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令和元年度第1回 長崎市野口彌太郎記念美術館運営委員会

更新日:2020年1月22日 ページID:033996

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

文化観光部 文化財課

会議名

令和元年度第1回 長崎市野口彌太郎記念美術館運営委員会

日時

令和元年7月16日(火曜日) 10時00分~

場所

長崎原爆資料館2階応接室

議題

・平成29年度・平成30年度事業報告
・令和元年度事業計画
・運営委員会の協議内容と対応について
・旧長崎英国領事館保存修理の進捗について

審議結果

1 開会
2 館長挨拶
3 運営委員及び事務局員紹介
3 議事
 (1) 会長・会務職務代理者の選任について
 (2) 平成30年度事業報告について
  1. 年間行事等について
  2. 入館状況について
  3. 過去5年間の収支状況について
  4. 展示実績について
  5. 第10回野口彌太郎子ども絵画コンクールについて
  ※30年度年報について
 (3) 令和元年度事業計画について
  1. 美術館展示について
  2. 第11回野口彌太郎子ども絵画コンクールについて
 (4) 運営委員会の協議内容と対応状況について
 (5) 旧英国領事館保存修理の進捗について
5 閉会
6 美術館視察

【主な意見】

(2)平成30年度事業報告について

(A委員)

長崎港に入るクルーズ船の8割がアジア圏の観光客である状況の中、野口彌太郎のアジア圏における知名度はどうか

(B委員)

野口彌太郎は積極的にアジア圏と交流をしたというよりは、ヨーロッパに渡り描いた作品が多いので、アジアとの関わりを打ち出すのは難しい。いずれ旧英国領事館に戻るとしても今は平和会館の中に入っているので、原爆資料館や平和会館に来た人をどう呼び込むかの方が課題になる。

(C委員)

原爆資料館とつながっているというのが一番のポイントであり、一番身近な対策になるのでは。

(D委員)

入館者が低迷しているとのことだが、今の知名度の部分で、市民県民を含めて、野口彌太郎の絵画の価値や面白さをもっと伝えていく必要があると感じた。

(E委員)

野口彌太郎は近代日本の作家としては一流の人。文化とは人が集まることであり、人が集まらなければ文化は発生しない。これだけの優れた作家の作品があるのに、仮移設とは言っても入館者が少なすぎる。これは市民や小中学校の児童生徒、市役所の職員といった地元の人が見に来ていないということ。アジア人に見てもらうより、自分たちのふるさとにこういった優れた先人がいることを知ってもらうことが先。この美術館に人が集まって、化学変化を起こして、文化の発信ができるようになるにはどうしたらよいのかを考えるためには、まず、長崎の人に知ってもらわなければならないと思う。

(3)令和元年度事業計画について

(B委員)

子ども絵画コンクールについて、テーマを理解した作品が増えてきたが、まだ応募校が限定的。今後も全小中学校に募集を呼びかけていく必要がある。

(C委員)

作品の題材に「わたしのまちの文化財」は子どもたちには固すぎる。「文化財」という言葉は小学校低学年にはまだ把握しづらい。「わたしのまち」や「わたしのふるさと」のような感じで、もう少し柔らかくファジーにテーマを与えてもらった方が先生方も助かると思う。まだ限定的である応募校をどのように広げていくかについては、全体の校長会での呼びかけは必須だが、校長会には小学校と中学校にそれぞれ図工の部長と美術の部長の校長先生がいるので、個別に周知のお願いをしていくと具体的に広がっていくと思う。

(F委員)

テーマについては確かに難しいと思う。テーマの解説文の中で少し説明を加えたらどうだろうか。校長先生方だけではなく、美術の先生方へもあと一押し工夫してはどうかと思う。

(事務局)

このコンクールを「文化財」について改めて考えて勉強する機会にしてほしいという思いがある。ただテーマについては確かに固い印象があるので、もっとしっかり子どもたちに受け取ってもらえるテーマを検討していきたい。

(D委員)

さきほどの話ともつながるが、長崎市が誇る画家だということを市民が認識すべき状況の中で、コンクールは特に子どもたちが実感していくような機会であると思う。そこでワクワク感を持てるように、テレビ、新聞を含めたマスコミがその役割を果たしていければと思う。

(事務局)

コンクールのスタートは、まだ美術館が旧長崎英国領事館にあった頃に開催していたスケッチ大会だと思う。当初から建造物をテーマにした作品がずっと多かったが、近年は無形の民俗文化財などを描いた素晴らしい作品の応募もある。小中学生までは指導者のコンクールに対する扱いが非常に重要になってくると思うので、学校の先生方へのアピールも含めて、よいコンクールができるように働きかけていきたい。

(E委員)

今学校の先生はとても忙しい。情報を流す際にも当該年度の核となる先生や担当の先生をターゲットにすることが大事。また、テーマについても大人の発想ではなく、子どもが楽しく思い出を作れるようなものにしなくてはならない。海外のとある美術館の調査では、美術館に来ている大人の半分以上は子どもの時に美術館で楽しい体験をしたことがあるというアンケート結果がある。自分の中に楽しい思い出があれば、子どもや孫にも楽しい思いをさせようと連れてくる。もっと子どもに楽しい美術館にしてあげるためにはどうしたらよいかを大人が考えていくべき。

(F委員)

唐突な話になるかもしれないが、現在、美術館の運営とコンクールの運営を文化財課が担当しているが、外から見ているとかなり無理がある。なぜ文化振興課が美術館の運営を担当しないのか。あるいはなぜ教育委員会がコンクールや美術館に関わっていないのかが疑問。文化財課が担当している経緯は、もとの美術館の建物である旧英国領事館の担当であるからかと思うが、建物の担当と中身(美術館)の運営の担当をそれぞれもっと見合った部署で担当して連携していくということはできないのか。教育現場との関連についても、教育委員会と一緒に踏み込んでいける事業としての位置づけができれば、今、もどかしい思いで運営をしている部分が相当緩和できるのではないか。市の機構など難しいことがあるのかもしれないが、もっと横の連携をうまくとるべき。

(事務局)

当初からの経緯により、建造物を所管する文化財課が美術館の運営もやっている状況が続いている。展示については庁内の他部署の学芸員と連携している部分もあるが、やはり文化財課だけではしっかりとした展示をやっていくのは難しいと感じる。今後どういった組織で運営していくべきかは、今後庁内の議論の俎上には乗せていきたいと思う。

(E委員)

これだけいい資料(作品)を持っていれば、新聞社と組むなどして、全国5か所程度で巡回展ができる。耐えうるだけの作品を持っている。経費は各館で出してもらい、新聞社と組めば、長崎市はそんなにお金をかけなくても展示会ができる。それだけ価値のあるものをここで簡単に見せているもったいない状況であるということを知ってほしい。

(F委員)

仮とはいえ素晴らしい美術館としての条件がそろっているのに、入館者が2000人程度という状況は、文化財課だけではなく市として、これだけの財産を市民にどれくらい親しんでもらえているのかを検討することが原点であると思う。年2回の企画展の準備も少なからぬ労力がかかっていると思うが、市長はじめ市の幹部の方が果たして何人足を運ばれたのか。以前から言っているが、足を運んでもらう機会を作るためにオープニングセレモニーをやってはどうか。出席が少ないなら少ないでそれを市の現実として受け止め、そこからスタートしないと、永遠に同じ議論を繰り返す結果になる。市の内部だけではなく、芸術に関心のある議員さんも巻き込んで、せめて企画展のオープニングセレモニーをお勧めしたい。

(E委員)

戦後70年、日本は文化国家になろうとしてきた。文化都市になるためには、いろいろな企画をし手を打たなければならない。文化関係者は、1.芸術を通しての相互理解、2.文化で風格を上げること、3.新しい価値を創造すること、4.観光と交流につなげること、以上の4つの汗をかくべき。観光と交流は、県外や外国から来た人と長崎の人が触れ合って化学変化することが大事。化学変化する装置としてこの美術館が機能するとよい。いい美術館なのに入館者が2000人台というのは、努力が空回りしているということ。旧英国領事館に戻った際に3万人~4万人を目指してスタートするには、今から準備をしていた方がよい。資料は間違いなく一級品なのでそこは自信を持ってよい。

(4)運営委員会の協議内容と対応状況について

(事務局)

原爆資料館入口へのサイン設置について、原爆資料館サイドとしては、受付から地下の展示室に間違いなく誘導したいということがあり、入口付近への他館への案内設置は困るというのが率直な意見として出された。体制の問題については、美術専門の学芸員がいない状況で、価値の高い絵画を有効に活用していけるのかということを、しっかり今後アピールして、体制についての議論を庁内でしていきたい。

(F委員)

一つの建物があって入口が二つあるから、二つの入口にそれぞれの看板を設置して、どちらからでも行けますよという案内をすることが、なぜ双方同じ市の施設で、市の建物なのにできないのかが不思議でしょうがない。縦割り行政ということか。

(事務局)

これまではいずれ旧英国領事館へ戻るからというのが正直あったかと思うが、旧英国領事館の工事期間も先に伸びているので、今の場所でどういう風に集客していくのかを改めて考えていかなくてはならないと思う。

(E委員)

平和の施設に美術があるというのは別に矛盾しない。美術は平和でないとできない。この状況を活かしてほしいと思う。

(B委員)

野口彌太郎と平和との関係について、8月という月は長崎にとって大切な月で、それで長崎に来る方も多いので、その時に合わせて「野口彌太郎と平和」のような平和に関する企画展をぜひ実現をしてほしい。そのためには、県や他部署の学芸員に協力を仰ぐことも必要かと思う。

(E委員)

全国美術館会議とは、国立・公立・私立の美術館の連合体で、全国500館弱が加盟している。会費は3万円だが、研究部会を開催しているし、出席しなくても全国の美術館の情報が手に入る。もう一つの美術館連絡協議会とは、公立美術館の連合体で、読売新聞の東京本社にあり、会費はいらない。そういった、全国の美術館と緩やかな連携をしながら、ここが孤立しないでほしいと思い、提案させてもらった。

(F委員)

以前は運営委員に県の学芸員がいた。やはり入ってもらうべきではないか。

(E委員)

美術館はコレクションも大事だが一番は活動。市民に必要だと思われるような活動をしていくべき。一番大事なのは市民県民に支持される美術館になること。観光客も大事だが一番は市民。自分たちの誇りになってほしい。

(B委員)

アンケートで半数が美術館のことを「知らなかった」という結果を見て、広報や市の広報グッズの活用、公民館などへの資料の設置など、お金がない中では、地道な広報活動が一番やるべきことかなと感じる。

(C委員)

学校の最大の責務は学力保障なので、単なる社会科見学ではなかなか時間を取れないという教育現場の現実がある。ただ、長崎では、平和学習が学力保障以上に大事なものだという意識がある。美術と平和という観点で結び付ければ突破口は見えてくるのではないか。6月・7月には子どもたちがフィールドワークで原爆資料館周辺に足を運ぶ機会が増えるので、観光客も大事だが、まずは地元の子どもたちに根付かせるというのが一つのチャンスなのではないかと思う。

(A委員)

地元の人たちの誇りがあっての観光なので、長崎が誇る芸術家であるということを時間がかかっても周知していく必要がある。観光は長崎の市民が誇るものをお客さんに見ていただくのが本来の原点。大前提として市民に野口彌太郎を知ってもらう活動がないと先に進めないと改めて感じた。いずれ戻る旧英国領事館は、野口先生の画風とも非常に近い場所なので今から準備すべき。また、野口先生を偲ぶ機会を作って、市長をはじめとしたトップに意識をもってもらうことも大事だと思う。

(D委員)

教育委員会があまり関わっていないことや、全国美術館会議に入っていないことなど、根深い問題がある。野口彌太郎をこれからも顕彰し、市の誇るべき画家として位置づけていくなら、予算も含め、単年ではなく、3年から5年くらいの長期的な戦略作りが必要だと思う。旧英国領事館に戻るのが一つの大きな節目になると思うので、そこに向けてどこまで市民の盛り上がりを作れるかが大切になる。

(5)旧英国領事館保存修理の進捗について

(A委員)

旧英国領事館の保存活用計画について、野口彌太郎記念美術館の活用も含めて検討するのか、予算化はされているのか。また、どのような場で検討するのか。

(事務局)

保存活用計画自体のメインは建造物関係で、専門家をお呼びして委員会を作り、そこで検討していく。美術館の具体的な展示については、保存活用計画策定後に展示防災設計の際に具体化していく。この運営委員会でもご意見を伺いたい。

(E委員)

意見を事前に言っておかないと、できてからでは微調整しかできない。計画を立てて、設計に反映させ、実行に移すとなると、もうあまり時間がない。

(事務局)

美術館として使うことを前提に、建物の補強等をあらかじめ行う必要もある。ピクチャーレールは当然設置する方向で、骨組みを別に作るとか、そういったところを考えたい。

(B委員)

重要文化財を美術館にするというのは大変なことだと思うが、美術館としてもよく機能してほしいので、美術館設計や展示設計に関わる人選については、本当に長けた人を当ててほしい。

(E委員)

開館前の段階でソフトとハードを両方整えていかないと、開館してからできることはほとんどない。ソフトの問題と人の問題をはやく組み込んで開館措置を進めてほしい。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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