心は、ぽっかり穴んほげたごたっばい…。
ばってん、そいとにまた来てしもうたと…。
ふたりの想い出の、こん…かもめ広場に。
《訳》
あれから2ヶ月ちかく…F介とは連絡が取れないまま
もう、そんなに時間が過ぎてしまったのね…。
わたしの心は、ぽっかり穴が開いたみたい…。
でも、それなのにまた来てしまったわ…。
ふたりの想い出の、この…かもめ広場に…。
F介 おーいE美ーーーーっ!
E美 F介くん、どげんしてここに?
F介 わいはきっとここに来とるやろうて思ったけん。
E美……こいば受け取ってくれろ。…給料3ヶ月分ばい。
E美 F介くん、こいっ…て…。
もしかして、クリスマスに働きよったとも…。
F介 ああ。正月に年賀状配達ばしよったとも
節分に豆ば売いよったとも
ぜんぶ、こいば買うためやったとばい。
《訳》
F介 おーいE美ーーーーっ!
E美 F介くん、どうしてここに?
F介 お前はきっとここに来ているだろうと思ったから。
E美…これを受け取ってくれ。…給料3ヶ月分さ。
E美 F介くん、これっ…て…。
もしかして、クリスマスに働いていたのも…。
F介 ああ。正月に年賀状配達をしていたのも
節分に豆を売っていたのも
ぜんぶ、これを買うためだったんだ。
F介 E美、好いとっと。ぼっくい好いとっと。
おいと結婚してくれろ!
E美 ああ…F介、うれしか。
《訳》
F介 E美、好きだ。ものすごく好きだ。
僕と結婚してくれ!
E美 ああ…F介、うれしい。
(そしてその時
広場に飾られた中国風ランタンが、一斉に点灯される)
E美 ランタンフェスティバルのはじまったばい!
きれいか光…。
F介 まるで、おいたちば祝福してくれよっごたっな。
E美 …ところでバレンタインデーはどげんすっと?
F介 ああ〜!そうやった!
おいチョコレート売りば、せんばいかんとやった!
E美 わたし…やっぱりなんか、はぶてとうなってきた。
《訳》
E美 ランタンフェスティバルがはじまったわ!
きれいな光…。
F介 まるで、僕たちを祝福してくれてるようだな。
E美 …ところでバレンタインデーはどうするの?
F介 ああ〜!そうだった!
俺チョコレート売りを、しないといけないんだった!
E美 わたし…やっぱりなんか、怒りたくなってきた。
<ワンポイント>
【ほげる】
穴が開くこと。強調すると「つっぽげる」となる。
また「穴を開ける」は「ほがす」。
【ばってん】
長崎弁の代名詞とまでいわれていた「ばってん」だが
ドラマなどでの使われ方は、けっこうまちがっていることが多かった。
「しかし」「だが」という意味あいの接続詞(接続助詞)
として使うのが一般的である。
現在、若い人はあまり使わなくなっている。
【好いとる、好いとっと】
長崎の人間にとって、心にしみる愛の告白はやっぱりこれ。
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