●日本二十六聖人記念館


TEL095(822)6000  西坂町7-8

●JR長崎駅からのアクセス
 車/長崎駅前から約1分。
 徒歩/長崎駅前から徒歩5分。


●創建

慶長元年(1597)、豊臣秀吉によるキリシタン禁止令により、京阪地方へ伝導していたフランシスコ会宣教師6人と日本人信徒20人が処刑された。
戦後、原爆の破壊から立ち上がった長崎は殉教地であった小高い丘を公園にかえ、昭和31年(1956)、長崎県はそこを史蹟と指定。
それが現在の西坂公園だ。
昭和37年(1962)二十六聖人等身大のブロンズ像嵌込(はめこみ)記念碑が建立、同時に日本二十六聖人聖堂、そして聖フランシスコ・ザビエルの渡来から明治時代までのキリスト教の歴史を紹介するこの日本二十六聖人記念館が建てられた。


●常設展示概要

「キリシタン時代から伝えられたもの」「現代その歴史を現すために制作されたもの」という大きく2つに分けられた展示内容。
「キリシタン時代のもの」の中には、聖フランシスコ・ザビエルのポルトガル国王ヨハネ3世宛の手紙、天正少年使節の中浦ジュリアン神父の手紙、島原の乱の記録、マリア観音、16世紀のブロンズ・ピエタなどの展示資料と同時に、キリシタン研究のため和洋書合わせて約3000冊の専門図書がある。

「現代の作品」では、建築をもって殉教者の心を伝えようとした建築家今井兼次氏が手掛けた「栄光の間」と呼ばれる2階特別展示室、ステンドグラス、モザイク壁画などのほか、様々な作家による油絵、フレスコ画、日本画などを展示する。
毎年2月5日の二十六聖人殉教記念祭のほか、館長である結城了語悟神父著『長崎への道 日本二十六聖人』などのキリシタンに関する出版物を発行する事業を行なっている(記念館にて販売)。


●開館   9:00〜17:00   
●入館料  大人250円 / 高・中学生150円 / 小学生100円
●休館   12月31日〜1月2日


●文化財

プラケット「ピエタ」(県指定有形文化財)
木彫レリーフ「聖母子」ほか(県指定有形文化財)


銅造弥勒菩薩半跏思惟像
(県指定有形文化財)


日本二十六聖人殉教地
(県指定史跡)


●取材メモ1 レリーフ裏、長崎への道


道(どう)という字には精神、心という意味がある。
レリーフ裏の「長崎への道」はまさにクリスチャンの信仰のシンボル。
1957年1月4日、京都を発って2月5日に長崎に到着するまで歩き続けた二十六聖人の苦しい旅と英雄的精神とを表現したものだ(今井兼次作)。
入口の方右上に出発点である「きょうと」の文字、その下にある26個のぶどうの実は、聖書に示されたシンボルで、神様に命を捧げた二十六人の犠牲を表現しているのだとか。
ちなみに黒い線が道、左下にある十字架の上にはすり鉢があり、ぶどうをするとキリストの血を示す葡萄酒(ワイン)になる…ほかにもそれぞれに意味があり、とても興味深い作品となっている。



●取材メモ2 ステンドグラスに描かれた花は……梅と椿


二十六聖人が死んだ時、(2月5日)梅のつぼみがほころび始めていたのだという。
また、長崎の教会(特に五島、平戸)に咲く赤い椿の花が散らばった様子を殉教者の血、足跡にイメージ。
「栄光の間」前には梅と椿をあしらったステンドグラスが美しく、儚く輝いている。