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更新日:2013年3月1日 ページID:006433
原爆被爆対策部 被爆継承課
第33回 原子爆弾被災資料協議会
報告事項
おしらせ 委員の交代のお知らせ
(進捗状況等)
三菱兵器住吉トンネル工場跡の概要と進捗状況については、前回までの被災資料協議会で承認をいただいているように、1号トンネルから6号トンネルまでのうち、3号から6号トンネルまでの4本は、地中に埋設保存しております。道路拡幅部分は橋梁構造として、1号、2号トンネルについて、公開に向けて保存・整備工事をしております。現在、橋台と橋梁部分を施工中でございます。橋梁構造の下部分では、説明板を読んだり、トンネル内部をトンネル入口の防護柵越しにご覧いただいたりできる見学スペースとしております。2号トンネルについては随時公開を考えており、内部見学希望の団体等には安全面の確認等をした上で門扉の鍵を貸与し、入壕して見学できるような公開や、国連軍縮週間の土曜日曜又は原爆祈念式典の8月9日前後の日等、期間を限定して、原爆資料館職員等を見学スペースに配置しての公開を考えております。なお、入口から約8メートルより奥は民有地なので、それより奥への立ち入りは禁止したいと考えております。
(報告)これまでの協議会の結果を踏まえまして作成した、三菱兵器住吉トンネル工場保存整備工事の仕様について説明します。
(質疑応答)
委員
立山防空壕には案内と監視を兼ねた人がいるが、住吉トンネルについては、このような配置は必要ないのか。
事務局
これまでの被災資料協議会で承認をいただいているが、住吉トンネルには立山防空壕のように常時の監視員を配置することは考えておりません。その代わりに、保安上の問題や、見学のしやすさを勘案し、見学スペースの常夜灯や、壕内を照らすセンサー式のライトを設置したいと考えている。また、随時公開として、祈念式典の前後や、国連軍縮週間中などには職員等を配置したいと考えているし、また、どうしてもトンネル内部を案内したいという場合には、注意事項等を十分に説明して了承を得た上で、例えば届出を受けて鍵を貸与し、二号トンネルの8メートルのところまで入って見学ができるような形で、運用をしたいと考えている。なお、入口からのコンクリート部分の先に素掘り(補強を行わずに掘削すること)の部分になるが、その岩面が見られるように、民地との境界の入口から約8メートルのところからライトで奥の方を照らすように考えている。また、見学スペースがたまり場等にならないように、そこがいつも見渡せるような、高い輝度の照明を設置するように考えている。また、保安上の対策として、すでに浦上警察署の生活安全課にも、パトロール上で注意をして欲しいということをお願いした。
委員
この場所の管理は原爆資料館が行うのか、それとも市として行うのか。
事務局
原爆資料館が管理責任を負うようになると考えている。
委員
案内標識は4か国語表記ということだが、説明板はどう考えているのか。
事務局
案内標識、説明板共に4か国語表記で行いたいと考えている。
委員
入口から8メートルの間に、隣のトンネルとの通路は残らないということになるのか。
事務局
6本のトンネルは隣同士横につながっている通路があるが、その通路は相当奥であり、今回1号・2号トンネルの取り巻き補強することで閉塞される通路はない。なお、トンネル奥の素掘りの部分は非常に落盤をしやすい状況で、また、足元も非常にぬかるんでおり、非常に危険である。
委員
完全に閉塞しないということは、動物が壕内に住み着き、衛生環境が悪化することは考えられないか。
事務局
猫等の出入りはあるかと思う。これを防止するようにすると、外からの見学に支障があると懸念される。今のところはその防止というのは特別考えていない。
委員
照明の点灯はどのような仕組になるのか。
事務局
トンネル内の入口側、奥側とも、トンネル入口外側の人感センサーで同時に点灯を考えている。見学スペースの常夜灯は、自動タイマー(日没タイマー)を考えている。
事務局
(平成21年)今月8月18日に第31回作業部会が開催された。被爆建造物等の取扱基準Bランクにある、現在の活水学院中学校・高等学校である鎮西学院中学校と山里小学校の防空壕の現状確認、および、現在事務局で調査中の懸案についてご協議をいただいたので報告します。被爆建造物等の対象になるのは、活水中学校・高等学校校舎1~4号館のうち1号館になります。この1号館は昭和5年1月に鎮西学院中学校校舎として完成しており、鉄筋コンクリート4階建、一部地下1階の建物だったが、原爆で4階部分が全壊、3階は爆心地に面した北側半分が崩れました。昭和25年に活水学院へ売却され、1階、2階は補修し、3階,4階は破壊された部分を取り除いて新しく造られたということです。この1号館については、活水学院の方で建て替えを検討していることであったので、現況の確認と、今後の対応についてご協議いただいた。
その結果としては、作業部会としては、本日の被災資料協議会で報告し、他の委員の賛同が得られたら、まずは、活水学院の意向を尊重しつつ、南側の一部を何とか残せないかということと、解体時に被爆の痕跡がある物が出た場合には原爆資料館にご連絡をいただけないかということを、口頭で活水学院にお願いしてはどうかという意見でまとまった。
次に、山里小学校の防空壕については、壕内の土壁を固めていたものの表面が剥離しているということで、現況の確認と、今後の対応についてご協議いただいた。
その結果として、作業部会としては、今後のメンテナンスを考える意味でも、専門性が高いことなので、業者に見てもらうということで意見がまとまった。
最後に、現在、長崎市でランク付けしている被爆建造物等ではないが、昭和20年当時から存在しているので市で言う被爆建造物等として認めるべきではないかという進言があった山里小学校周辺の木および石垣についてですが、事務局では証人や確証を得ることができませんでしたので、今後の対応についてご協議いただいた。
作業部会としては、まずは現場が写っている写真がないか、確認を行うこととなった。
(作業部会長報告)
(質疑応答)
委員
被爆資料協議会の中の作業部会として写真の調査をしております。現在いろいろ写真を集めているが、現時点では確証は取れていないが、今回の3本のクスの木のうち1本は、当時のものであろうことが写真から解りそうな感じである。他の2本は写真で現場を見た限り、多くの木からの特定ができないのと、年代的に少し小さいと思われる。現地調査をしたいと思う。鋭意いろいろ写真を集めて調査を続行したいと思う。
委員
被爆の痕跡が認められる、認められないという認定の方法、またどういう形でこれがされるのか、疑義がある。前回の作業部会で調査してもらった物件であるが、その後も知人から言われるので、再考してほしい。認定をどういう形でするか、科学的か疫学的か知らないが、その方法について検討する必要があるのではないか。
事務局
木で言えば、見た目の樹齢や、はっきり断定できないが例えば爆心地の方向に非常に損傷を受けているような跡があるとかで被爆したのか検討をする。新たに被爆建造物として取り上げるには、信頼できる写真や複数の証言といった資料、基盤が欲しい。前回の作業部会での調査に上がったもの、そうした根拠たる資料、基盤がなかったのが保留もしくは却下になった大きな要因だったと事務局では考えている。
委員
例えば、これまで調査された中で、どういった理由でランク付けの対象になったのか、ならなかったのか、挙げていって、基準作りのプロセスにしていってはどうか。このプロセスについては、懸案事項として事務局のほうに預かっていただくということで、いかがか。
委員
鎮西学院についてだが、私は当時、ここから近いところに住んでおり、あの日から、この周辺に1週間くらいは居たので、この状況は当時見ている。しかし、現在の活水になってからは、これだけ被爆して痛んでいるところを取り除いてたり、増築している状況なので、被爆の痕跡は外見上は今から見つけることは困難だと思う。何らかの調査をして、これは被爆したんだという何らかの形が出てきたにしても、外見上はまずほとんど見つからないと思う。そういったことでも、資料として残せば見学その他、そういった経路になると思うが、一般の見る人が納得するようなものにはならないんじゃないかと思う。今後、調査検討はしていいとは思うが、現時点での所感を申し上げました。
事務局
住吉トンネルですが、補足説明があります。内部に20センチメートルの崩落防止の為に、20センチメートルの巻き立て工法ということで、コンクリートを巻き立てる部分の、入口から8メートルの部分の真ん中の上部のほうに、開口部ということで、巻き立てする前のコンクリートの壁面を見えるような形にするために、約50センチメートル×50センチメートル枠の開口部を考えている。
会長
基本的には報告があった通り、当委員会で了承したということになります。今後検討事項として、山里小学校の木の件について、写真部会の協力を仰ぎつつ写真等で検証をしていただくこと、被爆建造物等の認定に関することは事務局の方でまたご検討をしていただく、ないしは、今後検討を加えていただくということで意見をまとめます。
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