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平成27年度第1回国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡保存・整備委員会

更新日:2015年11月27日 ページID:027795

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

文化観光部文化財課

会議名

平成27年度第1回 国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡保存・整備委員会

日時

平成27年10月14日(水曜日) 10時00分~12時00分

場所

長崎市民会館 第2研修室

議題

1 委員長選出・委員長職務代理者指名
2 国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡保存活用計画策定事業について
3 保存活用計画(案)について
4 その他(次回日程調整)

審議結果

1 委員長選出・委員長職務代理者指名

【事務局】
長崎市指定文化財等保存・整備委員会規則第5条第1項の規定により、委員長の互選となっている。委員の皆様でのご推薦をお願いしたい。
【D委員】 
魚見岳台場跡のとき同様、A委員に委員長になってもらうのが一番良い。 

【各委員】 
異議なし。 

【事務局】 
それでは、A委員に委員長をお願いして、ひとことご挨拶をいただきたい。 

【A委員】 
昨今は国防に関する関心が高まっている。こういう情勢のなか、台場跡の保存整備を行うということは意義のあることと考える。魚見岳台場跡保存整備の継続的な意味もあるようなので、引き続き頑張りたい。 

【事務局】
次に、委員長職務代理者の指名に移りたい。長崎市指定文化財等保存・整備委員会規則第5条第3項の規定により、委員長が指名することとなっているので、委員長から指名をお願いしたい。 

【A委員】 
D委員に委員長職務代理者をお願いしたい。 

【D委員】
四郎ヶ島台場跡は佐賀藩にとって大事なものであり、頑張りたい。 

【A委員】
それでは議事に入りたいが、事務局からは、議事の前に他に決定しておく事項、説明等はないか。 

【事務局】 
四郎ヶ島台場跡の所在する地元の状況や意見を参考としたいため、長崎市指定文化財等保存・整備委員会規則第7条により、関係人として、史跡が所在している地元であり、史跡の土地所有者でもある神の島3丁目自治会長と、指定範囲に含まれる海域の漁業権を持っておられる長崎市みなと漁業協同組合神ノ島支所長にそれぞれ会議に加わっていただきたい。 

【A委員】 
地元関係者2名の会議の参加は、四郎ヶ島台場跡の保存活用にとっても不可欠と考える。委員の皆さん、いかがでしょうか。 

【各委員】
異議なし。 

【A委員】 
異議がないので、地元関係者2名の参加を決定する。

【事務局】 
会議の公開及び会議録の公開について、長崎市附属機関等の設置等に関する基準第5条4号及び長崎市附属機関等の会議の公開に関する要領3により、会議については原則公開することとなっており、公開で開催したい。会議録については、要点記録を採用したい。また、委員の名前は匿名で表記しようと考えている。あわせてご検討いただきたい。 

【A委員】
会議については公開、会議録の公開については要点記録、会議録の発言者の名前は匿名表記ということでいかがでしょうか。 

【各委員】
異議なし。

2 国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡保存活用計画策定事業について

【事務局】 
保存活用計画を策定するのはなぜか、事業そのもののご説明をしたいと思う。

四郎ヶ島台場跡は江戸時代の台場、砲台の跡である。嘉永3年から6年(1853~56)にかけて、佐賀藩の鍋島直正によって築造された。台場外周の石垣など、露出した遺構の保存状況が良く、全体的に江戸時代当時の姿をとどめているが、一部の石垣に崩落が見られる。

石垣崩落が有識者や地元の方々から心配され、これを受けて、長崎市教育委員会が平成21年から23年度に「四郎ヶ島台場跡遺構調査事業」を行い、平成25年7月に国史跡追加の意見具申を行い、平成26年3月18日に国史跡の指定を受けた。四郎ヶ島台場跡は単体で指定されたのではなく、長崎台場跡全体のうちの1つとして、すでに指定されている魚見岳台場跡に続き追加指定された。

平成26年度から保存活用計画策定事業(国庫補助事業)を開始し、26年度は保存活用計画に必要な図面等を作成した。そして今年度、専門委員会を設置し、今回が第1回委員会である。

「史跡の現況と主な課題」としては4つ挙げる。まず1つ目、崩落した石垣の保存整備が喫緊の課題である。しかし、史跡が海に面した島という特殊な立地のため、工事費がどのくらいかかるか、よくわかっていない。また、石垣全体の中で、修理すべき範囲は全体に及ぶのか、崩落が目立つ一部で良いのか、という判断もまだわかっていない。

2つ目に、史跡の主要な陸地の部分のほとんどは、神ノ島町3丁目自治会の共有地であり、将来的に史跡を管理する場合、地元の方とより良く管理を行う必要があると思うが、どのように行うべきか検討が必要である。

3つ目に、史跡の隣接地があるが、ここは江戸時代の絵図でみると、四郎ヶ島台場跡とともに台場だった場所であることは間違いない。すべて民有地で所有者が複数にわたるため、現在はまだ指定に向かっていないが、将来的には追加指定の方向性も考えなくてはならないかと考えている。

4つ目は、史跡から少し離れているが、周辺地に市有地があります。史跡内には駐車場やガイダンス施設が建てられないのが通常のため、史跡の周辺地にこうした施設を設ける可能性を検討していただきたい。

最後に、委員会の運営スケジュールについて、今年度計4回の開催を考えている。内容としては、第1回で委員長の選出、史跡の概要、現況の説明などを行い、意見をいただき、第2回では、史跡現地をご覧いただこうと考えている。第3回からは保存活用計画の策定を検討し、第4回で計画策定を完了させる。だいたい月1ペースである。

【A委員】
今回が初回でもあることから、委員には近況を交えた自己紹介、国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡の保存活用に向けての提案や、今の説明に対するご質問、ご意見をいただきたい。魚見岳台場の委員会ではできなかったこと、今後はどのようにすべきか、などを盛り込んで言っていただいても良いと思う。

委員からご発言いただき、その後、地元関係者にご意見をいただきたい。

【B委員】
まず、石垣の崩落が第一の課題、というのはわかる。次に、隣接地の問題。ここが江戸時代に台場であったことは間違いなく、かつては「崎雲台場」という台場の一部として機能した。四郎ヶ島と一体的に整備されるべきものだと思う。遺跡も一定残っているという話も聞く。それから、3番目に突堤部分の石垣。石垣の上に新しいものを造っている。これがいつできたものなのか。『鍋島直正公伝』に所載の大正期の古写真では、四郎ヶ島から神ノ島まで石垣が続いているかと思う。この石垣をかつての姿に復元できるのか。 

【地元関係者A】
この石垣の上につくった防波堤は、昭和39年に県が造った。

【B委員】
ありがとうございます。そういった情報提供をいただきたい。

つぎに、活用施設。駐車場整備は望ましいと思う。公共交通機関で四郎ヶ島を訪れるのはは限界がある。最後に、歴史的意義についてだが、この台場跡の価値は大きい。西洋式装備を初めて搭載した点で、「初めて」日本で西洋式台場を作ったと言って良いとも思う。事務局は、四郎ヶ島台場跡を西洋化への過渡的なものとまとめているが、それは西洋化をどのように捉えるかによると思う。佐賀藩では、四郎ヶ島台場の築造とともに大砲の鋳造、砲手の育成などの西洋化がなされている。なぜ、近代化遺産に選ばれていないのか疑問ですらある。

【C委員】
地質が専門である。

資料を読むと、この台場を築造する時に石材の調達があったようだが、史跡整備の時は他所の場所から確保できるのか。近在のものをとるということになると、環境とのバッティングを心配する。しかし修理となると石材が多数必要となり、遠方から確保した場合、史実と違う石材を取ってくることになり、それは良いのか。 

【A委員】
出島和蘭商館跡の石垣整備については、新補材の方が、すべて割れてしまった。全部の新補材が割れたわけではないが、割れているものはすべて新補材だった。石材調達が大事であり、今後こういうことがないように考えてほしい。 

【D委員】 
四郎ヶ島の陸地部分はすべて公有地と考えて良いか。 

【事務局】 
石垣はすべて公有地だが、そのほかの陸地部分は自治会共有地なので民有地である。 

【D委員】
そうしたら、石垣を整備する際はどのように行うのか? 

【事務局】 
地元の了解を得ながら、石垣を整備したいと考えている。

【D委員】
保存活用計画という性格上、所有管理の状況は大事であり、共有地を公有地のように捉えられるか考えること。そして、B委員の意見同様、台場の歴史的意義・背景をしっかり捉えてほしい。

また、どういう形で「台場である」ことを整備で示すべきか。大砲を据えていたことで示すのか。その辺りもよく考えていただきたい。 

【地元関係者A】
樹木が噛んできて石垣を壊している状況があり、早く手を着けないといけないと思う。

【地元関係者B】 
資料でいう、石垣C・Dの海辺に養殖をしている。100平方メートル捨石部分をしていて、藻場が今は悪い状態だが、ひじきが4~5月、あわびが12月~4月に採れていた。私の一存だけで発言はできないが、委員会の様子は漁業者には逐次報告するし、漁業者からの連絡等があればお伝えしようと思う。 

【A委員】 
石材の話だが、平戸和蘭商館跡は外国から修理材を持ってきていた。このような修理が四郎ヶ島にも可能かどうか。また、出島和蘭商館跡でも石材サンプル採取などのデータを集めていた。このデータが援用できるよう、事務局の方でよく連絡をとるようお願いしたい。

それから、生活権を侵害しない整備を、というのが大事だと思う。ツシマジカの例のように保護を進めた結果、食害によって地面が露出して、泥水流入が起こり海域が汚染されたこともある。やはり、史跡の管理は地元で行うのがベストのように思う。

様々な意見が出たが、これらについては事務局がまとめ、次回以降の委員会の資料として反映すること。

3 保存活用計画(案)について 
【事務局】
まず、目次そのものに問題がないか確認していただきたい。

第1章から第8章まであり、「第1章 計画策定の目的」「第2章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」の概要」「第3章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」の現況」までを第1回委員会でご検討いただきたい。

一部重複するが、第3章、「第4章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」を取り巻く環境と課題」、これを第2回にご検討いただきたい。「第5章 四郎ヶ島台場跡の構成要素と本質的価値」「第6章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡の保存活用計画」「第7章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」の整備計画」までを第3回委員会でご検討いただきたい。第4回では「第8章 今後の取り組みと課題」を含めて一通り、第1章から第8章まで通してご検討いただきたい。 

【B委員】 
第3章第2節に「これまでの調査の成果」とあるが、資料の収集状況はどうなっているか。(公財)鍋島報效会が一番所蔵していると思うが、鍋島報效会と連絡は取っているか? 

【事務局】 
(公財)鍋島報效会とは、「四郎ヶ島台場跡遺構調査事業」の頃からお世話をいただき、絵図関係の資料を中心に、四郎ヶ島台場関係の所蔵資料を画像データで使用している。また、国立公文書館にも四郎ヶ島関係の絵図等が所在することは確認している。

【B委員】
古写真の情報も集めるべきだと思うが、何か収集したものがあるか。それから、昭和30年代に石垣の上につくったという、県の工事写真がないかも確かめるべき。 

【事務局】 
絵図の情報に終始していて、古写真の情報収集は考えていなかった。次回には間に合わないかもしれないが、情報収集に努力したい。また、今回は欠席だが、防波堤の所管者である、長崎県港湾漁港事務所も関係課として委員会に呼んでおり、情報を聞こうと思う。 

【D委員】
第7章に「石垣保存整備の手法」とあるが、保存活用計画で、「手法」というここまで細かい内容に入れるかどうか。実際の整備計画の段階でできるのであって、細かいところまではできないと思う。 

【事務局】 
「手法」から、「方針」や「方向性」と文言を改めたい。 

【A委員】
資料の説明についてはスクリーンで示せるよう、第3回以降お願いしたい。 

【事務局】
次に、内容について説明したい。

まず、「第1章 計画策定の目的」「第1節 計画の目的」。「国指定史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」について、適切に保存継承するために、3つの目的「1.史跡の本質的価値と主要な構成要素を明確化する」「2.これら価値や構成要素を保存活用するための基本的な方向性を定める」「3.現状変更等の取扱い基準、史跡指定地の管理等の方針等を明確化する」を示す。

「第2節 計画の対象範囲」。四郎ヶ島台場跡の史跡範囲を赤囲みで示しているが、江戸時代の台場の続きとなる隣接地や、活用に関係する周辺地も含めて、計画の対象範囲としている。「第3節 委員会の設置」。これは委員会の構成・規則・スケジュールを示している。

続いて「第2章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」の概要」。「第1節 長崎台場跡の歴史と現状」については、「第1節 長崎台場跡の歴史と現状」で、まず長崎台場跡の歴史を説明している。これは魚見岳台場跡の保存管理計画のときと大きく内容に変更ない。

「(5)長崎台場跡の現状」で更新した点がある。これまで遺構が消滅しているとした女神台場跡については、平成26年度の範囲確認調査において遺構を確認した。古台場部分は削平されていたが、新台場部分の御石蔵が完全ではないが残存していた。魚見岳台場跡以外に上部構造が残っている石蔵として、非常に貴重である。また、ほかの台場には確認されていない排水溝跡も見つかっている。

「第2節 四郎ヶ島台場跡の位置」では四郎ヶ島台場跡の地理的環境を示している。「第3節 史跡指定の経緯と史跡の重要性」では「(1)史跡指定の経緯」。次に「(2)史跡の重要性」。これは『月刊文化財』の引用記事が端的に示している。「このように、四郎ヶ島台場跡は、幕末、佐賀藩が長崎警備の強化の一環として、西洋式築造技術を導入して長崎港外に築造した、長崎台場の一つである。台場の郭構造、石垣等の台場遺構が良好に残存しており、わが国幕末期の軍事を知るうえで重要なことから、史跡に追加指定するとともに、名称を長崎台場跡 魚見岳台場跡 四郎ヶ島台場跡と変更するものである。」

「第4節 四郎ヶ島台場跡の概要」。これについては、まず名称として佐賀藩側の資料には「四郎島」と、「ヶ」を入れていないものが多いが、長崎で通有の呼び方の「四郎ヶ島」を採用していることなどを示している。

続いて、「第3章 「史跡長崎台場跡四郎ヶ島台場跡」の現況」。「第1節 四郎ヶ島台場跡の遺構の構成」については、「(1)史跡の部分名称」において、歴史的呼称として存在する「四郎ヶ島」「小島」、「上ノ段」「下ノ段」は良いと思うが、歴史的に用いられていないが史跡を説明するのに必要な箇所として「通路部分」と「海域」があり、この呼び方で良いか、委員にご指導いただきたい。また、各遺構について、「(2)石垣」「(3)土塁」「(4)砲台」「(5)石蔵」「(6)道遺構」「(7)その他の遺構」の順で説明しているが、これで漏れがないか、ご指導お願いしたい。

「第2節 これまでの調査の成果」「(1)文献的調査」については、平成17年度から19年度に開催した魚見岳台場跡整備委員会での成果を利用している。長崎県は日本第4位の件数を有し、とくに長崎台場跡については、全国的にみて最も古い台場である、ということを示している。ほか、「(2)発掘調査」の成果、「(3)その他の調査」では、最も崩壊が目立つ外石垣の測量調査の成果について説明している。 

【C委員】 
「第3章 第1節(2)石垣」だが、写真を見ると相当石材を使っている。これを修理するとなると、大量に石材が必要になる。どこから石材を採取するか、その量は。また、石垣石材は保存状態が良いところと、そうでないところの区別はついているのか? 

【事務局】 
石材の調達については、四郎ヶ島現地のほか、文献上、近在の松島・中ノ島から採取しているという記述がある。現地確認できていないが、採取の痕跡があるかどうか、なければ今後修理の石材を調達する場所にできないか、とも思っている。 

【B委員】 
射程を確保するため、松島・中ノ島を切り崩した、という側面もある。 

【D委員】
石丁場跡の確認はとても大事であり、なかなか石丁場が残っていることは少ない。非常に貴重であり国史跡への追加指定も考えても良い。 

【A委員】
松島・中ノ島については、事務局は、追加指定の可能性も含めて考えるように。 

【C委員】
石材については、ここの地質は香焼層に当たるところだが、他地で採取できる場所があるかどうか課題だと思う。 

【A委員長】 
四郎ヶ島台場跡の石垣石材と比較するため、調査実績のある長崎市出島復元整備室に頼んで石材サンプルを調達するべきである。

4 その他 
【事務局】 
第2回委員会のスケジュールについては、10月30日(金曜日)の午前10時から、実際に史跡現地に赴くことを予定。 

【各委員】 
異議なし。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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