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平成29年度第1回 長崎市図書館協議会

更新日:2018年4月13日 ページID:031120

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

教育委員会 市立図書館

会議名

平成29年度第1回 長崎市図書館協議会

日時

平成29年8月23日(水曜日) 13時30分~15時30分

場所

長崎市立図書館 3階会議室

議題

長崎市立図書館の運営状況について

審議結果

 (市立図書館の運営状況について、資料を基に事務局から説明。)

【会長】
これより質疑応答に入る。資料(1)(2)(3)をまとめて質問を受けることにする。委員の皆様、ご意見、ご質問などをどうぞ。

【委員】
新しく始めた「目指せ!調べものマイスター」というのは、どんな雰囲気だったのか。

【TRC】
講師側のスタッフとしても勉強の場なので、毎回担当者を決め、さまざまな準備をして、テーマを設定してやっている。ミニ課題のようなものをその場で自分で調べ、それぞれ発表する。調べるというと、調べる学習のコンクールをメインにして、過去には準備講座を開くことをやっていたので、完成までの厳しい道のりに向けての準備だったが、もっとシンプルに、たとえば辞書の使い方、辞書でこれをみんなで調べてみようとか、そのような細かい様々な課題を設定して、参加者たちが制限時間の中で、がんばる形で実施した。

【委員】
土曜日経営・起業相談会について、これは図書館の方が説明されるのか現場で働く企業の方が講師をされるのか。どんな形式になるのか。

【TRC】
土曜日経営・起業相談会は、普段はよろず支援拠点の、いろいろなところでされている講座の場を図書館で開催している。基本的に専門の方がそれぞれ対応する。講座によっては図書館にあるデータベースを使い、起業に向けて、いろいろ経営に関することなどを調べて情報を得られるようなことをレクチャーするような会も過去にあった。基本的に図書館は、起業に関してや経営診断などはできない。共催することで専門家の方に図書館でやっていただいている。

【委員】
大人を対象にした定期上映会に、自分も参加したことがある。同じ映画を月に2回、昼に1回、夜に1回やっている。どの映画も実施日と入場者数が記されているが、2回目のほうが夜なのか。

【事務局】
1回目が夜間、2回目が昼間の上映である。

【委員】
映画の内容にもよるのか。「ナバロンの嵐」が95人など参加者が多い日もあるが、これは夜か昼か。

【事務局】
多いほうが昼である。だいたい昼間上映のほうが参加者は多い。

【委員】
年齢層はどうか。

【事務局】
年配者が多い。

【委員】
自分が行ったときも年配者が多かった。

【会長】
YA(ヤングアダルト)ボランティア新規研修とか配架ボランティア、装備ボランティア研修を、4月16日に一緒にされているようだが、どんなことをしているのか。

【TRC】
まずボランティアの皆さんには、この研修の前に登録説明会がある。今年度のボランティアに登録していただける方全員に必ず事前に集まっていただき、ボランティア活動の心構え、公共施設で活動するときの注意点などをお話する。それから配架や装備などボランティアの活動別に分かれ、各担当者から説明をした。事前に説明は受けているが、ボランティアは個人で活動するので、16日は、活動を始めるにあたっての道具類の使い方や活動の段取りなど、もう少し実践的で具体的な説明をしている。同じ日に開催しているのは、ボランティアの担当者が違うからである。

【会長】
各研修の参加者は別の人たちということか。

【TRC】
中には配架と装備の両方をやりたいという方もいるので、そのような方には、別の日に研修を受けていただいている。

【会長】
YAボランティア新規研修とYAボランティア配架研修と二つあるが、どう違うのか。

【TRC】
YA新規研修について、3月中に行った登録のための説明会で、YAの中高生を対象としていない。そこで、YAについて、ボランティア活動の心構えなど同じような内容を新規研修として行った。30日に開催したのは、配架など具体的な内容について簡単に説明したうえで、OJTのような形で研修をした。

【会長】
YAというのは、受けている人の属性ということか。

【TRC】
募集するうえでの問題だが、YAサービスに入ってもらうボランティアは、若い世代だけ別途募集している。

【会長】
YAサービスのボランティアは、具体的には、どんなことしているのか。

【TRC】
YA向け行事のお手伝いやYAコーナーの配架をしている。

【委員】
その他のところで、見学について市内に限らず様々なところから来られているが、学童保育で見学はできるのか。

【TRC】
引率していただけるなら、見学は可能である。

【委員】
子どもだけで行かせることはない。

【TRC】
見学対象は限定しない。障害者団体や多機能型事業所など、さまざまなところから見学の申込みがある。先方からの申込みを受けて、それに対応する形だ。見学の申込みが多くて対応しきれないようなときはお断りすることもあるが、基本的に、日程的に問題がなければ全て受け入れている。いろいろな案内や説明をしてほしいというところもあれば、子どもたちを自由行動させるところもある。

【委員】
そのことで通常の利用者が迷惑を被ることはないか。

【TRC】
見学でご案内するときは、一度に大勢の対応は無理なので、幾つかのグループに分けて、時間をずらすようにする。大声を出したりせず、他の利用者の迷惑にならないようルールを守っていただければ、市民の皆さんも嫌な顔はしない。

【委員】
毎月のお話し会に、同じ人が来ることはよくあるのか。以前、お話し会で、同じ人が何度も来ていたが。

【TRC】
熱心な方で頻繁に来られる方もいる。赤ちゃん向けのお話し会を1日3回やっているが、毎回同じ方が来ることはない。当初は3回もすることは考えていなかったが、希望者が多く、1日3回せざるをえなくなった。

【委員】
先日、孫を連れてきたが、とても楽しかった。手遊びみたいなことも教えてくださる。午前の部だったが、教え子がデビューの日で、ベテランの方と二人で演じていた。さすがにベテランの方は上手だし、教え子も懸命に頑張っていた。参加者がすごく多く、1回終わると全部入れ替えるのだが、また同じ人が来たりする。でも、とても楽しかった。

【TRC】
赤ちゃんお話し会は特にそうだが、本当ならおばあちゃんから教わっていた手遊びとが、なかなか最近の若い世代では知らない。伝統的な赤ちゃんのあやし方に近いような遊びをみんなでやって、家に帰ってから、またできるのも、図書館の活動で素晴らしいと思う。

【委員】
そこはよく研究されている。

【委員】
図書館のホームページや図書館だよりに何をされたか載っているが、高島の幼稚園での読み聞かせをするときなど参考にさせていただいている。

【TRC】
今、お話し会で何を読んだか、ツイッターやフェイスブックで発信している。

【委員】
その流れを参考にさせていただきたい。

【TRC】
広めていただければありがたい。

【会長】
ご意見が無ければ、次の資料4についてご説明いただきたい。

(新県立図書館の整備について、資料を基に事務局から説明)

【会長】
新県立図書館の影響についてまとめていただいたが、これについて各委員が独自の情報を持っていたら情報交換として教えていただきたい。ご意見またはご質問があればどうぞ。
だいたい県立図書館が長崎市からなくなるということでは、直近の影響と将来的な影響と二つが考えられるので、それぞれの面で見ていく必要がある。

【委員】
参考までにお尋ねしたい。新しい県立図書館の運営形態には、指定管理者制度が採られるのか。

【事務局】
現在のところ、全く見えてこない。市立図書館は市民に近い施設であるが、県立図書館の場合は市町立の図書館を指導支援するという立場から、内容的にも専門的な蔵書も多い。公の施設としての指定管理者制度は自治法などで認められているので、経営的な視点から長崎県が導入されるのか、現在のまま直営を主体とするかどうか、われわれは把握しきれていない。今の直営方式が急に変わるとは思えず、また十分な情報も無いので、まだ決まっていないと考えている。

【会長】
相互貸借について、長崎市への貸出しは年間約600冊とのことだが、かつて県立図書館で働いていた経験から、600冊では収まらない。貸出しシステムを通じての貸出が600冊であり、長崎市からの紹介で多くの方が直接借りに来る。本当にすぐ近くなので歩いて来るのだ。このような人たちがカウントされていないことを考えると、具体的な数は判らないが、600冊で収まらない。

【事務局】
この600冊というのは県立図書館の資料からの引用である。会長が言われるとおり、それに入っていない数もかなりあるだろう。

【会長】
市立図書館と県立図書館はごく近い距離にあるので、直接歩いてくる方が多い感じはあった。

【事務局】
補足説明をすると、県立図書館と市立図書館では蔵書の内容も違う。県の方は主に専門的な図書を扱っている。市の方は、一般図書を開館から10年近く集めてきているが、どうしても郷土資料が足りない。県立図書館には12万冊の郷土資料があるが、長崎市には地域資料と原爆関連を合わせても3万冊に満たない。このあたり、圧倒的に郷土資料が影響を受けそうだ。この関係のレファレンスも含めて今後注意しないといけないと考えている。

【委員】
今の話で、郷土資料センターが新しくできれば、また元の形に戻ると考えられるが。

【事務局】
県立図書館の郷土課が郷土資料センターとして残るようになっているので、それが開館すれば、基本的に元の形になると思う。

【委員】
閉館中の1、2年の間はどうか。

【事務局】
新県立図書館ができてから、郷土資料センターができる平成33年まで、まだ何年かある。その間、どうするかは未定である。郷土資料センターができれば前と同じようになるが、それまでの対応が示されていない。われわれも今後、県立図書館に情報提供をお願いして少しでも早めに対応したいと考えている。

【委員】
まだ不勉強なのだが、いま長崎市にある県立図書館は資料センターのようなもので継続するが、大村市にできる新しい県立図書館の性格はどうなのか。長崎市立図書館のように、市民が資料を検索するより、もっと関心のあるものを読みたいという形でいくのか、それとも資料の保存をやっていくのか。

【事務局】
当然ながら市立図書館は市民に近い図書館で、市民の要望などを加味していく。県立図書館の場合は、市町立図書館を支援する立場にあり、いろいろ提供する立場や市町立を指導する立場からもっと専門的な部分を扱っていくので、現在の県立図書館にある郷土資料とそれ以外の一般資料のうち、一般資料だけ大村に移ることになる。その部分も今の専門的な部分を1冊でもそろえていくような形になる。県立図書館と市町立図書館ではそのあたりの専門的な図書の内容が違う。当然市町立がいろいろと判らない部分とか県のほうで指導もするし、指導的な立場という形の中で、ソフト的にも少し市立図書館とは違った性格になるのかなと思う。

【委員】
それは判るのだが、大村市立図書館の場合は県立図書館と合体するので、大村市立というと長崎市立と似たようなものになるのか。

【事務局】
その部分も少し盛ったような形になるが。

【委員】
新県立図書館は今の県立図書館と同様な機能となるのだろうか。両方がミックスになっているので、どんな性格になるのかが気になる。

【事務局】
一体型というと、われわれもどんな形になるのか具体的には掴んでいない。

【事務局】
少しわかりにくいが、県立図書館のスタッフは県立図書館のスタッフとして、大村市立のスタッフも新しい県立図書館の中に入り込む。大村市立図書館の職員が、全部いなくなって県立図書館の職員だけがいるというわけではないと聞いている。市立図書館の機能と市立図書館が本来有すべきいろいろな対応をする部分もあり、その中に市立図書館より県立図書館に近い専門的な本があるといった施設になると現在までの情報では、思える。

【委員】
それとは別に、さらに資料センターができる。その住み分けがよくわからない。

【事務局】
実際、県立図書館が無くなってから新しい郷土資料センターができるまでの時間を考えると、4年から5年の間、何も利用するものがないといった状況になってしまう。5年の間、無いことに慣れてしまうので、もしかしたら郷土資料センターができたときに、そこに戻っていくのは少し大変かもしれない。

【会長】
図書館利用は癖のようなもので、癖が5年間で消失するとなると、なかなかつらいものがある。将来的に長いスパンということになるが、古い郷土資料の購入が難しい。長崎市は大きな都市なので、市民の方に、ご自宅にあるものを寄贈してもらえないかと広く呼びかけて、その中でどうやって選択していくかという話しにはなるが、一歩ずつ地道な努力を続けるしかない。古い郷土資料の場合にはいくらお金があっても一緒なので、そうすることによって市民側からみると自分たちの図書館だという感じを持っていただけるのではとも思う。図書館によっては、このような種類のものを寄贈してほしいとはっきり表示しているところも多い。何年までの郷土史に関係するアルバムやフィルムをいただきたいということを郷土資料室の窓口に表示している図書館もある。一歩一歩地道な作業を積み重ねていくしかない。それでも5年間はどうするのかという解決にはならないのだが。

【委員】
新しい郷土資料センターを作るときには前の建物を取り壊すが、そのとき図書はどこで保管されるのか。

【TRC】
通常は、倉庫などを借りて一時的に移動し、建て替えた後で戻す。まずは場所を確保する。湿気の多い場所でも困るし、散逸しても困るので、けっこう大変な作業になる。どこの図書館でも建て替えるときには、一時的に本を動かして倉庫などに保管する。

【委員】
その間は、貸出など無理だろう。

【TRC】
1回箱に入れたらどうにもならない。

【委員】
貴重なものだけ市立図書館で預かることはできるか。

【TRC】
同じ行政組織の中でも難しいので、県と市の間ではできない。

【委員】
郷土資料だけ、37万冊なら持てそうだが。

【会長】
5年も経ったら返さないかもしれない。

【委員】
借りたものは返さなくてはいけない。ただ、県としてもずいぶん楽になるところもあると思う。新県立図書館ができるまで式見の蔵書も合わせて郷土資料センターに一時保管し、それから郷土課資料を分けようというのはすごく大変だと思うが。

【会長】
式見には郷土資料は無い。県立図書館がなくなるのは、いろいろと新しいことが始められるので、長崎市立図書館の新しい作り直しのチャンスではないか。

【委員】
長崎史談会に入っている知人も、けっこう県立図書館の資料に頼っている。長崎市立図書館ができて10年経つので当然のことだが、本当は、市の資料は市立図書館が持っていなければいけないのではないか。事情があって、おくんちの昔の赤本を調べようとしたら、どこも持っていないし、県立図書館も全部は持っていない資料で、個人的に所蔵している方からお借りした。そのようなものは、呼びかけたら出てくるのではないか。とくに市の資料などは。

【会長】
預けたいと思っている年配の方も多いようだが。

【委員】
自分が亡くなる前にきちんと整理しておきたいのだろう。

【会長】
そのようなことでずっと市民との距離を近づけていくのはいいと思う。ただ近づくことで大変なことも多いが。県立図書館でも古い資料の寄贈を受けることがあるが、本当は市立図書館に寄贈したいと考えている方もいる。やはり地元の図書館に置きたいと思っているようだ。県立図書館が建て替えられるまでは、県内の中央館になるので、市立図書館の職員さんはすごく大変だと思う。

【会長】
次に、利用促進策について、これまで利用が少なくなってきているので、利用を増やす方法はないだろうか。これは県立図書館と違って、市立図書館の問題である。
この中で、貸出券の得点付与とはどのようなことをイメージしているのか。

【館長】
ここは案として上げているが、新規登録には、積極的には何もやっていないので、貸出券について子供向けのデザインを作るとか、他都市図書館はまだ調べていないが、貸出券に何らかの特典があるのかを調べ、登録者を増やすことができないか考えている。

【会長】
小さい子にはキャラクターものとか。

【委員】
ちょっと関心があって、難しいデータ加工が必要になるかと思うが、年齢別のYA世代が少ないという別紙の棒グラフで示されている。市の統計資料を分析して、その比率を10年間並べるとどんなものだろうか。トレンドとして10代20代がずっとこのように低くて、29歳から後になると増える状態が10年続いているなら良いが、そうではなくて、10年分の借りない年齢層がそのまま上がってくると、この先の減り方について悪い状況が予想される。10代だけ少ない状況が10年続いているなら良いが、ある年齢層から上の層がどんどん減り続けて10年きたのなら、今借りている30代から後も10年経ったら減っていくということを意味している。ここを見てみたい気がした。

【事務局】
今の数字は、図書館の登録人数に限定したものか、市の統計の人口によるものなのか。

【委員】
より正確にわかるのは、その区分の人口で率を出してグラフ化すると、市の人口変動に影響されない利用率のデータが出るので、そのような形で比べると、人口変動に関係なく利用率が下がっているのか、たまたま人口が減っているからその影響なのかがわかるだろう。

【事務局】
両方を同時に出して照らし合せてみるということか。

【委員】
これが10年経ったら、もっと10歳上の層も減っているものなのか検証してみたい。仮説としては、IT機器の普及で可処分時間がそちらに取られていることを前提にすると、それが事実なら上の層にいくと同じように減っていくはずだ。果たしてそうなのか。10年前からYAは少なかったのかと。

【会長】
年齢的な属性から、ずっと続くものなのか。

【TRC】
体感的にはどこの図書館も10代は少ないと思う。来館者に対する10代の比率は、スタディルームなどすごく多い。あれだけ来ていながら、これだけ借りていないのかという感じだ。

【委員】
私の子どもが このくらいの年齢なので、どうして図書館で本を借りないのかと聞いてみた。図書館にはすごく通っているが、借りたい本が見つからないという。WebOPACで探すと、あるのだが、自分が見渡した範囲に無い。それはなぜか。YAコーナーは知っているかと訊いて説明するが、棚に見当たらない。WebOPACでは借りたい本があるのにスタディルームに寄った帰りに覗いていくと自分が借りたいと思う本に出会うことがない。と、子どもは主張する。どうしてそうなのかが特定できたら非常に効果も大きいかもしれない。スタディルームに来ている人を潜在顧客として相当な数を取りこめるはずだ。スタディルームに図書室の案内を置くくらいはやってよいと思う。

【TRC】
勉強の邪魔にならない程度には。

【会長】
スタディルームに行かないくらい面白い本を置けるとよいかも。

【委員】
スタディルームは、部屋だけか。本などは無いのか。

【事務局】
図書は置いていない。

【委員】
多良見の図書館は、児童コーナーの真ん中に勉強するエリアがあったようだが。

【TRC】
図書館が閉まっても学習コーナーに学生さんがいられるように図書室とは別になっている。

【委員】
図書館が閉まっても勉強するのか。

【TRC】
図書館が閉まってスタディルームだけ開いている状態では、中高生は図書館の外側にいることになる。

【委員】
長崎市立図書館の造りも同じで、図書室と学習室が分離しているので、1時間延ばして開けられるメリットがある。その点、図書館には寄らないのだろうか。

【TRC】
一応、YAの案内のボードはあるのだが。

【委員】
あれをうまく使えればよいが。

【TRC】
もっと、邪魔になるように置いたらどうだろう。

【会長】
勉強できないくらい、邪魔になれば。

【委員】
今、自分が読みたい本がないというお話があったが、けっこう年齢がいっても見たい聞きたいと思うDVDやCDが少ない。このことでお話させていただきたい。レファレンスコーナーで「モタさんの生き方」を紹介しているような本を私に紹介してくれませんかと、きちっとこのような場所に行けばこの本があると案内し、自分がどこに行けば自分が希望する本を手に入れることができるかが明確になると思うのだが、CDとかDVDだと自分が何を望んでいるのかはっきりしないものだから、ずーっと見ていって面白そうだと思えるものが無いという、自分自身の問題も結構あるようだ。借りようとしている本人が明確な目的を持っていない。

【会長】
明確な目的がなくても楽しめるのでは。

【委員】
それはあると思う。DVDも今年度は250点ほど入っているが、みな同じようなものばかり残って、250点という新しく入った数字というのがどんなものなのかなと、ひょっとしたらもう先に借りられているかもしれない。その辺りのチェックを私がすればよいのだろうが、そこまでして借りるということではなく、見た範囲で無いから帰ろうとかそんな感じの人も結構いるかもしれない。

【TRC】
視聴覚資料は予約できないが、図書については予約ができる。所蔵しているかどうか調べて、とにかく棚になければ予約する。そのような利用の仕方をする方が最も効率的に利用されている。ブラウジングだけして、なんとなく見たい本を見つけるのは、人気のある本は棚に無いことが多いので、それをいつでも見つけられるようにするには同じ本を何十冊も買うことになり、人気の本ばかりが一時的に集まってしまう。それは図書館としてはいかがなものかと思うので、適度にWebOPACを使っていただけたら、OPACで自分の読みたい本、読みたいかもしれない本を見つけ出せたらよいかと思う。今いただいたご意見で、書店にあるPOPみたいなものとか、確かに並んでいるだけでは内容が判らなかったりするので、全部の本につけることはできないが、その辺りデザインや紹介の仕方については、私たちでも努力すればできるかなと思った。

【会長】
レファレンスサービスの充実をあげているが、今の話にもあったWebOPACというものが、ある年齢層にとっては使い方がわかりにくく、定期的に一日のうちの1時とか3時くらいに、いる人だけでも集まって、WebOPAC初心者講座みたいな操作や予約の仕方などを教える軽い講座を、やっていただく。ちょっとしたレファレンスみたいな感じのことができたらいいかなと。申込みとかするとしんどい。OPACをどのように使って検索するのかと思っている人に気軽に呼びかけ、集まってお話を聞いて、そのまま参加するような感じの講習会とかあったらいいなと思った。調べつくすのではなく、ちょっとだけでも。

【TRC】
大学図書館で新入生を対象に機械の使い方を教えるようなものか。

【会長】
やり方がわかれば、それからどんどん入口から入っていける。そのちょっとが、壁になっている。

【委員】
WebOPACにはまっているが、テレビで見ていておもしろそうなものがあったら、すぐその日のうちに予約する。佐藤愛子さんの「九十歳。何がめでたい」をテレビで見てすぐ予約したが、4月に予約して届いたのは8月だった。認知症予防とか作り置きとかベストセラーになると、ちょっと読みたいが買うほどでもないときに、本屋に行くまでもないと思うとWebで検索して予約を入れる。多良見図書館に無かったら、飯盛とか西諫早とかから取り寄せてもらえる。それでも無かったら、多良見図書館のカウンターに行って、県立図書館からでも取り寄せてもらえる。常に予約しているような感じだ。10冊まで予約できるし、それが届いたらメールで連絡が来るので、取りに行く楽しみがある。若い人はたぶんそれができる。最初は自分にとっても敷居が高かったが、できるようになったら、スタディルームで出張研修や、図書館利用の呼びかけとかも考えられそうだ。市立図書館にも若者向けの本もそろっているが奥まったところにあって、探せばおもしろい本もあるのだが、ふらりと立ち寄って目に付くところにはない。目に付き易いのは雑誌とか、今の一般書みたいなところなので、若者向けを開拓するなら、SNSなどで何を読んでいいかわからないという人でも、日常生活でちょっと気になることがあれば、体力が落ちたとか、そんなときにちょっとOPACを見て、読みたいと思う本を見出して、探さなくても準備されているから、時間もかからない。そうやっているうちに他にもおもしろそうな本を見つけることがある。使いこなすことができたら世界が広がりそうだ。

【委員】
機械を使えるように自分がチャレンジしていかなければならない。

【委員】
レファレンスでも訊いてみたら、源氏物語のDVDを見たいと言ったら、すぐ対応してくれた。

【委員】
そこは明確だから。

【委員】
19ページの別紙4だが、だいたい貸出点数は下がっているが、週刊誌や月刊誌など雑誌の最新号は館内閲覧だけで、古くなったものを貸出すのがこの資料に入っているのだろう。その場合、貸出している人の年齢層は、高齢者が多いのか、若い人も借りているのかその辺りはどうなのか。

【TRC】
雑誌タイトルそのものは、様々な年齢層に合わせて用意している。雑誌を借りていく方は、それぞれの雑誌が対象とする読者層からそれほど離れてはいない。

【委員】
若い人もけっこう借り出しているとみてよいか。

【TRC】
数値で分析していないから断言はできない。

【委員】
中高年の方が週刊誌などを借りても、それは伸びてもあまり将来性がないのかも。若い人が借りているなら、それを増やせばもっと伸びそうだが。

【委員】
勝手なイメージでは、ファッション誌や料理雑誌など1年前の前後を何年か分をまとめて借りていく方が多いようだ。当月や前月は借りられないので、1年前とか2年前の号をけっこうまとめて借りていく。そのような人が雑誌の利用を引き上げている。

【委員】
そのようなこともあるのか。

【事務局】
雑誌のタイトルでいくと、図書館年報の19ページから雑誌受入れリストを載せている。実際、私たちが直接統計的なものを細かく見ていくことはなかなかないが、除籍になるタイミングで非常に多く借りられている特徴的な雑誌がある。それが長崎のことを特集している号だったりすると、通常の号より多く借りられている。さきほどの年齢の幅に直接結びつくことはないが、やはり地元のことが載っていたり自分が興味を持っているものが取り上げられていると、自分が日ごろ読んでいる雑誌でも、特に興味を引く内容なら貸出が非常に伸びることがある。また、何かが流行すると、それに関する雑誌の利用が増える。どんな情報を欲しがっているかは人それぞれであり、自分が興味関心のあるものとしてアンテナを張っているところが大きいと考えられる。そういった中で、さきほどの雑誌について、自分が読む年齢層であったり、自分が情報として欲しいと思うようなものが借りられる傾向にある。

【委員】
その関連で、長崎が特集になっている号がよく出るという話だが、そのような号は除籍せず郷土資料として扱うのか。

【事務局】
そうだ。なかなか一般の方が見る機会は少ないが、JALやANAの機内情報誌にランタンフェスティバルや長崎くんちの特集が載っていたりすると、その情報から多くの方が借りていく。

【委員】
こちらの話で、若い人がOPACをよく使う一方で、あまり借りていないのは一見、矛盾だと思う。それだと、すごくOPACを使いこなす若い人は集中的に読むのも速いから、すごい勢いで借りている一部のヘビーユーザーがいるなら、そんなところだろう。この表だけではわからないが、若い層は果たしてOPACを使いこなしているのだろうかというのが次の疑問だ。

【TRC】
公共図書館の利用者の年齢別の分析は難しいが、小学生から大学生までは学校に図書館がある。大学生など圧倒的に、毎日通っている大学の図書館を利用する。中高生も学校の図書館を利用する。それと、最も忙しいのが彼らの世代である。スタディルームに来る子たちに本の紹介をしたいと考えているが、本好きな子たちにとっては読みたいと思っても受験勉強などで読む暇がない。読みたいけど、本なんか読んで勉強しないと叱られるから読めないとも聞く。最も忙しい世代が読めていない。最低限のマナーを守っていただけるならスタディルームだけでなく閲覧室でも学習はできる。気分転換に何か読んでいる子もいる。けっして読まないわけではない。ただ、借りてはいないので数値に反映されない。10代の子たちに貸出しを促そうとすると、本を借りて帰っても叱らないでと親に言いたい。いろいろなハードルがあって難しい。

【委員】
60代70代などは割りと時間があるので、潜在的な利用を掘り起こすこともできるだろう。図書館ができたときに張り切って貸出券を作り、検索をして予約をして借りるのがマイブームになっていた時期が多くの人にあったと思うが、だんだん下火になっていく。それをもう一度できないかと思っていたら、他所のある図書館のHPで、登録するときに興味のある項目にチェックを入れる。例えば洋裁とか歴史とかにチェックを入れておくと、新刊が入ったときにこのような本が入ったとメールでお知らせをいただける。このようにブームが下火になっていても何らかのお誘いがあると、もう一度行けるのではないか。このための作業が大変だとは思うが、やってみる価値はありそうだ。

【事務局】
関連するところでは、資料の3.でOPACの機能向上として、平成29年12月に図書館のOPACが変わる。一般的にインターネットで利用するような機能を盛り込んだ形になる。検索するときに、途中まで言葉を入れるとそれに付随する、多くの方が検索する言葉が列挙される。出版社名を入れたら、その出版社から出ているどんな本を多くの方が検索しているかの情報を蓄積して、自分はそれを調べている途中だが、他の人が興味をもって調べた情報として表示するような状況を作り出すとか、自分がそれまでに調べた情報を基にして、関連する情報が画面上に表示される機能とか、新しいOPACの機能として利用できるようになる。一度自分が検索した内容とか、自分の利用が多い情報や検索した言葉とかをうまく使って、関連情報が画面の脇にまとめられたような状況で、簡単に検索できるような仕組みを準備している。
個人個人に対して、メールがいくという話しだったが、そのあたりをOPACがうまく補完してくれるような仕組みが今後、12月中旬から利用できるようになる。スマホだけ持って図書館に来ても、自分のIDとパスワードを使ってログインするとスマホの画面に貸出券が表示されるような機能が準備されるので、貸出券を忘れたとしてカウンターで煩雑な手続きをすることもなくなる。そんな準備をしている。そういったところで利用しやすい仕組みを作っていこうとしている。 

【委員】
WebOPACでスマホに対応する感じになるのか。今までスマホではやりにくかった。

【TRC】
まだ非公開なので詳しくは言えないが、委員が言われた機能も取り入れられる予定である。

【委員】
この検索結果にSNSからリンクが貼れると、この本とか、この検索結果に対するリンクが貼れるとSNSは紹介がしやすい。ある作家の本がこれだけあるという検索結果に対してリンクが貼れる。国立国会図書館のOPACがこのページへのリンクをつけているが、あれがSNSとの連携だったら非常に便利だと思う。

【TRC】
決まっているので新しいのは少し。

【委員】
載っているといいなと思うが。

【会長】
ご検討いただきたい。

【委員】
利用者が減っていることの分析で、やはりITやスマホの影響はあるだろう。若い人がスマホを見るのに忙しく、また勉強のために時間がなく読む暇がない。それから、今はネットで調べると本を読まなくても判るということもあるのだろう。そしてネットで調べたほうが最新の情報が得られることもあり、本で古いデータにあたるより、最新の情報が得られるのであれば、知りたい内容を入力すればすぐ出てくるのだから、非常に手軽になる。そのようなこともあって、雑誌と重なっているのでは。雑誌は割りとタイムリーなものが多いし、画像なども入っているので若い人が取りつきやすい内容になっている。雑誌が増えているのは、ネットとの関連として結論づけられないが、ネットの世界の中でも図書館が、生き延びて利用者を拡大していく手がかりが、そこにないだろうかと漠然と考えている。

【事務局】
今の内容で、状況が変わりつつあるのは、ネットで調べて、目的の情報にあたるという世界は無くなりつつあると思う。というのは、インターネットのGoogleのサイトで検索するのだが、Googleの情報の返し方が変わってきてしまっている。調べた言葉に対して広告しか返さないような傾向が高くなっている。そのような状況の中で、大学生がインターネットでの調べ物が苦手だという傾向が何年か前から顕著に現れている。言葉をいくつも組み合わせて、関連する、自分が目的とする検索に対して、派生する言葉とか、様々な言葉を組み合わせて検索をかけていかないと、対象とする目的に近づけず、出てくるのは広告や個人のブログばかりという状態にある。逆にいうと、Yahoo智恵袋などの検索で、質問を投げかけたときに、それを知っている人が答えの書き込みをしてくれるほうが速くて判りやすい情報が返ってくる。本来ネットで調べればどんな情報でも見つかるというところから、多少違う方向に進んでいる。そんな中で、図書館のレファレンスはますます重要な意味を持ってくる。ディスカバリーサービスという図書館が持っているいろいろな情報を、横断的に検索することによって、Googleよりもっと効率的に対象となる情報にたどり着けるサービスを期間限定で行っている。今度そういったものを利用されてみると、また違う検索の仕方もあるのでよい結果になる状況も見出せるのではないか。なかなか検索をするのも難しい世の中になりつつある。

【委員】
図書館の講座で「イチから学べる病気や薬の調べ方」をされているが、医療情報などネットで調べるとノイズが多い分野なので、これは必要だろう。

【委員】
ある程度きちんとした古典的なものは、われわれが資料を調べるとかそういうものを使って手元になければ図書館ということになるのだろうが、やはり新しい情報を手に入れなければならない状況もあるが、そういうときにITが図書館の利用者を減らしているとしたら、それらの普及と共生する一緒にうまく関係を作って図書館も伸びていくと、そのような関係を求めないといけないだろう。実際どうするのか自分にも判らない。しっかりした情報としての資料はそろえないといけないが、タイムリーな情報などについて、どのようにネットと絡み合いながらやっていくかを考えなければいけない。ネットを補完する意味でも、そのような視点が必要かなと思う。

【会長】
図書館の価値について、貸出数や入館者数以外の新しいカウントを考えなければいけないようだ。ネットとのつきあいは難しい。協議事項はこれで終了する。

【事務局】
平成29年度において本協議会は2回の実施を予定しており、次回は年明けの3月頃の開催を考えている。事前に文書で連絡するので出席かたお願いしたい。

以上をもって平成29年度第1回長崎市図書館協議会を終了する。

委員の皆様、ありがとうございました。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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