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更新日:2023年12月8日 ページID:041343
文化観光部 世界遺産室
令和5年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会
令和5年7月20日(木曜日) 13時00分~
出津地区ふれあいセンター 講堂(長崎市西出津町2794-1)
出津教会堂来訪者受入体制整備(駐車場等)
大平作業場跡・開墾地整備
石積み建物整備
大野教会堂獣害対策
外海の石積集落景観保存計画・整備活用計画の見直し
その他
委員長の選任
委員の互選によりA委員が委員長に選任された。
議題1 出津教会堂来訪者受入態勢整備
昨年度整備した来訪者用トイレ及び今年度整備予定の来訪者用駐車場について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員等
意見等なし。
議題2 大平作業場跡・大平開墾地整備
昨年度整備が完了した大平開墾地に関する報告、大平作業場跡の昨年度の進捗状況及び今後の整備予定について、所有者から委託を受けた業者より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
この建物は何を根拠にこのデザインになったのか。
所有者から委託を受けた業者
唯一残っているド・ロ神父がこの建物を建てられた時の絵図をもとに、大体の寸法等を割り出し、整備している。ただ、この工事は復元工事ではなく、あくまで施設活用のための工事であるため、現在の技術を使用しつつ、遺構に対してふさわしいデザインを採用した。
委員
この建物が完成した後はどのような使われ方をする予定か。
所有者から委託を受けた業者
隣の大平開墾地で摘んだ茶葉を使用しての紅茶作り体験の実施や見学デッキから遺構について学んでもらう施設として活用する予定。
委員
大平開墾地の石積の裏側には生コンが使われていないように見えるが、どうか。
所有者から委託を受けた業者
この畑の石垣については、背面の透水性が非常に重要になってくるため、コンクリートは使用していない。
技術の継承のため、昔からの技法を使って整備している。
委員
強風対策はしているか。
所有者から委託を受けた業者
長崎県下では、基本的に基準風速34m/秒に耐えうるような設計にすればよいが、大平は地形的な要因で特に強い風が当たるということで、43m/秒に耐えうるような設計をしている。
議題3 橋口家住宅のネリベイ建物(倉庫)整備
橋口家住宅のネリベイ建物(倉庫)整備の昨年度の進捗状況及び今後の整備予定について、所有者から委託を受けた業者より配布資料に基づいて説明を行った。
委員等
意見等なし。
議題4 大野教会堂の境内石垣と獣害対策
大野教会堂の獣害及び石垣の状況について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
獣害対策のしし防等について、現在は試行的な取組みとのことだが、効果が切れた場合、交換作業等を行政がするのか地元がするのか、そのあたりをある程度決めておいた方がよい。
薬品の使用にあたっては、地域とのコミュニケーションを十分にとって行ってもらいたい。
議題5 大野神社の補修整備
大野神社の老朽化に伴う補修工事について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
氏子の方が補修工事を計画しているということで、行政も補助金支出の観点から関わることが多いかと思うので、氏子の人数は早めに把握しておいてほしい。
文化庁
令和6年度に市として国庫補助金の申請をするのであれば、そもそも大野神社の社殿については、どうしてこのような不具合が起こっているのかの原因を突き止めて、それを防止するという対策を取らなければ、小さな手当ばかりしていても、根本的な問題は解決しない。
一度資金を投入したところをまたやり直さなければいけないという事態に陥らないように、建築の専門の先生に見てもらい、根本的な原因を突き止める必要がある。私も現地を見せてもらえればと思っている。
委員
専門の先生に見てもらう機会を設けて、急を要する工事か、あるいは時間をかけてもじっくりするものかの判断をしてもらった方がいいのでは。現地確認が大規模になると大変なので、専門の委員が参加して、事務局と協議してもらえれば。
議題6 保存計画・整備活用計画の改訂
保存計画・整備活用計画の改訂について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
地域として歴史的な景観を保存する際は、もちろん個々の要素も大事だが、それをいかにつなぐかが重要になるってくるため、そこも考慮して計画の改訂をお願いする。
事務局
文化的景観の価値を理解してもらうためのルートを設定し回遊マップを作成している。今後もつなぐ視点を大事にしていきたい。
議題7 h家のネリベイ建物毀損
h家のネリベイ建物の毀損状況等について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
市が当該家屋を買い取ることはできないのか。
事務局
文化的景観の重要な構成要素は非常に多く、すべてを市が所有するというのは難しい。まずは所有者さんと十分に協議をして、どのように対応していくかを検討したい。
委員
国登録有形文化財である富貴楼は所有者の経済的な理由により維持できなくなり、解体されている。やはりすべてを個人負担で保存していくのは難しい。建造物の価値によっては、市が買い取って保存していくということも選択肢の一つだと思う。公共の建造物となれば活用方法の自由度も増すので、建造物の重要度によっては市が所有するという選択肢も考慮していく必要がある。
委員
ネリベイだけでも後世に残すということはできないのか。
事務局
重要文化的景観の重要な構成要素として考えたときに、ネリベイ単体ではなく、建物として価値を成すものであるため、まずは建物の復元ができないかを所有者と協議していきたい。
文化庁
重要な構成要素の保存が難しいと所有者から相談があったのは長崎市では初めてかと思う。今後同じようなケースが生じた場合に、今回の対応が前例となるので、委員会での検討も含めて慎重に対応するように。
何をどう守らなければいけないのかをしっかりと議論するため、当該家屋にはどのような特徴や価値があるのかを委員に詳細に伝えていただくようお願いする。
もちろん重要な構成要素すべては買い取らないという前提だが、この建物の公共施設としての活用の可能性について、検討していただく必要があると考えている。
委員
しかるべき人に指導を受けるように。
議題8 令和4年度モニタリング結果
令和4年度のモニタリング結果について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
委員
外海地域の観光客数は過去5年・10年の間でどのような推移をしているか。また、観光客の外海地域での滞在時間はどのくらいか。次に、ここの集落の人口は増加しているか減少しているか。
事務局
外海歴史民俗資料館というガイダンス施設を例にすると、世界遺産登録されたH30年がピークであり、新型コロナウイルスの影響でR3年度にはH30年度比25%まで落ち込んだが、R4年度ではH30年度比50%まで回復している。まとめると、来訪者数は非常に少なくなってきている。
来訪者の滞在時間については、アンケートで調査している。その結果によると、短い方で30~40分、長い方で180分であり、全体を平均するとおよそ130分となる。
集落の人口は減少傾向にある。
委員
観光客がどれだけの時間滞在したかは、全体の計画がどれだけ成功しているかの指標にもなるので、どこに、どのくらい滞在したのか把握しておいた方が良い。
委員
指標1の「令和4年度中は石積構造物のき損は発生しておらず、耕作地の景観に変化がないため、概ね適切に維持・保存されているが、一部経過観察を要する。」とあるが、評価結果と現状に違いがあるのではないか。野中墓地ではイノシシの被害がでている。
事務局
評価結果について、現状をすべて表現できていないところがあるので、今後注意してまとめていきたい。イノシシ被害については、今後所有者と協議していきたい。
文化庁
イノシシ被害については、市としてどのように支援できるのかの仕組みを整理してもらいたい。また、野中墓地の獣害及びh家の毀損などについては、毀損届が出てくる前にそういった状況を把握して、早急に手当てすることが重要だと思うので、モニタリング以前の現状の把握について、計画改訂に合わせて仕組み化するようお願いする。
委員
石積の状況についても、所有者からの報告によって確認しているとのことなので、チェック項目を示すなど、経年的な変化をきちんと押さえる仕組みを併せて検討していただきたい。
委員
野道共同墓地についても獣害被害が見られるので、モニタリングをしてもらいたい。
報告1 j家のネリベイ建物修理
報告2 国道202号災害復旧工事
昨年度工事が完了したj家のネリベイ建物修理及び国道202号災害復旧工事について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。
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