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平成28年度長崎市地域包括ケア推進協議会 第1回予防・生活支援部会

更新日:2016年9月15日 ページID:028849

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

福祉部地域包括ケアシステム推進室

会議名

平成28年度 長崎市地域包括ケア推進協議会 第1回予防・生活支援部会

日時

平成28年7月20日(水曜日) 17時00分~19時00分

場所

長崎市役所本館地下1階 議会第1会議室

議題

1 生活支援体制整備について
2 認知症支援の取組について
3 多機関型包括的支援体制構築モデル事業について
4 その他

審議結果

<議題>

(1)生活支援体制整備について

~事務局説明~

~引き続き長崎市社会福祉協議会の取組について~

【N委員】
長崎市地域福祉計画並びに地域福祉活動計画に基づき、地域の支え合いの力を強化する取組としておおむね小学校区毎にある地区社協の単位で住民座談会を開催し、そこで明らかになった地域課題の解決に向けた地区別の地域活動計画の策定支援を行っている。開催地区の事情により異なるが、座談会には小学校区内の自治会、民生委員、老人クラブ、育成協、育友会など地縁系団体の他に、小中学校の関係者並びに地域包括支援センター(以下「包括センター」と言う。)などの関係者が参加している。座談会では通常の会議とは異なり、参加者を少人数のグループに分け、日頃感じている地域の良いところ、気になるところ、など地域の課題について、付箋紙や模造紙を活用し、地域の現状を見える化し、地域課題の解決に向けたアイデアなどについて話し合う。ちなみに座談会は1地区2回の開催である。座談会で明らかになった地域課題の解決をめざし、地区社協を中心に各種団体の代表者で構成する小地域計画策定の委員会を設置し、その中で、課題のうち、どんなことからどのように取り組むかなど、地域活動の計画化を支援している。なお、小地域計画は1期5年で策定している。また、それぞれの地区社協で策定された小地域計画に基づいて行われる様々な活動の支援を行っている。これまで座談会を開催した44地区のうち、実際にこの計画策定に至った地区は15地区ある。本日出席のF委員が支部長でもある浪の平地区ではH28年6月に策定された。各地域の特性に応じた活動が計画の中には盛り込まれているが、取組の特徴・傾向をいくつか紹介したい。まず、1つ目は、座談会には様々な団体が参加するが、そもそも自分達の地域の各種関係者の横の繋がりの意識が薄く、互いに何をやっているのかわからないということについて、横の繋がりを強化する必要があるため、定期的に一堂に会する機会を設け、5年間でしっかり地域に根付かせるため、「地域情報交換会」を開催している。この会では何か協議し結論を出すというものではなく、各団体の情報交換や活動報告を主としている。また、地区により警察や包括センターも参加するため、地域で起きた問題などの情報提供もある。開催時期は1か月に1回のところもあるが、おおむね3か月に1回の割合で開催されている。2つ目は、昨今の大規模災害を受け、地域での防災の取組を計画に盛り込んでいる地区がある。市が推進している、地域防災マップやささえあいマップづくり、また、それらを踏まえた防災訓練の実施に校区をあげて取り組んでいる。その他、高齢者の居場所づくり、仲間づくり、介護予防、サロンの活動拠点を校区内に沢山作ることや、もともと地域にあった行事の充実強化を図っていこうとしている。

~自治会の取組について~

【オブザーバー 自治会長】
3年前から取組始めた式見町下浜自治会での防災ささえあいマップづくりを紹介したい。自治会長になって今年で12年目。会長就任当初は自身の親も元気だったが、その後、5年ほど前から車いすを必要とするようになり、災害が起きた時にはどうするのかという危惧を抱くようになった。式見町は少子高齢化が進んでおり、人口が3100人のうち高齢化率は4割を超え、会議への参加率が低い。そのような中、ささえあいマップは親の世代をどう見守っていくのかというところが出発点である。資料2の2Pにしくみを載せているが、その前に第1回目のマップ作成のための講座開催時のDVDを視聴いただきたい。

~DVD投影~

DVDでもあったが、避難行動要支援者の家に赤いマークをつけ、その方のサポーターに黄色と白色のマークをつける。あとはそれを線でつなぎ、関係性がわかるようにしている。それができるのも、式見町ならではの昔からの仲の良い付き合いがあるというのがベースになっている。このささえあいマップは他の地区でも取り組まれているが、サポーターがついていないという所が多い。だが、要支援者を明確化するだけでも、大変意味のあることである。災害時には要支援者を選別する余裕はない。前もって、あの班にはこの人としていれば、手のあいた人に支援を頼めばよく、それを指示できる会長などがいればよい。関係が明確化しておけば日頃からの付き合いの中で、関係性が親密になる。サポーターが存在する意味合いがある。現在はマップに色の印をつけているが、それをクリアホルダーに入れ、全8班管理している。作成するよりも、日頃からの関係性を理解することが大切。要支援者選定については、市の基準は「独居」「65歳以上」などとなっているが、式見町では世帯などの枠を定めていない。結果、要支援者は24人で、1人に2名ずつのサポーターをつけ、サポータ数は48人。サポーターがいない時は、班長が責任をもって班の中で別の人をまわすなど、時と場合による体制をとっている。H25年8月にささえあいマップ作りの講座を始め、その後、半年に1回の見直しを行っている。つい、H28年5月24日に大きな見直し講座を開催した。一つは要支援者とサポーターの関係づけの明確化を図るため、要支援者の同意のもと、医療や介護の詳細な情報をサポーター2名と自治会長1名、合計3名でそれぞれ共有することとした。また、サポーターのスキルアップに今回は心肺蘇生術やAEDの使い方、簡易担架の作成方法などを学んだ。今後も継続的なスキルアップを図りたい。当自治会は海に面しているため県に依頼し防波堤は整備済み。ハード面は心配ないようにしている。重要なのは、要支援者とサポーターとの関係づくり、地域での絆づくりと考える。高齢者サロンやふれあいゴミ収集などの取組の中で、過去、安否確認などの事例もある。

【会長】
市でも災害弱者の把握はしていても、その後の包括センターへの情報提供などでも、本日紹介のあったように綿密な形ではまだできあがっていない部分が多い。どのような地域をどのように支えるかという、地域ごとの問題もある。今回の式見町自治会の取組は非常によい資産であると思う。社協の取組も、市が行っている包括センター中心に開催する地域ケア会議を開催しながら地域課題を把握することと、社協の取組は同じ方向性と感じるため、一緒に取り組んでいくのはどうか。質問等はないか。

【H委員】
生活支援コーディネーターと民生委員との関わりはどうか。

【会長】
生活支援コーディネーターの配置が重要になってくることで、既存の民生委員の方とは別に育成するのか、地域で育てるのか、別に育てて配置するのか、そのあたりの行政の方向性を説明してください。

【事務局】
第2層のコーディネーターは、他都市においては、民生委員とするところもある。ただ、全国的に民生委員児童委員は業務量が多く、本市も同様のため、本協議体での協議を踏まえ、民生委員への負担も考慮し検討したい。民生委員に限らず、地域で頑張っている方もいるので、そのような方たちをどう巻き込んでコーディネーターになっていただけるか検討することも必要である。包括センターや社協も地域に入っているため、どのようなところに担い手を決めていくか検討する必要がある。

【会長】
民生委員へ全て投げかけるというのではなく、行政も育てあげながら、民生委員の方と共にやっていく、これ以上負担をかけないようにやっていくということ。

【O委員】
民生委員は各業務が多い。その分、様々な関係者と協働しないとわからないところがあり、包括センターが頼りである。共に事業ができることが嬉しい。以前包括センターがなかった頃は、自身一人で悩んでいたが、包括センターや居宅、ヘルパーなどと共に考えることで、共に支援できていると思う。また、市で実施する「一人暮らし調査」では、「お世話になりたくない」「まだ若いから」とのことで同意しない住民が非常に多い。そのような方をどのように見守っていくのかが悩みである。自治会と一緒になって活動していきたい。

【H委員】
式見町自治会長が紹介したような地域づくりが必要だが、招集して会を開くのが大変。まとまっている地域は計画づくりも円滑に進む。自身の地域では防災マップはすでに作っているが、ささえあいマップまでは大変である。どのようにしてまとめたのか。

【オブザーバー 自治会長】
高齢化率が4割と言ったが、私は自治会長、連合自治会長、老人会長、社協支部長もやっている。通常の自治会の仕事だけではなく、高齢者を含めた様々な取組を垣根なく同時に行っているため、やむを得なくこのような形になった。

【会長】
地域によっては、各団体が一緒に動けないというようなことを聞いている。今後は一丸となって取り組んでいくことになるので、今までのように行政が「やりなさい」ではなく、やることに対し、どのように協力できるかが必要になっていく。本日は社協や自治会での取組について非常によい話を聞けた。様々なところで周知する必要があると感じた。

次に、事務局から第2層の協議体についてと、居場所づくり及び顔の見える関係づくりについて説明をお願いしたい。

【事務局】
式見町自治会でのささえあいマップづくりは、最初は防災が切り口だったが、最終的には、日常生活のささえあいになっているということで、今後の生活支援体制整備に参考とさせていただく。地域により関係性の濃淡があるなか、地域での支え合いを作るためには、まず、地域の様々な世代が顔の見える関係づくり及び話し合いの場づくりが課題である。社協は座談会、包括センターは地域ケア会議をやっているが、地域に様々な切り口で入れば住民が混乱するので、色々な話し合いの場を一つにまとめられないかと思う。この2点を提案したい。

今、高齢者に特化した形でのつどいの場として市サロンが43箇所、開催頻度が月1,2回と少ないが、社協サロンが84箇所、サロンにはしていないが自主グループが104箇所ある。市サロンについては、小学校区に1箇所ずつ開設を目標だが、実際、その数で足りるかとの意見もある。全小学校区69校区あるなか、社協サロンと併せて未開設の小学校区は21校区ある。このサロンを通じて生きがいにつながると回答した方が85.6%ある。そこで、サロン、つどいの場、生活支援体制をどのように作っていくか、顔のみえる関係づくりをどう広げていくか考えたとき、先ほどのサロン開設数で充足できるかなどもあるため、開催回数を増やすなど開設基準の緩和や、少子化に伴う空き教室や市営住宅の活用なども検討している。また、現在サロンを高齢者に限定しているが、子どもから障害者も含め多世代のつどう場とすることで顔のみえる関係につながり、日常生活をささえる地域での取組につながるのではないかと考える。

また、サロン参加者は女性が多く男性の参加は1割程度である。男性の参加を増やすための取組も重要である。また、人が常時多く集まる商店街などにサロンをおけないか検討している。(資料「街中サロンなじみ庵」「とうふの会」紹介)

顔の見える関係づくりであるサロンをどのような手法で増やせばよいか、地域ケア会議や座談会をまとめた上で話し合う場としてよいかなど協議願いたい。

【会長】
地域で行っている話し合いの場の設置方法として一つにまとめてできないかということと、サロンという集まる居場所づくりについての議題である。今後の介護保険制度を考えると今までの要支援1,2でなんとなく介護保険を使って様々な場所に行っていた人たちは、それが使えなくなる。今の制度がずっと続いて、ヘルパーやデイを利用することは基本的には介護保険外となるため、自分達で支えるしくみを作る必要がある。平成30年度以降は今までのようにはできない、自分達で地域づくりをしないといけない、という認識を住民にもってもらうために、行政からのきちんとした説明が必要。現在のサロンに行政が少しサポートするようなシステムで積極的に作っていく必要がある。まずは、協議の場として意見はないか。

【M委員】
地域では、「地域ケア会議」「ネットワーク会議」と名称は違うが、同様の内容で協議している。参加する住民は区別がつきにくく、今日は何の目的で集まったのかということもある。目的内容が同じであれば、住民にとっても一緒にまとめたほうがよいと思う。目的が異なれば当然別に開催することもあるため、どちらでも利用できるような形であればと思う。

【N委員】
座談会は地域課題の掘り起しが主であるため、地域ケア推進会議やネットワーク会議との融合は難しいように感じる。座談会をきっかけに地域の情報交換会が始まったと話したが、ある地区で初回の会合時に、情報交換会の主催者、包括センター、地区社協3者で協議し、情報交換会と地域ケア会議を合同開催した。全体1時間の情報交換会の前半を様々な地域の情報交換、後半30分を地域ケア会議として行ったところ、結果、参加者から、高齢者分野だけを30分も使ってやるのかとの意見がでたため、2回目からやむなく情報交換会のみとした。今後、地域ケア会議や協議体などをしかけていくには、もう少し地域に対し、地域の方が抵抗を示さないよう、しかけの仕方を工夫しないといけないと思う。

【会長】
包括センターでは、ケア会議開催はある程度義務化されているが、国の方針としては、包括センターは高齢者のみならず、地域での弱者など全体の窓口になっていくという方向性はすでに示されているため、そうなった場合は、今実施している座談会が地域ケア会議として認められるべき方向になると思う。これはまだ、社協を含め協議が必要だが、行政の意見はどうか。

【事務局】
地域ケア会議は高齢者のみならず、全世代型の地域の課題をどのように考えていくのかという方向性になっていかざるを得ないと思っている。そうなると社協の座談会も同じであるため、地域での会議の形を包括センター、社協、行政とで見解を一致させ、入っていきたいと思う。地域に対してもひとつにまとめたほうがよいため、地域ケア会議も、高齢者だけではなく全世代型の地域の課題を抽出する会議として意識統一を図りたい。

【会長】
考え方はわかるが、具体的には企画をする段階から、これは一緒に、これは別になど、行政が入って具体的な指導協力を行うのか。

【事務局】
そうである。行政、社協、包括と協議調整した上で入ろうと思う。

【会長】
そのように行政は考えているが、意見はないか。

【M委員】
参加する住民が主体であるため、住民に会開催の目的をきちんと理解してもらえるようにする必要がある。会の名称はそれぞれだが、目的や方向性が同じであれば、できるところは一緒にしていくほうが、住民にとってもメリットになると思う。

【会長】
それを地域ケア会議としてカウントしてよいということであれば。

【H委員】
西北小学校区では昨年度1回、今年1回会議を行った。包括センターを中心に20近くの団体が集まり、各3分程度情報提供を行った。ただ、今後どのような方向性ですすむのか先が見えない。情報交換を行ったものを軸にしながら、例えばサロンのことや何かテーマを決めて進めるのか。本地区ではサロンが3か所しかなく、実施者も高齢で次の後継者の問題がある。7月8日付け新聞で「公費不足分を住民に押し付け」という記事があった。NPOもあるが、サロンを立ち上げたところも公費が少ないなど色々悩んでいる。互助の精神も必要だが、予算の確保も考えてほしい。後期高齢者の負担増や地域に全て投げかけるという課題もある。

【会長】
地域包括ケアシステムを作る段階で、国は最初にこれで医療費や介護費用が減るといっていた。今はそうではなく、詳しく精査すれば1.2倍以上増えるということを厚労省もわかっている。市町村は圧縮できるなどの話をしているところもあるが、中央ではこれはきちんとした数値である。2025年、2040年を乗り越えるためには作らなければならないと今は理解している。

体制づくりは押しつけではなく、予算も含め行政がどうサポートするかが大事。せっかく作っても継続されないと意味がない。継続するシステムをどうするか協議しながら行う必要がある。

【B委員】
メンバーが一緒の会議について、生活圏域の中で支える側の組織のための地域ケア会議は重要。それと分けて考えるべき。来週、式見町のほうで自主活動とサロンなどの交流会がある。共通話題で集まることは必要だが、組織として考えたときに、ちょっと一工夫が必要であると考える。それと、住民の協力を得るということは、いかに啓発活動をしていくことが大切。これは行政の役割。細かい地区での啓発活動が基盤にあり、その上で、住民参加型の地域づくりを考えていくこととなり、それではそれをどう支えていくかという組織化のなかでの専門職の組織が作られ、それで初めてコーディネーターという役割の方がでてくるという気がする。

【会長】
B委員は、今まで地域に入ったなかで、うまくいっている地域、そうではない地域などよく御存じだと思う。専門職での取組をどうするかということも必要。今きちんと詰めてはいないが、できれば一緒にできる会議をと行政は考えている。とりあえずはそのような形で進めるということである。

次にサロンについて。簡潔に言うと、国は今後、介護は「要介護2以上」で基本的にはそれ以外は介護ではないという方針でいこうとしている。そうなった場合、そのような方を介護保険や医療保険で支えるのではなく、行政による別のささえるシステムを作ろうということ。地域で支えるシステムと支える場所が必要である。介護施設への入所やデイサービスですごすのはわかるが、そのような人の最終的な受け皿として、サロンなどの場を作らないことにはあふれてくることになる。本当に支えるためにはどのくらいの数が必要と思われるか。

【B委員】
試算では1グループ20名ほどで計算をしている。市の人口あたりでいくと200箇所ほどになる。ただし今の既存のサロンは1箇所あたり20~30人。借りられる場所など、人数を受け入れられる所があまりないため、集団の人数を少数に、リーダー、サポーターを含め15人くらいがよい。そのようにしないと運営が難しく、引き受け手がいないということになる。したがって15人ベースで考えると220箇所ほどになる。

【会長】
それはどういう形か。ある程度集まれるような場所か、週に1回程度なのか。先ほど、サロンで週に1回や、月に数回、自主グループ、場所を設定しいつでも来られるようなところなど様々あるが、どこをどのようにするのか今後検討となるが。

【B委員】
公民館やふれあいセンターなどは行事でいっぱいなので、何等かの場所の確保は行政にお願いするしかない。開催回数はやり方だと思う。1箇所に集まれる場所に毎週別メニューを行うとその都度来る人が変わる可能性がある。週1回開催とし、例えば、Aさんが毎週行かないといけない教室なのかということを少し緩やかに考えると、運動で月2回通っていただければよいとなる。場の考え方次第で固定しないので、広い枠の中で工夫次第で自治会や老人会など別の組織とともに実施できるのではないかと思う。

【会長】
行政からの提案で空き教室の活用など、定員がいっぱいのところに、場所の提供を進めるなどが一つと、全国的に広がっている「まちの保健室」のような、いつでも多世代が集える場が大事だということ。

【B委員】
学校活用などは、教育委員会との壁も高く、子供用のトイレしかない、エレベーターが限られているなど、ハード面でも課題がある。そのような整備は我々ではできない。また、小学校は避難所になっている場合が多く周知度や認知度が一定あるため、すぐ来ていただけるのではないかと思う。もうひとつ、まちづくりと関係するが、商店街の空き店舗活用だが、今、新大工町では再開発でどういう風な町にするか検討しており、良いチャンスである。そこに、場を確保すると、啓発という機会にもなる。通いの場としては様々な側面から考えることができる。経済的な面や保守なども加味してほしい。

【会長】
地域包括ケアシステム体制づくりは最終的にはまちづくりである。人の集まる場所、本当に集まれる商店街などにおける居場所づくりは行政のほうからも言われており大切である。意見はないか。

【E委員】
居場所づくりは内容により、防災の場合は避難所である小学校となるが、他の内容の場合、就労している方や高齢者などは小学校が遠い場合がある。中央部は小学校も平地にあるし、商店街の空き店舗などは、皆さんが慣れ親しんでいるのでそのような場所を使うなど。小学校区といっても長崎は斜面地なので上から下まで広がっている。一か所と決めず、地域に併せていくつか条件を出したり、認知症カフェなども利用するなど連携がとれていければよい。座談会とケア会議をという話題がでたが、会議内容により委員が異なる。地域の交流の場としての座談会となると自治会一つでは無理なので、例えば大浦地区は小学校は一つになったが、南大浦地区、北大浦地区、浪の平地区と3地区ごとに地域の交流の場を実施している。夏祭りなどを実施する際にも、細かい地区単位となるとたくさんの関係機関が入っているが、社協も入っての自治会単位となると、そこまで細やかな団体が入っているわけではない。ケア会議はもっと専門職で集まっているので、座談会とケア会議とをとのことだが、目的を整理していくと自ずと決まってくると思う。

【C委員】
百貨店の午前中の地下では、たくさんの高齢者の方が買い物をしている。それを見たときに、自身でバスなどを利用し来た人もいるかもしれないが、目的があれば、多少距離があっても来ていただけるのではと思う。B委員の発言のように、どの方にどのような内容があうかを探っていかなければならない。目的次第では送迎がなくても来ていただける場所を作れると思う。ネットワーク会議や座談会など、どちらも参加したことがあるが、そのような中で、ヒントになるような話題もある。地域ケア会議のほうでは、地域資源の場合、例えば商店街の方などは、買い物支援など「それくらいなら私たちでもできる」などの意見あれば、居宅介護支援事業所や包括センターが依頼できることとなる。座談会では子育て中の若い世代などは、高齢者に対する直接的な活動はしていないが、心配はしており、どうすればよいのだろうかなどの意見がある。包括センターもそのような方の存在がわかる。会議の目的や専門職を育てるという部分では行政のバックアップのもと、サロンなども含め何かができるのではないかと思う。

【A委員】
サロンの対象について。地域包括ケアシステムの出発は高齢者を支えていくためのまちづくりである。サロン対象者を子育て世代の方やシングルマザー、シングルファザーなどがちょっと息を休める場所にするとか、精神疾患の方で入院はしていないが就労はできていない、デイ以外はずっと家にいるなどのような方も集まれる場所となれば、地域がより活性化していくと思う。就労は無理だけど、ボランティアならできそうなどに発展する可能性もある。そのような居場所づくりなどの検討をしてほしい。

【F委員】
人口減少もあり、筋肉質の体にまちを変えるというようなこと。1960年代に広がったまちが骨粗しょう症になり、もろくなっている。今後はサロンや食事サービスなどで支え合うというもの。ここに参加できる方はよいが、来ない方をどうするか。行ってみようと思わせるメニューは変化している。今までやってきた経験や教育環境も違うので、ゲームをしたりするようなメニューのものには行きたくないということになるのでは。公民館でやるというものばかりではなく、日常生活の中にふれあいの場を設けるなどはどうか。かつての長崎は斜面地の下のところに市場があり、病院帰りに買い物をして帰るなどがあった。若い人は商店街が早く閉まるので、共働きの人は買い物をして帰るのが困難であった。まちの拠点的なところは商店街や市場であり、気のきいた店主が喫茶店などを営んでいた。時間帯も午前、午後、夜とそこに好きなグループが集まり、そこにサポートする体制となれば、自然に集まる場所になるのではないか。例えば、幼児と高齢者との交流とニュースなどで取り上げるが、人為的なものは拒否反応がある場合もある。これをしてみたいという所から出発すれば、老若男女自然に集まれるような場所になると感じる。

【会長】
非常に大事なことで、今までのハード面、押しつけというよりは、ソフト的なことを考えないと、今後の展開は難しいということ。集まりの場としての商店街は大事であるという意見。次に議題2「認知症支援の取組について」事務局から説明。

議題2 認知症支援の取組について

【事務局】
地域包括ケアシステムの構築には多職種連携が大切で、それにむけた会議を開催している。厚労省がオレンジプラン、新オレンジプランを出しているが、認知症支援施策についての方向性を示している。その中で、認知症ケアパス作成の必要性が位置付けられ、本市においても作成する必要があり、本日の議題とさせていただいた。本日配付しているパンフレットは認知症の取組の中で、例えば包括ごとの相談機関マップの作成や、医師会協力のもとに認知症ガイドブックを作成し、資料にもあるように、各種取組を行ってきた。認知症サポーター及びサポートリーダーの養成や介護サービスの中でのグループホームなど、認知症疾患センターとの連携、包括センター内で相談員の強化など、点での取組を重ねてきた。しかし、認知症の症状に応じたケアの流れが見えにくい、わかりにくいという課題がある。そのために、多職種連携の基礎となる、認知症ケアパスを作成する必要があると感じており、作成するための一つの資料として提示した。認知症ケアパスは、認知症の人や家族、多機関の人、地域の人が共通の課題や目標をもって対応していくことが必要となるため、それをもとに状態に応じた認知症への取組としてのケアパスを作成したい。様々な取組を行っているが、本市で不足している部分や、取り組む必要がある部分などの意見をいただきながら、目指すべきケアパスを作成したい。

【会長】
認知症に関する取組はどこも必要となっている。早期発見から治療まで含め、取り組んでいるが、どのように取り組めばよいか認知症疾患センターの立場でのご意見をお願いしたい。

【J委員】
ケアパスは、作ることが大事ではなく、患者数も増加するため、啓蒙が必要。仕事柄、他市などの自治体のケアパスを見ている。よくできているもの、詳しすぎるものなど様々。ただ、形というより、それがいかに地域の方にとっての啓蒙となり、有効活用できるものであるかが一番大事。

【会長】
認知症に関しては、医師への研修も含め早期発見のためのツールづくりなど様々なことをやってきた。認知症の方を地域でどう見守るか、権利擁護をどうするか、どう介入するかなど、地域ケア会議の中でも大きな問題である。認知症ケア窓口できちんとした所があるのか、何かあった時にどこにどのように繋いでいくのかがよくわかっていないような気がする。どういう形で作るべきかという時に、J委員からもあったように、きちんと役に立つような作り方をするほうがよいとのことであった。現実的に使えるものを作りたい。ケアパスも含め認知症に対しD委員からご意見はないか。

【D委員】
作業療法士として、全て認知症の早期の段階から関わっているわけではないが、今からは入口の部分から関わっていかなければと思っている。この資料に書いてあるのは、パスを作るため、症状ごとにどのようなものがあるのかというものを並べているが、今の流れからいけば、包括センターからの情報があがってきて、地域ごとの関わりの流れをどういうふうに作っていくのかということがケアパスとして非常に重要だと思う。

【会長】
先ほどの式見る町自治会がされたような見守りを、認知症の方に対しどうするか。そういうところを含めて、最終的には認知症の方の早期発見として地域でどう見守るか、本当に困った時に介護や福祉などの専門職にどうつなげるか、そこまで考えた上でのパスを作るのは大変だが、形だけ作るわけにはいかない。まずは何か困った時の窓口を作る、その窓口からの明確な流れを形にしようとするものだと思うが、認知症の方と家族の会として、このようなパスがあったらなどの意見はないか。

【E委員】
地域包括ケアシステムを作ることと、ケアパスを作ることは同じように感じる。地域の中で認知症のことで困っている方がいたら、医療から生活まで全てを含めたところで、最終的にその方が地域で生活ができるように支援をしていき、地域での生活が困難となれば、なるべく地域の中にある病院や施設に行けたら、みんなで通うことができる。また病院から戻ってくることもできたら、医療費の抑制にもなるのではないか。ただ、ケアパスどおりにいかないこともあると思うが。

【会長】
国としても、認知症対応を表に打ち出している。地域包括ケアシステムの中には、全ての住民を対象とする。認知症の方がおられるのは当たり前であり、少し手厚く支援しないといけない部分を誰もがわかるようにページを少し増やそうというもの。認知症の方だけは別というものではなく、地域の中には色々な方がおられ、今後は地域の中でも半分ほどは認知症の方となるため、例えば、脳卒中の方へのプログラムなどのように、認知症の方に対するプログラムを設定するなど、地域全体を考える中での、特殊な疾病や対応がある場合は、別冊のようなイメージで、全体総論の中での各論のようなものとしての捉え方になる。

【E委員】
包括センターの中に認知症地域支援推進員がいるが、推進員によっては、生活面までの十分な支援ができていない場合がある。その方の生活支援に関連した様々な職種が集まり、最後まで面倒をみるという姿勢で知識を深め、資質を向上させてほしい。そこをはっきり具体化したものがケアパスであると思う。

【会長】
認知症地域支援推進員を各地域包括ごとに配置したのは、長崎が全国初である。非常に先進的にやっており、そこを継続、向上するものとして形にできればと思う。誰が見てもできるような、わかりやすいケアパスを作ってほしいという要望である。

【F委員】
先日、自治会で認知症の初期の方に対する見守りについて協議した。その際、子が親の認知症について周囲に知られたくないようなことであった。子供世代に親が認知症になる場合があるということ、自分達もいずれなる可能性があるということを、若い世代も含めて認識してもらい、自分達のこととして地域づくりを行う必要がある。

【会長】
認知症については、小学生なども含め一般の方への教育が大事と言われている。みなそうなっていくのだから当たり前で、周囲にいる認知症の方がトラブルを起こしても、自分達もいずれ訪れる道であることを考え、そういう方をどう支えようかという教育をずっと行っているが、十分ではないので、ケアパス作成と同時に、行政による住民も含めた啓発広報も行ってほしいという提案である。また、自分達だけで悩んだ時に、専門家として認知症疾患センターへ、このような問題があるが、これをどう考え対応したらよいかや、認知症の初期の段階から法律的な保護の観点から弁護士の方へ相談するなどを行いながら、それが徐々に広がっていけばよいと思う。そのための会議であるし、こういう部分で皆が集まるなどが必要。J委員を中心に、家族の会など様々な方を含めた意見をもとにケアパスを作成していってほしいとの提案でいかがか。

【E委員】
そのとおりである。

【会長】
他の意見はないか。

【C委員】
ケアパスの中に中度、重度、終末期とある。中度以降に関しては症状が出現するので、家族も受診につなげることが多いが、実は自分の父もそうだったが、認知症の症状がでて受診に至るまでに3年かかった。なぜ受診したかというと、小刻み歩行になり、転倒を繰り返し、やっと本人が行くと言ったため。それまでは何度となく受診を勧めたが、自分は物忘れも何もないと受診につながらなかった。例えば、発症前の発症予防のために、節目健診のように、70歳、75歳、80歳と認知症の診断を受けなければならないというようにできないか。よく重度化して受診した時に、もう少し早く受診すればここまでにならなかったと医師から言われることが多い。後悔したくないために、そのような手立てがとれればと思う。

【会長】
以前、スクリーニングテストなど簡単に皆ができるようなスケール活用を市が取り組んだ。各教室においてチェックを行いリスクの高い人には受診勧奨したり、医師も全てがわかっているわけではないので、精神科医ではない医師へ、認知症への理解を深めてもらうために研修を行ってきた。認知症疾患センターも窓口として様々行っているが、周知が進んでいないという広報の問題と、今後そのような発症前の予防の段階から初期までをどのように対応するか、ということでケアパス作成が必要となる。認知症の恐れがある人をどう見つけてどうするのかという内容で作る必要があるとの提案である。他意見があれば直接行政へ。

3番目の議題「多機関型包括的支援体制構築モデル事業」について事務局から説明を。

議題3 多機関型包括的支援体制構築モデル事業について

【事務局】
資料3について。今年度、モデル事業とし厚労省が全国自治体へ募り、本市も応募し内定をもらっているところ。福祉ニーズが複雑化、多様化する中で、高齢、障害、子育て、生活困窮など、多分野多機関にわたる福祉分野に関連する相談に対し、ワンストップで対応する窓口を設置しながら、関係機関とも連携し支援する体制づくりをモデル事業として今年度実施予定である。運営は包括センター2箇所へ委託する。端的に言うと、包括センターの支援対象者を高齢者だけではなく、障害、子育て、生活困窮など、福祉的な課題を抱える方まで拡大していこうというものだが、あくまでも単独の制度で対応できるものは各相談支援機関で対応できるが、複合的な課題を抱え、複数の制度にまたがるような相談に対し、調整しながら対応していくものである。事業内容は資料にあるとおり、社会福祉士などの有資格者をセンター1箇所あたり3名の相談支援包括化推進員として配置し、事業を実施していく。この推進員が単独で全ての相談を受けるわけではなく、世帯全体の福祉分野に関する複合的複雑化したニーズを把握し、それを解きほぐし、様々な相談支援機関と連携しながら必要な支援を行っていくもの。事業期間、設置場所、事業費については資料のとおり。設置する2箇所の包括支援センターについても、地域性やネットワーク構築状況を踏まえ、総合的な判断のもと選定したい。詳細は他資料のとおり。各相談支援機関の役割を果たしながら、チームアプローチを行い、事例を通してネットワークを構築していく。適切なアセスメントを行い、各相談支援機関と役割を明確にし,支援していくコーディネート役を担っていただきたい。想定される具体的事例は資料のとおり。現状では、包括センターは高齢者を通じ、専門機関のみならず、地域関係者や社会福祉協議会、警察、消防など、ネットワーク構築を図っているが、そのネットワークを地域の子育てや障害、生活困窮の関係機関に広げていこうとするもの。包括センターも、高齢者だけではなく、全世代型へという国の方向もある。その中で、新たに、障害、子育て、生活困窮に関する地域の課題を捉えて、関係者とのネットワークも広がり、地域全体で支えるしくみづくりの第一歩となるのではないかと考えている。全体の流れなどは資料のとおり。説明は以上である。

【会長】
先ほどから話がでているが、国がこのような事業をするということは、包括センター自体が、今のままではなく、地域全体のワンストップ機能へ転換しないといけないということを示しているもの。いち早く手を挙げたと思うが、挙げたからには、半年、1年で終わってしまってはいけない。行政も継続するという覚悟の上で、手を挙げたと思う。これがなくなるというわけではなく、そこから先をどうやっていくか、包括支援センター自体が、今後はこのような方向性で進むということで理解してよいのではないかと思う。また、このような事業をした時に、先ほど、認知症地域支援推進員の話題もあったが、そこで全てを解決するというわけではなく、ここが窓口となり、解決しなければならない各部署へつなげ、解決の糸口をつくるというもの。そこだけで解決することはとてもできない。行政も投げかけるだけではなく、そこが窓口となり、行政が多職種とスムーズに連携できたり、窓口が明確になることで、地域の住民が安心して取り組めることになるものと認識した。かなり大変な事業であると思うが、何か質問はないか。

【B委員】
この事業が終わったあと、どのように市内の包括へ反映させていくのか。これだけの内容を全包括へとは難しいと思われる。以前あった、基幹型のような形を想定しているのか。

【事務局】
今後としては、まず今回のモデル事業で実施し、そのノウハウとして全包括へ蓄積させる。その後は、基幹型的なものを東西南北におくのか、あるいは、行政も総合支所ということで支所をブロックわけする考えがあり、そのような所におくのかなどを検討したい。

【会長】
非常に大変な事業だが、やはり今後きちんと取り組んでいかないといけない方向性だと思う。他、意見がなければ本日の議題については全て終了。

― 議事終了 ―

【事務局】
本日は地域での支え合いをどうするかなど、地域づくりについて協議をしていただいた。地域づくりに関する各所管課の課長も出席し、話をきいた。式見町自治会の紹介にもあったように、支え合いをどう作っていくのかということを目指し、話し合いの場をどう作るのか、居場所づくりをどう広げていくのか、この2点について、本日提案いただいたものを踏まえ、今後の部会で提示させていただく。これで第1回、予防、生活支援部会を終了する。

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