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平成24年度第1回 長崎市図書館協議会

更新日:2013年10月7日 ページID:024527

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

教育総務部 市立図書館

会議名

平成24年度第1回 長崎市図書館協議会

日時

平成24年8月22日(水曜日) 13時30分~

場所

長崎市立図書館3階会議室

議題

1 長崎市立図書館の運営状況について
2 その他

審議結果

市立図書館の概要について資料をもとに事務局が説明

(会長職務代理者)新しい委員さんもいるので、遠慮なくいろいろな角度からご意見、ご質問を出していただきたい。

(委員)ギャラリーとか上映会とか、これは図書館だけではなく、外部からイベントを行うことも可能か。

(事務局)有料になるが多目的ホールとか新興善ホールとか実際に貸室として利用されている。

(委員)図書館との兼ね合いは全く関係なくできるのか。

(事務局)犯罪行為でない限りどなたでも、特に図書館に関係ないことであってもご利用いただいている。

(会長職務代理者)教育長も言われていたとおり、単に日本一の図書館をめざすだけではなく、過去5年間に精一杯の努力をされていることは間違いない。単なる本を読んでもらうだけではなくて人と人とが集う場であり、また自己研修の場である。私も長く携っているが、図書館では大変な努力をなさっていると思う。他にご意見はないか。

(委員)日本一の図書館というのはどのようなイメージの図書館か。

(事務局)利用者についても年間100万人以上の利用があるのは全国的にも数館しかない。人口43万人程度の都市でありながらがんばっているかなと思っている。日本一というのは市民の方が利用しやすい、図書館に来れば何でもわかると、本を読むだけでなく、わからないことを解決するという施設でもあるので、図書館に来たときには、何でも解決できると思ってもらえるような図書館にしたい。それから、赤ちゃんから青少年、ビジネスマン、セカンドライフをされている方あるいは障害のある方など、どんな方が来られても対応できるような幅広い図書館にしようと思っている。

(会長職務代理者)今、事務局から話があったように目標を高く持つということは、よいことである。生まれてから人生を終えるまでのよきアドバイザー、生涯学習センターという感じがする。

(委員)お話を聞いていると、たいへん謙虚にお話をされている気がする。人口が42、3万人の都市で年間の入館者が100万人、貸出が160万点を超えるとは、日本一に近いのではないか。自分は他の県も含めて図書館のことはあまりよく知らないのだが、すごく頑張っておられるし、市民の方も楽しみにしている。月に3回ほど市立図書館の近所でサークル活動をしている中で、ある70歳代の方とお話していると、自分は図書館に来るのが楽しみで、必ず3冊ずつ借りるようにしている。自分が住んでいる住吉の北公民館で本が返せるのはとてもよいと言われた。なるほどと思った。この数からの実績は、市民の方が楽しみながら図書館に来ている一つの例としてあげられる。実は私は活字が苦手で、あまり本は借りないがDVDはよく借りる。さきほどのお話で、値段は高いがDVDの充実を図っていきたいというのは大変ありがたい。
この利用者数に、高齢者の数が増えているのが概要か何かにあった。高齢者の数がどんどん増えているということと、もう一つ外国の方も長崎にはけっこう住んでいると思うが、カードを持っている外国人の数は把握できているのか。そういったところへ広がっていければよいのでは。

(運営事業者)数字としては把握してない。実際、本館2階に多文化コーナーを設け、英語・中国語・韓国語などの本を置いてある。これはある時期に購入したままではなく、新刊も入れている。外国語資料が利用された数は把握してないが、実際に利用されているのは事実である。

(委員)英字新聞が2階にあるが。

(運営事業者)新聞は英字新聞も含めて1階にある。2階にはバックナンバーを置いてある。

(委員)わかった。

(会長職務代理者)今の委員のご意見は、国際文化都市長崎のひとつの指針になるのでは。外国人が図書貸出券を作る場合には、データは取っているのか。

(事務局)今データで取っているのは居住地のみ。長崎市とか隣接の長与町、時津町、通勤圏の諫早や大村など居住地のデータであり、国籍データは入れてないのですぐにはわからない。年間数万件もの図書貸出券の申請書を調べていけば出せるかもしれない。今まで図書館でそのような統計は出すことはなかったので、現在のところ国籍の統計は出していない。

(会長職務代理者)何か一工夫されて外国人の登録があったら、その都度ポイントしていくとおもしろいかなと思う。技術的に難しいのであればしなくても結構だ。

(事務局)先ほど国際交流の件で連携を取っていると申し上げたが、地球市民ひろばや国際課などとも連携をとってお互いに行き来をするようなことも少し考えたほうがよい。

(委員)おはなし会や映画会などいろいろな行事があるが、以前自分は公民館にいたので、行事関係だけでも素晴らしいと思う。入館者数は把握されているが主催行事に関わる人数の統計はあるか。

(事務局)資料の5ページから11ページにそれぞれ載っている。

(委員)年間何人くらい閲覧以外に利用されているのか。

(事務局)これ(資料)の合計になる。

(委員)中学生が職場体験などで、この図書館を利用させてもらい、素晴らしい体験をさせていただいたことを感謝する。本当に閲覧だけでなくて、いろいろな面で利用されていることがわかった。

(事務局)そのあたりの数はこの資料に、項目毎に載せている。

(運営事業者)おはなし会については年報の33ページに統計として人数を載せている。右下に年間の人数、子どもが1,119人、大人が907人、合わせて2,026人である。同じページの下には、いろいろな国のことばのおはなし会の人数など、それぞれ載せている。46ページには職場体験学習等として載せている。それぞれご覧いただければと思う。

(事務局)ちなみに本日から3日間、丸尾中学校の男子生徒4人が職場体験に来ている。後でご案内するときに会うかもしれない。

(委員)このように受け入れていただいて、ありがとうございます。

(会長職務代理者)今、委員から御礼の言葉があったが、私たち委員も時間があればじっくり年報に目を通すことでいっそう図書館についての理解が深まるのではないかと思っている。後でゆっくり目を通していただきたい。

(委員)市民として図書館を使っている立場から、県立図書館は1人50冊まで借りられるが市立図書館は10冊しか借りられない。それは利用者数と本の数との兼ね合いで10冊までにしているのか。

(事務局)各図書館で違っていて、ほとんどの都市は10冊である。なぜ県立図書館が50冊までかというと、五島や壱岐・対馬など離島があり、そこから借りるとしたら、10冊で往復するのは貸し借りが大変なので50冊にしていると思う。長崎市の場合は興善町のこの図書館だけでなく、近くのふれあいセンターや公民館などほかの施設が近くにあり、そこで貸し借りはすぐできるということで10冊としている。中には11冊や12冊まとめて読む方もいるが、まず10冊借りていただき、それを読んでお返しいただいたとき、また借りていただくことにしている。ベストセラーなど1人の方がまとめて2週間まるまる借りていると本の回転が遅くなる。それで10冊以内にとどめていただき、その間ほかの方にも早く回せるようにするため図書館の大勢である10冊とさせていただいている。

(委員)依頼おはなし会とはどのようなものか。資料9ページその他のところだが。

(運営事業者)依頼おはなし会というのは、図書館のほうに学校単位・クラス単位で見学に来ていただいたときに、おはなし会をお願いしたいとの依頼があるので、それに応じて図書館内でスタッフがおはなし会を実施するもの。

(委員)出張ではなく図書館の中でしているのか。

(運営事業者)はい。

(委員)昼食を食べられるコーナーを作ってほしいというご意見があり、レストランのテラスなどでということだった。レストランにはたくさんのお弁当などが置いてあるが、テラスは暑かったり寒かったり雨天は使えないし座席数にも限りがあって、どうしても利用できるときが限られている。それから、自分は東長崎に住んでいるが、バスで来ると時間がかかり、お昼の時間帯になってしまう。また学生さんなどがおにぎりなどちょっとした食事ができる場所があればと思う。もちろんマナーの問題もあり、そのような場所を設ければまた別に管理しなければならないとは思うが、すぐにではなくても長いスタンスで何らかのアイデアを出していただけるとありがたい。

(会長職務代理者)このあたりは図書館としても難しい面があるのでは。

(事務局)これは開館時からの方針である。PFIという15年間の契約の中で、なかなか今すぐ変えるのは難しいのが実情である。またPFI契約が終わった後も、そういったことを含めていろんなメリットはたくさんあるが、デメリット等もあるので、そこについて今は現状維持ということにしたい。

(事務局)さきほど申したとおりだが、全国的な流れとして、昔では考えられなかったが、閲覧室でコーヒーを飲めるスペースを設けたりしている図書館が東京にあるし、全国的に注目を集めている武雄市図書館についてはTSUTAYAを入れるといった話もある。かなり図書館の流れも大きく変わってきている中で、全国の状況を見ながらよりよい図書館という観点から今後取り組んでいくべきときが来るかもしれないという実感はある。PFI事業もあと10年あるので、全国的な流れも参考にして取り組んでいくべき課題だと考えている。

(会長職務代理者)図書館としても一つの課題だという問いかけをしている。

(委員)感想と質問とお願いだが、図書館の概要に関して丁寧な説明に感謝する。市民からの要望などということで丁寧に、またご要望とどのような回答・対応をされたかを書いてくださっている。今回1月から4月までということだが、これだけか。いつもはもっとたくさん出ていたように思うのだが。

(事務局)本当にこれが全てである。

(運営事業者)その意味では開館当初に比べて本当に減っている。資料に載せたものだけである。そのような現状である。

(委員)そういうのを聞くと安心する。図書館というものが市民の中に浸透し、定着してきたからだと思う。以前はいろいろな質問要望が出されて対応も大変だったのではないか。でも急速に図書館というものがみんなの中に浸透していった結果が、今回の質問要望の少なさに現れており、それは素晴らしいことと思っている。
質問だが、事業実績の中に児童生徒たちの見学というのがあるが、このような見学のときには、図書館に対する興味がふくらんでくると思う。見学に来た児童生徒さんたちに図書カードとかそこで作ってすぐ利用できるようにするといったことはされているのか。

(運営事業者)見学に来る学校の教諭から貸出をしたいのでカードを作ってほしいといった依頼があれば、クラス単位で登録申請書を先にお渡ししておいて、ご家族の了解は必要だが、そのようにお話をしてくださいということで、カードの申請書を学校側で集めていただいてから先にカードを作っておいて、見学に来たときに本人にお渡しするという方法でやっている。

(委員)ぜひそれが進むとよいと思う。子どもたちはカードを持つのが好きだし、来たときに作ってもらって、またそれで利用したいという気持ちが高まっていくと思う。ぜひそのような見学を機会に小さな図書館ファンをたくさん増やしていただけたらと思っている。
質問とお願いだが、さきほど県立図書館との利用の違いが出ていたが、貸出冊数は県立の方がどちらかというと冊数が多いというところで目を引いてるようだ。貸出の延滞の問題が出ていたが、貸出期間が長崎市は2週間で県立図書館は3週間だから、それで時々混乱する。当初はみんなに本が回るようにということで2週間でも仕方が無いと思っていた。しかし蔵書も豊かになっているので、そろそろ県立と同じように長崎市も3週間にできないか。それでも延滞する人はいるだろうが、利用者の利便性を図るということでご検討いただけないかと思っている。

(事務局)長崎市が2週間で長崎県が3週間となっていることについて、さきほど申しましたが長崎県は離島を抱えており、多くの手間もかかるので少し長めになっている。長崎市では返却できる場所、予約で取り寄せて貸出しできる場所が56箇所ある。これは全国的にみても断トツで1位である。車でも歩いてもすぐ近くにあるという長崎市の利便性がある。あとベストセラーなど予約が多いものは30冊ほど購入している。本来なら30種類の本が買えるのだが、そのお金をハリー・ポッターなど1つのベストセラーのために使っている。その1つの本について、300から400件の予約があるので、30冊あったにしても貸出しできるのは半年後から9ヶ月後となってしまう。これで貸出期間が今の2週間から3週間に延びると、今なら9ヶ月で貸せるところが1年を越えて待たせることになる。たくさんの方が借りる本は2週間で、あまり借りられない本については3週間という2段階にすることも考えられるが、基本的には2週間である。ただ、予約が無い限りは、一旦手続きをしていただければ4週間までは延長可能である。お近くの図書室に行って、まだ読みきれていないので延長してくださいと言っていただければ、4週間まで借りることはできる。一度返却して、翌日にまた予約を入れていただけると、別の予約が無いものについては続けて借りることができる。予約がある分については、予約があるのに個人の方が自分で持っていると、次に借りたい人に貸すのが遅くなってしまう。それで現在のような2週間という取決めとさせていただいている。

(委員)ベストセラー本の扱いについてはどこの公共図書館でも悩んでいるところだろうが、これだけ蔵書があるのでご検討いただければと思う。

(運営事業者)さきほど事務局が言われたとおりで、貸出期間を延ばすと本の回転率がものすごく悪くなる。1冊の本が予約されて2週間で帰ってきて、次の方に連絡して、そこで本が渡るまでにまた1週間かかる。だから一冊の本が予約されると次の方に回るまでに実は3週間から4週間はかかってしまうということがある。県立図書館のようにベストセラーの複本を用意してなくて、どちらかといえば専門書であればどうということはないが、市立図書館のように大勢の市民に同じような本をご用意しなければいけないとなれば、だいたい4週間で1冊回転という予約の問題が大きい。おっしゃるようにやれば、おそらく今の点数は半分近く減ると思う。点数を減らしてもよいのかどうかという問題が1つ。それから、3週間で返却というのは子どもたちに記憶されにくい。2週間か、アメリカのように1ヶ月とすればよいと思うが、子どもたちの記憶が薄れないうちに返却してもらうために、やはり2週間だろうということで、日本で3週間が増えない理由はその2つのことが大変大きくなっている。そこはぜひご利用される方のご努力で変えていただくことでないと、いろいろな意見は出たが、ごもっともというだけでどこまで実現できるかどうか。
さきほどお弁当を食べさせてというお話もあったが、これも考えてみれば既に満席であり、あの部屋を貸せこの部屋を貸せという状況の中でお弁当を食べるスペースを用意できるのかどうか。どちらで皆さんが折り合うかという図書館側の問題というよりも、皆さんが図書館を使うためにどう折り合うかという問題をもっと考えなければならない。実は指定管理が変わったからといって変えられるものではなく、作り変える以外にないといったところまで考えていただきたい。私から言うのも何だが、協議会の中でどうするかということをご検討いただいたほうがよいと思う。それは図書館側、行政側で考える以前の問題と思っている。ぜひそのようなご協力をお願いしたい。

(委員)私は確かに長く借りられるときは、実は回し読みをする。仲間で2週間の中で読んで次々と返すという形で。自分としては待つ側なのでもう少し短くしないのかなというのが本音なのだが。もう少し短ければ本がもっと回るのにと思う。延滞の部分とかも緩和できるかなと思うが。もう少し早く、たとえば1週間という先ほどの心理の中に、自分が記憶できるものは1週間後ならある程度想像できるが、2週間3週間と延びれば延びるほど、まだあと2週間あるから大丈夫と思ってしまう。でも1週間しかなければじゃあその時間帯をどうにかして読もうとする。私自身はずぼらな性格なので、そのように時間を区切られるとついついその時間を本を読む時間にあててしまう。そういった形もあって、確かにベストセラーのときなどは買った方が早いと思って買ってしまうが、そのようなことを考えていくと逆にベストセラーなどはレンタル屋さんのように新刊に関しては5日間とか1週間とか貸出期間を短くしてもよいのではないかと思っていた立場である。

(運営事業者)実はアメリカにそういう方々のために有料でお貸しする仕組みをつくっているところもある。日本では図書館法があるのでなかなか厳しいのだが、今のお話のように早く回してほしい、早く返していただければもっと簡単に早くいくのだが。取置きも1週間でなくて電話をしたら翌々日くらいには必ず取りに来てくださるという協力があれば、もう少し早く回るのだろうが、私が今係わっている図書館では延滞をこらえきれずに督促で取りに行くケースが幾つかある。そうすると、はいありましたと返すだけ。全く悪びれる様子も無い方が大勢いる。さきほどの数字の中にも1割どころかもっと多くの人が遅れたことに対する全く何の責をも持っていない方がいる。そういう人たちが結構この問題を引き起こしていることでもあるので、そこはきちんと訴えていかなければならないし、もう少しそこのモラルを皆さんが変えていただかないと図書館のサービスという質が上がらないと思っている。そういう点も機会あるごとに訴えていく必要がある。

(委員)だいたい返却を日数で平均するとどれくらいか。統計とかでなく、大まかな。

(運営事業者)2週間ぎりぎりという方が多い。

(委員)私など既に読んでしまっているが、期限は2週間あるからまだ返さなくても大丈夫かなと。

(運営事業者)私が係わっている図書館では期限が過ぎているのに次の本を借りて、それもまた返さないという人が結構たくさんいる。期限が来るのが判っていながら借りに来た日に返していない。そういう人がいる。これは長崎の問題ではなく、図書館というものを使う方のモラルの問題である。アメリカのように1日遅れたら何セントいただくといった、お金ではないがそのようなペナルティがないとこの問題はなかなか難しいと理解している。

(会長職務代理者)具体的な事情を聞くと、なるほどと思う。いわゆる借り手の側にも問題がある。いかに市民に効率よく回せるかというのも図書館の使命であるかもしれない。ご意見もあるが、今日のところは1週間というのも意見で出されたので。

(委員)私は1ヶ月のほうを求めているが。

(会長職務代理者)現状のままの形で市民にサービスを提供していくことで進めていただきたい。

(委員)単純なことだが、年報を見ていて46ページに実習生の受入とあるが、大学の名称がばらばらなので統一していただきたい。私の職場は活水女子大学であり「長崎」は付かない。純心大学には「長崎」が付く。年報は公的なものなので、名称には気をつけていただきたい。

(事務局)(運営事業者)申し訳ない。

(会長職務代理者)今の点は次回からぜひ訂正していただきたい。

事務局から「はじめまして絵本事業」、「子どもの読書活動推進計画」、「図書館を使った調べる学習コンクール」について資料をもとに説明。

(事務局)資料の5、14ページ「はじめまして絵本事業」の項目をご覧ください。長崎市では「はじめまして絵本事業」という名称だが、全国的にはブックスタート事業といわれる事業である。赤ちゃんに絵本を渡してその後の読書活動を身近に感じていただくもの。小さい頃から本を読む子は大きくなってもそのまま本が大好きになる、あるいは家族でふれあう、抱っこして赤ちゃんに絵本を読んであげるなどスキンシップを図られることで、赤ちゃん自身の成長にも役立つ。そういったとても大切な事業なのだが、長崎市は他の市町村と違って独自の事業を行っている。
通常ほぼ100%の赤ちゃんが健康診断を受けるということで、ほとんどの市町村では赤ちゃんの健診会場をブックスタートの絵本の配布場所にしている。しかし健診会場で配るとなると、赤ちゃんの身長や体重を測ったり、栄養相談や小児科医の診察などいろいろ慌しい中になるので、本の読み語りが大切だという話についてはうろ覚えでしか覚えてもらえない。単に絵本を渡すだけではブックスタートの大切さを十分に理解してもらう場にならないことや、1種類の本をお渡しすることとなり、たとえその本を持っていても、他の本を選ぶことはできない。そういったデメリットを少しでも少なくしようと、あえて100%お配りできる健診会場ではなく、図書館や図書室に足を運んでもらっているところである。そうすることによって絵本をお渡しするときにブックスタートの意義を十分に伝えられるということで、ビニール袋に入っているセットを健診会場でお配りし、中にあるハガキ大の絵本引換券を持って図書館や図書室に行ってくださいと言っている。それから1年の間に図書館や図書室に足を運んでいただいて、そこで3種類の絵本の中から自分の好きな絵本を選んでいただく。
長崎市はさきほどから何度も申し上げたとおりお近くの公民館やふれあいセンターなど56箇所の図書館・図書室のネットワークがあり、市役所は通常土日祝日は開いてないが、公民館等は土日も開いているので、そういった利便性も考慮して、ネットワークでつながっている図書館・図書室で絵本をお渡ししている。公民館等はご年配の方が多く利用されているというイメージがある。しかし、こういった公民館等でも子育て世代または子どもや赤ちゃん、お兄ちゃんお姉ちゃんといった方々も来ていただいて、公民館やふれあいセンターに来れば本や絵本もたくさんあり、そこで予約をすれば、図書館の本も合わせると100万冊の本の中から借りることができる。そのようなことを説明しながら、あるいは小さい頃からの読書はとても大切だということを図書室の職員から教えることができる「はじめまして絵本事業」という長崎市独自の事業をやっている。
資料の15ページの表はその引換率である。唯一の欠点は、健診会場で配布すれば100%全員の方に配れるのにあえて引換券という方法を取ることで若干、絵本を渡せない場合が出ている。15ページの左下、77%とあるが、8割の方が最終的に引き換えられ、残り2割については引き換えられないままになっている。この分については今後の引換率の向上が課題となっている。
資料6で、子どもの読書活動推進計画について2年に渡って、この会議の時などに意見を出し合って、22年3月にやっと良いものができた。それから22年度、23年度実際に140の項目について進めてきた。17ページの下にあるように22年度は104の事業が、23年度については126の事業が実施となった。あと14の事業だがこれも24年度中には実施できると思う。16ページの未実施については、ほとんどが周知が足らず未実施となっている。周知をすることによって実施となり、17ページの調べる学習コンクールについては今年の事業ですることになっている。 
18ページ資料7、「図書館を使った調べる学習コンクール」については今から配る資料をご覧下さい。
これは「図書館を使った調べる学習コンクール」で全国的に優秀賞をとった全国レベルの冊子である。
最終的にはこのような調べ学習の結果の報告書を作ってもらいたいとして見本をお渡ししている。
自分で調べるというのは、自分で物事を考える、頭の中に浮かんだことを文章にするだけでなく考える力を養っていくものである。これは一朝一夕で身に付くものではなくて、小さい頃からの訓練を積むことによって大きくなっても考えることができるということから、実施する事業である。全国には800ほどの市町村があるが、今実施している市町村が30数箇所、長崎市も早めに事業に取り組もうと、今年度から始める予定である。

(委員)そのような周知は学校でしているのか。

(事務局)学校の校長先生を通じて各学校に周知ポスターなどを配っている。夏休みの宿題にならないかと思っているので、9月を募集の期間にしている。9月から10月にかけて長崎市の方で審査をして優秀な作品については優秀賞あるいは市長賞・教育長賞を出すことを検討している。またこれは底辺を広げているから、全ての参加者については参加賞がもらえるようにする。ここまで最初はできないかもしれないが、ご存知の子どもさんがいたらぜひ応募するように委員の皆さんからも周知PRをしていただければありがたいと思う。

(会長職務代理者)毎年、新しい事業が展開されて、さすがという気持ちになる。委員の皆様には初めてのことでおやと思われるだろうが、ご意見ご質問を出していただきたい。

(委員)図書館を使った調べる学習コンクールということだが、これは個人の研究になるのか。資料2のところで、グループ学習室ということで、図書館の資料を使ってグループで調べ学習を展開していこうという場がある。個人だけでなくてグループもこのコンクールにチャレンジすると、そういったことは考えられているのか。

(運営事業者)コンクールにはグループ参加もある。年配のグループで郷土史を調べられて代表者の方が受賞されたり、お父さん、お母さん、子どもたちといった家族でされることもある。優秀賞にまで至るのは調べ学習の期間に1年ではなく数年かけている例もたくさんある。だから早めに手を打たないといけない。中高一貫校だと、中学校のときに高3の卒論のためにという課題が出たりする。そこで調べ上げてくる方がいる。このようなものは大変優秀で、中には大学の卒論に匹敵する程度のものまで出ている。ただ、繰り返していかないとそのようなレベルには至らないと思うので、とりあえずは実施していただくというのが大事である。ネットではなく事実を確認し、それを本で補うという作業をやっていただくということで、ネットだけではない本物をどうやって調べていくか、辿り着いていくかということと、もう1つの狙いは考える力をどこまで伸ばせるか。疑問に思って解いていく力。さらにその上にどう展開していくか、それをまとめるという、そこに狙いがある。その過程も大事にしたいというコンクールになっている。

(委員)そのような狙いと学習室の活用を連動させているということか。

(運営事業者)それはありうると思う。

(会長職務代理者)これは親子での参加も可能ということか。親子でもできるとはおもしろい。

(運営事業者)結構毎年応募される方がいる。味をしめているのかもしれないが。

(会長職務代理者)今の件は校長会だけにPRしているのか。

(事務局)小中学校については、校長会あるいは司書教諭、また学校司書の研修会で必ず事前にPRして、ぜひ参加をと伝えている。

(会長職務代理者)せっかくの新しい事業だから幅広く啓発していただいて学校だけでなく、社会教育関係でも大いにPRをしていただきたい。どうですか。

(委員)そう思う。公民館とかも。

(委員)新聞などには載せているのか。

(事務局)マスコミには載せていない。

(委員)やはりこれはプレスリリースされたら本当に浸透するので、長崎新聞など地元の新聞に書いていただいたらよいのでは。

(運営事業者)一応、プレスリリースはしている。ただ食いつきがよくない。

(委員)これはすぐ見られるところにあるのか。ちょっと興味を持った方が感心を寄せられる目印があるとよいが。

(運営事業者)1階のこどもとしょかんカウンター横の壁面に展示してある。

(委員)では誰でも見られるようになっているということか。なかなか充実している。

(会長職務代理者)今色々とご意見が出たが、目新しい事業ではあるし、市民の皆さんの関心も強いと思うので、可能な限り学校関係以外についても啓発の機会を作っていただければありがたいと思う。

(委員)はじめまして絵本事業のことで、前回、平成24年3月の図書館協議会では、1年経たないと、どのような結果になるかわからないという話だったが、引換えの有効期間は1年か。

(事務局)はい。

(委員)4月の結果が出てから1年間の分で見えてくるとは思うが、引き換えられなかった方に関しては、今後は絵本をもらえないということか。

(事務局)4ヶ月健診の後に7ヶ月健診の通知を保健所から送っている。そのときに図書館からのお知らせとして、まだ引換えていない方はお早く引換えてください、という内容のお知らせを同封させていただいている。それから期限1ヶ月前に、まだ引換えられていない方個人あてに図書館から直接ハガキを出し、引換券を配った後合せて2度周知を図っている。ただ、それでも引換率は8割止まりである。委員さんの中で、引換率が上がるような方法についてご意見をいただけるとあり難い。

(委員)その引換えられていない20%というのは、子育て支援の方でやっている中で、極端なことをいうと今でいうネグレクトという子育てを放棄してしまうパターンが約20%ある。そういった図書などにも関心は無いし、子ども自身が何をしているのかもわからないようなほったらかしの状態が20%というところと、ちょうど同じ数字だなと思った。私たちもそういった子どもたちとお母さんたちに、どんな対策を立ててどうやってサポートしていこうというのがいつも課題である。それと同じ数字がここにもあるのかと思った。

(委員)今言われたことと同じように私も感じている。必要なところに渡っていないのかなと思った。やはりブックスタートというのは全ての赤ちゃんと子育て中の保護者にというような、子育てを知識で支援しているという意味合いがあるため、もともとのブックスタートとは違うが日本型で浸透し広がったと思う。保健センターで業務をされている皆さんでカンファレンスされて、ちょっと心配な親御さんとかいうのを、違う目の司書さんが入ることによっていち早く発見したりとか、丁寧なサポートがなされている活動だと思っている。けれども、やはり必要なところに絵本を介することにおいて、子どもとの接触の仕方とかまた違う形でできるんだということを親御さんにも理解していただくという活動でもあると思う。何らかの形で絵本が届くような努力や工夫が必要なのかなと思う。1年経たないと分からないと思っていたが、やはりいま言われたような感じを持っている。

(会長職務代理者)このデータから見ると80%いってるのは一応の成功ではないか思う。ただ、あとの20%が切り捨てられるのでは困る。委員からもお話があったが、何らかの形でそのようなところにアタックし、絵本を通して親子関係を良いほうに改善させていくという効果があると思うので、今の件について委員さんの中からこのような方法もあるという意見を出していただければ図書館としても助かるのでないか。

(委員)例えば子どもの絵本はこの3冊の中から選ぶのであれば、この本は持っていると皆が最初に手にする絵本だったりする。そういったものでなくて、子どもではなくお母さんが読める絵本の選択肢を幅広くできないか。常盤町のシビックホールに行っていたら結構お母さんが自分で読みたい絵本を探している場合が多い。この3冊を選んだ理由は何か。

(事務局)「いないいないばあ」と「じゃあじゃあびりびり」の二つについてはすごく良い本ということで、確定している定番中の定番であり、ぜひともお渡ししたいということで選んだ。「あそぼうよ」については出版されてから1年経っていないので、持たない可能性が高いが、今後定番の良い本になりそうだと着目して選んだ。「あそぼうよ」についてはあと数年経てば持っている方も多くなるだろう。それから新たに出版された本で今後良い本になる可能性のあるものを選びたいと思っている。

(会長職務代理者)選択肢は広いほど良いのだろうが、逆に多すぎて決められないかもしれない。大事なことは、そういう形でチャンスを作ってやれるかどうか。そのあたりが今後の事業の拡大につながっていくと思う。これはやはり今後の課題として委員の皆さんに、この会が終ってからでも何かひらめきがあったら図書館のほうに電話かFAXで送れるようにしたらどうか。

(委員)逆に、うちでできることはお母さん自身に常にアンケートをするのだが、例えばこういったものを行政がするのだがどうやって活用したか、とか、そういったところでこのようなものをどのように活用したらよいかということも、みんなアンケートを取ることも可能だと思う。もしかしたら、うちに来ている方の中に、まだ引換えていない方がいるかもしれないし、その理由とかも聞けるかもしれない。まずは実際にお母さんたちの声を聞くことも大事ではないか。

(委員)これは1年以内ということだが、1年を過ぎて申出があった場合はどうなるのか。

(事務局)実は、私たちも1年で区切るのではなくて、できるだけたくさんの人にお渡ししたいという気持ちも十分あるので、今は、周知が足りなくて1年を超えたというようにとらえている。昨年の8月3日に最初の引換券をお渡ししているので、もう期限が切れている。でも期限が切れた方が来ても周知が足りなかったからということを理由として、8月4日からしばらくの間は1年を超えた人が来ても、お渡ししてくださいと56箇所全ての図書館・図書室に周知している。今のところは期限切れの分についてもお渡ししている。

(委員)そこを拒絶されると全体のイメージが悪くなってしまうので、ありがたいことだ。

(会長職務代理者)事務局から新しい委員さんに図書館のご案内をしたいということなので、私から感想を述べて、会を閉じたい。委員の皆さんから、図書館に対する要望が減ってきたのではという意見がある。これはなぜだろうか。市民の皆さんの中に公的な図書館のあり方というのが浸透し、図書館を身内として考える方が多いのではないだろうかという意見があった。私もそうだと思う。一つ付け加えたいのは、図書館のスタッフの皆さんの市民に対するサービス精神が非常に良くなってきた。そのことが不満をかわしているのでは。時々私もふらりと入っていくことがある。1階におられる職員の方がどなたも笑顔で、にこやかに受け入れてくださる。また来たいという気持ちになる。職員の資質の向上というか、常に図書館として図られていることも原因の一つではないか、と感じている。さらにこの図書館をより市民のものにしていくために、市立図書館のファンをもっと増やしていこうではないか。一つの方法として、見学に来た中学生などに対する貸出のチャンスをいっそう大事にしてほしいという意見も出たように思った。図書館の貸出期間のことが出ていたが、いろいろな考え方があるが、市民の皆さんに効率的に図書を回すためには今の2週間という貸出期間が望ましいという意見が多数を占めていたと理解している。調べもの学習というのが新しく出てきたが、これについては社会教育の場面でも、大いに啓発をして親と子のつながりが希薄になっている中で、親と子がいっしょになっての調べ学習というか、そういうものがこれから期待されるというご意見も出ていた。最後に、はじめまして絵本事業について、これは非常に良い事業なので引換率8割を少しでも超えるように我々としても委員そのものも図書館側に立ってどうしたらよいかと考えて、機会があるごとにそういう情報を図書館の中に流していこうではないか。そういう共通理解ができたのではないかと思っている。今日は新しい委員さんがたくさんおられて斬新な意見をいただき、私も大変勉強になった。
以上で終わりたい。事務連絡などあったらどうぞ。

(事務局)会議終了後、図書館の案内をさせていただきたい。なおこの協議会については、毎年度2回開催している。平成24年度については今回が1回目で、次は3月頃の開催を予定している。

(事務局)図書館内のご案内については午後3時半までの予定であるが、それを過ぎてしまいそうなので、お急ぎで帰られる方は、後日いつでも図書館にお越しいただければ同じコースでご案内する。

(会長職務代理者)以上をもって図書館協議会を終了する。各委員さん、関係者の皆様、お疲れ様でした。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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