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平成28年度第1回長崎原爆資料館運営審議会

更新日:2017年3月28日 ページID:029595

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

原爆被爆対策部 平和推進課

会議名

平成28年度第1回 長崎原爆資料館運営協議会

日時

平成28年12月16日(金曜日) 13時30分~

場所

・長崎原爆資料館地下1階 平和学習室
・長崎原爆遺跡(爆心地・旧城山国民学校校舎・浦上天主堂旧鐘楼・旧長崎医科大学門柱・山王神社二の鳥居)

議題

・長崎原爆資料館入館者数について
・長崎原爆遺跡の国史跡指定について
・長崎原爆遺跡巡り

審議結果

ア.長崎原爆資料館の入館者について

【事務局】
配布資料により、平成27年度入館者数及び平成28年度4~11月の入館者数の報告を行った。平成27年度は743,745人であり、前年度に比べ、10.7%の増加が見られるが、平成28年4~11月の入館者数は520,264人であり、前年同期と比べ、10.7%減少している。原因は4月に発生した熊本地震の影響等による修学旅行による来館者数の減少(16.2%減)が考えられる。修学旅行については、(一財)長崎国際コンベンションや国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館と協力し、東京都において説明会を行うなど誘致に努めているところである。今後も努力していきたい。

イ.長崎原爆遺跡の国史跡指定について

【事務局】 
配布資料により、長崎原爆遺跡を構成する「爆心地」、「旧城山国民学校校舎」、「浦上天主堂旧鐘楼」、「旧長崎医科大学門柱」及び「山王神社二の鳥居」について、説明を行った。

ウ.長崎原爆遺跡巡り
マイクロバスにて、「山王神社二の鳥居」、「旧長崎医科大学門柱」、「浦上天主堂旧鐘楼」、「旧城山国民学校校舎」の順に現地を巡り、説明を行った。

【会長】
皆様お疲れ様でした。
視察してまいりました遺構について、委員の皆様方から御提言や御意見あるいは御質問等をお伺いしたいと思います。

【事務局】
長崎原爆遺跡に関する今後の日程について申し上げます。平成29~30年に国の調査官も入りながら、今後どのように保存していくのかという審議会を国の補助金をいただきながら運営してまいります。
文化財の保存は国の力を入れて行うわけですが、国は地域の中の文化財という意識も最近持っておりますので、地域がどのように保存活用していきたいかというのも意見の中にどんどん反映させていただきたいと思っておりますので、その辺はすぐに反映できるものではないかもしれませんけれども、この審議会で意見をいただくというのは大変ありがたいことなので、ぜひ忌憚ない意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【会長】
国の史跡の指定を受けたわけですからいろいろ指導もあると思うのですけれども、予算的にはどうなのですか。

【事務局】
国としての史跡の保存のあり方にはルールが確かにございますけれども、まずお金の面で申し上げますと、保存に対して国が2分の1の補助を出します。

【会長】
皆さん、いかがでしょうか。感想も含めて結構でございますけども。

【委員】
要望とお尋ねですが、城山小学校のカラスザンショウも国の史跡になるのですか。

【事務局】
カラスザンショウは国の史跡の範囲ではありません。長崎市が独自に被爆建造物というかたちで保存をしているものでございます。

【委員】
永井坂には下の方に案内板がありますが、上の方には全然ありません。カラスザンショウにも案内板がないので、作っていただきたい。それから、前から言っていますが、トイレを何とかしてほしい。校舎と体育館の間にある子供用を使っているかと思いますが、トイレがここにあるという案内をしてもらわないと、トイレがどこにあるかわからない。これは史跡指定と一緒に整備ができるものなのか。長崎市が要望して作るのか。その辺はどうなっているのですか。

【事務局】
城山小学校は確かに前回の登録文化財になったとき、それからこの史跡に指定になって今後もやっぱりたくさんの方が来られるという可能性は十分あると思います。一方で学校ということで、今現在も学校としても活用されていますので、その辺りを上手にどう協調していくかというのがあると思います。
城山小学校には先ほど見せましたような「殉難者の碑」、「カラスザンショウ」、「嘉代子桜」もあるということで、このようなことはぜひ保存の活用計画の中で今ご提案をいただきましたから、どこに何ができるのかというのはその中で議論をしていくことになると思います。
トイレについては、我々も何か対策が必要だと思いますので、その中で十分議論を行い、必要なところについては整備をしていきたいと思います。

【会長】
ほかに皆さんいかがでしょうか。

【委員】
城山小学校ですが、3階以上を見ていて本当に大事は遺構だなと思いましたが、あれを多くの人たちに見ていただくということは現実問題として難しいと思います。ただそうであっても、どういうかたちになっているのかを知ってもらうというのは大事だと思うので、将来的にいえば、今出てきている360度見えるようなそういう映像を整備したり、あるいは短期的にいえばそこの中の映像を小さな番組みたいなかたちにして、資料館で流したりという取り組みをぜひしていただきたいなというふうに感じました。

【会長】
今のも要望というよりも提言だと思いますし、そこら付近についてはいかがでしょうか。

【事務局】
城山小学校は今ご覧いただいたように、非公開の部分をぜひ見ていただければと思いますが、一方でやはり非常に足元が悪く、この足元を整備すると当時の面影はまた失われるというところもあり、非常に難しいところですが、今ご提案いただいたような映像をうまく使って、1階・2階の展示も含めてもう少しいろいろ見直してもいいかなと思います。映像的なものを見せるのか、あるいは場合によっては裏側が下から見えるようなカメラを取り付けて「下から見えますよ」と、そういったことも考えられると思いますので、これは専門家の方のご意見を踏まえた上で、見せ方の工夫はしていきたいと思います。

【会長】
現地で原爆のすごさというのを残しているものはできるだけ現状維持で残していくということが大前提だと思います。長崎医科大学は被爆当時とほとんど変わっていない。だからあのままでずっと残せることを表している。それは一本柱鳥居も同様で、現在ある被爆遺構をいかにして補強するかという意味での提言だったと思います。
一つ反省しなければいけないのは、今原爆資料館に大橋の橋柱があります。松山側から見て手前の左側にあった橋柱が、爆風で吹き飛んで川の中に落ちていました。これを私が昭和40年代のはじめにテレビニュースの企画で取材して原爆遺構の1つとして取材して放送したことがあります。そしたら、いつの間にか爆心地にそれが持って来てあるわけです。今は原爆資料館の中にあります。何でこんなにとんでもないことをするのかと思いました。あれはあの場所にあってはじめて意味があり。だから20年以上もそのままの状態でありました。いくら大水のときであっても変わりませんでした。だからあれをそのままにして、医科大学の門柱の周りに囲いをつくっているように、鉄柵などを設けて、説明文を書く等しておけばよかったなというふうに思いますけれども、そういうことがかつて行われたというのは非常に残念であります。
だから、今あるものをいかに残して、やっぱり核兵器というものがなくなるまで、またその後もそういったものを「もの言わぬ証人」として残すということをやっていただきたいというふうに思います。
私の意見で申し訳ないかと思いますので、ほかに皆様方からいかがでしょうか。感想を含めてで結構です。

【委員】
前回もお話ししましたが、私は長崎市内の出身ではありませんでして、今回これだけの遺構をまとめて見たのははじめてでした。
私の子どもはちょっと発達の遅い子どもが一人いますが、彼が今年の夏に被爆二世の伯母、彼にとっての祖母といわゆるこの遺構を全部見てきて、どういう感想を持つのかと思ったら、そんなにうまくはしゃべれないのですが、感想を書いていて、やっぱり爆弾はいけないことだということを一番書いていました。だから本当に会長もおっしゃったように、遺構の持つインパクトというか、私もこの日だけでもまとめて見させていただいて、改めて胸に迫るものがあります。これらをなるべく長く今の現状を残せるような取り組みを、今後私は私の立場でしっかり提言なりをできたらと思っております。感想でした。以上です。

【会長】
ほかに、皆さんいかがですか。

【委員】
感想と要望があります。今日、見させていただいて、観光といいますか周遊としても人が増える可能性もあるでしょうから、国の指定とかになると、案内板がもっと充実するのかなというのは思いました。
写真についても、現在の技術でカラー化をしています。白黒、モノクロというのがいいのか、カラーにしたほうがいいのかについて、議論はあるかと思いますが、今までその技術がなかったので白黒だったというところもあるかと思うので、カラー化を含めて案内表示の仕方を引き続き検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

【会長】
今の意見に関して、案内板については、結構計画なくばらばらと付けていったという経過もあると思います。一方で城山小学校は子どもたちの手書きの案内板というのがあって、城山小学校が残った経過を見ますと、子どもたちの中にある「残していきたい」という気持ちというのも象徴するような案内板もあるでしょうから、そのあたりは、もう少し工夫をしながら、より外部から来た方にもわかりやすいように見直す必要があると思っています。そのあたりはまた整備を行いながら聞いて、議論してみようと思っております。

【委員】
城山小学校の問題は、「残す」「残さない」という議論をしたときの経過を十分に掘り起こしてください。3階が見えないのは当たり前です。あれを見えるような状態にしておくと建築の確認がおりませんでした。だから隣の校舎を造るときに「どうあるべきか」ということで、「あれはそのままにしておこう。自然体でいこう」というかたちで当時整備をして、その後公明党さんの非常なお力添えをいただいて、当時の野田総理大臣に直接取引をしていただき、国の補助金を入れて何回かの修繕をしてきました。但し、文部省との問題、文化庁との問題、厚生省等々が重なった苦肉の策として今の状態というのが今あの場所にあります。だから学校現場としてどうなのか、建築基準法的にどうなのか、遺構としてどうなのかをきちんと整理しておかないといけません。

それと、行政の仕事が後手後手に行われている。さっきの木の問題だって、それは相当前から「相手が教育委員会なのか、原爆なのか」と委員会でも何度も言われています。管理者そのものが不透明なのです。結果的に教育委員会に落ち着きましたが、今ここで議論をしているのは原爆です。しかし、校舎の中にある品物だから教育委員会。そうなってくると役所というのは誰も責任を持たないのです。結果的に「枯れてしまったようだよ。どうするのだ」となったときに、はじめてお医者さんを呼んだのです。そして今の状態で共存させる方法と言ったら何があるのか。結果論に基づいて今整理をしている。

だから、今の校舎の問題だってどこを見せるのか、新しい校舎を造るときにどうすべきだったのかというのを議論しているのです。しかしそれに基づいて、今の状態まではなんとか校舎も使える。

だから、原爆遺構をどうするのか、学校との兼ね合いをどうするのか、地元のボランティアの皆さん方はお客様の来られる便所をどうするのか、受付をどうするのか。これは総合的にやはり長崎市がきちんと案を持って絵を描かないといけません。きちんとしたプログラムを作って、その絵を見せながら、文化庁にも保存の会議の委員の皆様方にもお示しをしないと、教育の現場の中にあるわけですから、それをどう分離するのか。はじめからそれが第一問題だったんです。その参考はさっきの木です。誰もやらなかったら死んでしまう。死んでしまったらかわいそうだから、なんか「もうどうにもならなくなるまで共存して見せようよ」というのが今の政策じゃないですか。だから、3階以上の問題というのはよく調べてください。今の若い人たちにとってどうなのか。「教育が優先です」とその当時市長ははっきり言いきってしまった。

しかし、それは解体をしないという地元の強い要請があって、しながら今になったということになります。だから、その城山の場合にはほかの行政面がありますので、長い歴史の中での解きほぐしをしながら、どれをどうしたら皆さん方に安全で見せられるか、遺構を遺構として続けさせられるかというのは、行政のほうが先に基本方針を出さないと無理だと私は思います。限界があると思います。

【事務局】
今ご指摘いただきましたように、特に城山小学校は、教育委員会がするのか、原爆・被爆対策でするのかということで長い間議論をしました。実質的に教育委員会がずっと管理をしてきましたが、この10月の段階で、ようやく公の施設ということで条例化もはかりまして、現在のままで継続管理をするような経過になりました。ただ、本当にここに至るまでは実を言うと長い時間というか、随分内部でも、唯一長崎市が持っている爆心地のときの建物という歴史の中でも、やっぱりいろんなかたちでの経緯はあった。そういった経過も踏まえた上で、やはり今言われたようにまず今後どうするかというのは、これは今回また新たにつくる中で、地元の要望も含めて、学校の要望も含めた上で、十分検討をして整備をしていきたいと思います。

【会長】
ほかに何かございますか。特にないようでしたら、ご発言も出つくしたということで、最後に事務局のほうから何かございますか。

【事務局】
本日は寒い中、委員の皆様には現地視察のほう、本当にありがとうございました。冒頭舩山会長から言ったように、被爆から71年が過ぎ、被爆の実相の継承というのが大きな課題になっているということで、長崎市では被爆体験の継承、それから今回見ていただいた5カ所を長崎原爆遺跡として、これらが国の史跡に指定されたということは大変大きな力になると思っております。今後審議会の皆様からいただいたご意見も参考に、しっかりと保存活用に取り組んでいきたいと考えておりますので、ぜひ今後とも協力のほうをよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

【会長】
ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして「平成28年度第1回長崎原爆資料館運営審議会」を閉会いたしたいと思います。本日は議事進行へのご協力ありがとうございます。皆様、今日はお疲れ様でございました。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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