●誰もがスヤスヤ眠る早朝始動!商品が店頭に並ぶまでに密着!

市場のスタート時間は店の種類によって時間差が生じる。
その中で一番朝が早いのは鮮魚店
今回は長崎の市場の中で最も数が多く、花形的な存在である業種・鮮魚店の密着取材を敢行!!
大黒市場の隣、恵比須市場にある卸し小売店でもある鮮魚店・魚浩さんについて畝刈にある魚市の競り現場から、市場での店頭販売がスタートする早朝まで密着取材を行わせてもらった。


初めての体験で多少不安ながらも早朝4時に約束のお店へ。
すでにお店には7、8人の方がいて、漁港から直接到着した魚の仕分けから、処理、次々に鳴る電話の応対でごった返していた。



戦後まもなくこの店を開いた今年72歳になられる店主・水落浩司さんは今も現役。
確かな目利きでそれぞれに指示を出されていた。

巨大なひらめにびっくり。
思わず水落さんにタバコを借りてカメラにおさめる。



取材当日は土曜日で結婚披露宴用の魚類が市内外のホテルからオーダーされているとのこと。

そしていよいよ5時からの競りに間に合うように4時半前には魚浩の軽トラックの後に着いて魚市場へと急いだ。



(結婚披露宴用)



1.魚市到着!いよいよドッキドキの「競り」開始


まずは競りがはじまる前に下見。
今朝の電話や事前に受けた注文のメモを片手にめぼしい魚に目をつけておく。

いざ競りがはじまったらまるで戦場。
ほんの数秒で一列に並んだ魚が各中卸し店に押さえられていく。
この店名を記した紙がのったらその店のものに決まり。


あっという間のできごとに口あんぐり。
何だか言い争いになっている人たちもいて、競りは真剣勝負だと実感させられた。





2.3月中旬土曜日、天候は雨。魚市で見つけた鮮魚たち


見た目はちょっとグロテスクだけど、お味は伊勢海老にも負けず劣らずの団扇海老
刺身や塩焼き、フライ、はたまた味噌汁などに入れても超美味。



(旬は3月)


今やアゴダシラーメンで全国区の知名度?
長崎県県域ではダシとしても親しまれている飛魚は刺身でとっても美味しいのだ。



(旬は5月)


どこから来たのだろう?
44キロのカジキマグロ発見!
いやぁ〜デカ過ぎだよ〜。



(旬は10月)


島原半島をロケ地に行われた某ビールメーカーのCMですっかりお馴染み。
子がいっぱい詰まった春ダコ



(旬は3月)


3.大きな冷蔵庫の中には各地から届いた加工品


ウニ伊勢海老などなど全国から届いた加工品などは、そこ全体が冷蔵庫という寒ーい中で競りが行われた。


最終の6時からは活魚の競りが行われた。
いけすで泳ぐピッチピチの活魚を魚浩さんがもの凄い迫力で素早く競り落としていったのに感激!

次々にいろんな場所で競りが行われるので各中卸し業者の人達は数人で来ている。
90%以上は男性だが、中には女の人も見かけた。
競り落とした魚は次々にトラックに運び込まれる。




4.魚市卸し小売店でみつけたメデタイ!


「これ何ですか〜?」の問いかけに「なんね、あんた知らんとね?」と一言。
未婚の取材班(♀)は恥をかいてしまった。
この鯛は長崎県の主に佐世保と長崎で使われる結納鯛なのらしい。
赤い糸や五円玉を使った縁起物の鯛、3月中旬のこの時期は、桜の季節とあって「桜鯛」と、さらに縁起がよさそうな名で呼ばれる。
他の地方では結納の時、どんな鯛を送るのですかね?




5.午前7時。店は開店!されど捌(さば)く手は休むことなく……


開店前から寿司屋や料理屋の御主人が直に買い付けに来られた。
店内の捌き手はフルに4〜5名。




注文の魚を注文の時間までに注文通りに捌いていく作業が続く。
当然ながらその手捌きは実にリズミカル!
数えたことはないらしいが、平均1日数百匹は捌いているのだとか。
あまりの数に驚き隠せず「ヒェ〜ッ」などと声をあげてしまった。
この驚く数の魚を扱っているのは、こちら魚浩さんが中卸し業もやっているからだ。
合間には必ず包丁を研ぐ作業。皆さん日に何度も研ぐのだとか。
やっぱり魚屋は包丁が命。
特にそんな大量の魚を捌くにはねぇ……と納得。
捌いた後は分担して配達へ回る。ハードだぁ。



●LOOK! LOOK!●
こちらの惣菜はひと味違う 卓袱テイストの自慢の惣菜

忙しい主婦の味方であり、働くビジネスマンのお昼のバランス弁当を提供するお惣菜屋さん
そんなポジションのお店は確かに多い。
しかしそれらとはひと味違う惣菜店が築町市場にあるとの噂を聞きつけた。
そこで「メルカつきまち」地下1階にある築町市場の中のその噂の店を訪ねてみた。

創業約80年の歴史を持つ老舗店であるこちらは、昔まだホテル結婚式や葬儀社での仏事が定番ではなかった時代、卓袱(しっぽく)料理の仕出しを行っていたのだとか。
現在は結納、会食時のお弁当など、テーブル、茶碗などご飯と飲み物以外の全てを用意する仕出しを中心とされている。
なるほど納得! 『ひと味違う惣菜』とは、料亭やホテルなどで味わえる長崎の郷土料理・卓袱料理の中の逸品が惣菜の単品で楽しめるということなのだ。

1.手頃な価格で味わえる噂の卓袱惣菜に感激!


と、さっそく店頭に並ぶ惣菜を拝見!
ハトシ長崎天ぷら




牛かん角煮

 



昆布巻お煮染めと……

 



なるほど卓袱料理で味わえるものが、ある!ある!
長崎天ぷらとは衣にすでに味がついていて、天つゆなどをつけずにそのまま戴けるもの。
でも長崎の人はソースをかけたりするんですよね、なぜか。
それぞれの価格も70円に200円に400円なんてとってもお手頃価格ではないですか?
この惣菜、ただものではないでしょ?
お昼のお弁当にはこの卓袱惣菜が入っていることも……ぜひお試しあれ。

2.人気No.1は黄色くてジューシーな「だし焼きたまご」


こちらの人気No.1商品はだし焼きたまご
島原から取り寄せた鮮やかな黄色でぷっくりとした黄身が特徴の卵5個に、特製のだしを加えよくかき混ぜ数回に分けて厚焼卵を作っていく。
3代目御主人の手さばきは慣れたもの。



木蓋を使いながら焼き上げただし焼きたまごを最後にす巻きで形を整えて出来上がり!
限定4本、店頭では半分に切られて販売されていマス。




3.ランフェスで好評だった新名物はここのアレ!


今年の長崎ランタンフェスティバルでは例年よりエリアが拡大されて行われた。
新たに会場に加わった中央公園では築町市場の店舗から数店が出店したが、こちらも前述の卓袱惣菜であるハトシを販売!
地元の人にはもちろん、観光客にも好評を得た。
本来ハトシはパンに海老のすり身をはさんで油で揚げたもの。
しかし、こちらでは肉をはさんだオリジナルの肉ハトシもある。
こんがり揚がったハトシは揚げ立ても美味しいけど、冷めてもなかなかいける!
今日のお昼に一つどうですか?





取材協力 /
 仕出し専門しっぽく料理/折詰・弁当
 山ぐち
 TEL095-822-1384


 


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