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慶長元年(1597)、豊臣秀吉によるキリシタン禁止令により、京阪地方へ伝導していたフランシスコ会宣教師6人と日本人信徒20人が処刑された。 殉教地は、当時町に入る手前の時津街道にはさまれた小高い丘。 それが現在の西坂公園だ。 昭和37年(1962)舟越保武氏作の二十六聖人等身大のブロンズ像嵌込(はめこみ)記念碑が建立された。
日本二十六聖人殉教地(県指定史跡)
十字架に架けられた26名の殉教者たちのそれぞれの表情、動作を見てみよう。 天を仰ぎ、それぞれに口を開いて祈りを捧げているようだ。 彼らは殉教の際、十字架に架けられ槍に刺されて死んでいった。 その時彼らは賛美歌を歌っていたのだそうだ。 右から6人目、両手を広げた人物は聖パウロ三木。 周囲を取り囲む約4000人もの群集の前で十字架に架けられたまま彼は最後の説教を説いたという。 レリーフで彼らの足がみんな垂れ下がっているのは、昇天の様子を描いているのだとか。
公園内には、この地に立ったからこそ生まれたのだろう、二十六聖人のことを詠んだ水原秋桜子、下村ひろしの句碑が建てられている。 現在、高いビルにさえぎられ海も少ししか見えないのでとてもいい風景とはいえないが、昔は鶴の形をした美しい長崎港を見渡せる丘だった。 キリストが十字架にかけられたゴルゴタの丘に似ていることから信者たちがこの地を処刑の場に願い出たと言われている。