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令和3年度第4回 長崎市文化振興審議会

更新日:2023年3月1日 ページID:040004

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

市民生活部 文化振興課

会議名

令和3年度第4回 長崎市文化振興審議会

日時

令和4年3月30日(水曜日)10時00分~12時00分

場所

長崎ブリックホール国際会議場 ※オンライン会議併用

議題

1 委員の紹介
2 ブリックホールへの子育て支援センターの設置について
3 新たな文化施設の基本計画(素案)について
4 その他

審議結果

議 事:

事務局及び長崎市こども部子育て支援課より、「ブリックホールへの子育て支援センターの設置」について説明。その後、意見交換を行った。また、「新たな文化施設基本計画(素案)策定に向けた審議会意見のとりまとめ」について、これまでの意見を要約した資料をもとに事務局より説明。その後、意見交換を行った。最後に、「芸術文化活動再開応援補助金」について事務局より説明を行った。(意見については別添参照)


〇次第2 ブリックホールへの子育て支援センターの設置について【意見交換】

【子育て支援課】

配布資料の説明

【会長】

 委員から意見や質問はあるか。

【委員】

 ブリックホールに子育て支援センターを設置することで、芸術文化に親しむ機会が得られるとのことだが、具体的にどのようなイメージなのか。

【子育て支援課】

今現在運営している子育て支援センターでは、文化等に特化したものはまだ実施をしていない。どういう形であればそういった融合ができるのか、例えば、子育て支援センターに来ている親子に絵を描いてもらう、展示をすることで見てもらう、または情報提供など、親子で楽しむという中に、そういった内容を絡めていければと思っている。具体的な内容については、皆様に意見をいただきながら詰めていきたい。

【委員】

文化施設の中に作ったからといって、それだけではふれあいは起こらないだろう。プログラムによる。今回は、たまたまブリックホールが空いていたからということだろうが、せっかく文化施設の中に作るので、やはり長崎の文化の担い手として子どもたちを育てていくことは大事。ブリックホールに地区の子育て支援センターを作ることをきっかけに、市内全域の子育て支援センターに文化的なプログラムを組み入れていくのであれば、ここに置くことの意義は出てくるのかなと思う。

【子育て支援課】

確かに区域の中で、まず市の既存施設を探し始めたが、ブリックホールへの移転を進めていく中で、市長からも、文化に子どもたちがふれあえるような場所になっていくのではないか、そう進めていかなければならないのではないかとの意見があった。まずは、ブリックホールに設置する子育て支援センターにそのようなプログラムを盛り込みながら、それを市内16区域に設置している子育て支援センターにも広げていき、取り入れていきたいと積極的に考えている。

【会長】

他県での子育て支援センターを活用した事例を見て、アイディアのある良いモデルケースがあれば説得力がある気がするが、他県の事例はどうか。

【委員】

コミュニティエンゲージメント、別の言い方では社会包摂という言葉が使われるが、今、文化施設がコミュニティ、すなわち社会とどう関わっていくかが大事な時期で、各地でそういう試みはされている。ただ、国単位で所轄が違い、文科省と厚生労働省という違いがあるため、縦割り行政の中で何となくうまくいかないというのが時々ある。

文化団体の方がそういった場所で何かしようとしたときに、壁があったりする。その逆もある。

いわき芸術文化交流館アリオスには、子育て支援センターがあるわけでは無いが、子どもの遊び場のような部屋がある。そこにやっとピアノを設置できたので、月に1、2回、アリオスの企画でイベントを行っている。文化施設側からもそういうアプローチがあってよいのではないか。何かを子どものためにしたいとなったときに、子育て支援センター側が壁にならないように、場所や人の面で協力できるような体制としてほしい。ただ、これはやっていく中で調整していくしかない。いわきアリオスの場合は、子どもの遊び場を作ったことをきっかけに、育児支援コンサートをホールや他の施設の子育て支援センターで開催しはじめた。一種のアウトリーチのような活動もそこから始まった。また、遊べる場所をどう作るのかという点は、防音とセットで考えなければならない。私は比較的面白いなと思う。

【委員】

0歳からの文化権の保障を掲げて活動をしているNPOだが、現在、上長崎地区子育て支援センター「もりのクレヨン」上階にある平土間スペースで、0~2歳を対象にした乳幼児の演劇作品、ベイビーシアターを年に1~2回プロに来てもらって企画している。子育て支援センターが1階にあることから周知もでき、同じ館の中のスペースで公演ができる。

長崎を代表する文化施設の中に、子ども達の支援になるようなスペースができるということは歓迎。ただし、スペースとして安全で、子どもたちにとって使いやすい、過ごしやすい場所にするための工夫は必要。

それから、紹介したいこととして、日本ベイビーシアターネットワークという団体を立ち上げようという動きがあり、準備会があったばかり。ここ十数年、0~2歳までの言葉を獲得する前の低年齢の子どもに向けた舞台作品の研究が日本でも進んできている。親子で参加できて、子どもにとって安心できる場とするため、参加者数は10数組であり、参加費だけで成り立たせるのは難しいため、公的に予算を支援してほしい。長崎の施設でこのような企画が今後も進められることに希望を持っている。

【委員】

舞踊協会のスタジオでは、2歳、3歳も含めてレッスンをしている。今検討している子育て支援センターには、ワークショップのような、例えば親子でのリズムダンスができるようなスペースは考えているか。

【子育て支援課】

基本的に、子育て支援センターは交流スペースを確保し、そこで親子がふれあいながら遊んでもらうというつくりになっている。現在も、リズム体操などをそういったフラットなスペースで実施している。体操のほか、ベビーマッサージなど様々なイベントを所々に取り入れながら運営しているので、広さとしてどれほど確保できるかはまだ分からないが、そのようなコラボレーションをして取り組みたい。

【委員】

子育て中の父母が、子どもが小さいために演奏会に行けない、迎えに行けない、あるいは稽古事にも行けないため、しばらく中断したり、子どもが小学校に上がるまでは我慢しているという話をよく聞く。例えばブリックホールで18時から20時まで演奏会があるとすると、その間、子育て支援センターで預かってもらい、保護者は安心して鑑賞できるような一時預かりもぜひ考えてほしい。

【子育て支援課】

現状の子育て支援センターの営業時間は10時~16時であり、一時預かりの機能はないが、ブリックホールで催し物があっているときに、子連れで来て、お子様を預かることのできる一時預かりの機能も併せて設置することも検討したい。

【委員】

5歳の娘がいるので、子育て支援センターには何度か行ったことがある。自分の地域にあるから行く場所ではなく、あそこでこんなことをやっているから行ってみようという場所だと思う。ブリックホールという劇場にある子育て支援センターであるという特色を活かして模索してもらいたい。有料でもよいので、イベントがあるときの託児機能があるとよい。表現をしたくてもできない人達、例えば、0歳児の子どもがいるから練習ができない人達をサポートするのが子育て支援センターの役割なのではないか。イベントごととは言わず、営業時間を14時~22時など思い切り遅くすれば、他との違いで人が集まってきたり、夜に相談に来る人もいたり、面白い試みになるのではないか。今、日本全国の地域の劇場がどうしたら生き残っていけるかという道を模索している最中なので、これはブリックホールにとっても良いことだと思うので大賛成。

【子育て支援課】

基本としては、子育て支援センターは、親子で子育ての情報を得たり相談する場所を提供するという大原則がある。プラスで、観覧時や芸術文化活動のための一時預かりを付加させるということをどこまでできるか、一時預かりの形については今後検討する必要がある。

【委員】

ブリックホールは、誰でも知っている場所。隣に公園もあり、小さな子どもがいる家族や散歩がてらの人達も多く、ブリックホールに子育て支援センターができるのはすごく嬉しいし、友達関係もすごく賛成するだろうという意見を聞いた。アンケートでは、音がうるさいから反対との意見も出ているとのことだが、ブリックホールの建物は防音もしっかりしている。子どもがたくさんいる方は、佐世保のえぼしスポーツの里や佐賀のメルヘン村に遊びに行くらしい。子育て支援課の方々も、参考になる施設の視察に行ってほしい。小さな子どもはボールプール等がすごく好きだそうだ。

また、東京の空港では、キッズスペースに滑り台が置いてあったが、そこに人がいるのをみたことがない。スペースだけでなく中に作る状況も検討して、使いやすい場所にしてほしい。授乳室も必要。誘導サインの表示もしてほしい。長崎市の真ん中なので、いい空間になると思う。

【委員】

子育て支援センターが、ブリックホールの中にできるということは、非常に、環境的にも良い場所だと思う。中国に行くと、小さな子どもが美術館で保護者に手を引かれながら鑑賞している。そういう環境が素晴らしい。子育て支援センターで、絵を描くワークショップなど、運用面でも色々考慮して運営していただきたい。ブリックホールは、長崎市の中では、非常に優れた環境だと思うので、ぜひ実行してほしい。

【委員】

最初は、子育て支援センターの移転のための計画で、ただ場所のことだったと思うが、そこに文化が加わったということで、美術振興会の方では、子育て支援が入るのはなぜか、文化施設なので、文化的に使ってほしい、展示とか発表の場とかで使ったらいいのではないかという考えがあったが、子どもたちの一番大事な発達段階において、子育て支援センターで文化的な試みをするというのは新しく、社会と関わっていく上で必要なこと。一時預かりの場というのも良いことだと思う。保護者が文化的なものを鑑賞するのに必要な施設になったり、イベントも行うとなると、予算が必要。踊りを見せたり、小さいころからいいものに触れてもらうというのは大切。

また、スタッフは2名では足りなくなるだろう。コンサートは18時、19時という時間帯であるため、交代しながらとか、夜遅くまでやっていくことを考えた方が良く、増員が必要。小さい子どもたちが発達していくためには、幼児教育の考えを持った人も加わると良い。

【委員】

子育て支援センターはこれから開所する所も含めて全16施設とのことだが、それぞれで運用しているのではなく、連携も取っているのか。

【子育て支援課】

まだ開設していないところも含めて、市内で16施設。各子育て支援センターは、それぞれ運営団体を決め、そこに運営の補助金を出し、それぞれの団体が運営している。その16施設の横の連携としては、2か月に1回センター長会議を開催している。各子育て支援センターの運営状況や、イベントの内容、アプローチ方法等の情報を共有しながら運営している。

【委員】

それぞれの運営であれば、文化的な試みが1つの子育て支援センターだけでの動きになってしまわないか。全16施設の中心という位置づけ、例えば、ここのイベントで文化と触れ合うときに、他所の施設からも招く等という機能があってもいいのではないか。そうすれば、一律に10時~16時という開館時間ではなく、ここにあるからこそ、長い時間の営業も考えられるだろう。現状では、あるエリアの施設を他のエリアの方が使うということは生じているのか。

【子育て支援課】

まず、エリアについては、この子育て支援センターでこういったことをやっているから自分たちも行きたいという方も結構いる。長崎市内を16区域に分けているが、その区域に限定して集めているのではなく、利用者が良いと思う区域外の子育て支援センターにも行っているような状況。ブリックホールに設置すると、利便性の高い場所であるため、より多くの区域外の人も来訪するのではないかと思っている。また、確かに今は10時~16時という時間帯で運用しているが、臨機応変にできるかどうかは今後検討する。市内全体の子育て支援センターにいかにそういった取り組みを広げていくかということについても、しっかりと今後検討する。

【委員】

せっかくブリックホールに子育て支援センターができるということで、機能的に皆さんが中心となって文化芸術に触れられ、訪れやすくなるような運営を想定した設計を今後検討してほしい。

【会長】

今回、委員の皆さんからご指摘、ご要望をいただいたが、こういう話ももう少し早くできればよかった。そうすれば、さらに良いものや先が見えたのかもしれない。今、ご意見、ご要望が出てきた段階で、「検討していきます」という回答はふさわしくなく、「取り組んでいきます」と言ってほしい。今後どう進めていくかは子育て支援課で検討されると思うが、その時、ぜひここにいる委員の皆さんに声掛けをされたら良いのではないか。ほぼ全分野網羅しているので、全世代で色々と意見交換をしながら、いい形で進められたらと思う。ブリックホールの1階も、昔はレストランがあり、それはそれでよかったが、何も使わないのはもったいないので、子育て支援という目的のために使われるのは良いというのが委員のご意見だろう。

まずは、子ども達のために何ができるのか、子どもを育てる親たちのために何ができるのか。それから、せっかくブリックホールにつくるのだから、文化芸術とどう接点を作っていくか、それをどうやって市内の施設に波及させていくのかが大事。その辺りを整理して、いい形で進めていただきたい。


〇次第3 新たな文化施設の基本計画(素案)について【意見交換】

事務局(市):事務局(長崎市市民生活部文化振興課)

事務局(業):事務局(長崎市新たな文化施設基本計画策定業務受託者)

【事務局(業)】

 配布資料の説明。

【委員】

前回までは、花道が仮設ということだったが、常設の花道ができるということで今ほっとしている。ブリックホールは大変広くて良いが、日本舞踊には少し客席も広すぎるため、見えにくく、遠すぎる。次にできる新たな文化施設には皆期待を持っている。また、仮設では、人手も時間もかかるため、やはり常設の花道を付けてほしい。また、舞台機構では迫りも重要。日本舞踊だけでなく、演劇等色々あるので、特殊なものにも対応できるように、新たな文化施設では検討いただきたい。

【委員】

舞台の花道について、日本舞踊の方だけの意見を聞かれたのか。また、これは決定事項なのか。

【事務局(市)】

日本舞踊関係団体からの要望について、事務局の理解に齟齬がないか、懸念があり、花道については、色々な形式のものがあるので、一度話をしたいというご連絡をいただき、対話を行った。事務局としては、客席側に作る、よく日本舞踊や歌舞伎で使われる仮設のものをイメージしていたが、話を聞くと、実はブリックホールにあるような脇花道が使いやすいとのことだった。

また、今回の資料は決定というわけではなく、あくまでも皆さんのこれまでの意見の取りまとめで、これを受けて次回素案を示す予定。日本舞踊の方が主に花道のことをこれまで発言されていたが、確認したことにより、客席側ではなく舞台側に必要ということで書き換えており、それであれば仮設ではなく常設とできること、日本舞踊の方だけでなく音楽等でも利用できる、舞台に付帯した機能として整理している。今回は、資料に記載しているように、意見のとりまとめ。素案としてまとめていくにあたって、要素として漏れているものや検討してほしいものがあれば、重ねてご意見をいただきたい。

【委員】

一部の意見では決定はできないと思うので、きちんとこちらの審議会の場に出していただいて、協議をして、「案」という形で審議会としては出さないといけない。コロナの関係で会議を開けなくて審議会がのびのびになってしまっている部分もあるが、審議会が軽視されているように感じる。コロナで舞台なども無くて、逆に時間はあったのだから、主にこのような議論をリモートでもできたと思うし、軽んじられては困る。

【事務局(市)】

子育て支援センターの件も、本来は文化振興審議会を事前に開催のうえ協議する予定だった。8月の審議会が天候の影響で開催できず、リモートを含めて実施を計画していたが、秋は文化のイベントが多い時期で、委員の日程調整ができなかった。時間が空いてしまったことは本当に申し訳なく思っている。これから引き続きよろしくお願いしたい。

【委員】

以前配られた資料には「伝統文化の継承」という言葉があったが、そういう言葉がすっかり消えてしまっている。三曲、特に尺八などは絶滅危惧種であり、是非そういう言葉を残してほしい。

【事務局(市)】

今回、一部を部分的に抜き出して資料を作っているため、伝統文化に限らず様々な芸術文化の分野にきちんと対応できるようにしようという方針は変わっていない。これまで積み重ねて来たもののうち、特に今回意見を聞きたいところだけ、時間も限られているのでピックアップした。全てを記載しているわけではないということはご理解いただいたうえでご審議いただきたい。

【委員】

舞台の床の素材はブリックホールや他の既存施設と同様か。

【事務局(業)】

基本的には同じ。特に新しい規格や製品はなく、木軸で組んで集成材を使用するのが一般的。無垢は高額になるため難しい。

【委員】

リハーサル室について、イベント事と絡めるようだが、ブリックホールのリハーサル室のような設備なのか。照明や、座席の仮設方法はどうなるのか。

【事務局(業)】

リハーサル室という名前だが、収容人数200人程度の小ホール的機能として使う配慮をしている。ステージについて想定したうえで、照明・音響等についても配慮することになる。

【会長】

課題は、リハーサル室のスペースで200席確保できるかということである。

【委員】

一番気になることとして、客席数は1,000席なのか1,200席になるのか。1,500席を希望してきたが、1,200席に妥協している。興行の主催者からしても、できるだけ客席数が多くないと採算が合わないだろう。コロナ禍で一席ずつ空けなければならない場合、なおさら広い会場でなければ、必要な席数が確保できない。敷地の中には1,200席でも一応入りはするという事であるので、なんとか1,200席で検討してほしい。

また、エントランスに市民交流スペースがあるが、市役所の新しい市庁舎にも市民交流スペースがあった。向かい側のNBCホールの敷地に予定されている社会福祉協議会の入る建物は、市の建物なのか。桜町駐車場をそのまま残すということだったが、NBCの敷地に駐車場を持っていけないかなども含めて、そういった場所との連携ができないか。

最後に、舞台の広さは具体的にどういう大きさの舞台なのか。できれば、公会堂にあった舞台が理想的なサイズだった。ブリックホールは奥行がありすぎる。

【事務局(市)】

客席数は、前回までで、1,000席、1,200席どちらも敷地的には入ることが分かっているが、見切れ席の話などがあるので、次回までに理由も含めて整理して絞り込んだ形でお示しする。今日の時点でそこまで整理できていないため、皆さんのご意見としては、1,000席と1,200席があったということで今回の資料には記載している。

また、市民交流スペースは、基本的には別に置くということではない。エントランスロビーは、客席数に合わせて広く設ける必要があり、舞台が始まるまで、例えばブリックホールでは2,000人のお客様が来るので、エントランスロビーは広く確保する必要がある。ホールの利用がない時に空っぽの空間にならないよう、市民が交流できる場所にしようということでこのような書き方にしている。別に何かを設けるということではなく、機能として交流しやすい空間にしたいと思っている。

【事務局(業)】

施設の大きさで全体の枠がまず決まる。今回の敷地であれば、法的には相当大きなものが建てられるが、大きくすればするほどコストがかかる。この1年間で建設物価が10%ほど上がっており、その状況は、悪くなる一方。そうなると、当初構想された規模を増やすという流れは作りにくいとコンサルタントとしては考えている。そのような中で、先ほどの子育て支援センターの話にもあったように、複合的な機能、より多くの人が集まる施設と考えると、ホール部分が大きな割合を占めるのではなく、日常的にふらっと人が立ち寄ってくれる機能を充実させる方向で検討するのが一般的な傾向である。その点も含めて客席数を決めなければならない。目安として1席に対して必要となる面積は大体0.8平方メートルで、それに伴ってトイレ等付帯するものが出てくるため、そこで200席違うと、最終的にかなり大きなインパクトになる。また、舞台の広さについては適正な大きさがあるため、それに合わせて考えていく必要がある。1,000~1,200席の規模で例えば国立劇場のような舞台は必要ない。一方で、市民の安全安心を考えて舞台面積を考える必要がある。そういったことを総合的に判断して、今回の面積を決めていこうとしている。大きな舞台を作るというのはコストや敷地形状を考えると難しいが、ジャンルごとに必要な面積、主舞台や袖の面積などの適正な規模を今後提示したい。

【委員】

複合的な施設という流れも建設コストも理解できるが、原点として、公会堂が無くなったということを考えてほしい。その代わりの施設を作るのが解体にあたっての市長の約束だった。また、交流スペースについては、興行があるときはシャットアウトできるようにしていただきたい。今の市民会館のように、イベント開催時に色々なところから自由に出入りされてしまうとどうしようもない。

【会長】

 ホールの客席数等については今回ご意見をいただき、次回、諸般の状況や予算も含め、整理したものを出していくことになるのだろう。

【委員】

「2.施設の整備方針」という項目はどういう位置づけになるのか。この整備方針に基づいて建てると右側ページに示されているような施設ができるのか。どういった主旨で整備方針というものを設定しているのか教えてほしい。

【事務局(市)】

資料中の4番(映像や通信技術分野における技術革新のスピードに柔軟に対応可能な施設・設備)がホールのメインで施設として最も大事なものだと思っている。ただし、まず1つの大きな建物として配慮しなければならないことがあり、文化という視点だけでない部分も必要。この「施設の整備方針」という表現が最適なのか、また、今回の資料は頂いた意見をピックアップしているので、整理する必要がある。SDGsや災害など個別の施設の機能ではないが、1つの大事な視点として書いている。皆様からの意見で拾えていない部分があれば教えていただき、表現を変えていければと考えている。

【委員】

当たり前すぎて書かれていない点があるように見受けられた。また、4番に関連して、舞台の手動バトンの件はどうなったのか。長崎市内の舞台業者に確認し、意見を取りまとめる必要があるのではないか。電動バトンが増えているといっても、一部では使用しているから残したいという思いがあるのかないのか、そこをきちんと意見を拾い集める必要があると思う。

【事務局(業)】

そこは悩ましい。長崎の事情と全国的な流れがある。最新の設備を導入することで有利なことがたくさんある。電動バトンにすると、舞台面積の確保や地震に対する安全性の点で有利。また、舞台照明について、ハロゲンランプもまだ使われているが、LEDの機材導入の事例が増えており、オールLEDにすると、電力消費量が抑えられることに加え、熱も出ないため空調負荷も削減できる。これらのことから、全国的な流れとしてはLEDが主流となってきているが、舞台技術者からは、色が違う、調光がうまくいかないなど現状の問題点が指摘される。ただし、これらの問題点は改善されてきており、新しい機材は安くなっている。確かに地方の事情はあるかもしれないが、世界の流れや日本の潮流を踏まえ、地元の専門家と協議したうえで決めていく。次のステップにはなるが、今後協議したい。

【委員】

楽屋の練習室や会議室との併用は良いが、但し書きで「ただし楽屋としての機能を優先する」というような表現で記してほしい。全国の劇場を見ると、練習室や会議室利用をするために楽屋がガラス張りになっている等といった劇場もあるので、あくまで優先すべきは楽屋としての機能であるということを書く必要がある。個人的には、会議室は必要ないと思っている。会議室があるため大きな音が出せない等、色々なことに関わる。また、その他機能に管理事務室だけでなく舞台技術者のためのスタッフルームも追加してほしい。

【事務局(業)】

モデルプランでは、専用楽屋は中楽屋と小楽屋で、大楽屋のみ他用途に転用可能として考えている。舞台と同レベルに中楽屋と小楽屋を配置し、大楽屋のみレベルを変えるなどの方法で単独利用できるようにしようという考え方であり、会議室は専用で設けるつもりはなく、練習室で会議をやってもいいという考え方。

スタッフルームは、乗り込みスタッフと小屋付きスタッフがいるが、小屋付きスタッフには技術者控室を設けるべきと考えている。ただ、指定管理者等の運営主体の内容による。

【委員】

舞台について、迫りはあるといい。施設自体をどう管理運用・サポートしていくかという話もあったかと思うが、管理運営方法と舞台機構等の設備について同時に議論し決めていくべきではないか。

【事務局(市)】

令和4年度の予算として、管理運営計画を作る予算を確保している。今後、設計や詳細を決めるのに並行して管理運営計画を3年間かけて作りたい。その中で、新たな文化施設を市民のサポート等も含めてどう運営していくのかということも、審議会でご意見をいただきたい。

【委員】

まちづくりとはっきり書いてあるのは良い。効果・役割の部分とエントランスロビー、市民交流スペースについてはつながりがある。今の時代、コミュニティエンゲージメントの観点からもエントランスロビーの機能は重要。17年前にできた長崎県美術館はそこが十分に考えられていなかった。新しくできる文化施設は内と外の交流が進む場所ということを考えているため、エントランスロビーのスペース確保は大事と感じている。特に、屋外空間との連動が人の回遊性を大きく高めると思っている。

3点質問だが、まず、情報ラウンジ機能というのは、スペースを固定的に考えているのか。情報発信の方法はデジタルサイネージとかもあるだろう。2点目だが、屋外空間に人が集まるということで、屋外にトイレは作るのか。それとも、エントランスロビー周辺のトイレを使うのか。また、多機能トイレについて、オストメイトとLGBT+Qは意味が違うが、「みんなのトイレ」も含んでいるということでよいか。

【事務局(業)】

まず、情報ラウンジが固定的なものかに関しては、設計のプランが出てきたときに詳細を決めていく。最近の傾向としては、固定的なものではなく、家具的に移動対応するパターンが多い。ミニコンサートをする際にスペースが必要なので大型の家具としておく傾向がある。エントランスロビーの設計段階で詳細が決まるが、この機能は忘れないでという意図で書いている。2点目の屋外トイレについては、防災の面などの様々な観点も含めて、市の方針にも関わってくる。中のトイレは閉館時間で閉まるため、その辺りの配慮が必要。3点目の多機能トイレについては、名称としてはこの言葉に統一する流れがある。オストメイト等も含めて、「すべての人々に開かれた」ということに配慮してトイレの詳細を検討していくことになる。

【委員】

「情報ラウンジ」という言葉だと空間を確保する印象を持つため、「情報発信機能」という書き方の方が稼働性があると考えたが、そうすると機能だけに目がいってしまうので、内容としては承知した。

【委員】

資料を見ていると、コーヒーを飲むような場所が一切無い。例えば市民会館でうどんが食べられたり、ブリックホールのレストランも利用価値があったがそういう機能は無いのか。

【事務局(市)】

現時点では難しいと考えている。文化面を優先したい。また、まちなかの立地なので、周辺の民間施設を利用いただきたい。

【委員】

「市民や観光客の安全を確保する」という文言があるが、県外からの方のために荷物を預けられるスペースがあるといい。また、劇場や楽屋を利用する際に貴重品を預けられる小さなロッカーがあると便利。

【委員】

駐車場の件はどうか。先日、NBCが確定申告の会場になった際に、桜町駐車場前の渋滞がすごかった。新たな文化施設開館後、イベントごとにそうなることを想像すると恐ろしくなった。今は新たな文化施設は、公共交通機関利用前提の考え方をされているように感じる。以前、NBCビルの跡地の活用について提案をしたが、社会福祉協議会の建物になるということで、そこに駐車場を併設するとか、そこからの動線等、まちづくりの一つでもあると思うので、建物そのものだけを考えれば済む話ではなく、文化振興課だけで決める話ではないと思うので、まちづくりに関する部署との連携等、早い段階から進めて設計に活かすことを考えた方が良いのではないか。

【事務局(市)】

すでにまちづくり部と協議している。どこまでできるかというのはあるが、アクセスのしやすさは大事であり、市役所周辺はいろいろと変わっている時期なので、他部署と協力しながら進めていく。

【委員】

主催者としてイベントを行っているが、客席が多い方がイベントを行う上ではよい。1,000席だと、音響やカメラ等の機材で席が減ってしまうし、全国的なイベンターは1,200席くらいのホールを探している。ブリックホールのような2,000席だと大きく、中間の1,500席ほどのホールが求められることが多い。また、インターネットの普及で、配信が当たり前となっている。通信設備と電源の確保をきちんと揃えてほしい。機材を入れるスペースがもしあれば教えてほしい。通信ができることで世界に平和を発信するということにもつながるので、その辺りも考えていただきたい。

【委員】

色々な文化団体の方から舞台の大きさや花道の要望が出ている。コストはかかるだろうが、舞台や客席の可動を検討してほしい。音響にも影響してくるとは思うが、要望にある程度応えられるような可変型の舞台・客席ならば色々な方の要望に沿ったホールになるのではないか。

〇次第4 その他

【事務局(市)】

 配布資料の説明

【委員】

令和7年度に長崎県で国民文化祭が開催されるが、長崎市としても、それに取り組むにあたって、文化振興審議会での協議は予定しているか。

【事務局(市)】

国民文化祭が令和7年度に長崎県で開催される。県の方が先行して動き出しているが、組織体制としては、市に実行委員会が別にできる。当然審議会にも報告はするが、組織体制等に関しては現時点では何も決まっていない。県の動きを見ながら、各市町が、順次動いていく。また、国民文化祭の会場としてブリックホールが使われる。できるだけ皆様の通常の活動に制限がかからないようにしたい。既存のイベントを国民文化祭の事業として開催することもできるので、その時は調整しながら情報が入り次第皆様と相談したい。

【委員】

展覧会を開く場合、主催団体があるが、主催団体が実施団体として補助金の申請をしてよいということか。

【事務局(市)】

市に登録されている団体が主催されるということで申請いただく。

【委員】

個展はどうなるのか。

【事務局(市)】

市民のアーティストひとりで展覧会をするというものも対象になる。

【事務局(市)】

次回の審議会は4月を予定している。

以上

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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