日本一の清流沿いに
開けた町・神浦(こうのうら)エリア

神浦エリアは、日本一の清流・神浦川の河口に開けた古い港町。伝統的な町並みが残っている。神浦手前の大野地区にもド・ロ神父が設計施工した洋風建造物・大野教会がある。

明治26年(1893)、ド・ロ神父が設計施工した大野教会(県指定文化財)は、大野地区の26戸の信者のために作った出津教会の巡回教会。今では過疎化の波に流され、数戸しか残っていないという。建物は、大野岳をなす玄武岩を積み上げた外壁を構造主体とした桟瓦葺平屋で建坪は26.7坪。壁面は赤土を水に溶かした濁液で砂と石灰を混ぜて玄武岩を積み上げたいわゆるド・ロ壁(ド・ロ塀)だ。窓は上半部を半円にしたロマネスク風煉瓦造り、天井は柱列がない竿線天井、屋根には十字架を刻んだ瓦があり、素朴でひなびた雰囲気と、風土に密着した教会建築として評価が高い教会だ。森に囲まれ近くに行かないと見つけることが難しい場所にある。

外海の海を独占できる美しい砂浜が広がる大野浜海岸。海に親しむ公園として整備された大野浜海浜公園は、トイレ、シャワー設備を備えた管理棟や駐車場を完備。シーズン中は多くの海水浴客をはじめ、キャンプ客などで賑わう。

平成2年度に環境庁が行った水質調査の結果、日本一の清流の一つに選定された神浦川。アユや手長エビなどが生息する本当に美しい川だ。そこでこの清流の豊かな自然環境を生かし、人と自然がふれあうゆとりの水辺空間として整備、誕生したのが神浦川河川公園。園内には川の水を利用した河川プールや芝生広場、遊歩道、遊具などが配され、自然を満喫できる水と緑のオープンスペースとなっている。

平成11年年7月に農水省が認定した「日本の棚田百選」に選ばれた大中尾の棚田は、自然に囲まれた素晴らしい景観を持ち四季折々で様々な表情を見せてくれると共に、貯水や地滑り防止や生態系の維持に大きな役割を果たしている。農村ののどかな風景を眺めながらのドライブもなかなかのもの。そのまま山道を進み県民の森方面へと車を走らせ、琴海町から長崎市内に戻るのもいいだろう。



大中尾の棚田

 
 check! 日本で最後の炭鉱の島・池島

角力灘に浮ぶ池島は、日本で最後まで残った炭鉱の島。昭和27年に西の海上7kmにある池島で炭鉱が開発されて以来、石炭産業が基幹産業として町勢発展の中心的役割を果たしてきた。しかし、内外炭の価格差などにより炭鉱の経営維持が困難となり、平成13年11月、42年間にわたる歴史に幕を下した。現在は、実際に池島に渡り、立坑跡や斜坑模擬切り羽などを見学することができる、体験型の観光地となっている。


池島炭鉱


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