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平成30年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

更新日:2018年12月4日 ページID:032116

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部 世界遺産推進室

会議名

平成30年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

日時

平成30年10月22日(月曜日) 15時05分~16時30分

場所

旧出津救助院(西出津町2696-1)

議題

大平作業場跡の整備について

審議結果

 1、大平作業場跡保存整備活用について
 委員会開催の直前に、出席者全員で大平作業場跡の現地調査を実施した。
 現地調査後に委員会会場へ移動し、所有者が実施する予定の大平作業場跡保存・整備活用について、所有者から委託を受けた業者より配付資料に基づき説明があった。その後、各委員から次の意見があった。

(1)今回の調査工事結果の報告と建物遺構の取り扱いについて(報告1)
(2)農地活用計画について(報告2)

※報告1については現地調査で確認。
今回の調査工事により明らかになった遺構に関しては全体的に記録測量を行い、芋ガマや水がめは当初の機能を継承するように活用を図る。石列は覆屋の柱に干渉する部分のみ撤去し、そのままの状況で整備を図る。

【B委員】
建物だけでなく、畑そのものも活用する計画になっていることはいいと思う。希望だが、調査の段階で畑の石垣の安定度や維持管理の方策についても調査・計画してもらいたい。畑の石垣の維持も大事な要素になってくる。

【A委員】
いまの意見については、今後の計画の中に入れ込むことでいいか。→ 一同、了

【C委員】
建物へのアプローチはどうするのか。畑は非常にいいと思うが、石の階段などがなく危ないので、作業をするときに整った環境で作業ができるようにしてほしい。石垣もあるので、上り下りできるようにちゃんとしていた方がいい。

【所有者から委託を受けた業者】
建物のアプローチに関しては、前面道路から石階段があるが、そちらは重機の動線ということで今は仮の舗装をかけているが、整備の段階では元の階段に戻して活用していきたい。既存の茶畑と今回整備する所の間の縦道については、階段はあったが、いまは重機を走らせやすく盛土しているので、ここはいずれ重機が乗り入れる必要がなくなった時点で元の形に戻していく。それ以外の新たに整備する通路等に関しても、農作業する方が歩きやすいよう整備していくので、既存の遺構があって、それを緩いスロープにするという場合は、遺構は保護したうえでその上に整備をしていく、という考え方をもって進めていく。

【D委員】
耕作放棄地対策という点からもいい取り組みだと思う。農業政策、グリーンツーリズムなどで、農政部署との連携も意識しながら取り組んでいただければと思う。

【A委員】
では(報告1)(報告2)を受け、活用の方針については基本的にご理解いただいたこととしてよいか。→ 一同、了

(3)作業場建物跡保存活用の方針について(審議1)
(4)作業場建物跡保存活用の内容について(審議2)

 大平作業場建物跡の保存・活用のための整備方針については、ド・ロ神父さまと地域の人々が残した作業場建物跡と農地を保存しながら、お茶の生産・紅茶の製造を中心とする農作業支援・生産拠点として活用する。
 作業場建物跡遺構周辺の整備は、1.石積の解体・積直し、2.石積の新設、3.壁の傾きを是正、4.後補石積の撤去、5.樹根除去のための解体・積直し、6.石積目地部の補修、7.覆屋設置、8.下屋(ガラス屋根)の設置、を行う。
 調査により明らかになった地下遺構の芋ガマや水がめは、そのまま芋ガマや雨水貯水槽として活用する。
 覆屋デザインについては、東面(茶畑側)は往時の屋根ボリュームを表現し、西面は歩道から石積み遺構の景観をみせる2つの異なる表情をもつ形状とする。
 → 一同、了

【A委員】
史跡指定された場所にお茶の木を植えることについて、法的な植生制限はないか。

【長崎市】
植える場所は市指定史跡の範囲には入っていない。景観の面では届出行為ではなく、もともと農地としての機能を持っていた場所であり、問題ないと思う。

【B委員】
いい場所だが、場所だけの話で終わらせるのはもったいないので、話を広げてほしい。行くのが大変。どうやって人をあそこに連れていくかを考えないといけない。熱心な人にとっては、年2回の茶摘みでしか行けないのか、となってしまうので、ほかのプログラムで内容をふくらませ、遊びに来れるようなものも検討してほしい。

【A委員】
茶畑の散水や、雑草取りはどうしているのか。

【所有者】
散水は天気まかせで、特に行っていない。茶摘みの時期に草刈り機で除草する(年2回)。あと、つるが巻くと鎌でとる、バリカンで刈り込みを行う(年2回)程度で、さほど手はかかっていない。あまり肥料を撒きすぎてお茶が立派になると、害虫(チャドクガ)がつき、農薬をまかなければならなくなるのでほどほどに、自然まかせのほうがよいと専門家の方からアドバイスがあった。

【A委員】
維持管理の問題については、お茶はそんなに手がかからない、というのならよいのでは。

【所有者から委託を受けた業者】
日常管理の範囲でできるような計画をたてなければと考えている。

【B委員】
工事だから難しいかもしれないが、例えば最初の苗木は子どもが植えるとか、つくる過程で市民が参加できるようなタイミングを作ってみてはどうか。また、粛々とつくるだけではなく、何かどんどん変わっていっているということを情報発信することについて、併せて考えたほうがよいと思う。

【所有者】
救助院ホームページを活用してはどうか。

【長崎市】
連携して市のホームページでもお知らせするとか。

【B委員】
何かやったら、すぐ発信するのがよい。何かがあそこで起きている、という感じをつくっていったらどうか。

【所有者】
救助院ホームページに掲載している、ブログを活用してみようかと思う。

【C委員】
廃墟を見せるのは良いコンセプトである。全体の配置を見ると、見学するには狭すぎる。見学者と作業者でぐちゃぐちゃにならないか。外からじっくり見ることができる、休憩所のようなものを作ってはどうか。細い柱が多い構造だが、風が強いときに倒れないか。ガラス張りは、暑くならないか。換気をよく考えてほしい。

【所有者から委託を受けた業者】
北側の通路をギャラリーの一部とし、別の場所への階段・通路を派生させ、作業を見学する視点場を配置する。公開と活用、異なるプログラムの錯綜対策として、ブリッジを設けている。風圧力対策だが、ブレースをがちがちに入れると廃墟の景観を損ねる。折り合いをつけつつ考えたい。ガラス張りについて、開放したいギャラリーは北側にあり、山を背負っていることから、日照による温度変化はあまりないと考える。一方で、換気への配慮は必要である。

【A委員】
トイレは、この場所(通路横)じゃなきゃだめなのか。表示だけにして、(利用できるトイレは)別に作ったほうがよいのでは。

【所有者から委託を受けた業者】
トイレ遺構にも覆屋を検討している。

【B委員】
遺構を保存するだけでなく、日常的に利用してほしいという考えとのバランスだと思う。遺構を活かしつづけよう、というところが大事だと思うので、駐車場をどうするかも併せ、トイレなど、使いやすい計画にしたほうがよいと思う。

【A委員】
芋穴は、空調に気をつける必要があるのか。

【所有者から委託を受けた業者】
芋のためというよりは、中で作業する者への配慮である。空調の範囲を休憩室のみとするか、作業場全体とするか判断がいると思う。中の詳細なプランニングはこれから詰めていく。

【B委員】
(ガラス屋根面積の大、中、小で)3つの案のうちでは、(中)が一番いいのでは。(大)は、落ち着かないとか暑いとか、居心地に影響する。

【D委員】
(大)は遺構にスポットをあてすぎでバランスが悪い気がするし、管理もたいへんでは。(中)がいい。

【所有者】
(中)がいいと思う。

【D委員】
国立公園には、環境収納容量(環境を阻害しない上限の人数)という考え方がある。フリーなスペースが少ない中、どれくらいの人が来ると想定しているか。特に収穫時期には多くの人が来ると想定されるが、臨時の駐車場をどう確保するのか。

【長崎市】
現存のお茶畑ですでに実施しているお茶摘みのときは、集落の外に市が整備した駐車場から、所有者がシャトルバスを運行しており、基本そのような形になると思う。または、健脚コースとして、ド・ロ様道を歩いてきてもらうのも、次のステップとしてありかと思う。

【B委員】
いい場所なので、シャトルバスで行くだけではもったいない。

【所有者から委託を受けた業者】
来る日をばらけさせる方法をとるのも一手かと思う。グリーンツーリズムの行程を考えた場合、日帰りは時間的に厳しい。泊まってもらうということが、ひとつのキーになると思う。

【C委員】
入場料の取り方は考えているか。グリーンツーリズム、関連施設との関係でいうと、この施設自体の入場料をどう考えるか。ギャラリーとしての管理及び建築の入場料なのか。

【所有者から委託を受けた業者】
詳細はつめきれてない。現地に職員の常駐は考えにくい。救助院で入場料を払い、鍵を借りて、(訪問者自ら)現地に行って開ける、という方法はあるかも。

【A委員】
海外では、体験後にメモリアルカードやバッジを配ったり、巡礼の旅で二枚貝を持っている人にお茶をだすサービスをするといった事例がある。そのようなものも考えてみては。

【D委員】
単なる市民農園ではなく、文化的景観や歴史を味わうことができる市民農園として、従来とは違うという物語をいかにつくるか。
人材育成も大事。人気のある市民農園に、コミュニケーション能力が高くて、栽培方法や地域の由来などをおもしろおかしく説明してくれる人がいて、その人目当てに集まるといった例もある。
自給自足というだけでなく、農園内ですべてまかなえるようなリサイクルシステムを構築することも、ド・ロ神父の精神にかなうのではと思う。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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