卓袱料理(しっぽくりょうり)ってどんな料理?

長崎の料亭では郷土料理・卓袱料理を味わうことができるが、観光客の中には、いったい卓袱料理ってどんな料理?という方も多いことだろう。
その成立ちは、長崎が唯一港を開いていた鎖国時代だと言われている。
長崎に来航した外国人の珍しい料理法を長崎の料理人たちが心得、後に和風の良さを加え長崎風にアレンジされていったものが「長崎卓袱料理」
つまり和・洋・中折衷、まさに長崎の文化と同様の成立ちを持つ料理と言える。
料亭で賞味されるようになったのは寛政初頭(1790年頃)のようだ。
卓袱の「卓はテーブル」「袱はテーブル・クロス」という意味。
元来卓袱料理では5人が一つのテーブルを囲んで、人数分が一緒に盛られた大皿料理を各自が取り分けて食べるのが流儀。
食事は「お鰭をどうぞ」というオカッツアマ(女将)の挨拶から始まる。
その言葉には客一人に魚一尾を使ったというもてなしの意味が込められている。
長崎ではホテルで行なわれる結婚披露宴でも卓袱料理を取り入れることが多い。
円卓を囲こみ、司会者の挨拶でお鰭からスタート。
和洋中折衷の大皿料理をつき合いながらだから、知らない者同志でも会話もお酒も弾む弾む!
そのお味も流儀も、県外の方には新鮮な印象を与えているようだ。