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平成21年度第1回長崎市消費者苦情処理委員会

更新日:2013年3月1日 ページID:006609

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)

担当所属名

市民生活部消費者センター

会議名

平成21年度第1回長崎市消費者苦情処理委員会

日時

平成22年3月26日(金曜日)午後2時~午後4時

場所

消費者センター会議室(築町3-18メルカつきまち4階)

議題

(1)報告
ア 平成20年度及び平成21年度(上半期)の苦情・相談の概要について
イ 消費者安全法に基づく消費者事故等の事故情報の報告体制等について
ウ 地方消費者行政活性化基金事業について

(2)その他
「訪問販売お断りシール」について

審議結果

委員長
それでは、私のほうで議事進行を務めさせていただきます。最初に本日の議題について事務局からご説明をお願いします。

事務局
それでは、本日の議題についてご説明します。お手元に配布しております資料の表紙をご覧ください。議題として1報告事項アとしまして平成20年度及び平成21年度(上半期)の相談・苦情の概要について、続きましてイ消費者安全法に基づく消費者事故等の報告体制について、3番目にウ地方消費者行政活性化基金事業についてとなっております。
2つ目の議題としては、意見交換という位置づけでございます。訪問販売お断りシールについてという事項でございます。なお、お手元のほうに長崎市消費者センターの事業概要、平成21年9月に取りまとめたものですが、ご確認ください。最後に本日の傍聴者はおられません。以上です。

委員長
それでは、配布されている資料の項目に従いまして説明をお願いします。

事務局
それでは、事務局から資料に沿って説明をさせていただきます。表紙をめくりましてアの平成20年度及び平成21年度(上半期)の相談・苦情の概要についてご説明いたします。まず平成20年度の相談・苦情の概要につきましては、資料に記載しておりますとおり、事業概要に詳しく、統計等を含めて記載をさせていただいております。これはちょっと、後ほどご参照いただくということで、直近の平成21年度の上半期、昨年の4月から9月までの状況をご説明したいと思います。まず、相談全体の概要ということで、記載のように、相談件数は604件減少ということで、マイナスの23.8ポイントでございます。これは長崎市だけではなく、県内もそうでございますし、全国的に見ても、件数そのものが減少傾向にあるというふうなことがございます。それから、消費者センターの専門的な立場からの助言、それから事業者とのあっせん、こういった時間がかかる相談件数というものも、前年度の上半期と比べ462件の減少でマイナスの21.3ポイントというふうなことでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、全体の相談件数が落ちておりますのは、いわゆる架空請求ですね、葉書とか、インターネット、携帯、こういったものでの、どちらかといいますと定番になっているような架空請求、これが落ち着いてきていると、大きく減少してきていることが全体の件数を押し下げているということでございます。ただ、事業者とのあっせんを要するような時間をかけて、私どもが間に入って交渉を進めるべき事案というのは、減少傾向にあるのですが、緩やかな減少にあるのかなというふうなことであります。
それから、2点目としまして主な相談内容ということでございますけれど、ここにありますようにワースト3ということで、1位が借金問題、それから2位がインターネット関係のいわゆる架空請求に関するようなもの、それから3位が不動産の賃借に関する問題ということで、これは前年度と同じ順位というふうなことでございます。もう一つ申し添えますと、借金問題は結構落ち着いてきているというのがございます。これは、一時期過払い金の問題とかですね、ヤミ金融の問題、かなりこう世間を賑わせていた時期に比べますと、落ち着いているということでございますけれど、ただ、ご承知のとおり、改正貸金業法の、特に総量規制が今年の6月を目途に完全施行という予定でございますけれども、こういった背景も控えておりますので、これを受けてヤミ金融に流れますと、一気に問題が噴出すという懸念がございますので、今落ち着いているから、借金に関する消費者のトラブルは少なくなるというのは一概に言えないのではないかという気がいたします。
それから3点目、相談当事者の年代別構成でいきますと、若年者層の相談者の減少が目立っておりますけれども、60歳以上の高齢者層は、マイナスではございますけれども、全ての相談に占める割合というのは増加しているということでございます。それは当然高齢化率が上がっているというのもございますし、やはり、従来と同様、高齢者には様々なアプローチがあってトラブルにあう確率が高いと私どもは考えております。それと次に21年度上半期の消費者トラブルの状況の他の面での特徴でございますけれども、資料記載のとおり、定額給付金に関する問い合わせ、特定保健用食品で長くベストセラーになっておりましたサラダ油の発がん性物質の問題での苦情、住宅用火災報知機の取り付けに関する相談でございますけれども、時代背景を踏まえて、特に件数が多くなった相談の3つでございます。それから、その他として健康食品に関する相談というのも多くございますし、また、依然としてリフォーム関係の工事関係に絡む相談、それから高齢者に多い相談ですが、新聞の購読について、いわゆる先付け契約、2重3重に契約してしまっているというような相談も多くあっているということでございます。
それから、特定商取引法で規制しております特殊販売に関する苦情といいますのが、705件でございますけれども、通信販売と訪問販売が多くなっておりますが、やはり、ネットショッピングとか、テレビショッピングとかというものが消費者に浸透しているというのがあって、通信販売の比率が高いという状況にあるのではないかと考えております。
以上で説明を終わります。

委員長
ただいまの報告事項は、平成20年度及び平成21年度(上半期)の相談・苦情の概要に関しまして、委員の皆様からご意見、ご質問等ございますでしょうか。

委員
借金の相談が入っているというのは、例えば今、広い意味で法律事務所のコマーシャルなんかが、インターネットで相談できますよというのがありますので、そっちのほうに流れているということがあったりするのでしょうか。

事務局
たしかに相談の窓口の多様性が出てはきていると思われるのですが、特に弁護士会での無料相談では基本的に毎日、相談を希望する方がいらっしゃれば、当番弁護士に繋ぐシステムができていると思います。そういうふうな色んなコマーシャルとか言うふうなこともあるかと思いますが、やはり現場、長崎の県内において、窓口における対応が多様化しているというふうなこともあると思います。絶対数についてはなかなか把握をしづらいのですが、そういう相談の場の広がりというのはあろうかと思います。

委員長
日弁連の報告を見ると、コマーシャルを見て、それで相談に行かれるという方も多いんじゃないかと思います。

委員
多重債務に陥る方は、何か人と接したがらないから、つい、電話とかインターネットでできる方法を使ってしまう。

委員長
あるかもしれないですね。

委員
であれば、気軽に相談できる、そっちのほうに流れているのではないか。

委員長
私が聞いた話では、今、日弁連では会わずに電話だけで相談するようなものは、ダメだという方針ですね。電話だけで相談するとトラブルが多くてよくないからということで、そういう方針をとっているんですが、そうすると東京のある事務所なんかは、長崎空港まで来て、長崎空港まで、多重債務者に来てもらって、空港で話をしているところもあるらしいですね。そういうふうなところは、当然長崎だけでやっているわけではないでしょうから、全国各地空港に出向いて、相談をやっているのではなかろうかと思います。そういうところが沢山相談を受けている。それがいいのか悪いのかは別にして、そのような傾向はあるのではないかと思います。
法テラスができたということも、一つの影響にはなっているのですかね。
一時期流行ったリフォーム詐欺とか、ああいうのは、もうないのでしょうか。

事務局
リフォーム詐欺については、資料7ページですが、特色ある相談の項目の一番最後のところに掲載しております。リフォーム工事ということでいきますと、平成21年度の上半期は、前年度同期に23件であったものが、29件となっており、床下換気扇を含めたところでも、数字としては、増えている傾向にあります。それで、最初の傾向は、かつて訪問販売をやっていた人物が、飛び込みで色んなところを回っていくような形のようなものがあって、消費者センターに相談があったときも、あっせんがしづらいケースといいますか、業者と連絡がつかないとか、詐欺まがいの事案とかが増えてきているような傾向にあるかなと思っております。それから、過去はリフォームの工事でも、信販のクレジット契約を伴うような事案があったのですが、そういった事案については、交渉のし易さといいますか、必ず相手側にアクセスができたのですが、最近は業者に連絡が取れず対応に苦慮する場合が出てきております。それと、センターへの相談の入り方というのが、地域を見守っている皆様、民生委員、自治会、包括支援センターといった方々から間接的に入っていただいて、物事が顕在化していくということが非常に多いです。ですから独居老人、高齢者の方が狙われているところは、現在も従前とあまり変わらないのかなと思います。

委員長
ヤミ金の相談が目立って増えてきているというのは、今のところなさそうですが。

事務局
こちらのほうも、資料7ページの中段のところに、ヤミ金融というのがありまして、こちらは件数的には下がっていますが、平成20年度の上半期が78件だったのですが、21年度で24件となっており、数字的には落ちています。

委員長
総量規制が始まったら、ヤミ金が増えるのではないかというふうに言われておりましたが、今のところ、そのようなことはないようですね。そのようなことを言っているのは、大手の消費者金融だったので、規制自体を反対する意味で言っていたのではないかと思うのですが。

委員
不動産の賃貸借に関するトラブルに関する相談というのは、長崎はどのような感じなのでしょうか。テレビなどで、よくゼロゼロ物件で家賃を一日でも滞納したら追い出されてしまったとか、鍵を換えられていたとかいう件を見るんですが、そういった相談は長崎ではないのでしょうか。

事務局
長崎のほうでは、ほとんどないと思います。全国のほうでも社会的弱者の方が、そういったトラブルに巻き込まれるケースがあったと思われるのですが、生活保護を受けている方からの不動産賃借に関する相談がありまして、その中に鍵をかけられてしまって入れなくなったというケースはあったのですが、いわゆる追い出し屋というのは、あまりないです。ゼロゼロ物件については、若干そういった物件が出てきてはいるようですが、非常に沢山の相談が寄せられているというレベルではないのかなと、ちらほらそういうのが出てきている程度と考えていただければいいのかなと思っています。

委員長
では、報告事項アについてはこれでよろしいでしょうか。
続きまして、報告事項イ 消費者安全法に基づく消費者事故等の報告体制等について報告をお願いします。

事務局
それではお手元の資料の8ページからでございます。昨年の9月1日に消費者庁が設置をされて、あわせてといいますか、施行日も9月1日で消費者安全法、それから関連する法律の所要整備も含めて、関連3法の施行がありました。消費者安全法というのが地方の消費者行政の分野にどういった影響があるのかという点で見ますと、(3)に消費者事故等に関する情報の集約等というのが、いわゆる義務付けられた形になっております。地方公共団体を含めてでございますけれども、それで、ここの(3)にも書いてありますように、行政機関、これは地方にある国の機関も含めてのものですが、それから私ども地方公共団体、それから国民生活センターは、被害の拡大のおそれのある消費者事故等に関する情報を内閣総理大臣に通知と、括弧書きで、生命・身体に関する重大事故等については直ちに通知と、この直ちにというのは、その日のうちの何時間以内にと、解説があるところでございまして、それからそれを受けて内閣総理大臣は、消費者事故等に関する情報等を集約・分析し、その結果を公表と、これは実際、消費者庁のホームページをご覧になっていただければ、ほぼ、ずっと時系列的に消費者安全法に基づく通知の結果の内容の掲載をしております。それから(4)にありますように、都道府県や市町村の現場から上がってくる消費者事故の情報を受けまして、消費者安全法上、ひとつは事業者に対する必要な勧告を行うだとか、その勧告に従わないときは、命令を行うとかですね、それから急迫したときには、そういった商品を動かすことを禁止するとか制限する、若しくは商品の回収等を命令し、従わないときには罰則があると、非常に厳しい法律立てになっております。
この法律では、私ども消費者センター職員だけではなくて、例えば私ども道路公園部というのが、市内の公園の遊具を管轄しておりますが、一昨年来から、遊具で怪我したというのがあっておりますけれども、ああいうものを消費者センター職員ではない、道路公園部の公園を所管している職員が、知ったときには直ちに、それが重大事故であったら直ちに消費者庁に通報する、連絡することが義務付けられております。
その報告を、認知したにも拘らず怠った場合、長崎市としての責任が大きく問われるようなことになっているというところが、非常に大きな変化かなと思います。この消費者安全法ができたきっかけが、生命・身体に及ぼす消費者事故が多かったというのも、食品関係も含めてですね、そういうのにのった法律立てみたいな感じがするんですけれども、もちろん財産事故、財産に対する侵害というか消費者事故も通知をするようになっています。資料9ページの右側に、これ市役所内部の全所属にですね、こういった手続きを踏んで、消費者事故を認知したときは、消費者センターを経由する若しくは、直接、消費者センターを経由しなくても、消費者庁に通知をするというふうな周知徹底をさせていただいているということの手続きの流れでございます。
実は消費者安全法ができる前から、消費者センターでは、危害情報ということで、色んな食品による事故とか、機械器具による事故とかの報告をしておりまして、平成17年度からの統計を載せておりますが、結構件数が上がっているんですね。
そういう中で、平成21年の中ごろから消費者安全法施行以降分も、その中にありますけれども、石鹸ですがキャンディーの外見とお菓子みたいな臭いがしている石鹸を結婚式の引き出物で貰ったと、それをお婆ちゃんが食べたということが実際あったんですが、それは私どもが国民生活センターに相談したら全国の事例で取り上げられて、雑誌の国民生活というのもあるんですが、それにも事案として載りまして、見た目も香りも、まさに石鹸じゃないキャンディーみたいな感じなんですよね。表示自体も小さい字で書いてありますので、やはりそういったものが身近に起こる可能性があるということです。
この消費者安全法の手続きに沿って、私ども市町村は、キャッチしたら直ちに報告して、それがあちこちでも類似の事案が起こってましたら、先ほどの申しましたように、消費者安全法の規定によって、内閣総理大臣が措置が取れるという体制になったところが、大きく変わったなというふうなことです。私どもも認知したら、決してそれを見過ごさないようにやっていきたいなと考えているところでございます。

委員長
ただいまの報告事項について、ご意見。ご質問等ございませんでしょうか。

委員長
報告があったキャンディー型の石鹸は、その後どうなったのでしょうか。

事務局
通常のあっせんの中で事業者に対して問題点を指摘しまして、商品開発企画、そういった面で改良をされるような対応をされております。

委員長
表示を大きくするとか、形を変えるとかの対応ですかね。まあ形を変えてしまったら。こういう形だから、この商品の売りなんでしょうが

事務局
最近は、結婚式が終わって、来賓の方が帰るときに、差し上げたものらしいのですが、今回は、嵩張らないもの、見た目がきれいというのが、気持ちとしてあったようですが。

委員
私も職場で、高齢者の方から差し入れを頂いたときに、「これ皆さんで食べてください」と言って、ケーキの箱に入ったお菓子の形をしたタオルを頂いたことがあります。どうも、高齢者の方は本当にそれが食べ物だと思ってくださったようですが。

委員
タオルのようなものをロールケーキに見立てて売っているのを見たことがあって、私も、「あっ、ロールケーキだ」と見間違えたことがある。

委員
職場の皆で、これって、冗談で言っているのではなく、真面目に「食べてください」と言っているのか、考えてしまった。その方は、多分、真面目に考えて買ってきたんだろうと思いましたが。

委員
食べ物に似せているのは、そこが「売り」で、買う人がいるから、売っているのだから、規制をするのは、間違いのないようにするのはいいことなんだろうけれど、お菓子の形をしているからと言って規制するのもどうかなと思う。

事務局
この分についての改正とか、改善とかは、まず、表示上の問題をきちんとしましょうよねというのは、当然あると思いますので、要は、「これは石鹸ですよ」というのが分かるような情報の提供の仕方をされることだと思います。

委員長
結婚式で配るのもまずかったのかもしれないですね。普通食べ物ですからね。

委員
ケーキの中にろうそくが入っていて、ろうそくがお菓子の形をしている。一緒に食べてしまいそうになる可能性もある。だから表示だけは、まちがえないように表示をしておいていただければと思う。

委員長
それでは、報告事項イについては、以上のとおりでよろしいでしょうか。

(委員了承)

委員長
それでは、次に報告事項のウに関しまして、事務局の説明をお願いします。

事務局
それでは、資料の11ページをご覧ください。前回もこの活性化基金ということで、事業の頭出しの部分をご説明させていただきましたが、その後私ども長崎市におきまして、実際に予算を議会にかけまして、今年度取り組んでおります。この全体のスキームと言うことで、11ページの表のとおりでございまして、長崎県では、県内全域の計画分を合わせまして、3億円の基金を積んでおります。これを3ヵ年で取り崩して、県庁もそうですけど、23の市町村が取り組んでいくことになっておりますけれども、長崎市は下の支援メニューの右側、1.から4.、5.、7.、8.、12.、この6つに取り組むようにしております。なお、この基金を使って、県のほうでは、これからセンターを作るところに配属されるであろう相談員さんの養成事業と言うのを昨年からやっております。
それから12ページでございますけれど、これは、長崎市のほうの予算編成の中で、22年度分ということで予算化をした中身でございます。基本的にはお手元に配っておりますパンフレットですね、これなんか非常に、色々各デザイン会社さんから、企画提案をいただきまして、見やすい内容に刷新をさせていただいたものです。こういうのを使って、どんどん出前講座をやっていきたいなと。それから、中学生向けで、非常に中学生には沢山相談事例がある、携帯電話の関係とか、そもそも契約ということ自体が、わからないといけないなあと思っていますので、そういうものも含めてですね、漫画をかなり使いましたが、授業でも使っていただこうかなと思っております。
まあ、実際、このパンフレットだけではなくて、(5)になりますけれど、中学校の先生方に対しまして、消費者教育の実務指導になることで、中央から講師を呼びまして、実際に自分のところのクラスの生徒さんたちに、外部の講師によるモデル的な消費者教育の実施につきましては、今年もやりましたが、次年度も引き続きやろうと思います。なかなか、現場の中学校では、家庭科の中でやるということだそうですけれど、年間で授業が35時間しかないというお話で、まあ長崎市の教育委員会とも色々お話しをしましたが、現場には余裕がないという話があって、ましてや、小学生では殆ど消費者教育を扱う余裕がないと言うお話しを聞きまして、愕然としまして、小学生でも今、親御さんたちは、安全のため、携帯電話を持たしていると言うのがあると思いますけど、センターにも、小学校の5、6年生の女の子が2人で携帯電話に関する相談に来たこともあります。こういうのを見ますと、私は、小学校では先生たちが忙しいから消費者教育について触れないのは、いかがかなと、ちょっと思います。そのあたりが22年度以降の課題かなと思っております。

委員
子供だけで相談に来たのですか。

事務局
はい。2人で。

委員
保護者がついてくるのではなく。

事務局
はい。放課後に直接。親に相談できなかったのでしょう。

委員
そうでしょうね。

事務局
そういう時代になったのかなと思いまして。そういう実情もございますし、やはり、啓発と言うのは、力を入れても入れすぎることはないのではないかな思っております。そういったことで、次年度から最終年度の23年度になりますけれども、こういった内容でやって行きたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

委員長
ただいまの報告事項につきまして、ご意見・ご質問事項はありますでしょうか。

委員
この基金は3年間で、3億円ということですよね。何か基金の活用の適正を審査する仕組みがありますよね。

事務局
資料の11ページに書いてありますとおり、国のほうが予算をつけたのが、平成20年度の最後のほうで第2次補正予算です。それから21年度の年度当初の第1次補正予算でもつけています。どちらかと言うと消費者行政だけでなく、一般的には景気対策の中に押し込まれた形になっておりますが、実際は景気対策的な意味合いではなくて、もともとは地方の消費者行政を強化しないと消費者庁を作っても機能しないという議論から予算化されております。ですから、そのときに計画を前倒しして審査をするという形で、県を通じまして、国の審査を経て、県内の23市町村からの計画書が、去年の春頃、3月か4月頃に固まったというのがスケジュールなんですね。それで私どもが予算化したのが、昨年の7月に、これも景気対策がらみの予算をあげた、7月の臨時議会がございましたが、そこで予算化をしたものです。3年間で最初の計画と、大幅な変更と言うのが認められない。そのあたりは窮屈です。

委員
途中で改正すると言うことはできないのですか。

事務局
できないということだったです。

委員
私はよく分からなかったのですが、消費者行政基金、3億円でしょう。これ日本全国で3億円のようだけれども。

事務局
これは、長崎県が3億円です。

委員
長崎県が3億円。

事務局
はい。全国的には2百何十億円ですね。2回補正しておりますので。

委員
じゃあ、長崎県で3億円として、これは何年間分ですか。

事務局
3年間の計画全部を集計して3億円になるんです。長崎県では。その中には県が行う事業も入っておりますし、市町村が行う事業も入っています。

委員
そうすると、3億円3年間で予算立てがなされていると。それで、今年は600万円というのが、長崎市分ということで、長崎市には600万円配分しますよと言うことですか。

事務局
要するに、今、3年間で2千万円ほど貰うということです。結構、長崎市は頑張ったほうじゃないかなと。実際、その基金で、後ほど、お帰りに見ていただこうと思っておりますが、相談室を改修しまして、プライバシーと相談員の安全の両方を確保しまして、完了させていただきました。それと録音装置を導入いたしまして、最近事業者だけでなく消費者からもハードクレームがありまして、言った言わないの話になりますものですから、もちろん、メインは事業者とのやり取りを、全てではなくて、場合によっては途中から、録音させていただくと言うことを想定したものです。

委員
途中から録音と言うのは相談を受けたときに自動的に録音できるものになっているのですか。

事務局
録音ボタンを押せば、録音できるようになっております。

委員
では、録音するかどうかは、相談を受けた人の判断によるものになっているのですか。

事務局
相談を受けた相談員の判断になっております。

委員
録音をする、しないで相談者とトラブルになったりとかにはならないのでしょうか。

事務局
予め録音しますよと言うのを言わなくても法律上は違法ではないということで消費者センターだけではなく、市役所全体が色んな苦情やクレームがございまして、中には不当要求みたいなこともございますし、そういう一定の整理をした中で、総務部のほうで統括しております。今から録音しますよ。いいですか。という了解は貰わなくても録音できるということでございます。

委員長
民事上は問題はないようですね。警察の捜査だったらまずいんでしょうが、民事上であったら、秘密録音テープなんかでも証拠として、裁判所が認めてくれますのでね。

委員長
パンフレットは、市の全部の中学校の生徒に配ると言うことですか。

事務局
予算の都合もございまして、計画的に配らせていただこうかなと思っております。パンフレットだけ送付しても、梱包を解かないままにされることも、なきにしもあらずかなというところがありまして、中学校の家庭科の先生たちの部会がございまして、ある中学校の先生が部会長をしておりまして、その部会長の先生と、ずっと協議をさせてもらっておりますが、そういった中で、やはり、こういう言い方が妥当かどうか分からないのですが、先生方お一人お一人の意欲と言いますか、ご認識次第では、格差があるのかなと、取り組みのですね。そういうところでは、私どもは効果的に実施したいなと。ただ、そうなると、本来、そういう教師がいないところの中学校の生徒さんたちは、不平等じゃないかということも当然ございますので、そのあたりを含めて、有効に啓発をしたいなとおもっております。それからパンレットを貰うだけでは十分ではないのかな。やはり先生方が、自らの創意工夫で授業時間を確保して、これは一つの教材でしかないと私は思っているのですが、色んな市販の教材みたいなものもございますし、やはり、教師お一人お一人の意識を高めることが、大事かなと思っておりますので、そういうところを取り組みたいなと思っております。

委員長
受験で出ない科目だと、あまり教えないのかもしれないですしね。

委員
やはり、授業時間の関係もあるでしょうし。

委員
でも、日常の生活で、中学生や小学校の高学年から、本を買ったりするのは自分で買ったりして、トラブルに巻き込まれると言うのはあるでしょうから、どこかで消費者教育というのをしておかないといけないのでしょうね。

事務局
その部分の埋め合わせではないのですが、今から4月の時期でございますと、私どもがお願いして、新入生向けのオリエンテーションの中で30分程度でもいいですから消費者教育といいますか、こういったものを出前講座でやりますからということで、長崎大学の経済学部も、長崎総合科学大学もそうですが、あと長崎外国語大学、結構、受入れてきてもらってきています。
卒業シーズンは、既に終わりましたが、卒業する方向けに、さらに社会に出るとワナが待ち構えておりますので、私ども、結構専門的な、クレジットの話とかなりますので、職員ではなくて、相談員を講師にして派遣をさせてもらっています。
結構、常連となっている学校もありますが、県立高校は、こういう取り組みは、薄いようです。私立は、結構満遍なく出前講座の依頼が来ます。

委員
大学に入っても、親に頼るという、例えばショッピングとか物を買うのでも、親に頼るのですね、買い方が分からない。だから、勉強ばっかりしてきますからね、高校、大学と。そして大学の講師になるという人は、勉強ばっかりでしょう。自分で物を買うと言うのが億劫になるのかもしれないのですが、やっぱり、親に頼ってしまう。ああ、この人買い物できるのかなと。だから、土地や建物を買うにしても、やっぱり、ある大学の教授だったけれども、お父さん、お母さんに頼っている。自分で買い物するのは難しいんだなと思う。自分の専門分野は得意なんだろうけれども、社会生活では、警戒するんでしょうね。うまくいかないんじゃないかと。

委員長
お医者さんなんかにも、結構そういう人がいるようですね。話をすれば、ものすごく頭がいい人なんだなというのは分かるのですが、経験が何もないみたいなんですよね。

委員
マルチ商法とか先物とか特に就職できないお子さんたちが、逆に手っ取り早く収入を得ようと思って、引っかかるケースもあると思うのですが、就職ができなくて社会との縁がなくなった人達にも、こういうのが、接する機会がないといけないとは思うのですが。

事務局
メルカつきまちの3階にはハローワークがあります。こういった消費者問題、今おっしゃったようなご指摘の問題があるからだと思うのですが、出前講座を設けたいと言う依頼がありますので、出向いて出前講座を実施しております。

委員長
そういう、授業なんかに取り入れてもらうというのは、国のほうからも、何か働きかけをしているのでしょうか。例えば文科省とか。そこまではしていないんでしょうかね。

事務局
消費者庁が設置されるときの関連法案の審議で、新聞とか国会議事録を見ますと、結果的には附帯決議の形で意見がついていましたけれども、やはり、消費者教育が重要だと、そのための個別の推進するための法律作るかどうかというのがありました。そういう議論はあっているのですが、先程も申しましたように、例えば、私どもが市の教育委員会にいろいろ話をしましても、是非やりましょうと言ったような話は来ないわけですね。国で、中央で議論されているような、文科省も一緒になってやりますというような話しとは、かなり状況が違う話かなと思っております。

委員長
消費者庁にも、頑張ってもらわないと、というところでしょうね。

委員長
では、このウの地方消費者行政活性化基金事業については、以上ということにいたしまして、次に「訪問販売お断りシール」について、説明をお願いします。

事務局
それでは、ここからは意見交換ということで、委員の皆様のご意見をお聞きしたいと言うことで、提出をさせていただいております。資料13ページから、沢山つけておりまして、最後の20ページまででございます。長崎市が作りましたシールは、既に委員の皆様のお手元に配布しておりますように、これ、3つ剥がすようになっていまして、一番上を玄関先みたいなところに、門のところに貼っていただくということですね。目立つように。真ん中のシールと一番下のシールあたりは、部屋の中に、どちらかというと、貼っていただく。しかも、部屋の中でも、特に電話勧誘とかがありますので、電話のそばに貼っていただくという主旨で、裏に説明書きを書いております。高齢者の方に、既に14万枚くらい作りまして10万枚程度はお配りして、メインは在宅の高齢者の方にですね、これは他の高齢者福祉部門の通知の中に、一昨年のゴールデンウィークのときに、同封させてもらって、各世帯にお届けさせてもらっております。あとは、私どもが、それぞれの地域で回ります出前講座とか、市役所の出先機関も含め、公の施設といいますか、そういった施設の窓口に備え付けをさせていただきまして、自由に取ってくださいという形にしているのですが、これが平成20年度予算で作りまして、実際、平成19年度に、シールの計画をしたという経過がございます。
それから、資料は13ページをご参照いただきたいのですが、昨年の12月1日から、特定商取引法の大幅な改正が完全施行されたというふうなことで、この中に、いわゆる再勧誘禁止規定も措置されましたというふうなことがございます。再勧誘禁止の規定は、資料14ページ以降、法律の条文と逐条解説をつけさせていただいております。
この資料13ページの国の一つの文書が投げかけた波紋は大きいというふうに私どもは受取っております。というのも、この文書の中ほどですが、「契約を締結しない旨の意思」を表示する方法に関しては、消費者が明示的に契約締結の意志がないことを表示した場合を指し、具体的には、事業者からの勧誘に対し、「いりません」「お断りします」などと伝えることが必要であるというのが法律の解釈であるようですが、その次の、「例えば」とありまして、「訪問販売お断り」と記載された張り紙・シール等を貼っておくことは、意思表示の対象や内容、表示の主体や表示時期等が必ずしも明瞭でないと、いわば、今勧誘を受けているこの商品はいらないということが明示されていないと言うことだろうと思うのですが、そういった表示の主体とか表示時期等が明瞭でないと言うことで、特定商取引法においては、そういった張り紙・シール等を貼っておいても、契約を締結しないという意思の表示には当たらないというような解釈を示したところでございます。
そうなると、長崎市だけではなくて、結構自治体ではこういったシールを作っているところがあるのですが、これを貼ったけど効果がないではないかという話になるわけです。国もそういっているじゃないかと。ただ後段で、法律はそういうふうな解釈なんですよと言いつつも、他方で、地方自治体や消費者個々人で張り紙とかシールとか貼って、訪問販売をお断りするという意思を明らかにするという行為が取り組まれているけれども、また、自治体の条例で、そういった張り紙やシールを無視して消費者を勧誘する行為は、不当な取引というふうなことで、指導や勧告、公表の対象とする条例もあると国も認識しておりますと書いております。それから、そういった取り組みは、それぞれの地域で消費者トラブルを防ぐ有効な手段ではあって、国の定めた特定商取引法における再勧誘禁止規定の解釈で、その条例を邪魔するつもりはありません、何ら影響はありませんという言い方なんですけれども、そういうことで、自治体が条例でやっていることは、国としては何らコメントしないといいますか、それはそれで、補完しあうものという考えのようです。
また、最後のところで、そういったお断りと言ったシールがあるときには、事業者は商道徳上、そういった消費者の意思を尊重する必要があるのではないかというようなコメントをつけておりまして、私どもも長崎市の消費生活条例がありますが、この中では、そういったシールを貼っていることで勧誘にいってはならないと言う規定はないわけであります。だから、よその自治体で言いますと、大阪府が明らかに拒絶の意思を示した者に対して勧誘することは不当な行為なんだと規定しておりまして、その条例の解釈の中で、拒絶の意思を示している状態が、こういったシールなり、張り紙をしている状態を言うという示し方をしております。これはかなり踏み込んだ示し方なのですが、ところが、法律はあくまでも最初訪問をしてノックをすることまでを禁止しているわけではないのですね、1回目ノックをして、消費者の方が「何ですか」といって、「これこれでセールスに来ました」と言うところまでは、法律上、何ら規制をしていない。ところが大阪府あたりの条例で行きますと、仮に張り紙を貼っていた家は、それはダメですと、ノックしてもダメなんだということになるのではないかなということなんですね。そうすると、営業の自由を条例が禁止できるのかという、かなり高度な法令上の解釈・判断が必要になってくると言うことでございます。私どもは長崎市の条例で、そこまで想定して作っている条例ではなかったわけですし、条例の後に、当然、この特定商取引法の改正で再勧誘禁止の規定が盛り込まれたと言うこともございます。
今後他都市の実情も踏まえまして、私どもといたしましては、せっかくシールを作ってお配りしていることもありますことから、どういう風な整理をしてよいのかなというのは、非常に悩ましいところがございまして、片方では特定商取引法に改めて再勧誘禁止規定が盛り込まれたということと、既に地方の自治体では、このシールの効果を担保するために、条例のなかで、初回の訪問から禁止していると言う踏み込んだ事例もある中で、長崎市として、今から研究していかないといけない課題であると言う認識はあるのですが、いろいろ、時間をかけて、委員の皆様方のお知恵をお借りしながら、研究していきたいと考えておりまして、そのあたりにつきまして、ご議論をいただいて、私どもに対する提案をいただきたいと思っております。以上説明を終わります。

委員長
はい。ただいまの「訪問販売お断りシール」のことにつきまして、ご意見・ご質問はありますでしょうか。

委員
実際に高齢者世帯におきまして、どの程度貼っているのか。

事務局
詳しい数字は不明ですが、エピソード的に申しますと、これをお配りした平成20年の夏以降、私どものセンターに相談に来られた高齢のご夫婦だったと思いますけど、相談員さんが、「シールをどうされていますか」ということを尋ねたところ、「これは知っていた」と。実際には被害にあった後なのですが、「これがあるから、センターに電話して、今日、来所した」ということで、一定、連絡先を伝えるという目的には達しているのですけれども、消費者被害にあわないよう注意してくださいというところまでの効果はなかったのかなと言うことなんですね。その方は、玄関には貼っていなかったようなんですね。電話口には貼っていたみたいですね。これを見て電話をかけたとおっしゃっていますので。
実際に、その後の出前講座あたりで、そのときもこれをお配りしておりますし、どうですかというお話も聞いているのですが、両方ご意見があるのですが、これを貼ると、あたかも、うちは高齢者ばかりなので、来てもらっては困るという、これがそういう目印になるというご意見もいただきました。積極的な方からは、「これは助かるので、これを貼っておかなくては」といって、出前講座のときに配布したものを持って帰る高齢者の方もいらっしゃるわけです。やはり、何らかの効果を側面支援するための、例えば条例でするとかいうのがあれば、また違うのではないかと思うのですが、そういう条例上の根拠はないので、お守り程度に貼っておくと言うことにしかならないのかなと思っております。

委員長
業者に緊張感を持たせるとか言う事実上の効果はあるのかもしれないですね。問題は、大阪みたいに、訪問販売一切お断りと書いた場合、大阪の場合、訪問販売自体をお断りということになるのでしょうか。そうなった場合、一回は勧誘を拒否していて、また再訪問した場合、再勧誘ということになってしまう、そういう条例上の効果まで持たせるべきかどうか、それをした故に何か行政処分などを受けるというのが適切なのかどうかという問題になってくるのではと思うのですけれども。裁判所の特定商取引法に関するそのあたりの判断はまだ示されていないのですけれども、一応、国の判断としては、このステッカーを貼っているだけでは、勧誘を拒否している効果まではないということになっているので、条例で、それ以上に踏み込んでと言うことであれば、さらに強い規制を加えるというようなことになるわけですね。
それがはたして、業者の営業の自由を不当に侵害するのではないかと言う批判に耐えうるかどうか、そこに集約されてくるのでしょうね。特定商取引法が改正されて解説本などが出てきておりますけれども、まだ実際の運用例とか、そのあたりがまだ固まってないところがありますので、今すぐここで結論をというのは、まず無理だと思いますので、継続審議という形にさせてもらって、次の委員会で引き続き審議してもらうと言うことになろうかと思いますけど、ただ、今日は頭出しと言うことで、意見は述べておく必要があると思うのですが。

委員
具体的な数字でこれを貼った家庭が増えたために、悪質な訪問販売の相談が減ったとかいう、数字的なものが出てくれば、ああ効果があるのかなとか、意見を述べることができると思うのですが。

事務局
特定商取引法の規定では、あくまでも再度の勧誘を禁止する前提で、個別具体的に、勧誘を断らなければならないという、消費者側に求めている感じがするのです。業者側には、結構緩やかという感じがいたしますし、その法律の立て方の片方で、条例でシールを貼れば全てドアを開けた途端に行政指導になると言うのが大阪の条例のイメージなのですね。そのあたりは、ちょっと厳しすぎると思います。

事務局
基本的に条例の場合は、通常、横出し上乗せと言っているのですが、例えば補助金を10歳の子に100円給付するという規定が法律にあったときに、いや、うちの市は11歳まで広げて給付しますとか、100円ではなくて110円給付しますと言う場合は、法律の目的に照らして逸脱しない場合は、今でもやっているところはあるのですが、この特定商取引法とシールの関係で言えば、完全に規制条例になりますので、法律の解釈以上のものを、例えば大阪みたいに本当にできるのかなと言うのが、本市の考え方としてはあります。
それと、国が出した解釈でシールを貼っただけでは、契約を締結しない旨の意思表示には当たりませんとなっているのですが、では契約ではなくて訪問すること、第三者が私の敷地に入ってくるのは止めてというのと、どう違うのかとか、非常に微妙なところだと思います。
例えば、訪問販売で、まさに悪質な業者が来るのはお断りするのだけれども、例えば牛乳を飲みませんかとか、新聞を取りませんかとか、そういった勧誘も条例で規制できるのかと言ったら、非常に厳しいと思います。憲法で保証された営業権とか、そういった事業者側の権利を自治体の条例で規制できるのかと言うと、私は厳しいものがあると思います。去年の暮れに出た解釈で、既に法改正の前に、長崎市はシールを配ってしまったので、微妙なところだろうという話をしておりました。これで訴訟になったケースはないのですが。このシールを作ってから、もう3年くらいになりますので、ほとんど色あせてしまっておりますが、次にシールを作るときには、きちんと整理したうえで作るという話をしているところです。

委員長
長崎市のシールの場合、悪質な訪問販売だけですから、うちは悪質でないからいいやと言うことで、これ自体は別に、営業の自由を不当に侵害していると言うことはないと思います。
問題は、訪問販売全部をお断りと言うところまで書けるかどうか、ということですよね。そうなると、例えば牛乳を配達するからとりませんかとか、新聞とりませんかというようなものに対しても、一応断っているということになって、業者が勇気を持って入って、消費者が新聞だったら再勧誘だと言うクレームはつけませんよということだったら、法律には一旦は違反したんだけれども、消費者が許したと言うことになるんでしょうね。
そうすると、新聞の勧誘とか牛乳配達とかに関しても、訪問販売全部をお断りしているシールを貼っているところに勧誘をしようと思ったら、一旦は違法行為をするのだという覚悟を持って、それを乗り越えないといけないということになって、恐らく心理的にはかなりのハードルを課すことになってくるのかなという気がしますね。そういうところまで違法と言っていいのかというのは、かなり根本的な疑問です。

事務局
私どもも、よその自治体、特に大阪はどのように運用しているのかと言うのは、非常に気になるところでございます。そういう事情が収集できる機会もあろうかと思っています。

委員長
大阪府のほうですか。

事務局
はい。

事務局
最終的には、規制条例である以上は、行政処分の問題がありますので、そこまでいけるのかどうかというのが現実と思われます。非常に微妙な問題と言いますか、難しいところですよね条例上は。

委員長
ええ。ただ、裁判では負ける可能性が高いと思われます。

事務局
私も、内部で協議するときは、実際の裁判例はないのですが、自治体にとっては厳しいのではないかなと思っております。そうなると条例の規定自体が違法状態ということになりますので、当然条例で規定するということは、議会の議決が必要ですから、問題としては非常に大きくなります。

委員長
営業の自由を奪われたということで、損害賠償をいくらか支払わなければならないということになってくるでしょうね。

事務局
長崎市としても情報収集には努めてまいりたいと思っております。他都市とか、同じレベルの中核市あたりで追随するところが出てくるのかどうか、それくらいの都市になってくると、法制的な検討は十分行うものと思われます。

委員
例えば、市町村に消費者庁からこういった事例がありますよという報告みたいなものはあるのでしょうか。

事務局
消費者庁からは、そういった報告はありません。自治体が横の連携で照会しあって、情報を収集する形になると思います。基本的に国は地方分権ということになっておりますので、地方自治体が条例を制定して行うことには口出しはしないという立場です。訴訟になって自治体が負けたときには、何か言ってくると思います。

委員長
裁判になると、非常に興味深い裁判なのでしょうが、長崎で裁判やって見ましょうかというわけにはいかないでしょうね。

委員
訪問販売は、他県の業者が多いのでしょうか。

事務局
ご承知のとおり、そういった業者は、桜前線ではございませんが、例えば4月に長崎でそういった苦情があったら、5月は佐賀県でというのが、結構あります。国民生活センターが運用しております、PIO-NETシステムに、消費者センターで受付けた相談内容を登録しております。このPIO-NETシステムが新しくなりまして、今までは県を経由していたのですが、即日情報が集約されるようになります。
ですから、個人情報は見れないのですが、どういう苦情が何県で寄せられているというところまでは分かりますので、国もそれを見ているのですが、そういった意味では、どこでどういった手口が、どこで流行っているのかとか、本市と一緒だなとかは、結構時間がかからず分かるようになります。

委員長
そもそも特定商取引法で、国の解釈で、法令自体が再勧誘の禁止ということで、一回目の勧誘は、営業の自由の範囲内という扱いだろうと思うのです。そうすると、最低限は勧誘行為を認めてやる必要はあるのではないかという気はします。
横出し条例や上乗せ条例の解釈で、徳島市公安条例事件で最高裁の基準を立てておりますけれども、要は、国の規制が最低限の規制で、それ以上の規制は好ましくないのではないかということで、地方のほうで、上乗せする加重するような規制はできないのだという判断を示しておりますけれども、それに当たりはしないかなという気がするのです。

事務局
ちなみに東京都の条例でいきますと、特定商取引法と一緒で、再勧誘を禁止しています。しかも、この条例は特定商取引法の改正前から、そういう立て方をしております。ですから、東京都は、委員長がおっしゃったようなことを念頭に、初回の勧誘まで一律に禁止できないということになったのではないかと思います。

委員長
東京のほうでは、こういうシールは作っていないのでしょうか。

事務局
東京都の事例でいきますと、シール作製については東京消費者団体連絡会みたいな、そういう自治体以外の団体で作って、東京都の条例を活用するような形で行っているようです。ですから、東京都をはじめ、地元の自治体が補助を団体に出して、その団体が作っているというスタイルのようです。

委員長
「再勧誘お断り」だと、シールの内容も、どうなるのかな。考えにくいですね。再勧誘するような業者は、悪質な業者になるのでしょうから、長崎市のシールのような、こういう書き方は、一番適当なのかなという気がしますね。
委員
私も一律に禁止というのは、商業の自由を、憲法で保証されている自由の一つなんでしょうから、難しいと思います。大阪府はこういうシールが貼っていたら、入ること自体が違反になるのでしょう、罰則もあるのでしょうかね。

事務局
実際に条例の条文の中に書いているわけではなくて、解釈の中に書いております。だから、拒絶の意思を示したという条文の意味は、シールを含みますよという言い方をしております。

委員長
解釈だから、解釈を後で変えるという可能性はあるわけですよね。

事務局
そうですね。

委員長
今の段階では、消極的な意見が多いような気がするのですが、引き続き他都市の情勢とか、実際の事案とか、実際に事例が出てきて、これが再勧誘の禁止に当たるというのが出てきて、裁判所で争うとかですね、そういったケースが出てくればかなり参考になると思うのですが、そういうものを踏まえて、行うということにしましょう。今の段階で直ちに条例の内容を大阪みたいに変えてしまうというのは、ちょっとまずいだろうというような感じはします。

事務局
私どもも鋭意情報収集にあたり、次の委員会で提供したいと思っております。

委員長
それでは、訪問販売お断りシールの件については、以上でよろしいでしょうか。

(委員了承)
最後になりますが、今後の委員会の予定について、事務局から説明をお願いします。

事務局
長時間にわたり、ご審議ありがとうございます。今後の予定については、本日の議事録を作成する予定ですが、その承認の方法につきまして、それと今後の会議の招集のこと、それと委員の皆様の任期の問題ということがございますので、この3点についてお知らせします。
一つ目の議事録の承認についてでありますが、こちらで整理した議事録案を皆様に郵送して、内容について変更があれば朱書きで訂正したものを返送していただき、さらにそれを整理いたしまして、委員長のご了解を得て、議事録公開という流れを考えております。次に今後の会議の招集についてですが、事業者名の公表を検討するような悪質な事案が出てきた場合は、随時開催させていただく形になります。そういった事案がない場合でも年に1回は、定期的な報告の機会を設けさせていただきたいと思っております。
あと、委員の任期のことなのですが、現在の委員の皆様につきましては、平成22年6月30日までが任期となっております。長崎市の消費生活条例では、学識経験がある方とか行政機関の方から市長が委嘱するとなっております。新しい委員の件につきましては、新年度になりましてからできるだけ早々に、関係団体の皆様にご相談させていただきたいと考えております。事務局からの説明は以上です。

委員長
それでは、今の委員については、今回の委員会で終わりということで、最後の会議を終えました。次の委員がどのようなメンバーになるか分かりませんけれど、これまで4年間、長い間どうもお疲れ様でした。ありがとうございました。それではこれで終了いたします。

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