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平成28年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

更新日:2017年4月6日 ページID:029651

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

企画財政部 世界遺産推進室

会議名

平成28年度第1回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

日時

平成29年3月16日(木曜日) 13時30分~

場所

新興善メモリアルホール1階会議室2

議題

1 太平作業場跡修理計画(案)について
2 ネリベイ建物修理の方針及び基準(案)について 

審議結果

1 大平作業場跡保存整備活用について
事務局及び事業受託業者から資料1に基づいて今年度実施している大平作業場跡調査結果及び保存整備活用案の説明があった。その後、各委員から次の意見があった。

【A委員】
大平作業場跡は市指定史跡となっていると思うが、どのような史跡指定となっているのか。

【事務局】
市指定史跡は土地を含めた指定である。

【A委員】
ド・ロ神父時代のオリジナルの部分だけでなく、増築した部分もあると思うので、そこが年代的に浅いものであればそこも含めて保存整備をしていくのかという問題もある。

【事務局】
増築の年代についてははっきりとした記録が残っていないが、昔の様子がわかるものは大平作業場跡については旧出津救助院と同様にド・ロ神父が宮崎惣三郎氏に記録を取らせている。その中では一番道路側の建物は石積で書かれているが、実際はレンガで建てられていたかもしれないなどわからない部分が多く、時期の特定までは今回行っていない状況である。

【A委員】
宮崎氏が書かれた記録は最終的なものか。今の説明では現在の建物は山側の建物は記録にはない。

【事業受託業者】
山側の建物は建築構造的にも増築部として間違いはない。道側のレンガ造りについては現在はっきりしていない状況である。この記録の時点でも予定図として書かれたものか、完成図として書かれたものかははっきりしていない。

【A委員】
この記録を基に保存整備案を作成しているため、これを明確にしておかないと後々進んでから違ったというこがあれば大変なのではないかという気がする。(ド・ロ神父オリジナルの)外国様式は明りとりを中心としてシンメトリーに建てられることが多いことを考えれば、道側の部分も比較的初期に建てられたものということが調査でわかっていないか。

【事業受託業者】
レンガの調査は行っていないが、大平作業場跡を南北に通る通路の一部にレンガが使用されており、そのレンガと道側の部分のレンガの時代が同じであれば同時期のものということができるのではないかと思う。

【A委員】
平面図でみると石積の厚みは南側のほうが薄くなっている。南側の張り出しをどう扱うかという問題かと思う。後でド・ロ神父の遺構ではないとなると大変である。

【E委員】
保存計画の中でヴェニス憲章を基準にするという中心的な柱があるが、そもそもこの憲章はどういった内容か。

【事業受託業者】
ヴェニス憲章は国際的に決められたルールのようなものであり、日本でもこの憲章にのっとって行うといったよりどころとなる基準である。第9条は憶測による復元は一切無いようにしなければならないということが書かれている。

【C委員】
ヴェニス憲章にのっとって明らかに付け加えたり修復したことがわかるようにするということはわかるが、次の柱で「活用を図る」というのがあるが、具体的にどう活用するのか。一番大事になってくると思うが、具体的な内容が無ければ、ただのモニュメントづくりで終わってしまうと思う。加えて、もう少しエリアで動線等を検討した方がよい。作業場なので上の農場と一体となって整備を行うかどうかもふくめて考えていくべき。文化的景観としては少なくともそういった絵があって、今後どう活用していきたいのか、進めていくのかを具体的に示してほしい。

【事務局】
実際、F委員が代表を務めている団体が大平作業場の農場を活用しており、5年前から上の農場や茶畑を週1回程度作業している。大平ではお茶摘み体験や芋ほり体験などを行い、とれた収穫物は旧出津救助院で加工を行うなど一体となった取り組みが行われている。

【C委員】
そうすると実際作業を行う方々が使いやすい動線を考えていくべきだと思う。初期の段階で議論を行った方がよい。

【F委員】
起点は旧出津救助院として、お告げのマリア修道会に許可をいただき、大平作業場跡を整備して活動しているが、今回の計画については今回初めて聞いた。2か月に1回協議を行っているがまだお告げのマリアから説明は受けていないので詳細については協議が必要である。現在、上の農場近くの駐車場に小さなプレハブを1つ設置しているので、実際に大平作業場跡を使用することを考えるとそこまでの通路などが問題となる。収穫したものの一部はそのプレハブに保管して、残りは旧出津救助院に持って行っている。

【B委員】
日本各地にある遺跡の修復では、建築学的にもどうかと思うものも多く、整備を行った箇所が明確にできるようにオリジナルを生かした整備で、かつ活用も含めて考えればB案が良いのではないか。

【A委員】
A案は遺構を見せるようなやり方で、B案は遺構を全部覆うという昔でいうところの「天ぷら方式」といわれるもので、例を出せば中尊寺金色堂のように周りをおおいやで囲って中に入るようになっている。C案は復元になるが、どこまできちんと正確に図面等で落とし込みができるかであるが、どの案もそれぞれ良さを持っている。たとえばA案は安全性の問題で直接中には入れないが最低限の保存をおこない遺跡を見せるものである。例えばローマのカラカラ帝など外から見たときに円形が見れるのがよいのであって、そういった考え方であれば外海にあるド・ロ神父の関連遺産を線でつないで面的に見せることで、こういった状況で今まで残ってきましたよということを見せることができる。他のド・ロ神父の遺跡はなくなっているものもあるが、中には風雪に耐えて残っているという見せ方もある。もし面的に広がっていることを見せることができればこれは保存策の1つである。B案C案は雨露しのげて安全性の問題が無ければ中で作業ができるということで、地元に還元できることにつながる。しかし、問題はF委員が言われるように地元が活用できるという状況が整わなければならない。これ以上このことについてここで協議をしても結果は出ないので、いったん事務局で詳細について進めてほしい。

【E委員】
お告げのマリアと事務局は協議を行っているのか。地元住民も含めた協議が行われているのか。

【事務局】
現状は所有者のお告げのマリアとは何度か計画について協議をさせていただいているが、F委員が言われるように地元住民の方とも今後詰めていく必要があると思っている。所有者には案を提示しているので、あとは詳細について協議をさせていただきたい。

【F委員】
保存計画はありがたいが、活用している地元にも相談してもらえればよりスムーズに進めることができる。

【事業受託業者】
補足すると、市と所有者と今後の保全に向けた協議を行う中で、所有者から保存・活用ができればという話があり、市と業者でそのための方法を検討し市が先月所有者へお伝えしている。本来であれば地元と協議を行い並行して整備案を策定するという両輪で進めていく必要がある。委員会と前後してしまったが、活用については今後長期的な案を策定し、C委員からご意見があったように整備について詰めていかなければならないと思っている。今回はそういったスケジュールの関係でハード先行型になってしまったように映ってしまった。

【C委員】
エリアで考えてほしい。例えばイノシシ防御策など史跡にべったりつけるとどうかという面もある。もっとエリアで広く考えた方が良い。電気策などいろんな対策ができると思う。

【F委員】
イノシシ対策については電気策が良いか、ワイヤーメッシュが良いかと今まで色々と議論してきたが、先に景観に配慮しなければならないので難しい。上の農地については昨年度ワイヤーメッシュを設置した。大平作業場跡は近くに道路がとおっているため広く範囲をとると侵入口が多くなってしまう。

【A委員】
今後具体的に進めていく際には、地元と所有者とともに保存活用を見据えたうえで事務局の方で進めてもらいたい。

【F委員】
もう1つ地元シスターから大平作業場跡の進入禁止策を講じるように市から指導があったと聞いたが、現在保存計画を進めている中で行う必要があるのか。

【事務局】
現在調査結果からも石積の状況は良くなく、安全性の面からも立ち入り禁止として、周りから見学してもらう方が良いのではないかということで、ご相談させてもらった。

2 ネリベイ建物修理の方針及び基準について

事務局から資料2に基づいてネリベイ建物修理に関する保存方針及び基準をわかりやすくまとめたことの説明があった。

【A委員】
今回の保存方針及び基準については、今までの保存計画及び整備計画をまとめたものであり、明らかに数値などの誤りが無いかを

【E委員】
高さが10mという基準があったが、特殊な事例であれば超えてもいいということで、今回外海中学校では特殊事例として体育館が12mとなる。この基準の判断はどこで決めるのか。

【事務局】
今回の件は、景観の委員会に諮って生活の中で必要な施設ということでそういった緩和が認められた。景観の委員にはB委員及びD委員も入っており、様々な視点から協議をしている。しかし、ネリベイ建物については10mを超えるものはないので、本委員会で議論することはないと思う。

3 その他
事務局から前回個別協議を行った出津地区歩行者ルートの手すり及び外海地区中学校校舎等建設における前面道路の歩道整備について報告があった。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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